ジャガー・XJS

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初代XJ-S HE(1981年)

ジャガー・XJ-SJaguar XJ-S )およびジャガー・XJSJaguar XJ-S )はイギリスの高級車メーカージャガーより、1975年から1996年まで販売されたスポーツカーGTカーである。

目次

[編集] 概要

XJ-Sは、ジャガーによってEタイプに替わる新たなスポーツカーとして開発された。しかし実際にはEタイプがル・マン24時間レースで活躍したレーシングカー、CタイプDタイプとのつながりを名前にも受け継ぎ、スポーツカーとして開発されたのとは対照的に、XJ-Sは高級GTとして開発された。それは、サルーンに用いられていた「XJ」のモデル名をその名に冠することからも明らかである。

デザインはEタイプを手がけたマルコム・セイヤーズによるものである。風洞実験を繰り返した結果、リアウインドウの周りには特徴的なフィンが備えられることになり、これがXJ-Sの大きな特徴のひとつとなっている。

エンジンは、当初Eタイプからキャリーオーバーした5.3リッターのV12SOHCエンジンを搭載した。後に3.6リッターの直6DOHCエンジンが加えれられ、それぞれ最終的には6リッターと4リッターに発展した。V12モデルが3速オートマチックトランスミッション(後に4速)および4速マニュアルトランスミッションを搭載、直6モデルが4速オートマチックトランスミッションおよび5速マニュアルトランスミッションを搭載した。

シャシーはXJサルーンのものを使い、ホイールベースを切り詰めて作られた。したがってサスペンション形式はフロントにダブルウィッシュボーン、リヤにウイッシュボーン(ショックを左右それぞれに2本ずつ使う)を採用するという、XJと全く同じものとなっている。しかし、サスペンションチューニングは異なっており、ホイールベースの短縮ともあいまって、サルーンよりも運動性能は高く、ハンドリングにも定評があった。

1991年のマイナーチェンジ時に名称を「XJ-S」から「XJS」に変更している。

[編集] 歴史

[編集] XJ-S(1975年-1990年)

XJ-S(1988年)リアビュー
XJ-SC
XJR-S(ホイールは社外品に換装)

1975年 - デビュー。Eタイプと異なり、当初ボディ形状はクーペのみであった。エンジンは5800rpmで285イギリス馬力を発揮した自然吸気5.3リッターV12SOHCを搭載。ゼネラルモーターズ製3速オートマチックトランスミッションおよび自社製4速マニュアルトランスミッション。アメリカ仕様はヘッドライトが2灯式に改められ、バンパーも大型のものがつけられていた。内装はジャガー独特のウッドとベニヤに満たされた空間ではなく、ダッシュボードは黒一色のビニール合皮で覆われていた。

なお、XJ-Sは当初Eタイプの後継車種として、「XK-F」というコードネームを与えられていたが、後に「XJ27」に改められた。Eタイプにはスポーツカーとしての地位を与えていたが、XJ-Sでは新たな市場を開拓するため、高級GTとしての開発が進められたためである。

1977年 - オートマチックトランスミッションがBW製に換えられた。

1981年 - マイナーチェンジ。排ガス規制に対応すべくエンジンがHE(High Efficiency、高効率の意)エンジンに換えれられる。車名にも「HE」の2文字が加えられた。最高出力は299イギリス馬力/5500rpmに強化された。エクステリアではバンパーのクロームモール、インテリアではウッドパネルの採用が最も大きな変更点である。またクルーズコントロールが採用された。

1983年 - 3.6リッター直6DOHCエンジンを搭載した「XJ-S 3.6」が発表される(カブリオレは車名が「XJ-SC 3.6」)。エンジンはXJサルーンと同じものを搭載。最高出力は221イギリス馬力/5400rpmで、ZF製の4速オートマチックトランスミッションゲトラグ製5速マニュアルトランスミッションが用意されていた。カブリオレはフルオープンになるタイプではなく、オープン状態でもBピラーおよびCピラーが残る、いわゆるタルガトップ形式をとっていた。

1985年 - V12のカブリオレ発表。車名は「XJ-SC V12」とされた。

1987年 - XJサルーンがXJ40系にシフトしたのを受け、3.6リッターモデルのオートマチックトランスミッションがサルーンと同じ型(ZF製4HP22)に変更される。全モデルでステアリングやウッドパネルなどのインテリアに変更を受け、より豪華な仕立てとなる。9月には「XJ-SC 3.6」が生産中止に。

1988年 - 「XJ-SC V12」が生産中止となり、代わりに「XJ-Sコンバーチブル」が発表される。このモデルは完全にオープンとなるモデルであった。イグニションシステムやコーチラインのデザインなど細かな変更あり。また、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)の手による「XJR-S」が発表された。このモデルは強化された足回りとエアロおよびアロイホイールで武装した特別モデルであった。

1989年 - V12・直6モデルのエンジンがそれぞれ無鉛仕様に変更。ステアリングチルト機構が採用されるなど細かい変更を引き続き受ける。「XJR-S」はエンジンを6リッターに拡大し、5750rpmで最高出力318イギリス馬力を発生した。

1990年 - ル・マン24時間レース優勝を記念した限定モデル「XJ-S Le Mans」が発表される。パイピングレザーをあしらった豪華な内装や、サイドシルのロゴなどが通常モデルと異なる。

[編集] XJS(1991年-1996年)

XJSコンヴァーチブル(ホイールは社外品)
XJS 4.0

1991年 マイナーチェンジ。一見するとあまり変わらないが、ボディパネルはおよそ40パーセントが刷新され、生産効率が向上した。

ボディ形状はV12がクーペおよびコンバーチブル、直6はクーペのみの発表であった。エンジンは直6が4リッターに拡大され、223イギリス馬力/4750rpmの最高出力を発生した。V12モデルがGM製3速オートマチックトランスミッション(GM400)のみとされ、4リッターモデルはZF製4速電子制御オートマチックトランスミッション(4HP24)およびゲトラグ製5速マニュアルトランスミッションとされた。外見上最も顕著に変化したのはテールの意匠で、特徴的であった三角形のテールランプは廃止され、スモークアウトされた横長のテールランプとなった。他にも排気量の大きくなったエンジンを収めるためにボンネット形状が改められたり、フロントグリルやサイドリアウィンドウの意匠が変わったりと、変更は多岐にわたっている。 内装もそれまでと比べるとずっと豪華になり、メーター類のデザインもXJ40と同様のものに改められた。日本国内におけるモデルのシートは、V12が本皮シート、直6モデルはハーフレザーシートという設定であった。本国では4リッターにも本皮シートがオプションで用意された。

1992年 - 4リッターのコンバーチブルが発表された。また、運転席のエアバッグが標準装備となる。

1993年 - すべてのモデルが黒い樹脂製バンパーから、大きなカラードバンパーへ変更となる。V12コンバーチブルが2人乗りから後席を設けた2+2に変更となる。V12モデルはクーペ・コンバーチブルともにエンジンが6リッターに拡大され、3速オートマチックトランスミッションからGM製電子制御4速オートマチックトランスミッション(GM400 E)に変更される。最高出力は318bhp/5250rpmを発生した。

1994年 - 4リッターモデルのエンジンが、次期XJ(X300)に搭載されるAJ16エンジンに変更された。最高出力は238bhp/4700rpmを発生した。その他変更としては、助手席エアバッグが標準装備となったのに加え、シート形状がヘッドレスト一体型に変更された。V12モデルのシートはラッチドレザーとされ、より豪華さを増した。また、エアコンが日本電装製のものになり、信頼性が大幅に向上した。ただし、これらの変更は同時に行われたわけではなく、車によりそれぞれの導入次期が入れ違っている。

1995年 - V12モデルが生産中止。ただし特別に注文があった場合は生産された。翌年の生産中止を控え、4リッターモデルはセレブレーションモデル(日本ではリミテッドとして50台限定発売)を発表。本皮シートを標準装備するなど豪華な仕立てとなっていた。

1996年 - 全モデル生産中止。XK8が後継車種となる。

[編集] 特殊なモデル

ここでは特に有名なモデルのみ取り上げる。このほかにもケーニッヒやリスター・カーズがチューニングを行っている。

[編集] リンクス・エンジニアリング

イヴェンター
XJスパイダー(XJ Spyder
XJ-Sクーペをベースに1979年から作られたコンバーチブルモデル。ジャガーディーラーでは入手不可能で、リンクス・エンジニアリング社は注文販売のみ行った。
イヴェンター(Eventer
1983年に製造が開始されたモデル。いわゆる「シューティングブレーク」と呼ばれるタイプの車である。リア部分全体を延長し、ステーションワゴンとして作り変えている。そのため後席は通常のクーペに比べ大幅に居住性が増している。リンクス・エンジニアリング社によれば、「XJ-S 3.6」からフェイスリフト後の「XJR-S」に至るまで、すべてのグレードのイヴェンターが存在するということである。

[編集] アーデン

AJ2
アーデンより発売されたV12モデルのコンバーチブル。ルーフはカルマンが手がけており、注文でハードトップも選べた。ノーマルと最も違う点は、5.3リッターのV12でも4速を搭載することと、マイナーチェンジ以前からコンバーチブルに+2のシートを設けたことである。外見では、リップスポイラーやサイドシルなどで判別が可能。
AJ3
前述のイヴェンターと同じく、ルーフを延長しステーションワゴンに仕立てたモデル。
AJ6
「XJR-S」をベースにチューニングしたクーペ。ノーマルと違い、リアのサイドフィンがなく、「XJ-SC」が幌をたたんだときのようなグリーンハウスの形状をしているのが最も大きな特徴。主に排気系や足回りにチューニングを施している。AJ2と同様に、V12だが4速オートマチックトランスミッションを搭載している。
AJ7
「XJR-S 6.0」(マイナーチェンジ後のモデル)をベースに作られたクーペ。AJ6とは違い、リアのフィンはそのままである。エンジンは、最高出力を345馬力まで引き上げられており、それを受け止めるべくホイールも18インチの大径のものが使われている。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ


最終更新 2009年7月17日 (金) 11:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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