スズキ・カタナ
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スズキ・カタナ(カタナ)とは、スズキ株式会社が販売していたオートバイの車種。シリーズとして排気量別に数車種が生産されていたが、当初はGSX1100Sカタナ(輸出商標・KATANA)のことを指した。
目次 |
[編集] ケルンの衝撃
スズキがGSX1100Eを基本とする新車のデザインを、工業デザイナーのハンス・ムートに依頼し発表されたGS650Gがその起源。その後1980年、ドイツのケルンでショーモデルとしてGSX1100S KATANAとして発表したのが始まり。そのあまりに先鋭的なフォルムが反響を呼び、「ケルンの衝撃」といわれた。日本刀をモチーフとし機能と美を両立させたデザインや、基本性能の高さで注目を集めた。ショーでの評価は真っ二つに分かれ、少なくともこのままの形で市販されることは無いだろうというのが一般的な推測だったが、それは覆された。スズキはターゲット・デザインに対し、「こちら(スズキ)はデザインの邪魔は極力しない。だから、そちら(ターゲット)もデザインが機能の邪魔をするのは極力やめて欲しい」と注文を付け、そこからターゲットとスズキの信頼関係が築き上げられたそうである。プロトタイプには無かったフロントスクリーン(前面風防)が追加され、高く上げられ視界を妨げていたメーターが低く直された事は両者の協力関係がうまく行っていた事の証左だろう。そして1981年に輸出販売が開始されると大ヒットとなった。
ところで、「ハンス・ムート氏に依頼し…」というのはスズキの公式なアナウンスであったが、実際には「ターゲット・デザイン代表ハンス・ムート氏に…」であった。時代的には前後するが、ムートがBMWバイク部門でデザインの仕事をしている時に、スズキから次世代ツーリングバイクのデザインに関して協力要請があり、そのオファーを受けムートがBMWを退社、その時にBMWのデザイナーを二人誘い[1]ターゲットデザインを設立する。独モトラード誌のプロジェクト(「未来のモーターサイクル」と名付けられたプロジェクトだったが、ターゲット社はMVアグスタをベースにし、あくまでデザインに拘ったマシンを出品、"ROSSO RAPTOR"(赤い猛禽類)と名付けられた)に参加。その後にスズキのプロジェクトに正式に加入し、GS650GとGSX1100Sを発表する。しかし、ムートがあくまで「ターゲットデザイン社代表」という形で参加したにもかかわらず、スズキの公式発表は「ハンス・ムートデザイン」であった。そのためターゲットデザイン社内でムートの立場が無くなり、ムートはターゲットデザインを追われてしまう。この事はあまり表沙汰になっていないが、三栄書房の雑誌「カースタイリング」誌の本人のインタビューで詳しく語られている。
[編集] 750のカタナ
日本国内では当時、国内販売向け二輪車種の排気量は750ccを上限とする自主規制があったため、1982年に国内向けのGSX750Sが発売されたが、当時の車両保安基準のためハンス・ムートのデザインとは異なるハンドルのバーが妙に高い位置になるアップハンドルで市販されたことから、「耕耘機(こううんき)ハンドル」と揶揄された。さらに、輸出仕様車にはあった“刀”ステッカー(書類に同封されてはいたが)と前面風防は付けられておらず、車名に「カタナ」の文字も入れられなかった。特にハンドルについては、所有者が輸出仕様の1100cc用のハンドル部品を取り寄せて交換することが少なくなかったが、当時はこの改造が違法改造とみなされ警察もこの改造を集中的に取り締まることが多く、その取締は「刀狩り」と呼ばれていた。 その後のモデルチェンジで認可基準の見直しにより750ccモデルでも前面風防の設置・ハンドルの変更などが行われたが、1984年GSX750S2をもって海外販売も含めて一時的に全ての生産が終了された。一方、輸出仕様はGSX750SD(車体形式R701)が継続生産された。その主な特徴はGSX1100Sと同様のアルミ鍛造セパレートハンドル、ピストンの中央部を盛上げる等により圧縮比を本来にもどしフルパワー化した点で、エンジン自体の色が黒のものも存在した。尚、750ccのカタナでは3回のモデルチェンジが行われていた。3型・4型はハンス・ムートデザインとは大きく異なり、リトラクタブルライトが採用され、新設計のエンジンを搭載など斬新な特徴を備えていたが、初期型のインパクトのあまりの強さゆえか、発売当初は特に人気面で低迷した。後年になって「3型カタナ」はコアなファンに強く支持され、意外と多く現存している。尚、その新設計のエンジンは、後のGSX750E4に搭載された。
[編集] 1100カタナの復活
最初に販売された1100ccモデルについては、1987年に生産終了したが最終限定車として初期型SZカラーの1100SAE(SUZUKI SBS店の要望)と 赤フレーム、赤シート、赤フェンダーの1100SBE(セイワモータース要望)の2種類があった。逆車ではあるが国内販売前提生産であったので国内向けライト光軸、シートベルトが標準で付いていた。生産終了後も高い人気が出てプレミアムで中古車価格が高騰し90年の復刻へと続いた。1990年に復刻モデルとしてGSX1100S KATANAが限定逆輸入販売された。この復刻車はアニバーサリーモデルとしてタンクに専用のステッカーが張られていた。その後1100ccを模した250cc・400ccの車種も順次販売され、これらも高い人気を博した。そして国内の二輪排気量上限撤廃を受け、1994年には遂にGSX1100Sカタナの国内販売が開始された。ただ、この国内モデルは、パワークラッチが装着され、リアサスのショックアブソーバーもリザーバタンク別体式になるなど、細かなところで従来モデルとの差別化がなされた(但しタイヤ/ホイールサイズは同一であるほか、ブレーキも登場時のまま)為か、従来モデルとは形式が異なっている為、車検証を見比べると全くの別車種である。 但し、外観上では前述のパワークラッチや別体式ショックアブソーバーが装着された事や国内向けにデチューンされたエンジン以外は従来型とほぼ同一と見て差し支えない。
他の排気量が販売を終了しても1100ccだけは長い間人気を維持し続けたが、エンジン設計が古いことから環境規制に対応することが困難と判断されたため、2000年にファイナルエディションとして改良限定発売した1100台の即時完売をもって販売を終了した。
しかし今なおGSX1100Sカタナの人気は高く、ホンダCB750FOUR・カワサキZ-1に並ぶスズキの伝説的オートバイとしての地位を確立しており、入手可能なスズキの現行バイクをカタナに模して販売している店まで存在するほどである。また、程度の良い中古車にはプレミアが付き、新車以上の価格で販売されることも珍しくない。特にファイナルエディションにおいては、この現象が顕著である。
[編集] カタナにまつわる話
- TVドラマ『西部警察』で舘ひろし演じる鳩村英次刑事がブラックカラーのカタナをPARTIIから使用していた(この縁で、後に舘はカルタスのCMに出演したと言われている。また、実際これに影響されてかカタナを捜査活動で使った刑事がいたという話もある)
- 西尾維新のライトノベル、戯言シリーズの作中で、登場人物の匂宮理澄がカタナを愛用している。
- 「KATANA」の商標はスペインで生産された50ccスクーターなど、異なる販売国の数車種に渡って使用された。また、インドネシアではジムニーが「KATANA」の名称で現地生産されたことがある。
[編集] 「カタナ」のサブネームが付けられて販売された車種
- GSX1100Sカタナ
- GSX1000S KATANA(海外のみ・レース規格対応用)
- GSX750S
- GSX-F750
- GS650Gカタナ
- GSX-F600
- GSX400Eカタナ
- GSX400Sカタナ(タイヤサイズとブレーキは改良)
- GSX250Eカタナ
- GSX250SSカタナ(ホイールは他種と別デザイン)
- いわゆるKATANAスタイルの中で、250ccのみGSX250SSとなっている。ちなみに、GSX250SはCOBRA。
- GS125Eカタナ
- カタナ50(スクーター・欧州向け)
250と400においては過去にGSX250E KATANAとGSX400E KATANAというモデルが1980年代に存在していた。これらは燃料タンク形状とサイド・カバー形状をオリジナルのGSX1100E KATANA風にしたものであり、1990年代に発売されたオリジナルの1100S KATANAそっくりであった250KATANAと400KATANAとは全くの別物である。北米に出荷した油冷エンジン搭載車はGSX-R以外に車種のペットネームは総てKATANAのネーミングが付いている。 ※GSX400Sカタナ、GSX250SSカタナは水冷。
[編集] 関連項目
- スズキ・ストラトスフィア
- カタナを彷彿させるデザインのコンセプトモデル。
[編集] 外部リンク
- GSX1100Sカタナ・ファイナル エディション
- ユニコーンジャパン(カタナ専業で有名)
最終更新 2009年10月20日 (火) 11:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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