スバル・EJ25

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EJ25 DOHC デュアルAVCS ターボ
レガシィB4

EJ25とは、富士重工業が生産する排気量2.5Lの水平対向4気筒エンジンである。2代目レガシィに初めて搭載された。北米市場ではトライベッカを除く全車種に搭載される主力エンジンとなっている。

目次

[編集] 概要

EJシリーズの核となるEJ20に対してボアを7.5mm、ストロークを4mm拡大した、EJシリーズ最大排気量のエンジン。過去にはDOHC NAエンジンも存在したが、現在では、SOHCはNA、DOHCにはターボの組み合わせである。なお、低回転域のトルクが重視される北米市場では、このEJ25がスバル唯一の4気筒エンジンになっている。

2.5L級の4気筒エンジンは主運動系の慣性力が大きいため、直列エンジンではバランサーシャフトを用いて振動を抑えるのが普通である。これに対し、EJ25は「理論上、ピストン系往復質量による不平衡慣性力が生じない」という水平対向エンジンの特性により、バランサーシャフトという追加装置なしでも大きな振動を発生しないことが強みである。

SOHCエンジンは専用の動弁系を使用し、ボアの拡大にあわせてバルブピッチも拡大している。 しかし、初期のDOHCエンジンはEJ20用をベースとしたシリンダヘッドを使用していた。現在でも燃焼室形状を除いてバルブ径、バルブピッチなどのレイアウトはEJ20と全く同じになっている。

EJ25のみに採用されている技術としてi-AVLS (i Active Valve System) がある。これはホンダVTECと似た機構により可変バルブリフトを実現するシステムである。ロッカーアームを持つ、SOHCエンジンの吸気側にのみ採用されている。 i-AVLSは低回転域では片側の吸気バルブを低リフトで開くことで流速の大きなスワールを発生し、中高回転域では両方の吸気バルブを大きくリフトさせ充填効率を上げることで、低回転のトルクと高回転での伸びを両立している。また、低回転ではバルブリフトが低いためカムシャフト駆動トルクが減少し、燃費向上につながっている。 なお、この機構はトヨタ系動弁系部品メーカーのオティックス製である。

[編集] 基本仕様

  • シリンダ配列:水平対向4気筒
  • サイクル:4ストローク
  • 燃料:ガソリン
  • 燃料供給方式:EGI
  • ボアピッチ:113mm
  • デッキハイト:201mm
  • クランクジャーナル径:60mm
  • クランクベアリング数:5
  • 排気量:2457cc
  • 内径×行程:99.5mm×79.0mm

[編集] バリエーション

EJ25は、動弁系の差異、ターボチャージャーの有無などにより多くのタイプが存在する。

[編集] SOHC

オーソドックスなシーソー式ロッカーアームを持つSOHCエンジンである。海外向けを中心に多くの車種に搭載されたが、現在は全て後述のi-AVLS付きのエンジンに切り替わっている。

日本国内では4代目レガシィアウトバックに初搭載された。 圧縮比は10.0で、最高出力は165ps/5600rpm、最大トルクは23.0kg・m/4400rpmであった。 なお、使用燃料は無鉛レギュラーガソリンである。

[編集] SOHC i-AVLS

上記SOHCエンジンに可変バルブリフト機構i-AVLSを追加したエンジン。SIA[1]で生産された北米向けレガシィシリーズに初搭載され、インプレッサフォレスターにも展開された。現在は全てのEJ25 SOHCエンジンが、このi-AVLS付きとなっている。

日本国内では、2006年のマイナーチェンジで4代目レガシィのアウトバックに搭載された。 圧縮比は10.0で、最高出力は177ps/6000rpm、最大トルクは23.4kg・m/4400rpmであった。 2007年にはツーリングワゴン、B4にも拡大展開された。

[編集] DOHC NA

1994年、2代目レガシィに初搭載された。 シリンダヘッドはEJ20 DOHC用のものを流用している。 そのため、シリンダヘッドの燃焼室形状はEJ20のボア径、92.0mmに収まる形状になっている。 圧縮比は9.5で、最高出力は160ps/6000rpm、最大トルクは21.5kg・m/2800rpmであった。

1996年のマイナーチェンジで圧縮比が10.7まで高められ、最高出力は175ps/6000rpm、最大トルクは23.5kg・m/3800rpmになった。 なお、いずれも使用燃料は無鉛プレミアムガソリンである。

[編集] DOHC AVCS NA

1998年にフルモデルチェンジした3代目レガシィに搭載された。吸気カムシャフトには連続可変バルブタイミング機構であるAVCSを採用している。 このエンジンもシリンダヘッドはEJ20 DOHC用のものを流用している。 圧縮比は10.7で、最高出力は167ps/6000rpm、最大トルクは24.0kg・m/2800rpmであった。 このエンジンは、同年追加されたフォレスターT/25にも搭載されている。

2001年のマイナーチェンジで吸気システムレイアウトの改良などにより、最高出力は170ps/6000rpmに、最大トルクは24.3kg・m/2800rpmに上昇した。

[編集] DOHC AVCS ターボ

吸気カムシャフトにAVCSを搭載したターボエンジン。2003年、北米向けフォレスターに初めて搭載された。その後、北米・欧州・豪州向け車両に多く展開される。 中でも北米向けインプレッサWRX STi[2]に搭載されたEJ25は、スバル車として初めて300hpを達成している。

日本国内向けでは、2004年に2代目フォレスターへ追加されたSTi Version[2]に初搭載された。 圧縮比は8.2で、最高出力は265ps/5600rpm、最大トルクは38.5kg・m/3600rpmであった。

シリンダブロックはインプレッサWRX STi[2]のEJ20と同様にセミクローズドデッキを採用し、ジャーナル高さアップを施され、強度の向上を実現している。 また、後端の5番ジャーナルには鉄系金属材を鋳込み、強度向上と振動・騒音の低減を図っている[3]。 なお、この5番ジャーナルへの処理は同年フルモデルチェンジされたレガシィシリーズのシリンダーブロックにも施されている。

排気ガス性能向上のため2次エアシステムを搭載したEJ25 AVCS付きターボエンジンは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー[4]の2.0~2.5Lクラスのベストエンジンを2回受賞している。 このエンジンも海外モデル専用エンジンだったが、2008年に限定車として設定されたレガシィアウトバック2.5XTに搭載された。 このエンジンの圧縮比は8.4で、最高出力は265ps/5600rpm、最大トルクは35.7kg・m/2400rpmであった。

2008年には、このエンジンをベースに等長排気系、専用ツインスクロールターボなどを採用し、エンジン本体系も改良された専用エンジンが4代目レガシィをベースにSTIが製作したコンプリートカーS402に搭載された。 圧縮比は8.6で、最高出力は285ps/5600rpm、最大トルクは40.0kg・m/2000~4800rpmであった。

[編集] DOHC デュアルAVCS ターボ

吸排カムシャフトにAVCSを適用したターボエンジン。2008年に登場した3代目インプレッサWRX STIで初めて採用された。海外モデルで採用された後、国内にはインプレッサWRX STI A-Lineとして初導入。 圧縮比は8.2で、最高出力は300ps/6200rpm、最大トルクは35.7kg・m/2800~6000rpm。 このエンジンもシングルAVCSターボと同じく2次エアシステムを搭載している。 なお、このエンジンは国内向けWRX STIのEJ20と違い、等長排気系とツインスクロールターボは採用していない。

5代目レガシィにもデュアルAVCS搭載のターボエンジンが搭載された。 直下ターボの採用など、排気系のレイアウトを大きく変えることで排気ガス性能を向上させ、2次エアシステムを廃止した。 圧縮比は9.5で、最高出力は285ps/6000rpm、最大トルクは35.7kg・m/2000~5600rpmである。

[編集] 生産拠点

[編集] 脚注・出典

  1. ^ スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブの略称。
  2. ^ 2005年からはSTI表記になった。略称STI表記の統一についてを参照のこと。
  3. ^ 「フォレスターSTiバージョンの紹介」『スバル技報第31号』、スバル技報編集委員会、2004年6月。
  4. ^ イギリスのUKIP Media & Eventsの自動車雑誌部門が主催している。EJ25ターボエンジンは、2006年と2008年に同部門賞を受賞。

[編集] 関連項目


最終更新 2009年11月7日 (土) 13:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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