サッカーのフォーメーション

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サッカーにおいてフォーメーション(Formation)とは、サッカーにおける戦術の基本となる選手の配置を示す。11人全員の配置隊形を示すこともあれば、特定の局面における数人の配置隊形を示すこともある。

しばしばシステムという言葉も同じ意味で用いられる。両者は日本では同じ意味として用いられることが多いが、ヨーロッパでは異なる概念として用いられることもある。すなわち、システムはどのように選手を動かすかという形而上の概念であり、それが実際に配置として現れたものをフォーメーションとして区別することもある。こうした区別の下では、4-4-2から3-5-2にフォーメーションが変わってもシステムは変わらないということも有り得るし、逆にフォーメーションの数字だけを並べてもそれがシステムを語ることには直結しない。 ただし、あくまでそういう区別をすることもあるというだけであり、ヨーロッパでもシステムとフォーメーションを同義で用いている例が多い。

以下では便宜上「フォーメーション」に用語を統一する。

目次

[編集] 概要

サッカーにけるポジションは大まかにゴールキーパー(GK)、ディフェンダー(DF、バックスとも言う)、ミッドフィールダー(MF、ハーフとも言う)、フォワード(FW、トップとも言う)の4種類に分類される。このうち、ルールによってGKは必ず一人置かなければならないが、残りのフィールドプレーヤー10人の選手をどのような配置で起用するのかはサッカーにおける醍醐味の一つであり、監督にとっては腕の見せ所の一つである。例えばDFが多くなれば守備的なサッカーになるし、FWが多くなれば攻撃的なサッカーになる。

ただし、FWを増やせばそれだけ点が取れるかといえば、MFやDFが少なくなる→ボールの支配力が下がる→得点力が落ちるという可能性があるなど、なかなか単純には行かない。さらに、フォーメーション同士の相性や、プレーする選手のポジションに対する適性や理解度といったものにも左右されるため、「最強のフォーメーション」というものは存在しない。

代表チームがどのようなフォーメーションを採用するかには、その国の国民性、文化、サッカーに対しての理解の仕方などが如実に反映される。

[編集] フォーメーションの呼称

フォーメーションを議論する時には、よく「4-4-2」や「3-5-2」といった数字の羅列が使用される。これは、後ろから、つまり、DF-MF-FWの順番でそれぞれのポジションの人数を表したものである。すなわち「4-4-2」だと、DF4人、MF4人、FW2人という意味である。「3-5-2」ではDF3人、MF5人、FW2人という意味になる。GKが含まれないのは既出の通りルールによって必ず1人置くことが決まっているためであるが、スペインでは1-4-4-2のようにGKを含めて表記する。

「4-2-3-1」や「4-3-1-2」という表記がされる場合もある。これは、MFを守備的MFと攻撃的MFに分けて表記しているもので、「4-3-1-2」であればDF4人、守備的MF3人、攻撃的MF1人、FW2人という意味である。

3バックや4バックという表記は、DFの人数のみを表したものである。DFの数はフォーメーションを考える上での基本となり、これによって守備だけでなく攻撃に関する考え方もある程度決まってくるため、フォーメーションの分類方法として広く使用されている。

[編集] 歴史

サッカーとラグビーは、ともに中世のフットボールに起源を持ち、19世紀になって手を用いる事を認めないサッカーと手を用いる事を認めるラグビーに分かれた。そのため、最も初期のサッカーでは現在のオフサイドに相当するルール(アウト・オブ・プレーに関するルール)がラグビーとほぼ同じで、ボールより前にいる選手に対してパスする事が認められていなかった。現在でもラグビーでは15人の選手全員が横一線になってオフェンスラインとディフェンスラインを形成するが、最も原始的なサッカーもこれに類似しており、0-0-10というフォーメーションを形成していた。

以後、初期のサッカーにおけるフォーメーションは、オフサイド(アウト・オブ・プレー)に関するルールの変更によって大きく影響を受けてきた。

[編集] 初期 Vフォーメーション (2-3-5)

Vフォーメーション

1866年にアウト・オブ・プレーに関する規定が見直され、前にいる選手に対してパスを出す事が認められるようになった。この時のルールではゴールラインとパスを受ける選手の間に守備の選手が3人以上いなくてはならないというものであった。このルールを通称「3人制オフサイド」と呼ぶ。このルールに対応してディフェンダー=守備を行う選手という概念が誕生したが、3人制オフサイドのおかげで現在でいうオフサイドラインはかなり高い位置に存在していたので、DF2人で十分に対応できる状態であった。したがって、この頃のフォーメーションは依然としてかなり前がかりな2-3-5で、後ろの選手に比べて前の選手がかなり多かった。このフォーメーションは上から見るとゴールキーパーを含めてV字型に見えるためVフォーメーションと呼ばれた。

フォーメーションの歴史は、この2-3-5から守備に割く人数が増えていく歴史であり、現在でもイギリスで左右のサイドバックを単にright back/left back、センターバックをcenter halfと呼ぶことがあるのは、2-3-5フォーメーションでのポジション名の名残りである。また、この頃はDFを「バックス」、MFを「ハーフ」と呼ぶことが多かった。

[編集] 1930年代 WMフォーメーション (3-2-5)

WMフォーメーション

1925年にオフサイドルールが改正され、ゴールラインとパスを受ける選手の間には守備の選手が2人いればよいことになった。このルールでオフサイドラインは下がり、2人のディフェンダーでは敵の5人のフォワードに対応することが難しくなってしまった。そのため、2-3-5フォーメーションにおけるセンターハーフが左右のDFの間に入ってディフェンスを務める3-2-5のフォーメーションが主流となっていった。このフォーメーションはFWの配置がW型、DF・MFのそれがM字型に見えたため、WMフォーメーションと呼ばれた。WMフォーメーションにおけるFWの配置は、左から左ウイング-左インナー-センターフォワード-右インナー-右ウイングであり、ウイングとセンターフォワードが最前線に出て、インナーの2人は下がり目というポジショニングとなっていた。このフォーメーションでは、ウイングの上げたセンタリングをセンターフォワードがはたき、左右のインナーがシュートするというのが基本的な攻め方であり、下がり目に位置していたインナーが実際には得点を狙うポジションとなっていた。 ディフェンス陣は、前の2人をハーフバック、後ろの3人をフルバックと呼び、両者を総称してバックスとも呼んだ。

1930年代初頭にこのWMフォーメーションをいち早く採用したのが、クラブチームではアーセナル、代表チームではヴンダーチームと呼ばれたオーストリア代表であった。また1950年代前半にマジック・マジャールと呼ばれて4年間無敗の記録を作り、ヨーロッパを席巻したハンガリー代表のMMシステムもこれを応用したものであった。
また、この時代にはWMフォーメーションに於けるフォワードの陣形とバックスの陣形を入れ替えた樣な陣容の、MWフォーメーションも生まれた。

[編集] 1950年代 4-2-4

4-2-4

ヨーロッパにおいてWMフォーメーションから発展させたフォーメーションが主流であったが、1950年代前半に南米で2-3-5を発展させた4-2-4が生み出された。この4-2-4はゾーンディフェンスの考え方とともに生み出されたもので、オフェンス4人、ディフェンス4人に加え中盤2人という構成であった。現在の中盤という考え方が確立されたのもこの頃である。それまでのWMフォーメーションのオフェンス5人、ディフェンス5人に対して中盤の2人が攻守を兼ねることでオフェンス6人、ディフェンス6人数的優位を作り出し、WMフォーメーションを圧倒した。

4-2-4は1958年ワールドカップスウェーデン大会で優勝したブラジル代表に採用され一時代を築いた。この後1970年代にリヌス・ミケルスが世界に轟かせて有名になったトータルフットボールも、この4-2-4或いは4-3-3のシステムをベースに進化させた戦術と言われている。

[編集] 1960年代 4-3-3

4-3-3

1960年代、WMフォーメーションに取って代わった4-2-4から変化したもので、4-2-4からFWを1人減らして中盤を1人増やしたフォーメーション。4-2-4よりもバランスが取れていたとされる。以降、20年にわたり4-2-4とともに世界の主流となっていった。

また1970年代には、4-3-3からFWをさらに1人減らして4バックの背後に5人目のDFを置き守備重視でカウンターを主体としたスタイルのイタリアのカテナチオや、4バックのうち1人を余らせ攻守にわたってゲームをコントロールする攻撃的なリベロを置くドイツのベッケンバウアーの高い能力を生かしたリベロシステムなどが生まれた。

[編集] 1980年代前半 4-4-2

一般的な4-4-2

1980年代以降は、中盤が重要視されるようになりMFの人数が増えることになる。そして1982年のスペインW杯では黄金のカルテットを要するブラジルや、シャンパンサッカーと呼ばれたミシェル・プラティニ率いるフランスが4-4-2を採用したことなどもあり、現在でも多くのチームに使われ、最もベーシックであるとされている4-4-2が主流となっていく。

[編集] 1980年代後半 3-5-2

一般的な3-5-2

4-4-2に対抗するように、相手の2トップに対してDF4人を置くのは無駄なので2人をマークして1人をスイーパーとしてあまらせるという手法により3バックが生み出される。1984年の欧州選手権でデンマーク代表監督のゼップ・ピオンテックによって生み出された3-5-2は、1986年のメキシコW杯の時にアルゼンチン代表監督のカルロス・ビラルドによって熟成し、それ以降、世界中のクラブや代表チームで3-5-2が採用される様になった。

[編集] 2000年代 4-5-1

4-2-3-1

そして現在では、新たな方向性として4-3-3のウィングを中盤まで下がらせたような4-2-3-1や4-1-4-1、1トップ2シャドーを軸とした4-3-2-1といった1トップのフォーメーションなども誕生することとなる。この4-2-3-1といったフォーメーションは近年ヨーロッパなどで見られるが、中央へのプレッシャーが増す現代サッカーにおいてサイドアタックを重要視する考え方からうまれたものや中盤の構成力を重視したものであって、1トップといっても必ずしも守備的なものではなくて戦術しだいでは高い攻撃力を見せる。

[編集] ディフェンスラインのフォーメーション

[編集] 3バック

3バックは相手FWが2人の場合(ツートップ)を主として想定したフォーメーションである。FWが2人の場合はFW対DFで常に数的有利を作ることができるという利点がある。ただし、相手チームがワントップあるいはスリートップでも3バックがとられる場合もある。3バックでは3人全員をセンターバック(以下CB)とするのが普通であり、中央の人数が多いために中央で強さを発揮する。しかし、両サイドにDFがいないため、サイドの守備の大部分をMFが負担しなければならない。両サイドのMFが守備のために常に下がっていると5バックのような形になり、非常に守備的なフォーメーションとなる。

[編集] スイーパー型

スイーパー型3バック

3バックにおいては、ストッパーの背後にスイーパーを配置するのが一般的である。3人のセンターバックのうち2人(ストッパー)が相手2トップに対してマンマークを行い、残る1人(スイーパー)がこぼれたボールを奪取したり、中盤から飛び出してくる選手をマークすることで守備を安定させるのが特徴である。しかし、スイーパーの深い配置がゴール前の両サイドの深い位置にスペースを発生させることになってしまうので、サイド攻撃に弱い一面を持つ。

[編集] フラット型

フラット型3バック

3人のCBを横一列にならべてゾーンディフェンスを行うものであるがあまり一般的ではない。ディフェンスラインの人数が少なくて横一列に並んでいるのでラインコントロールが非常に行いやすい。最終ラインをゾーンに分けてディフェンスするが、3人では個々のゾーンが広くなってしまうためスペースを埋めることが難しい。そのため、ゾーンの間に飛び込んでくる選手への対応や誰かが抜かれたときのカバーが困難である。日本ではフィリップ・トルシエが率いた日本代表が用いたことで有名である。

[編集] 4バック

通常の4バックにおいては、4人のDFのうち中央の2人はCBとして中央の守備を担当し、左右のサイドバック(以下SB)はサイドの守備を行う。相手チームがワントップの場合には中央が2対1となり、あるいはスリートップの場合でも両サイドは1対1、中央は2対1となって守備が安定する。しかし、ツートップの場合には中央で2対2になるので1対1の局面が多くなり、個々のDFの能力が重要になる。また、DFの数が多いために前線の人数が少なくなるので、攻撃の厚みを増すためには状況に応じてDFのオーバーラップが求められる。通常の戦術としてはCBは守備的に行動し、SBは積極的に攻撃に参加する場合が多い。しかし、4人のDFすべてにCBを起用して極端に守備を重視する場合もある。また、両サイドバックが攻撃のために常に上がっていると2バックのような形になり、非常に攻撃的なフォーメーションとなる。

[編集] フラット

フラット型4バック

4バックではスイーパーを置かずDFを横に並べゾーンディフェンスによって守るのが一般的である。DFが4人いることで最終ラインをゾーンに分けてディフェンスしたとき、ゾーンを簡単に埋めることができる。また、横に並ぶことによりラインコントロールも比較的行いやすい。

[編集] スイーパー型

スイーパー型4バック

2人のCBのうち1人をディフェンスラインとGKの間に配置し、3人のDFをカバーするスイーパーとして機能させる場合もある。この場合はストッパーとスイーパーの配置のギャップが自陣後方にスペースを作り出してしまうため、ディフェンスラインを高くすることはできないが、ゴール前に強固な守備陣を構築できるため自陣に引いて守る場合には有効なフォーメーションである。

[編集] フォワードのフォーメーション

[編集] ワントップ

ワントップ

最前線(1列目)にFWを1人置くフォーメーションのことを指す。

通常、ポストプレイヤーが起用されることが多い。この場合、FWには自分自身で得点することだけでなく、ボールをキープした上で2列目以降から飛び出してくる選手の得点をアシストする役割も期待される。

ワントップのメリットとしては、中盤やディフェンスの人数が多いため、守備で人数を多く掛けることが出来る。また、前線にスペースが出来やすい。その分、攻撃面では人数を補うために中盤ないしサイドからのオーバーラップが必須であり、中盤に走力とダイナミズムが要求される。

ワントップとダイナミズムのある中盤の組み合わせではヤン・コラーチェコ代表や、パウレタポルトガル代表などが上げられる。

[編集] ツートップ

ツートップ

最前線(1列目)にFWを2人置くフォーメーションのことを指す。

近代サッカーでは多く選択されるシステムであり、FW2人の特長とその組み合わせによって、同じツートップでもさまざまな戦術が考えられる。例えば一方のFWに背が高くポストプレーが得意な選手を起き、その選手が落としたボールをもう一方の選手に拾わせる、あるいはボールをキープできる選手に前線でためを作らせ、その選手から出されたパスを相手DFの裏に走り込ませたもう一人の俊足のFWに受けさせる、などである。

例えば2006年のチャンピオンズリーグにおいては、スペースに飛び出すルイ・サハと自らドリブルで持ち込みむタイプのウェイン・ルーニーを起用するマンチェスター・ユナイテッドや、典型的なポストプレーヤーのモリエンテスとシャドーストライカーのダビド・ビジャを組ませるバレンシアCFなどの形のツートップを採用するチームがあった。

チーム事情にもよるが基本的には同じタイプのFW同士よりも違うタイプのFWを組ませる事が多い。それによって戦術に奥行を持たせることができるからである。しかし、同じタイプのFW同士であっても、お互いを補完できるのであれば十分共存可能である。ズラタン・イブラヒモビッチエルナン・クレスポという、同じタイプの2人(ダイナミズムには欠けるがテクニックとポストプレーに秀でている)を組ませるインテル・ミラノなどはその例である。

[編集] スリートップ

スリートップ

最前線(1列目)にFWを3人置くフォーメーションのことを指す。

オランダでは現在でも多数のクラブが採用している古典的なスリートップでは、左右に一人ずつ位置するウイングと中央でボールを待つセンターフォワードで構成される。ウイングが敵陣深くドリブルしたのちセンタリングを上げ、それを得点力に秀でるセンターフォワードが合わせてゴールするというのが定石であった。前線の人数が多いため個々の能力さえ保つことができれば半ば強引でも得点機を作り出すことができ、中盤に課せられた役目は前線に良質なパスを一本通し、後は手詰まりになった時にバックパスをもらうか守備に徹するだけであった。しかし極端にウイングが外に位置するこの構成だとボールの反対側のウイングプレーヤーが遊んでしまうことが多く、また中央も2トップと違いニアやフォアへの蹴り分けがないためある程度のスキルがあるCBがいた場合クリアされることも多かった。そこでドリブルで攻めているサイドと逆のサイドのウイングがセンターフォワードと並んで中央に寄るといったように、状況に応じて役割を変化させるフォーメーションが次第に採用されるようになった。


近年では同じようにFWを3人置くスリートップでも、かつて提唱されたそれの戦術と大きく異なる現代的なスリートップが度々見受けられるなった。マンマークが常識だった80年代前半までは個々の役割が攻守ともに細分化されており、攻撃時にはまず相手を抜くことが求められ、逆に守備時には自分が担当する選手の突破を防ぐことが重要視されていた。しかし近年ではゾーンディフェンスが主流となり、個々の突破や守備よりもチーム全体での流動的な攻撃と守備及びその2つの切り替えが求められるようになったため、例え生粋のウインガーであっても時にはサイド突破ではなく中央にボールを運んだり、比較的フリーになりやすいサイドでパスを受けて味方に渡すという、ショートポストの役割を果たす必要性が生まれてきた。同時にかつては前線の3人で攻める一定のパターンを繰り返していたのに対し、個々のスペースを大きく取った前線と細かいパスに有利なコンパクトなトライアングルを形成する中盤の選手とがボール共々入り乱れ、ボールと人の双方が動いてチームでゴールを目指すという動きが主流になった。


ロナウジーニョダーヴィッツが加入してから確立されたFCバルセロナのポゼッションサッカーにおける基本システムがこれに当たる。また現インテル・ミラノ監督のジョゼ・モウリーニョが目指すシステムである。

[編集] 現代の一般的なフォーメーション

[編集] 4-4-2

4-4-2は4バックを主体とした中で最も普遍的で、DFが4人、MFが4人、FWが2人というフォーメーションである。このフォーメーションは4バックの基本フォーメーションとも言える。理論上フィールドプレーヤーが満遍なくピッチをカバーできることがその理由である。そのため、世界的にコーチングスクールの教科書には4-4-2か4-3-3が基礎戦術として掲載されている。

[編集] フラット型

フラット型の4-4-2

中盤の構成がセントラルMFが2人、サイドMFが2人とMFを横一列に配置したフォーメーションで、バランスに優れる。フィールドに選手が均等に配置されているので、守備において個々が分担するゾーンが明確でゾーンディフェンスが行いやすい。また、中盤が一列なのでチーム全体をコンパクトに保つことが容易であり、プレッシングも効かせやすい。高い位置からのプレッシングによるショートカウンター攻撃と、両サイドの人数の多さを活かしてサイドMFとサイドバックによるサイド攻撃が中心となる。但し、中央が手薄なのでセントラルMFには攻守にわたる高い総合能力と豊富な運動量が求められる。サイドMFが前線に上がることで4トップに変化するなど柔軟性の高いフォーメーションでもある。特にイングランドのクラブに良く見られるフォーメーションである。現在ではスペインリーグでも主流になっている。

[編集] ダイアモンド型

ダイアモンド型の4-4-2

中盤の構成が守備的MFが1人、サイドMFが2人、攻撃的MFが1人とMFをダイアモンド型に配置したフォーメーションで、やや攻撃を重視したものである。ダイアモンド型に配置された4人のMFによる細かいパス回しが特徴である。サイド攻撃はサイドバックが担当する。守備的MFにはディフェンスラインの前のスペースのカバーからサイドバックがオーバーラップしたときのフォローまで守備において相当な負担を強いられる。ユベントスインテルなどイタリアリーグの強豪クラブが採用している他、2007年から2008年にかけて、日本の清水エスパルスが使用した。

[編集] ボックス型

ボックス型の4-4-2

中盤の構成が守備的MFが2人、攻撃的MFが2人とMFをボックス型に配置したフォーメーションで、中央の構成力に優れる。MFの役割分担が明確で、攻防の素早い切り替えによるカウンターと、中盤での前後のパス回しが容易に行えるという利点がある。しかし、MFが中央に密集してしまうため、サイド攻撃を行うにはサイドバックのオーバーラップが必要不可欠となる。また、サイドの人数が少ないためサイド攻撃に弱い、フォーメーションが縦に長く伸びやすいためプレッシングを行うことが困難である等の弱点を持つ。ボックス型の4-4-2は1982年ワールドカップのブラジル代表、通称「黄金のカルテット」が非常に有名である。また2009年現在、日本のクラブで4-4-2のフラット型とともに主流になっている。

[編集] トリプルボランチ型

トリプルボランチの4-4-2

中盤の構成が守備的MFが3人、攻撃的MFが1人のフォーメーションで、守備を重視したものである。3人のMFがディフェンスラインの前に張り付くことによって守備は強固なものとなるが、攻撃は攻撃的MFとFWの能力しだいとなってしまう。攻撃的MFに高いボールキープ力があれば、守備的MFやサイドバックのオーバーラップを引き出すことも可能となり、有効なフォーメーションとなる。1998年ワールドカップのフランス代表がジダンの高いキープ力を活かしてこのフォーメーションを活用したのが良い例であるほか、07-08シーズンのチェルシーがジダンと同じく高いキープ力を誇るランパードを起用してこのフォーメーションで戦った。

[編集] 4-5-1

DFが4人、MFが5人、FWが1人というフォーメーションである。MFが5人になることで中盤に厚みを持たせることができる。しかし、FWが1トップとなるため1トップのFWに高い能力が期待され、得点するには中盤のサポートが不可欠であり、攻撃的MFの選手には攻撃を組み立てる能力だけでなくシャドーストライカー的な動きなども求められる。

[編集] 4-2-3-1

4-2-3-1

中盤の構成が守備的MFが2人、サイドMFが2人、攻撃的MFが1人のフォーメーションで、サイド攻撃を重視したものである。4-3-3の両ウィングを下げたようなフォーメーションとも言え、サイドMFはウィングのように前線の奥深くまで侵入していくことも多い。両サイドの人数を活かしたサイド攻撃は非常に強力だが、FWと攻撃的MFの得点能力が重要となる。近年のスペインのクラブに良く見られたフォーメーションだが、現在では少なくなっている。また岡田武史監督就任以降、2010 FIFAワールドカップ・アジア地区予選を戦うサッカー日本代表が採用しているフォーメーションでもある。

[編集] 4-3-2-1

4-3-2-1

中盤の構成が守備的MFが3人、攻撃的MFが2人のフォーメーションで、中央の構成力を重視したものである。3人の守備的MFによって守備を安定させて、1トップ2シャドーのFW1人と攻撃的MF2人の連携による攻撃が基本となる。MFが中央に密集してしまうため、サイド攻撃を行うにはサイドバックのオーバーラップが必要不可欠となる。近年ACミランなどが採用しているフォーメーションである。その形から、「クリスマスツリー」と呼ばれている。

[編集] 4-3-3

4-3-3

4-3-3は、後ろから順にDF4人、MF3人、FW3人を置いたフォーメーションである。フィールドに選手が均等に配置されているので、フラット型の4-4-2に近い特性を持ち、ゾーンディフェンスやプレッシングが行いやすい。プレイヤー1人1人の役割がわかりやすく、指導しやすいため、少年サッカーや急造のチームではこのフォーメーションが採用されることも多い。但し、ポジションが均等に配置されているため固定的になりやすいので、変化をつけられる選手或いは戦術がないと単調な攻撃しか出来ずに相手が慣れてしまいやすい。オランダのクラブに良く見られるフォーメーションである。

[編集] 3-5-2

3-5-2は3バックを主体としたフォーメーションの中で最も普遍的で、DFが3人、MFが5人、FWが2人というフォーメーションである。左右のウイングバック(以下WB)が豊富な運動量で攻守に上下動を繰り返すのが特徴で、両WBの位置取りしだいで攻撃的にも守備的にも変化する。片方のWBを前方に突出させ殆どFWに近い位置でプレーさせる例(主に1990年代にアルゼンチン国内で流行した)や、相手のサイド攻撃を牽制する為に両WBとも前方に突出させる特異な例や、守備を重視(WBの背後のスペースを埋める)して両WBをDFラインにまで後退させる例(5-3-2)もある。

[編集] ダブルボランチ型

ダブルボランチの3-5-2

中盤の構成が守備的MFが2人、両サイドMFが2人、攻撃的MFが1人のフォーメーションで、3-5-2のなかで最もバランスに優れる。守備的MFが2人いることでディフェンスラインの前やWBが上がったときのサイドのカバーが容易なので守備が安定する。攻撃においては攻撃的MFが非常に重要な役割を担うが、2人の守備的MFのうち1人が前線に上がって攻撃に参加して攻撃的MFをサポートする。2004年頃まで日本のクラブで多く見られたフォーメーションである。

[編集] ワンボランチ型

ワンボランチの3-5-2

中盤の構成が守備的MFが1人、両サイドMFが2人、攻撃的MFが2人のフォーメーションで攻撃を重視したものとなる。1人しかいない守備的MFには広範囲をカバーする運動量と高い能力が求められる。しかし、攻撃的MFが2人いることで攻撃にはかなり厚みを持たせることが可能となる。ワンボランチ型の3-5-2は1986年ワールドカップのデンマーク代表、通称ダニッシュ・ダイナマイトが有名である。

[編集] トリプルボランチ型

トリプルボランチの3-5-2

中盤の構成が守備的MFが3人、両サイドMFが2人のフォーメーションで非常に守備的なものとなる。3人の守備的MFにより守備は非常に強固なものとなるが、攻撃は2人のFWによるカウンター頼みになってしまう。ASローマなどが採用したことがあるが、得点力に問題があるため、あまり使用されるフォーメーションではない。

[編集] 3-4-3

3-4-3は3バックを主体とした、DFが3人、MFが4人、FWが3人という前線の人数が多いフォーメーションである。両サイドのFW(ウィング)とMF(ウィングバック)による強力なサイドアタックを展開することができる。

[編集] フラット型

フラット型の3-4-3

中盤の構成がセントラルMFが2人、両サイドMFが2人のフォーメーションで、攻撃を重視したものである。選手が最も均等にピッチ上に配されるためピッチ全体を使いやすいが、個々の能力とチームプレイとの融合が求められるサッカーではある意味最も難しいフォーメーションである。

[編集] ダイアモンド型

ダイアモンド型の3-4-3

中盤の構成が守備的MFが1人、両サイドMFが2人、攻撃的MFが1人のフォーメーションで、極端に攻撃を重視したものである。フィールド上に、多くのトライアングルを構成することができる。エル・ドリーム・チームのフォーメーションとしても知られる。3バックに限定しても、現代サッカーにおいては基本フォーメーションとして用いられることは少ない。

[編集] 3-6-1

3-6-1

3-6-1は3バックを主体としたフォーメーションであり、3-5-2を発展させたフォーメーションである。DF、守備的MF、両サイドMFまでは同じだが、FWを1人外してワントップにして、攻撃的MFに2人を配する事で中盤に厚みを持たせているのが特徴である。3-4-2-1と呼ぶ場合もある。

日本では2000年代前半の京都サンガF.C.や、近年のサンフレッチェ広島がこのフォーメーションを主体としている。

[編集] 特殊なフォーメーション

[編集] 非対称フォーメーション

非対称の3-5-2

フォーメーションの左右のバランスを意図的に崩して、左右で攻守の対応を切り替えるというものである。一方のサイドに攻撃の起点を置くことや片方を攻撃的にもう片方を守備的にすることなどで、突出した攻撃能力を持つサイドの選手を活かしたり、チーム全体に変化をつけることができる。2002年ワールドカップのアルゼンチン代表の3-4-3や2000年アジアカップの日本代表の3-5-2が有名である。

[編集] N-BOX

N-BOX

N-BOXとは3-5-2でありながら両サイドMFのウィングバックを配置しない極めて特殊なフォーメーションである。中盤の構成が守備的MFが2人、セントラルMFが1人、攻撃的MFが2人となり、サイド後方の守備は2人の守備的MFが左右に開いて行う。その分薄くなった中央の守備は中央に配置されたセントラルMFがカバーすることになる。中央での強力なプレッシングが可能であり、プレッシングから前線の4人によるカウンターが有効である。また、複雑に構成された中盤の構成力を活かした遅攻も可能である。しかし、各ポジションの役割が複雑で多岐にわたり、さらにセントラルMFには攻守にわたって高い能力が求められる。2001年のJリーグで日本のジュビロ磐田が使用した。N-BOXという名前は中核をなしていた名波浩のイニシャルからきている。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月28日 (土) 03:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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