スルッとKANSAI

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株式会社スルッとKANSAI
種類 株式会社
本社所在地 〒542-0081  
大阪市中央区南船場3丁目11番18号
郵政福祉心斎橋ビル8階
電話番号 06-6258-3636
設立 2000年7月18日
業種 サービス業
代表者 新谷和英(代表取締役社長)
南崎憲生(代表取締役会長)
資本金 115.2百万円
決算期 毎年3月
外部リンク www.surutto.com
  

スルッとKANSAI(するっとかんさい)とは、近畿圏公共交通機関ストアードフェアシステム及び周遊券のネットワーク、または大阪市中央区に本社を置くその協議会の筆頭会社である。筆頭会社の正式な商号は株式会社スルッとKANSAI[1]である。

スルッとKANSAIはシステムの名称であり、カードの名称は発行社局により異なる。

目次

[編集] 概要

1992年4月1日阪急電鉄がそれまで乗車券購入や運賃精算用として販売していたラガールカードを用いたストアードフェアシステム「ラガールスルー」の運用を開始し、1994年には能勢電鉄が自社のパストラルカードとラガールカードを共通化する形で参加。そしてこれをベースとして当時自動改札機の更新を予定していた阪神電気鉄道大阪市交通局北大阪急行電鉄の3社局にも拡張対応させ、1996年3月20日から「スルッとKANSAI」の統一名称を用いての運用を開始した。

当初、スルッとKANSAIに関わる業務は加盟各社局が分担して行っていたが、加盟社局の増加とともに業務の効率化を図るため、専任事務局として株式会社スルッとカンサイ2000年7月18日に設立された。

スルッとKANSAIではストアードフェアシステムの提携のみにとどまらず、各種チケットや、グッズ制作販売会社とともに加盟各社のグッズなどの企画を行い、各社主要駅などでバンダイ明治製菓などと共同で企画した玩具やチューインガムなどを販売している。また、乗車券用紙などの資材の一括調達も行っている(ただし、入札によることが要求される公営交通機関については一括調達は行われていない)。共同企画の玩具やCDやバンダイから発売されているBトレインショーティーの限定版は、基本的に一度販売されれば、再発売しない方式を貫いている(Bトレインショーティーの場合、南海電気鉄道が2005年11月・2007年9月、阪急電鉄・京阪電鉄山陽電鉄が2007年6月~8月に2008年1月には大阪市交通局が、同年3月には近畿日本鉄道が其々一般販売用にアレンジして発売した)。

2004年からは非接触型ICカードPiTaPa」が導入された。これによりスルッとKANSAI協議会には近畿圏の交通事業者だけではなく、岡山地区静岡県の交通事業者も加盟して「PiTaPa」を導入するようになった。また「PiTaPa」は電子マネーとしても利用できることから自治体なども参加している(参加事業者・導入時期はPiTaPaのページを参照のこと)。

「スルッとKANSAI対応カード」は関西一円共通カードシステムを謳っているが、使用できない範囲もバス路線を中心に多い。滋賀県では京阪京津線比叡山鉄道(坂本ケーブル)京都バス比良線の高島市内のみ。京阪石山坂本線(2007年4月1日よりPiTaPaを導入)や滋賀県内の主要交通事業者である西武系の近江鉄道グループ(鉄道、バスとも)、京阪グループ江若交通帝産系の帝産湖南交通、独立系の滋賀交通などは加盟しておらず(協議会も参加していない)、滋賀県内においてスルッとKANSAIが普及していない(京阪バスも滋賀県内で運行しているが、滋賀県内の路線では一部を除き導入していないため使用できない)。

また奈良県兵庫県のバス事業者でシェアの大きい奈良交通神姫バスリムジンバス大阪空港交通では使用できないが、これらの業者はとも協議会には加盟しており、ICカードPiTaPaを介した共通化が図られている(但し大阪空港交通は伊丹空港発着便のみで、共同運行会社は一部不可の業者あり)。また水間鉄道京阪京都交通については後に加盟し、京阪京都交通は2008年3月1日から(「PiTaPa」と同時に導入)、水間鉄道・バスに関しては2009年6月1日に「PiTaPa」のみ導入した。しかし京都市内のヤサカバス、南大阪地区の阪堺電気軌道(南海系)、中日臨海バス金剛バス日本城バス、関西空港方面のリムジンバス;関西空港交通(南海系)や淡路島方面の淡路交通、播磨地区の姫路市企業局交通事業部明石市交通部での使用はできず、協議会自体にも参加していない 。和歌山県では、南海グループの和歌山バス那賀(特殊路線を除く)、和歌山バス南海りんかんバス(ただし高野山駅発着の急行バスを除く)で導入している。和歌山電鐵(旧南海貴志川線)や和歌山バスの路線の南限である海南市以南の交通機関では一切使用できない。

自治体などが自主運行するコミュニティバスに関しては、委託業者によって利用できるところとできないところがある。

なお、2005年6月30日には大阪港トランスポートシステムが大阪市交通局へ鉄軌道事業の運営を譲渡し、2006年3月31日には京阪宇治交通とその子会社である京阪宇治交通田辺は京阪バスに吸収合併されたため、それぞれスルッとKANSAI協議会から脱退した。しかしながら、スルッとKANSAI加盟社局内での譲渡・合併であったため、いずれの路線においても以前と変わりなくスルッとKANSAI対応カードを使用することが可能である。

2009年3月20日に阪神なんば線の開業により近鉄-阪神-神戸高速-阪急-大阪市営地下鉄-近鉄-京都市営地下鉄-京阪(大津線系統)と路線がつながり、乗車経路がこれらの路線の多くの駅で複数になるが、近鉄生駒駅にけいはんな線と奈良線・生駒線の乗り換え改札があり、その改札の通過の有無(通過していない場合阪神なんば線経由となる)で乗車経路の確認が可能である。

2009年4月より、関東大手私鉄である西武鉄道小田急電鉄箱根登山鉄道がスルッとKANSAI協議会と提携し、各種資材の共同購入を行うことが発表された[2]。同時にスルッとKANSAI協議会に関東大手私鉄としては初めて加盟するが、スルッとKANSAI・PiTaPaカードシステムを同社でも採用するかについては現時点では言及されていない。なお採用が実現した場合は初めて関東地区にもスルッとKANSAI・PiTaPaのいずれかもしくは両方とも進出することになる。

[編集] 目的

スルッとKANSAIの目的は以下の通りである。

  • 乗車用プリペイドカードを導入し、別途乗車券(切符)を買わなくても乗車できるようにする。
  • 乗車用プリペイドカードと乗車券購入用のプリペイドカードに同じものを使えるようにする。
  • 乗車用及び乗車券購入用プリペイドカードを、スルッとKANSAI参加社局間では共通に使えるようにする。

このことにより、加盟社局がカバーするエリアの乗客は、スルッとKANSAI加盟社局が発行した「スルッとKANSAI」対応カードさえ持てば、複数の交通機関で共通の「金券 兼 切符」として使用することができる。

[編集] 「スルッとKANSAI」対応カード

[編集] 額面

スルッとKANSAI対応カードの発売額面は、以下の通りである。なお、社局によっては取り扱いのない額面がある。また、いずれのカードも有効期限は設定されていない。

  • 大人用カード
    • 500円
    • 1,000円
    • 2,000円
    • 3,000円
    • 5,000円(後述の偽造問題により一部の社局が販売を中止している)
  • 小人用カード
    • 500円
    • 1,000円
    • 1,500円
    • 2,000円
    • 2,500円(後述の偽造問題により一部の社局が販売を中止している)
特別割引カード
購入には身体障害者手帳または療育手帳の提示を要する。
  • 大人用カード
    • 1,000円
    • 1,500円
    • 2,000円
  • 小児用カード
    • 500円
    • 750円

[編集] 発売体制

鉄道の駅においては駅窓口及び自動券売機での発売、近鉄などでは駅構内にスルッとKANSAIだけを発売する専用の自動券売機を設置したり大阪線(大和八木以西)橿原線・京都線等の特急車内で車掌が販売を行ったり、阪急に至っては主要駅の構内に専用のブースを設け、駅係員が自ら販売するなど積極的に販売活動を行っている。一部の駅売店でも発売する。

金券ショップでは、実発売額より安価(1000円のカードが990円など)で売られていることがあるので、金券ショップで購入すればPiTaPaやICOCAよりわずかな差ではあるが安く乗車できる。 その一方で2008年12月29日に偽造レインボーカード(大阪市交通局のスルッとKANSAI対応カード)の使用が発覚した[3]ため、一部社局は5000円のカードを発売中止にした[4][5]。 また、2009年4月22日に近鉄が自社の偽造スルッとKANSAIカードが発見されたことを発表した(磁気情報はレインボーカードのもの)[6][7]。 なお、偽造カードを使用したとして東大阪市に住む韓国人2人が逮捕されたが大阪府警は背後に偽造グループが存在するとみて捜査を進めている[8]

[編集] システム

スルッとKANSAI対応カードは、縦85mm×横57.5mm(サイバネ規格)厚さ約0.3mmのポリエステル製で、テレホンカードよりわずかに横方向に大きい(磁気定期券と同じ大きさ)カードである。

情報は磁気で記録されており、カードリーダーや自動改札機(※専用の機種)で書き換えることができる。裏面の印字(感熱皮膜破壊、または感熱発色方式)もカードリーダーや自動改札機で追記することができる。

発売されたカードには一定の金額に相当する度数が書き込まれており、出札機や改札機に通して乗車や乗車券購入に使用する度に、必要金額に相当する度数を減算されたデータに書き換えられる。

使用した度数を視認できるよう、カード使用時に支出状況を裏面に21回まで追記で印字していくようになっている。追記される内容は、社局名、使用した駅・車両、使用目的(乗車区間あるいは乗車券購入など)、日時、残額、などである。印字が満杯になった場合はカードを発売する券売機に挿入すると残額を引き継いだ新しいカードが再発行される(元のカードには最終残額表示に二重取り消し線が上書きされ、残額情報が0円の状態で返却される)。

また南海電気鉄道では、有料特急の特急券を購入することができる(一部の窓口及び車内を除く)。

現行のシステムでは、度数がなくなったカードを(追加支払いで度数を購入するなどで)再利用するサービスは想定されておらず、各カードは基本的に使い切りである。但し、使い切ったカードはそのままゴミ箱行きにするのではなく、各駅の回収箱に投函することにより回収され、海外のカードコレクターに販売されている。

当初阪急電鉄単独でラガールカードが導入された際は残額が初乗り金額未満の場合入場出来なかったが、スルッとKANSAIの開始とともに、10円でも残額があれば入場できるようになった。ICカード導入とともに初乗り金額の前引・チェックを行わない社局も増えてきたものの、日本においてこのような取り扱いを始めたのはスルッとKANSAIがはじめてである。

これについては、鉄道営業法第15条「旅客ハ營業上別段ノ定アル場合ノ外運賃ヲ支拂ヒ乘車券ヲ受クルニ非サレハ乘車スルコトヲ得ス」という条文に則っているためだが、スルッとKANSAIを含む関西の鉄道事業者が発行するカードでは、これを運輸省に掛け合い「別段ノ定アル場合」としてカード残額が初乗り運賃に満たなくても入場可能となっている。利用者からすれば、残額が初乗り運賃未満のカードを所有していたとしてもそのまま乗車することが可能であり、特に発車間際の場合には有利になりえる。2枚投入可能な改札機がまだ開発されていなかった当時にこのような取り扱いを始めたスルッとKANSAIやJスルーカードを中心とした関西事業者系カードは、利用者の視点に立った取り扱いを採用したといえる。

[編集] 導入事業者・発行カード一覧

  • 導入日はその事業者の路線でスルッとKANSAI対応カードが利用可能になった最初の日。その日以前にも既に3dayチケットなどに限って利用可能であった事業者・路線もある。
  • 漢字略号は、乗車駅の社局名としてカード裏面に印字される文字。
  • 英字略号は、降車駅の社局名としてカード裏面に印字される文字。―は、設定がないことを示す。
  • 鉄道利用時は、乗車時および券売機・精算機等利用時は、社局名漢字略号に続いて駅名が3文字で、降車時は社局名英字略号に続いて駅名が2文字で印字される。
  • バス利用時は、社局名印字に続いて最大4桁の数字(英字の場合もある)が表示される。
  • ICカード「PiTaPa」導入事業者・路線についてはPiTaPaを参照のこと。
  • カード名に括弧が付されているものは、自社でのカード発売を行わない社局を示す。

[編集] 鉄道

事業者名 漢字略号 英字略号 カード名 導入日
阪急電鉄 阪急 HK ラガールカード 1996年3月20日
能勢電鉄 能勢 NS パストラルカード 1996年3月20日
阪神電気鉄道 阪神 HS らくやんカード 1996年3月20日
大阪市交通局 大交 OC レインボーカード 1996年3月20日
北大阪急行電鉄 北急 KE レジオンカード 1996年3月20日
大阪港トランスポートシステム※1 OTS TS レインボーカード 1997年12月18日-
2005年6月30日
南海電気鉄道 ※2 南海 NK コンパスカード 1999年4月1日
京阪電気鉄道 ※3 京阪 KH スルッとKANSAI Kカード 1999年4月1日
大阪府都市開発泉北高速鉄道 泉北 SB ブルーライナーカード 1999年4月1日
神戸電鉄 神鉄 KB すずらんカード 1999年10月1日
神戸市交通局 神交 SC スルッとKANSAIこうべカード 1999年10月1日
神戸高速鉄道 神高 KK ラガールカード 1999年10月1日
北神急行電鉄 北神 HE すずらんカード 1999年10月1日
山陽電気鉄道 山陽 SY エスコートカード 1999年10月1日
神戸新交通 神新 KS スルッとKANSAIこうべカード 1999年10月1日
大阪高速鉄道(大阪モノレール) 大モ OM モノカード 2000年2月1日
京都市交通局 京交 KC スルッとKANSAI都カード 2000年3月1日
近畿日本鉄道 ※4 近鉄 KT スルッとKANSAIカード 2001年2月1日
京福電気鉄道(嵐電) 京福※5 スルッとKANSAI Kカード 2002年7月1日
比叡山鉄道比叡山坂本ケーブル 比叡山※6 スルッとKANSAI Kカード 2003年4月1日
叡山電鉄 叡山※7 EZ スルッとKANSAI Kカード 2004年3月1日
  • ※1 大阪港トランスポートシステム
    • 2005年7月1日より路線が大阪市交通局に編入されている。
  • ※2 南海電気鉄道
  • ※3 京阪電気鉄道
    • 石山坂本線では使用できない(PiTaPaは同線を含めて使用可)
  • ※4 近畿日本鉄道
  • ※5 京福電気鉄道(嵐電)
    • 駅改札口で印字したものに限られる。車内のカード読み取り機では、バス式の印字になり「京福電鉄」と表示される。
  • ※6 比叡山鉄道(比叡山坂本ケーブル)
    • 駅改札口に設置したカード読み取り機でバス式の印字が行われ、「比叡山」と表示される。
  • ※7 叡山電鉄
    • 車内のカード読み取り機で印字した場合でも、鉄道式の印字となる。

[編集] バス

事業者名 印字 カード名 導入日
大阪市営バス 大交バス※1 レインボーカード 1996年3月20日
阪急バス 阪急バス ラガールカード 1997年9月1日
和歌山バス 和バス コンパスカード 1999年4月1日
和歌山バス那賀※2 和那バス コンパスカード 1999年4月1日
京阪バス※3 京阪バス (スルッとKASNAI Kカード) 1999年10月1日
京阪シティバス 京阪バス (スルッとKASNAI Kカード) 1999年10月1日
神戸市営バス 神交バス スルッとKANSAIこうべカード 1999年10月1日
尼崎市交通局(尼崎市営バス) 尼市バス らくやんカード 2000年3月1日
伊丹市交通局(伊丹市営バス) 伊市バス ラガールカード 2000年3月1日
京都市営バス 京市バス スルッとKANSAI都カード 2000年3月1日
南海バス 南海バス (コンパスカード) 2000年3月1日
神鉄バス 神鉄バス すずらんカード 2000年5月1日
阪急田園バス 田園バス ラガールカード 2000年5月1日
近鉄バス 近鉄バス (スルッとKANSAIカード) 2000年8月1日
南海りんかんバス りんかん (コンパスカード) 2000年10月1日
京都バス 京都バス (スルッとKASNAI Kカード) 2001年10月20日
南海ウイングバス金岡 南海バス (コンパスカード) 2001年12月1日
大阪運輸振興 大交バス (レインボーカード) 2002年1月27日
京阪宇治交通※4 宇交バス (スルッとKASNAI Kカード) 2002年3月1日-
2006年3月31日
南海ウイングバス南部※2 南海バス (コンパスカード) 2002年3月1日
阪神電気鉄道(バス)※7 阪神バス (らくやんカード) 2002年3月1日-
2009年3月31日
神戸交通振興※5 神交バス (スルッとKASNAIこうべカード) 2002年8月1日
高槻市交通部(高槻市営バス) 高槻バス (ラガールカード) 2003年3月17日
山陽電気鉄道(バス) 山陽バス (エスコートカード) 2003年3月21日
京阪宇治バス※6 宇治バス (スルッとKASNAI Kカード) 2003年12月1日
京阪宇治交通田辺※4 宇田バス (スルッとKASNAI Kカード) 2003年12月1日-
2006年3月31日
尼崎交通事業振興 尼市バス (らくやんカード) 2004年4月1日
阪神バス 阪神バス (らくやんKカード) 2006年6月14日
京阪京都交通※6 京阪バス (スルッとKASNAI Kカード) 2008年3月1日
  • ※1 大阪市営バス
赤バス乗車時の印字は「大交BUS」となる。
  • ※2 南海ウイングバス南部・和歌山バス那賀
樽井岩出線は利用不可。
  • ※3 京阪バス
大津営業所管内・コミュニティバスは利用不可(ただし大津地区は3dayチケットは利用可)。
  • ※4 京阪宇治交通・京阪宇治交通田辺
2006年4月1日より京阪バスに吸収合併された。
  • ※5 神戸交通振興
山手線のみ利用可。
  • ※6 京阪京都交通・京阪宇治バス
立命館大学 (BKC) 線は利用不可。
  • ※7 阪神電鉄バス
2009年4月1日をもって阪神バスに全ての直営路線を譲渡。
  • なお、各社とも高速バスや定期観光バスでは利用できない。また、深夜急行バスでは南海バス(南海深夜急行バス)に限り利用可。

[編集] 近鉄・京阪・南海の加入までの経緯

上記3社は以下の理由で参加が遅かった。

  1. 車載運賃箱による精算方式の路線が当時存在したこと。
  2. 3社においては、JRとの共同使用駅・JRへの委託駅が多数存在したこと。特に近鉄の場合、
  3. 他に南海の三国ヶ丘駅、京阪の東福寺駅(当時・現在は改札口を分離)など、JRとの連絡改札口がある駅の問題もあった。
  4. 各社においては、ストアードフェアシステムそのものによる旅客増しか増収要因にしかならず、投資額に見合うほどの効果は期待できないだろう、と考えていた。

以上の理由により、当時ストアードフェアシステム導入には消極的であった。

一方、スルッとKANSAI側でも、特に300駅を超える近鉄の駅データを追加することで、システムの大きな負担となることが懸念された。また全駅自動改札設置を各社の参加条件としていたこともある。

しかし、その後以下のように状況に変化があり、近鉄・京阪・南海もストアードフェアシステム導入を行った。

  1. 定期券不正乗車防止システムの開発により、自動改札機投資に対する増収額が大幅に増加した。
  2. 2枚対応自動改札機が開発され、鶴橋駅・三国ヶ丘駅・東福寺駅の各駅におけるJR連絡改札の問題が解消された。
  3. 乗降客の減少により自動改札機の必要台数が減り、投資額が減少した。

さらに近鉄においては、田原本線利用時を除く乗車券の経路指定や長距離乗車券の2日間有効制度が廃止されたこと、またスルッとKANSAI側も、本システムの導入に際して、自動改札機全駅設置を条件とはしなくなったことで導入の道が開かれた。

上記の取り扱いにより、近鉄(大阪線青山町駅以西の各駅(田原本線・伊賀線(現伊賀鉄道)・道明寺線吉野線及び生駒鋼索線西信貴鋼索線を除く))・京阪(当初は京阪本線系統のみ、後に京津線京阪鋼索線(男山ケーブル)にも導入)・南海(貴志川線(現和歌山電鐵)を除く全線(南海鋼索線(高野山ケーブル)を含む))の加盟が実現した。

[編集] チケット

スルッとKANSAI協議会加盟社局で利用することのできる周遊券が発売されている。ただし、チケットによって利用可能な社局やエリアが限定される場合がある。

3dayチケット(全国通年発売版)
連続する3日間乗り放題、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人5,000円(1667円/日)・小児2,500円。通年発売であるが有効期間があるので購入・使用の際には注意が必要である。旅行代理店など(近畿2府4県三重県を除く)でクーポン券を購入し、エリア内の引換場所で交換する。直接購入できるチケット発売場所もある。
このチケットは日本国外の旅行代理店などでは「KANSAI THRU PASS」の名称で発売されており、日本への観光客が増加している韓国では好評である[要出典]。払い戻しは不可である。
2dayチケット(全国通年発売版)
かつては連続する2日間のみ有効であったが、現在発売中のものは連続していなくてもよく、任意の2日間乗り放題で、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人3,800円(1900円/日)・小児1,900円。3dayチケットと同様、通年発売であるが有効期限があるので購入・使用の際には注意が必要である。発売方法は3dayチケット(全国通年発売版)と同じ。払い戻しは不可である。
3dayチケット(関西駅売限定版)
任意の(連続していなくても可)3日の乗り放題、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人5,000円(1667円/日)・小児2,500円。春・夏・秋のシーズンのみの発売で、利用日が限定されている。加盟社局の主要駅などで発売。払い戻しは、未使用の場合に限り全てそろった状態で有効期間内に発行社局で手数料を支払うことで可能である。
  • 2dayチケット・3dayチケットでは従来の利用範囲のほかにも京阪石山坂本線京阪バスの大津地区など若干だが利用範囲が広がる。一方で各バス会社が受託運行する地方自治体のコミュニティバスには制約がある。
大阪周遊パス
大阪市交通局の地下鉄・ニュートラム・路線バスと大阪市内エリア(堺市尼崎市の一部も含む)の電車・バス・に1日乗り放題。25施設にそれぞれ1回まで入場無料、そのほか施設、店舗割引が利用できる。2,000円(大阪エリア版、大人のみ)。春夏版(4~9月)、秋冬版(10~3月)の発売で発売期間の翌月末まで利用可。加盟社局のフリー区間を加えたエリア拡大版(2,200円から)もある。さらに海遊館の入場券も組み込まれた「大阪海遊パス」も発売されている。
神戸観光1dayクーポン
神戸エリアの電車とバスに1日乗り放題[9]神戸市内の観光施設で利用できる1,000円分の「神戸街遊券」がセットになっている。2,000円(大人のみ)。春・夏版(4~9月)、秋・冬版(10~3月)の発売で発売期間と有効期間が同じである。ほかに阪急阪神山陽・神鉄拡大版も発売されている。また冬季を中心に「有馬温泉 太閤の湯」の入場料が組み込まれた「有馬温泉ゆけむりチケット」が発売されることもある。

上記の切符以外にもスルッとKANSAI協議会加盟各社では時季によって企画ものとして、2社局以上を跨ぐフリー切符が発売されている。

[編集] 脚注

  1. ^ 会社年設立時の商号は「株式会社スルッとカンサイ」であったが、商業登記規則改正後に商号変更を行った[1](Internet Archive)。
  2. ^ 西武鉄道公式サイトより
  3. ^ 偽造磁気カード見つかる 大阪市交通局 産経新聞 2008年12月29日
  4. ^ 大阪市交通局「偽造レインボーカード対策について」2009年3月23日閲覧
  5. ^ 京都市交通局「スルッとKANSAI都カード 5,000円券の窓口発売終了について」2009年3月23日閲覧
  6. ^ 近畿日本鉄道「偽造スルッとKANSAIカードの発見について」
  7. ^ 「スルッと」偽造5000円券…通れず 阪急駅で発見 産経新聞 2009年4月22日
  8. ^ 偽造乗車カード使用容疑で男2人逮捕 大阪府警
  9. ^ スルッとKANSAI加盟社局に限る。神戸電鉄に関しては有馬温泉駅まで乗車可能であるが「神鉄拡大版」を除き途中の花山駅有馬口駅間での乗降はできない。他に神戸交通振興ではカードでの乗車は山手線のみ利用可、なおシティループは付属の「神戸街遊券」を利用すると乗車可能である。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月12日 (木) 20:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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