スーパーライセンス

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スーパーライセンスSuper Licence)は、国際自動車連盟(FIA)が発給するモータースポーツライセンスのクラスの一つ。競技運転者(ドライバー)としてフォーミュラ1(F1)に参戦するためにはこのスーパーライセンスを所持していることが必須条件である。 モータースポーツライセンスのトップライセンスである。 FIAのF1 Sporting Regulationによれば、スーパーライセンスにはドライバー・チーム(Competitor)・オフィシャルの3種類のライセンスが存在するが、本記事ではその中でも特にドライバーライセンスについて解説する。

目次

[編集] ドライバーライセンス

ドライバーがスーパーライセンスの発給を受けるための条件は、FIA International Sporting Code Appendix L の中で規定されており、2009年現在は以下の2条件を満たすことが必要とされている。

  1. FIAの発給するグレードA(国際A級)ライセンスを保持している。
  2. 以下のいずれかに該当すること。
    1. 前年度のF1のシリーズ戦で決勝出場5戦以上、もしくは過去3年間で決勝出場15戦以上の経験者。
    2. 過去にスーパーライセンスを取得したことがあり、前年度にF1チームのレギュラーテストドライバーを務めていた者。
    3. 過去2年以内にGP2メインシリーズGP2アジアシリーズフォーミュラ・ニッポンF2のシリーズランキング3位以内に入賞した者。
    4. 過去2年以内にインディカー・シリーズ(IRL)かチャンプカー(旧・CART)でシリーズランキング3位以内に入賞した者、もしくは前年度のIRLでシリーズランキング4位以内に入賞した者。[1]
    5. フォーミュラ・ルノー3.5(FIAの記述上は「the World Series F/Renault V6」)、F3ユーロシリーズ、もしくはイギリス・イタリア・スペイン・日本F3のシリーズチャンピオン(当該シリーズの最終戦から12ヶ月以内に限り有効)。
    6. 1~5のいずれにも該当しないが、テストドライブを行う国の自動車連盟(ASN)の許可を得て2日間以内にF1マシンによるレーシングスピードでのテスト走行(走行距離は最低300km以上)を実施した上で、F1委員会による(テスト結果や過去2年間の参戦実績を基にした)審査を受け、特別にライセンスの発給が認められた者。

テスト走行を経てF1委員会の特別発給審査を通過したドライバーとしては、ジェンソン・バトンキミ・ライコネンらが有名である。

なおライセンスは12ヶ月有効であり、一度スーパーライセンスを得た者でも更新時に上記の条件を満たしていない場合は更新にあたりF1委員会の審査が必要になる。

スーパーライセンス取得には国内B級→国内A級→国際C級→国際B級→国際A級の順にステップアップしなくてはならない。   

[編集] 歴史

スーパーライセンスの発給資格には時期により変遷が見られる。

  • 2007年
    • フォーミュラ・ルノー3.5・国際F3000マスターズのチャンピオンが発給対象に追加された。
  • 2009年
    • 「F1チームと契約に合意している」条件が外された。
    • 新たにF2・GP2アジアシリーズのシリーズランキング3位以内、スペインF3のチャンピオンが発給対象に追加。一方でユーロ3000選手権・国際F3000マスターズのチャンピオンが発給対象から外されたほか、GP2メインシリーズ・IRL・チャンプカーの発給対象ドライバーの範囲が変更された。
    • 過去のF1参戦ドライバーについて、「過去3年で決勝出場15戦以上」「前年にF1チームのレギュラーテストドライバーだった」という発給資格が追加された。
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[編集] 年会費

基本料 加算料 保険料
~2007年 1,690ユーロ 447ユーロ/ポイント 2,615ユーロ
2008年 10,000ユーロ 2,000ユーロ/ポイント 2,615ユーロ
2009年 10,400ユーロ 2,100ユーロ/ポイント 2,720ユーロ

※加算料は前年に獲得したポイントが基準となる。

上記のように、ライセンス発給のために必要な年会費が2008年より大幅に値上げされたことで、ドライバーから不満の声が上がっている[2]。2007年度ドライバーズチャンピオンのキミ・ライコネンを例にあげると、2007年(前年は65ポイント)の会費は33,360ユーロ(約530万円)なのに対し、2008年(前年は110ポイント獲得)は約23万ユーロ(約3,600万円)の会費をFIAに納めなくてはならない計算になる。

FIA会長のマックス・モズレーは、当時「2000万ユーロ以上を稼ぐ人間にとって、25万ユーロのライセンス料は決して無謀な支出にはならない」と語り、値上げを正当なものだとしたが[2]、一方でドライバー側の団体であるグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)では、この値上げを不服として、同年のイギリスグランプリにおいて何らかのボイコット行動を起こすことを示唆したりもした[3](実際にはボイコットは行われなかった)。しかし2009年もさらに値上げが行われたことでGPDAからは強い不満が上がるようになったため、FIAではGPDAとの話し合いの上で2010年以降年会費を値下げする方向で見直すことを発表した[4]

ちなみに年会費は建前上はドライバーが自ら支払うことになっているが、実態はチームが代わりに支払っている場合も多い。また、これらの年会費は「FIAによるさらなる安全確保のための資金に充てる」とされているが、具体的な使途は明らかにされていない。

[編集] ライセンス発給を巡る問題

スーパーライセンスの発給の是非は、最終的にFIAのF1委員会の判断で決定されるが、その意思決定プロセスは非公開であり不透明であることから、しばしばライセンスの発給を巡り問題が発生することがある。

過去には

といった事例があり、このことから「ライセンス発給に当たって、アジアから参戦するドライバーが不当に差別されているのではないか」と一部のモータージャーナリストから不満の声も上がっている。

2001年にはキミ・ライコネンF3000F3のカテゴリーを経験することなくザウバーと正ドライバー契約を結んだが、他チームからスーパーライセンスの発給に疑問を出されたため、開幕から4戦限定の仮ライセンスを発給することとなった。開幕戦でいきなり入賞するなどしたため、正式にスーパーライセンスを発給することになった。

またそれ以外にも、1990年にはアイルトン・セナのライセンス更新を巡って、当時FISA(現在のFIA)会長だったジャン=マリー・バレストルが更新を渋る姿勢を見せたこともあり(当時バレストルは、自分と同じフランス出身のアラン・プロストに肩入れしていたため、ライバルであったセナに対し「F3000にでも出たらどうだ」と嘯いたこともあった)、「ライセンス更新が政治的に利用されている」と多くのF1関係者がバレストルを非難したこともある。

[編集] 脚注

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  1. ^ 2010年からは「過去2年以内にIRLのシリーズランキング4位以内に入賞した者」となる。
  2. ^ a b 東京中日スポーツ・2008年1月30日付 19面
  3. ^ ストライキの可能性を認めるドライバーたち
  4. ^ FIA Agrees Superlicence Fee Reduction - FIAプレスリリース・2009年3月23日

最終更新 2009年6月29日 (月) 07:41 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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