セメント

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曖昧さ回避 この項目では、コンクリートやモルタルの材料について記述しています。その他の用法については「セメント (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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セメント (Cement) とは、一般的には、や液剤などにより水和重合し硬化する粉体を指す。広義には、アスファルト樹脂石膏石灰等や、これらを組み合わせた接着剤全般を指す。

本項では、モルタルコンクリートとして使用される、ポルトランドセメントや混合セメントなどの水硬性セメント(狭義の「セメント」)について記述する。

目次

[編集] 歴史

セメントの利用は古く、古代エジプトピラミッドにもモルタルとして使用されたセメント(気硬性セメント)が残っている。古代ギリシア古代ローマの時代になると、凝灰岩の分解物を添加した水硬性セメントが水中工事や道路工事などに用いられるようになった。

1796年には、イギリス人のジェームズ・パーカー (James Parker) が「ローマンセメント」を発明した。このローマンセメントは、粘土質の石灰石を1000-1100と推定される高温で焼成し、その塊を粉砕して粉末としたセメントであった。

1824年には、イギリス・リーズ煉瓦積職人ジョセフ・アスプディンが「ポルトランドセメント」を発明した。このポルトランドセメントは今日のセメントの主流であり、単にセメントと言った場合このポルトランドセメントを指すことが多い。 ポルトランドセメントのスペルは、Portland cementであり、アスプディンはイギリス人であり、イングランドのポートランド島特産の石灰石の色調ににていたことから、Portland cementと命名された。

[編集] 種類

セメントは、「ポルトランドセメント」、ポルトランドセメントを主体として混合材料を混ぜ合わせた「混合セメント」、その他の「特殊セメント」の3つに大別される。

[編集] ポルトランドセメント

ポルトランドセメント」を参照

ポルトランドセメントには、用途に合わせた品質・性質の異なる種類がある。一般的な工事・構造物に使用される「普通ポルトランドセメント」、短期間で高い強度を発現する「早強ポルトランドセメント」、水和熱が低い「中庸熱ポルトランドセメント」、セメントよりも白色である「白色ポルトランドセメント」が主な種類である。

[編集] 混合セメント

高炉セメント
製鉄所の銑鉄製造工程である高炉から生成する副産物である高炉スラグの微粉末とポルトランドセメントを混合したセメントである。セメントの水和反応で発生した水酸化カルシウムなどのアルカリ性物質や石膏などの刺激により水和・硬化する性質がある。初期強度は普通ポルトランドセメントよりも低いが、この性質により長期にわたって強度が増進し、長期強度は普通ポルトランドセメントを上回る場合もある。海水化学物質に対する抵抗性に優れ、港湾ダムなどの大型土木工事に使用される。
JISでは JIS R 5211 で規定され、高炉スラグの分量により A種 (5-30%)、B種 (30-60%)、C種 (60%-) に分類される。
ドイツでは20世紀の初頭から製造され、日本では八幡製鐵所1913年(大正2年)に製造されたのが始まりである。
シリカセメント
二酸化珪素(シリカ)を60%以上含む天然のシリカ質混合材とポルトランドセメントを混合したセメントである。耐薬品性を要する化学工場に使用される。JISでは JIS R 5212 で規定されている。現在ではほとんど生産されていない。
フライアッシュセメント
フライアッシュ(火力発電所で発生する石炭焼却灰)とポルトランドセメントを混合したセメントである。球形のフライアッシュを混合するため、このセメントを使用するコンクリートは流動性が改善されワーカビリティに優れる。また、フライアッシュに含まれる二酸化ケイ素が水和反応によって生じた水酸化カルシウムと反応(ポゾラン反応)し、緻密で耐久性に優れたケイ酸カルシウムの水和物を発生させる。そのため水密性があり、港湾やダムなど水密性が要求される構造物で使用される。
JISでは JIS R 5213 で規定され、フライアッシュの分量により A種 (5-10%)、B種 (10-20%)、C種 (20-30%) に分類される。

[編集] 特殊セメント

アルミナセメント
アルミニウムの原料であるボーキサイトと石灰石から作られる、酸化アルミニウム(アルミナ)を含むセメントである。練混ぜた後すぐに強い強度を発揮し、耐火性・耐酸性がある。緊急工事や寒冷地での工事、化学工場での建設工事、耐火物などに使用される。

[編集] 用途

ポルトランドセメントと混合セメントは、土木・建築用のコンクリートモルタルの材料として使用される。

セメントにを練り混ぜたものはセメントペーストと呼ばれ、それに細骨材)を加えたものがモルタルである。モルタルに粗骨材砂利)を混ぜあわせたものはコンクリートと呼ばれる。モルタルやコンクリートは化学混和剤を添加し、さらに、空気量も適度に確保するように考慮して設計・製造される。

[編集] 安全性

セメントは、水と反応すると水酸化カルシウムを発生させアルカリ性を示す性質がある。そのため、皮膚に対して刺激性があり、セメントが長時間付着した状態が続くと目の角膜や鼻の粘膜、皮膚に炎症が起きる可能性がある。ただし、硬化したセメント(モルタル・コンクリート)の場合は水酸化カルシウムは二酸化炭素と反応し中性炭酸カルシウムとなっているので、炎症を引き起こす可能性はない。

また、平均粒径が10μm程度の微粉末であるため発塵性があり、多量のセメントを吸引すると塵肺になる可能性がある。天然資源を原料とするためセメントは微量の六価クロムを含んでいる。

[編集] セメント産業

セメント製造量の上位5か国は、順に中華人民共和国インドアメリカ合衆国日本大韓民国である。また、ラファージュフランス)、ホルシムスイス)、セメックスメキシコ)、ハイデルベルグセメントドイツ)、イタルチェメンティイタリア)の大手セメントメーカー5社は「セメントメジャー」と呼ばれる。

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[編集] セメントに因む地名

「セメント町」の町名標

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 小野田セメント 『百年史』 小野田セメント、1981年。
  • 日本セメント 『百年史』 日本セメント、1983年。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月22日 (日) 07:58 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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