セレンディピティ
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セレンディピティ(英語:serendipity)は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。
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[編集] 語の起源と意味
「serendipity」という言葉は、イギリスの政治家にして小説家であるホレス・ウォルポール(ゴシック小説『オトラント城奇譚』の作者として知られる人物)が1754年に生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子(The Three Princes of Serendip)』という童話に因んだものである(セレンディップとは現在のスリランカのことであるから、すなわち、題名は「スリランカの3人の王子」という意味である)。ウォルポールがこの言葉を初めて用いたのは、友人に宛てた書簡において、自分がしたちょっとした発見について説明しているくだりにおいてであり、その書簡の原文も知られている。
この私の発見はまさに私に言わせれば「セレンディピティ」です。このセレンディピティという言葉はとても表現力に満ちた言葉ですよ。この言葉を理解していただくには、へたに語の定義などするよりも、その物語を引用したほうがずっとよいでしょう。かつて私は『セレンディップの3人の王子』という童話を読んだことがあるのですが、そのお話において、王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、彼らがもともと探していなかった何かを発見するのです。例えば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見します。何故分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためなのです。さあ、これで「セレンディピティ」がどのようなものか理解していただけたでしょう?
英英辞書では以下のように説明されている。
Serendipity: the natural ability to make interesting or valuable discoveries by accident
– Longman Dictionary of contemporary English
ただし、このような起源を持ち、辞書で上記のように説明されているにもかかわらず、日常会話などで、セレンディピティが発見する「能力」を指していると理解せず、発見した「幸運」と誤解してしまう人もいる。単なる幸運ならば「luck」とでも表現すれば済むところをあえて「serendipity」と表現するのはそれ相応の理由があるからなので、serendipity を単なる「幸運」や「偶然」と理解することはやはり誤解や理解不足と言える。
[編集] 日本語訳
英語以外の言語には、serendipity と同じ意味を一語で表す単語は存在しないと考えられており、英語から他言語への翻訳不能な語彙の一つとして取り上げられることがある。日本語で「偶察力」と訳される場合もあるが、確固とした訳語は定まっておらず、通常は音写のセレンディピティ(あるいは「セレンディーピティー」等)が用いられる。
[編集] 自然科学におけるセレンディピティ
セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取ることができれば成功に結びつくという、一種のサクセスストーリーとして、また科学的な大発見をより身近なものとして説明するためのエピソードの一つとして語られることが多い。
[編集] セレンディピティが見出せる代表例
- ハンス・クリスティアン・エルステッドによる、電流と磁気の関係の発見(1820年)
- チャールズ・グッドイヤーによる、ゴムへの加硫の発見(1839年)
- アルフレッド・ノーベルによる、ダイナマイトの発明(1866年)
- クリップの発明(1890年代)
- ヴィルヘルム・レントゲンによる、X線の発見(1895年)
- ピエール・キュリー、マリ・キュリー夫妻による、ラジウムの発見(1898年)
- アルバート・ホフマンによる、LSDの幻覚作用の発見(1938年)
- ロイ・プランケットによる、テフロンの発見(1938年)
- パーシー・スペンサーによる、電子レンジの発明(1940年代)
- ジョルジュ・デ・メストラルによる、マジックテープの発明(1950年頃)
- 江崎玲於奈らによる、トンネルダイオード、トンネル効果の発見(1950年代)
- アーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによる、宇宙背景放射の発見(1964年- 1965年)
- アントニー・ヒューイッシュとジョスリン・ベル・バーネルによる、パルサーの発見(1967年)
- スペンサー・シルバー(en)による、付箋(ポストイット・メモ)の発明(1969年)
- ルイス・アルヴァレズ、ウォルター・アルヴァレズ、フランク・アサロ(en)、ヘレン・マイケル(en)による、恐竜滅亡の小惑星衝突原因仮説(1980年)
- ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールによる、フラーレン(C60)の発見(1985年)
- 田中耕一による、高分子質量分析法(MALDI法)の発見(1980年代)
- 飯島澄男による、カーボンナノチューブの発見(1991年)
[編集] 参考文献
- 宮永博史 『成功者の絶対法則 セレンディピティ』 祥伝社、2006年、ISBN 4396681127。
- 沢泉重一 『偶然からモノを見つけだす能力』「セレンディピティ」の活かし方 角川書店、2002年、ISBN 4047040959。
- アイラ・フレイトウ Ira Flatow 『あっ、発明しちゃった!』 アスキー出版局、1998年、ISBN 4756119328。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Polymers & Serendipity: 事例 :レーヨン、ナイロン、その他化学分野における事例。
- Max : A software agent built to induce serendipity.
- Social Serendipity :MIT メディアラボ 携帯電話を使用した社会的セレンディピティ。
- The Three Princes of Serendip :物語。
- Serendip : a website continually evolving using the principles of serendipity.
- Serendip :オランダ/ベルギーのインターネット検索競争。
- Serendipity Blog :オープンソースブログスクリプト。
- Serendipity and the Internet : from Bill Thompson at the BBC.
- Accidental discoveries. : PBS.
- Serendipity of Science : a BBC 4 Radio series by Simon Singh.
- Top Ten: Accidental discoveries. ディスカバリーチャンネル
最終更新 2009年11月3日 (火) 04:03 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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