ゾウ

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?ゾウ目

アフリカゾウ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ゾウ目長鼻目Proboscidea
上科 : ゾウ上科 Elephantoidea
: ゾウ科 Elephantidae
Gray, 1821
属、種
ゾウ類の分布茶色がアジアゾウ、緑色がアフリカゾウ属
ゾウ類の分布
茶色がアジアゾウ、緑色がアフリカゾウ属

ゾウ)とは哺乳綱ゾウ目(長鼻目)に属する動物の総称である。陸棲哺乳類では最大の大きさを誇る。この項では現存するゾウ類についてのみ記述する。分類群そのものについてはゾウ目を参照。

目次

[編集] 名称

「ゾウ」は漢字「」の音読み。「象」の字は、古代中国にも棲息していたゾウの姿にかたどった象形文字であるとされる。

これとは別に、日本にはゾウがいないにもかかわらず、日本語には「きさ」という古称があった[1]。より古い時代に舶来していた象牙を「きさのき」と呼んだ[2]ことに由来するという。

和名抄

象、岐佐、獣名。似水牛、大耳、長鼻、眼細、牙長者也。

と見える。 ほか、「宇津保物語」、「宇治拾遺物語」、江戸時代の「椿説弓張月」などにも用例がある。

英語や仏語の elephant 、独語の Elefant はいずれもギリシア語 elephas「ゾウ」に由来し、ギリシア語は雄牛を意味するフェニキア語のエルフ・エルプス、もしくはヘブライ語のエレフ・アレフ・オリフントなどに由来する。[3]

[編集] 形態

長い、大きなが特徴。が短く、立ったままではを地面につけることが出来ない。膝をついてしゃがむか、むしろ筋肉質の長い鼻を使って食べ物やなどを口に運ぶ。鼻を使って水を体にかけ、水浴をすることもある。この鼻は上唇と鼻に相当する部分が発達したものであり、先端にあるのような突起でピーナッツのような小さな物から、豆腐といった掴みにくい物までを器用に掴むことができる。

また嗅覚も優れており、鼻を高く掲げることで遠方よりに乗って運ばれてくる匂いを嗅ぎ取ることができる。聴覚も優れている。詳細は下記の「生態」の項を参照のこと。しかし視力は弱く、色覚も無く、外界の認識は嗅覚と聴覚によっている。

第2切歯が巨大化した「」を持ち、オスのアフリカゾウでは牙の長さが3.5mにまで達することもある。牙は象牙として珍重され、密猟の対象となる。巨大な板状の臼歯が上下に1本ずつの計4本しかない。自分の体重や歩くことによって足にかかる負担を少なくするために、足の骨と足の裏の間には脂肪に包まれた細胞がつまっている。

[編集] アフリカゾウとアジアゾウの違い

左がアフリカゾウ、右がアジアゾウ
アフリカゾウ アジアゾウ
体長 6~7.5m 5.5~6.4m
体高 3~3.8m 2.5~3m
体重 5.8~7.5t 4~5t
オスでは3m以上にもなる オスでも2m以下が普通で、メスは更に短く外部からは見えない
歯の表面の模様 ひし形で間隔はやや広い 横縞の間隔がせまい
背中 肩と腰が盛り上がる分背中が少し凹んでいる 丸い
大きく三角形 小さく四角形
鼻先の指状突起 上下2つ 上方1つ
の数 前4・後3 前5・後4
気性 荒く、人間に慣れ難い 温厚で、人間によく慣れると言われる
平ら 2つのこぶがある
濃い灰色 薄い灰色または白色

ただし気性には異論もあり、アフリカゾウが気性が荒いというのは俗説で、飼い慣らせば人間に従順になって労役もこなすとの意見もある。ただし労役をこなしたのはアフリカゾウの中でもマルミミゾウの事であり、これは別種とされている。

[編集] 生態

雌を中心とした群れを単位として生活し、高度な社会を作っている。巨大な体躯のため、成体のゾウが襲われる事は殆ど無いが、しかし人間をはじめ敵が皆無な訳ではなく、アフリカではライオンやハイエナの群れ、インドではトラが、主にゾウの幼獣を襲う事が確認されている。故に、群れの成獣たちは常に幼獣の周りを取り囲んで、これらの敵から身を守っている。

人間には聞こえない低周波音(人間の可聴周波数帯域約20Hzのそれ以下)で会話していると言われ、その鳴き声は最大約112dBもの音圧(自動車のクラクション程度)があり、最長で約10km先まで届いた例もある。加えて、象は足を通して低周波を捕えられることも確認された。

ゾウの足の裏

ゾウの足の裏は非常に繊細であり、そこからの刺激が耳まで伝達される。彼らはこれで30~40km離れたところの音も捕えることができる。この生態領域はまだ研究途中であるが、雷の音や、遠く離れた地域での降雨を認知できるのはこの為ではないかと考えられている。また足の裏はいくつものひび割れがあり、滑り止めの役割をしている。なお、個体によってひび割れの模様は違っており、人間の指紋に近い。また、その巨体ながら、時速40キロ程度で走ることができる。

高い認知能力も持ち、人間を見分ける事も出来ると言われる。例えば飼育下において、優しく接してくれた人間に対しては甘えたり挨拶したりするが、逆に自らや仲間に危害を加えた人物に対しては非常に攻撃的になる。また、人の言語の違いを聞き分けられるとも言われ、象を襲っていたマサイ族の言語を非常に警戒したとの報告もある。ただし、同じマサイ族でも狩りに参加しない女性にではなく、男性だけを避けようとする等々、様々な逸話が伝えられる。また、群れの仲間が死んだ場合に葬式ともとれる行動をとることがある。死んだ個体の亡骸に対し、周りに集まり鼻をあげて匂いを嗅ぐような動作や、労わるように鼻で撫でる等の行動をとった記録がある。これらの行為の意味については疑問点も多いが、いずれにせよかなり優れた記憶力や知能を持っていると推察されている。

タイのチェンマイでは象が絵を描く芸が披露されている。[4]

草・葉・果実・野菜などを食べる。ミネラルをとるために岩塩などを食べることもある。草食動物で1日に150kgの植物や100Lの水を必要とし、野生個体の場合はほぼ一日中食事をしている。体が大きいため必要な食物も並大抵のものではないため森林伐採などの環境破壊の影響を受けやすく、また食欲と個体数増加に周囲の植生回復が追いつかず、ゾウ自身が環境破壊の元凶になってしまうこともある。

成熟した成獣のオスにはマスト(ムスト)と呼ばれる一定の間凶暴になる時期がある。ゾウはこめかみの辺りからタール状の液体を出すが、マストとなった個体はその分泌量が多くなるため、その判断材料とされる。動物園等では、この時期の個体は保安のため、檻の中で鎖に繋いでおくことが多い。

[編集] ゾウの墓場伝説

ゾウの死体や骨格は自然状態では全くと言っていいほど発見されなかったため、欧米ではゾウには人に知られない定まった死に場所があり、死期の迫った個体はそこで最期を迎えるという「ゾウの墓場」伝説が生まれた。だが、実際には他の野生動物でも死体の発見は稀で、ゾウに限った事ではない。自然界では動物の死体は肉食獣や鳥、更には微生物によって短期間で骨格となり、骨格は風化作用で急速に破壊され、結果的に文明人の往来が少なかったアフリカでは遺骸が人目につく事はなかった。そうした事情がもとになり、この伝説ができたものと考えられている。象牙の密猟者が犯行を隠すためにでっち上げたという説もある。なお、近年はアフリカのサバンナでも人の行き来が頻繁になり、ゾウの遺骸も時折見られている。

[編集] ギャラリー

[編集] 進化と分類

ゾウ目」も参照

長鼻類でもっとも進化したグループであるゾウは新生代第四紀にはオーストラリア南極大陸以外の総ての大陸に分布していたが、自然環境の変化や人類の狩猟などによりやがて衰退し、現在はサハラ砂漠以南のアフリカに生息するアフリカゾウインドおよび東南アジアに生息するアジアゾウのわずかに2種が残るのみであり、滅亡へ向かいつつあるグループといえる。動物園の定番ではあるが、共に絶滅危惧IB類(IUCNレッドリスト)に指定されている。また最近ではアフリカゾウの亜種と考えられてきたマルミミゾウは、現在は別種であるとされることが多くなってきている。

化石種のゾウではマンモスが特に有名。かつて日本にもナウマンゾウ(Palaeoloxodon naumanni)などのゾウが生息していた時代がある。

[編集] 現生種

現生種はアフリカゾウとアジアゾウの2種存在している。アフリカゾウには2亜種、アジアゾウには4亜種がいる。マルミミゾウを別種とする場合、現生種は3種となる。

  • アフリカゾウ (Loxodonta africana )
    • サバンナゾウ (Loxodonta africana africana )
    • マルミミゾウ (Loxodonta africana cyclotis )
      体高2~2.4mと小柄。中央・西アフリカの森林地帯に生息し、「シンリンゾウ」とも呼ばれる。耳が小さく丸みを帯びている事、牙が真っ直ぐ下へ向かって生えている事が特徴。マルミミゾウは独立した1つの種として扱う場合、学名は (Loxodonta cyclotis )となる。
  • アジアゾウ (Elephas maximus )
    • インドゾウ (Elephas maximus bengalensis )
    • セイロンゾウ (Elephas maximus maximus )
    • スマトラゾウ (Elephas maximus sumatrana )
    • マレーゾウ (Elephas maximus hirsutus )

[編集] 狩猟と保護

ゾウ類は人間の重要な狩り対象であった。 食用としても重視され、先史時代からナウマンゾウマンモスといったゾウ類が人類にとって重要な獲物であったことは多くの証拠から認められている。崖から数百頭の群れを一度に追い落とす猟が度々行われてきた痕跡から、彼らの絶滅に人間の関与を指摘する向きもある。

現在では数が少なくなったために保護が行われているが、この個体数減少の原因のひとつも人による捕獲圧であると考えられる。特に大型になる動物である類などにも共通するが、元々の繁殖力が低い為、狩りの圧力を受けやすい。

現在においては食用目的の捕殺は稀であり、捕獲の最大の理由は象牙となっている。象牙(特に長い象牙を持つ象)を目的とした捕獲が後を絶たない為、自然界では成熟しても象牙の短い象の個体数が増えているとの報告もある。

日本の動物園においては定番として飼育されるが、基本的に群れで繁殖するにも関わらず数頭ずつしか飼育されない環境の為か、繁殖例は極めて少ない(アジアゾウ、アフリカゾウの各項参照)。

[編集] 人との関わり

ゾウを椅子に座らせる芸
ガネーシャの彫像

[編集] 役畜としてのゾウ

アジアゾウは使役動物として現地の人たちには移動手段として使われ、重いものを運ぶのにも利用される。軍事用に使われたこともある。これはアフリカゾウも使われた(下記を参照)。

他に芸をさせることもある。サーカスではゾウに逆立ちさせたり台に上らせたりといった芸をさせる。タイではゾウにサッカーをさせる行事がある。

[編集] インド神話、ヒンドゥー教、仏教とゾウ

インドの神話でゾウは世界を支える存在として描かれる。 ヒンドゥー教には、ゾウの頭を持つガネーシャと呼ばれる神様がいる。仏教では歓喜天に当たり、シヴァ神の長男で富と繁栄の神様とされる。また、天帝インドラアイラーヴァタと呼ばれる白象に乗っている。

仏教の影響下、東南アジアでも白いゾウ(白象)は神聖視された。釈迦は白象の姿で母胎に入ったという。ゾウは普賢菩薩の乗る霊獣として描かれることが多い。

古い将棋系のボードゲーム、たとえばチャトランガ等にはゾウを意味する駒があった。

[編集] 古代ローマとゾウ

古代地中海世界では戦象としてゾウを軍用に使役していた。古代ローマ人が初めてゾウと遭遇したのはピュロスイタリア半島侵入の際で、ヘレニズム世界で使用されていた戦術をピュロスがそのまま持ち込んだものであった。このときローマ軍が戦象と戦った場所ルカニアからローマではゾウはルカニアの牛と呼ばれた。こうしたピュロスのエピソード以上に第二次ポエニ戦争の際、カルタゴの将軍ハンニバルがその傭兵部隊に加えて39頭の象を引き連れ、イタリア半島に侵攻したことはよく知られている。アルプス山中で受けた妨害と寒さや餓えのため、イタリアの平野部に到達した象は元の半数以下だったが、それもトレビア川の戦いでインドゾウの一頭を残してことごとく倒れた(最後のゾウ以外はアフリカゾウ(マルミミゾウ)であった)。

[編集] 日本人とゾウ

日本へ人為的に初渡来したのは応永15年6月22日1408年7月15日)、東南アジア方面からの南蛮船により、足利義持への献上品として現在の福井県小浜市に入港した記録がある。

享保13年(1728年)には、オスメス2頭の象が江戸幕府8代将軍・徳川吉宗に献上するために広南(ベトナム)から連れてこられた。メスは上陸地の長崎にて死亡したが、オスは長崎から江戸に向かい、途中、京都では中御門天皇の上覧があった。上覧には位階が必要なため、オスのゾウには「広南従四位白象」と位と姓名が与えられている。江戸では徳川吉宗は江戸城大広間から象を見たという。その後、ゾウは浜御殿にて飼育されていたが、飼料代がかかり過ぎるため寛保元年(1741年)、中野村(現東京都中野区)の源助という農民に払い下げられ、翌年病死した。現在も馴象之枯骨(じゅんぞうのここつ)として、中野の宝仙寺に牙の一部が遺されている。

[編集] 日本語の中のゾウ

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

とにかく大きくて重いものの代表になり、大きさを示すのにゾウ何頭分という表現が使われたり、「ゾウが踏んでも壊れない」ことがキャッチフレーズになった商品も例もある。

[編集] ことわざ

  • 群盲(ぐんもう)象を評(ひょう)す(群盲象を撫でる、とも言う)

 3人の盲人が象を触り、それぞれが足を触り「これは丸太だ」、鼻を触り「これはロープだ」耳を触り「平べったいものだ」と三者三様の意見を発言するという話からきている言葉。個々の意見はそれなりに正しいが、全体像としては間違っているという意味で使用される。

[編集] ゾウに関連する作品など

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 脚注

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  1. ^ 象潟(秋田県)などの地名に残る。
  2. ^ 日本書紀に用例がある。
  3. ^ 亀井節夫 『日本に象がいたころ』 岩波新書 p95
  4. ^ Painting Elephant - YouTube (Adobe Flash video)

[編集] 外部リンク


arz:فيل

最終更新 2009年9月9日 (水) 22:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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