タイの国章

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タイ王国の国章

タイ王国の国章(たいおうこくのこくしょう)は仏教およびヒンドゥー教の神話に登場する神鳥・ガルダをモチーフとしている。アユタヤ王朝以来のタイのシンボルであり、国章となったのは1893年のことであった。

翼を広げたガルダは王室および政府の象徴として用いられ、憲法官報など政府の発する文書や書簡にはガルダの絵が描かれている。この姿のガルダは「Krut Pha」、ヴィシュヌのヴァーハナ(神の乗り物)となったガルダと呼ばれている。

ガルダはインドネシアの国章およびモンゴル国の首都ウランバートルの紋章としても用いられている。タイの国章のガルダとインドネシアの国章にあるガルーダとの違いは、紋章学に基づく盾(エスカッシャン)などを用いていないことにある。

目次

[編集] 国章制定の歴史

タイの国王旗

1873年、即位から間もないシャム王国国王ラーマ5世(チュラチョームクラオ王、あるいはチュラーロンコーン大王)は近代化の一環として西洋の紋章学に基づく国章を制定した(後述)。しかし20年後の1893年、ラーマ5世は、この紋章が西洋化されすぎておりアユタヤ王朝以来の王権の象徴であったガルダの姿がないとして異母兄弟のナリッサラーヌワッティウォン親王(ナリット親王)に対しそれまでの紋章に変わる新たなエンブレムを作るよう命じた。

当初、ナリット親王は円の中にガルダがヴィシュヌ神を載せ、蛇神ナーガを退治している姿を描いた。このエンブレムは、ラーマ5世がナリット親王に対しヴィシュヌとナーガを除くように指示したため短期間しか使われなかった。

ラーマ5世が崩御した後、新たな王となったラーマ6世(モンクットクラオ王)は新たなエンブレム作りを命じた。これはラーマ5世時代のエンブレムに基づくものだったが外周に円を描いてその中に王の名が書かれており、新たな王が即位するたびに外周の円にある王の名も書き改めることになっていた。ラーマ7世(ポッククラオ王)の1935年の退位後に即位したラーマ8世(アーナンタ・マヒドン王)はまだ若くスイス留学中であり戴冠が行われなかったため、新たなエンブレムも作られないままであり結局ラーマ5世のエンブレムがそのまま代わりに用いられることになった。

今日では外側に円のないガルダの像が、タイ王国のエンブレムとして用いられている。政府文書などの上方にはこのエンブレムが印刷されている。また王室と取引のある信頼できる企業のうち、希望する企業に対しては、国王より御用達の証としてガルダの像が贈られている。

[編集] タイのかつての国章

1873年から1910年までの国章。今日でもタイ警察の帽章や、軍の大学チュラチョームクラーオ・ロイヤル・ミリタリー・アカデミー(CRMA)の象徴として使われる

タイ(シャム)はかつて西洋の紋章学に基づいた国章を定めており、1873年にラーマ5世が制定したときから1910年にラーマ5世が崩御するまでの間使われていた。

紋章の上の方にはタイの国王王権を象徴するレガリア五種の神器」のひとつ、金色に輝く大きな王冠「プラマハーピチャイモンクット」(戦勝の王冠、พระมหาพิชัยมงกุฎ)があしらわれて、その頂上から光線が放たれている。王冠の下にはタイの王家であるチャクリー王朝の象徴、「スダルシャナ(ヴィシュヌの力の象徴である円盤状の武器・チャクラム)の中にあるトリシューラシヴァが持つ三叉戟)」が描かれている。王冠の左右には、国王のためにかざされる金色の七層の傘が描かれている。

紋章の両脇には五種の神器のうちの短剣「プラセーンカンチャイシー」(พระแสงขรรค์ชัยศรี)と杖「ターラプラコーン」(ธารพระกร)があり交差している。その背後にはドレープ状のローブが垂れ下がり紋章全体を包み込んでいるが、これは王のローブであり、ラーマ5世が制定したチュラチョームクラーオ勲章のローブでもある。傘と盾を支えるサポーターは伝説上の動物、王の獅子(rajasiha)と象と獅子の合わさった神獣(gajasiha)である。

シールド(盾)は3つの部分に分かれる。上部には王国のうちタイ族の地(シャムの北部、南部、中部)を象徴するエラワン(เอราวัณ, 胴が一つで頭が三つの象、アイラーヴァタのタイでの呼び名)が黄色い地に描かれる。下の向かって左には、ラオ族を象徴する白い象(「百万頭の象」を意味するラーンサーン王朝を象徴する)が赤い地に描かれている。下右にはマレー族を象徴するクリス(波打った刀身の、マレー伝統の短剣)が桃色の地に交差している。

シールドの下には2本の鎖があるが、ひとつは仏教の分野に功績のあったものに贈られる九宝石勲章の、もうひとつはチュラチョームクラーオ勲章のネックレスを意味する。シールドの下の帯(スクロール)には、パーリ語による標語がタイ文字で書かれており、「สพฺเพสํ สงฺฆภูตานํ สามคฺคี วุฑฺฒิ สาธิกา」(Sabbesam Sanghabhutānam Sāmaggī Vuḍḍhi Sādhiga, 統一は幸福をもたらす)と読める。

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最終更新 2009年10月15日 (木) 00:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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