タイプライター

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タイプライター: typewriter)とは、文書を作成するための補助として使われる機械である。

初期のタイプライター(19世紀末)
シャーロック・ホームズ博物館所蔵

欧文用のタイプライターと日本語用の和文タイプライター(和文タイプ)では、構造が大きく異なる。

手動式、電動式、電子式とタイプライターも進歩したが、文章作成のための機械としてはワープロ専用機、コンピュータ上でのワープロソフトへと移行した。

タイプライターで手書き文書の清書や口述筆記をする担当者をタイピスト(typist)といい、昔は女性の代表的な職業の一つであった。また、英語圏では視覚障害者が文章を書く上で強力な助けにもなった(ブラインドタッチ)。

目次

[編集] 英文タイプライター

  • タイプするときは、原則として紙を二重に重ねてタイプする。この間にカーボン紙を挟めば、カーボンコピーができる。
  • 英文タイプのキーの文字配列は前後4列、左右12字程度。一番手前にスペースバーが横長に取り付けられていた。今日のコンピュータのキーボードに採用されている、いわゆるQWERTY配列とほぼ同じである。誤字を消すには、ホワイト(修正液。現在こそ専用の製品があるが、20世紀初頭までは白の絵具を流用するのが一般的だった)を塗るか、訂正用紙をはさんで同じ活字を上からもう一度打ち込むなどする必要があった。
  • デスクに常置して使う大振りのものと、小ぶりでケースに入れて持ち運びできるポータブルタイプがあった。

[編集] 手動式タイプライター

[編集] 仕組みと操作方法

アーム(またはハンマー)と呼ばれる、先端部に活字が付いている部品が、機構を介してキーに直結している。印字したい用紙を、ローラーにセットする。任意のキーを押下すると、梃子の原理でアームの先の部分が、インクリボンと呼ばれるインクを染み込ませた帯の上から、ローラーに固定された紙を瞬間的に叩きつける。その際、アームの先端についている活字の形でインクが紙に染み込むため、結果的に印字が成される。押下したキーから指を離すと、アームが元の位置に戻るのと同時に、紙をセットしているローラー部分が活字1文字ぶん左にずれる。このため、いわゆる「キータッチ」はコンピュータのキーボードに比べると、大変重い。

これを繰り返し、印字部分がある程度右側に近づくと改行を促す意味で「チーン」とベルが鳴り、利用者に知らせる仕組みになっている。打鍵したい単語が右側部分に収まりそうにないと判断した場合は、ローラー部分に付いている改行レバーを掴んで印字位置を左側まで戻してやる。これを繰り返す事で、用紙を文字で埋めていく。

アームの先端には、2種類の活字が刻印されている。大文字小文字・あるいは数字と記号(引用符や感嘆符など)が刻まれているが、これらの印字の切替はシフトキーを押下しながらタイプすることで実現する。

[編集] キー配列に関して

QWERTY配列の手動式タイプライター

現在のコンピュータのキーボードのキーの位置が行ごとに少しずつずれているのは、手動式タイプライターの名残である。

手動式タイプライターは19世紀末から20世紀前半を舞台とした映像作品で定番となる小道具であるが、活字アームが完全に戻ってから次のキーを打たないと、アームが互いに絡み合って故障する(アーム絡み)。試し打ちが可能な状態で展示されているタイプライターは、素人が打つことによって、ほぼ例外なくこの症状を起こしている。

現在の最も一般的なキーボード配列であるQWERTY配列に関する巷説で、打鍵速度を落として故障を防ぐために考え出された配列だと言われることがある。しかし実際にQWERTY配列が実用化された頃のタイプライターは、アームが絡まない裏側から打つ構造だったので、無関係である。また他の巷説には、タイプライターのセールスマンが、顧客に対して簡単に美しく「typewriter」という単語の打鍵を披露できるようにしたものだとも言われる(qwerty配列では「typewriter」という文字は横一列に並んでいるのですばやく打鍵できる、という説)。しかしこの説も19世紀にそのようなデモンストレーションが行われていたという記録はなく、根拠に乏しい。

廉価版では、内部機構の簡易化・コストダウンのため、特定のキーが省かれているものがある。この場合、他の字を代用として充てて打鍵する。例として、数字の「1」を小文字の「l」(エル)・同じく数字の「0」を大文字の「O」(オー)で代用する、などである。

[編集] 電動式・電子式タイプライター

IBMの Typeball デイジーホイール先端に活字が植えられている。
IBMの Typeball
デイジーホイール
先端に活字が植えられている。

アームがらみを避けるために、一定のタイムラグを持って活字を打つようにする機構が工夫された。やがて活字の打刻機構も工夫されることになり、IBM1961年ゴルフボール様の部品の表面に活字が刻印されている「Typeball」を開発、1978年には「デイジーホイール」が開発されその後の打刻機構の主流となる。改行や紙送り、打刻などの主要動作も手動から電動に置き換えられるようになっていった(電動タイプライター)。

1970年代ごろから、電動タイプライターの諸機能に加えて、本体にバッファメモリを備えるものが現れた。これにより文字のセンタリングアンダーライン、デシマルタブ(数字の位置揃え)などが容易に行えるようになった。これを電子タイプライターといい、現在使われているものはほとんどこれである。なお電子式では、改行動作はレバーではなく、改行キーを押下することで行う。欧文電子タイプライターはのちに「欧文ワードプロセッサ」へと発展していく。

電子タイプライターの電子制御機構はのちに、コンピュータの入力装置として応用され、従来のパンチカード紙テープを駆逐して、コンピュータの重要な入力機器となっていく(→キーボード)。

和文タイプライター

日本では欧文タイプライターは、日本語の印字ができないこともあり、欧文ビジネス文書を頻繁に作成する事業所以外では用いられなかった。カタカナの印字を可能にした「カナタイプライター」も存在したが、ひらがなや漢字の印字には対応せず、「和文タイプライター」はその入力文字種の多さ、入力の煩雑さからあまり普及しなかった。文書作成装置が一般家庭をも含めた国民一般に広まるのは、1970年代終わりに欧文ワードプロセッサの機能に「かな漢字変換」機能を加えた「日本語ワードプロセッサ」が登場してからとなる。

[編集] 主な製造会社

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月20日 (金) 16:17 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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