タイヤチェーン

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タイヤチェーンとは、自動車オートバイタイヤに装着する滑り止め器具のこと。タイヤに装着し、積雪凍結路面を走行する際に用いられる。

金属製(亀甲型)タイヤチェーン

目次

[編集] 走行上の注意点

  • 最高時速は金属製のチェーンで 30km/h 程度、硬質ポリウレタンまたはゴム製のチェーンで 50km/h 程度(説明書に依ること)に設定されている。また、取り付けの不備があったり限度を超えた使用をすると、チェーンが破損し車体に損傷を及ぼすこともある。最悪の場合はじけ飛ぶこともあり、歩行者などに対し凶器となりかねない。積雪地域を走行する機会が多い場合には、スタッドレスタイヤを購入した方が安全面でも経済面でもメリットが大きい。しかしながら、タイヤチェーンの方が駆動力を路面に伝えやすく坂道での登坂能力に優れ滑り止めの効果が高いので、豪雪時や緊急時にスタッドレスタイヤにチェーンを装着する場合もある。
  • 低速で走行する場合、スタッドレスタイヤ装着車と比べ著しい速度差が生じることを念頭に置かねばならない。高速道路などでは後方からの追突事故を招きかねないので、走行車線を走行し、日中でも灯火類を点灯させるなどの注意が必要である。
  • 関越自動車道関越トンネルでは金属製チェーンの装着が禁止されているので走行前後に着脱する必要が生じるが、JASAA(財団法人 日本自動車交通安全用品協会)認定品[1]のスプリング/ワイヤー/ケーブル/ゴム/ウレタン製チェーンは装着したまま走行可能となっている。
  • 一般道においても、スタッドレスタイヤ装着車との速度差により、チェーン装着車を先頭に渋滞が起きることがある。積雪地域ではほとんどの車がスタッドレスタイヤを装着している場合が多い。

[編集] 装着上の注意点

  • チェーンを購入する際には、装着に必要な補助具(必要に応じて)、照明灯、ゴム手袋(濡れても構わないなら軍手でも可)等も合わせて準備する。
  • あらかじめ装着の練習を行い、確実に装着できることを確認すると共に、装着時間を把握しておく。実際の装着時は悪天候と低温など悪条件になることも加味しておく。
  • 装着は路面が雪に覆われる前に行うべきである。スタックしてから装着する場合、広い路肩のある場所などを選ぶことができず交通の支障となる。チェーン装着中に追突されて死傷者が発生する場合もある。
  • 装着後は一定距離走るごとに問題がないか確認する。走行中に外れると車体やチェーンの破損が起きる場合があり、また再装着に安全な場所まで移動することが難しい場合もあるからである。

[編集] 駆動方式の違いによる装着上の注意点

最も効果が高い使用法は、駆動方式に関わらず四輪装着である。しかし、チェーン装着に関しては手間もかかり、雪や凍結の影響を受けにくい場所では外してしまう「応急的」な使用法が浸透しているので、二輪装着で低速走行をする車が一般的となっており、四輪装着派は限られた範囲に留まっている。

二輪装着の際に“優先すべき車輪”は、車両の構造や駆動方式により異なるが、基本は(主)駆動輪側に装着するものである。駆動輪が空転してしまうとスタックに陥る可能性が高いために(主)駆動輪側が優先される。

  • 二輪駆動(2WD) - 前輪駆動は前輪側、後輪駆動は後輪側を優先的に装着する。
  • 四輪駆動(4WD) - 一般的には前輪駆動ベースであれば前輪側、後輪駆動ベースであれば後輪側を優先的に装着する(大概の車種において、通常走行時はベースとなった車両の駆動輪側に大半のトルクがかかるためである)。ただし、四輪駆動の方式やトルク配分などの要因により装着する車輪が指定されている場合は取扱説明書に記載があり、それに従う必要がある。

前輪駆動車で後輪が未対策の場合、後輪のグリップ不足によりスピンの危険性がある。また、それを回避するため、満足にブレーキが踏めない事態につながる事もある。後輪が滑ったときの対処法が少ないことも危険。 後輪駆動車で前輪が未対策の場合、前輪のグリップ不足によりブレーキが効きにくい。また、ツルツルの路面ではハンドル操作が効かない事もある。

近年は、キャビンスペースの確保や構造の複雑化によって、各車輪の周囲に十分な隙間が確保されていない車種もある。その場合はチェーンが緩衝装置や懸架装置に当たってしまうので、装着不可。最低限必要な隙間はチェーンの種類によって異なるので、説明書や実車にて十分に確認する必要がある。

どの駆動方式であったとしても、車両の取扱説明書に記されている通りの装着をすることが原則である。タイヤチェーンを装着する際には、必ず取扱説明書の指示を確認・把握しておくこと。

[編集] 特性

降雪期にチェーンを装着して走行する路線バス

[編集] 金属チェーン(ハシゴ型)

ラダー型ともいう。部材としてを用いたハシゴ型の構造で、もっとも安価であるが、雪上の横滑りに極端に弱いことに注意。また、雪のない場面では乗り心地が最も悪く、近年の低偏平タイヤを履いた車では著しく乗り心地が低下したり耐久性が劣るケースもある。ただし補修パーツがあり、切れても補修できる。

[編集] 金属チェーン(亀甲型)

目が細かいネット型もあるが、基本的にハシゴ型と同様に鎖を用いた亀甲型の構造となっている。近年は金属チェーンといえばこちらがメイン。合金を用いた細くて強いタイプも多数あり、乗り心地などがかなり向上している。新型は昔と違い高価であるが、取り付けから走行状態まで総合的に良くなっている。補修パーツがあり、切れても補修できる。

[編集] 金属チェーン(スプリング・ワイヤー・ケーブル型)

構成するパーツからスプリングチェーン・ワイヤーチェーン・ケーブルチェーン等と呼称される。全体的な形状はハシゴ型が殆どを占め、路面に接触する部分に細長いコイルばねを用いており、他の部分はケーブルワイヤー・鎖を用いた構成で、補修パーツが存在し切れても補修可能。前述の路面接触部に鎖を用いたタイプに比べ走行性能・装着性能・乗り心地・耐久性・収納性が向上していると謳われている[2][3][4]

[編集] ウレタンチェーン

路面に当たる部分にウレタン素材を使っており、当初は走行音と振動は比較的少ないことがメリットだった。ただし近年は、車を動かすことなく手軽に装着できるなど「簡単装着」を第一に謳う商品が増えており、そのようなタイプはタイヤを覆う面積が極端に減ってしまっている。中には面積の半分が露出しているものもあり、走行性能の低下が問題。もちろん従来どおりのタイヤを全面覆うタイプもある。ウレタン素材は折りたたみが十分にできないため収納スペースを大きく取る。パーツごとに分割できるタイプは、切れてしまった場合に部分的に補修できる。値段は高価。

[編集] ゴムチェーン

路面に当たる部分にゴム素材を使っており、走行音と振動は最も少ない。ゴムタイプはタイヤの全面をしっかり覆うタイプがほとんどで、走行性能・乗り心地・騒音など全てにおいてウレタンタイプを上回る性能を持つ。装着より走行性能を優先するにはこちら。中にはウレタンタイプ以上の簡単装着を実現したタイプもある。値段、収納スペースはウレタンと同様。補修は構造上不可の場合と、メーカーに依頼して可能な場合がある。

[編集] 布チェーン

特殊な繊維で編まれた布を、タイヤにすっぽりと被せて使用する。着脱が極めて容易で、折りたたんでコンパクトに収納でき、走行音と振動も少ないことがメリット。比較的新しい種類のタイヤ滑り止めであるが、大手自動車会社も純正オプションとして取り扱いを始めている。ただし、耐久性に欠け緊急時に一時的に使用する用途向きであり、冬の期間にタイヤの滑り止めが度々必要となる地域で使うには向いていない。また、雪・凍結の少ないアスファルト道路、乾燥路や砂利道を走ると、繊維を激しく傷めてしまう難点がある。値段は金属チェーンより高く、ウレタンタイプに近い。「滑り止め規制」・「チェーン規制」等の通行可否対応は、その地域担当の現場係官の認識によって異なる。

[編集] オートバイ用チェーン

新聞配達郵便配達用のオートバイホンダ・カブホンダ・ジャイロヤマハ・メイト等)は、積雪地でも走行させる必要があることから金属チェーンがオプションとして用意されている。

[編集] チェーンベース

チェーンベース(CB:Chain Base)とは、主に雪国高速道路等において、タイヤチェーンを着脱するために確保された場所のことである。サービスエリアパーキングエリアが兼ねているところもある。

[編集] チェーンベースのある道路とチェーンベース名のリスト(一部)

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[編集] その他

自衛隊車両には夏場でも必ず積載されており、演習場等悪路走行(坂道等で岩石等が埋まっており通常では走行不可能な路面や泥濘等の泥炭地等)を走行する際に装着する。主にはしご形や亀甲形の金属製チェーンを装着する。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月11日 (水) 23:40 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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