ツインスクロールターボ
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ツインスクロールターボ(twin scroll turbo)とは過給機の一種で、タービンハウジングへ繋がる排気流路が分割され2つの排気ガス入り口を持つターボチャージャーである。
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[編集] 概要
上記の通り、名前に「ツイン」と付くため誤解されがちだが、ツインスクロールターボはシングルターボである。(実際にPS2のゲームソフト「首都高バトル01」ではツインスクロールターボをツインターボと誤解している記述がある。)
具体的にはタービンへの入り口を二つに分けエキゾーストマニホールド内で排気ガスを集合させ、排気干渉を低減してより低回転域からタービンを回せるとされ、レスポンスとパワーの両立を図るメカニズムである。
参考に、S15型シルビアスペックRのノーマルのターボは約2000回転で作動しだし、約3000回転に達すると最大ブースト圧の約0.7kg/cm^2をかける。
BL5/BP5型レガシィ2.0GTのノーマルのターボは約1500回転で作動しだし、1500~2000回転では0.4kg/cm^2程度のブースト圧をかけ、約2000回転を超えると最大ブースト圧の約0.8kg/cm^2をかける。
またシーケンシャルツインターボの様に低回転域と高回転域等で使うタービンを変えるものでもなく可変ノズルターボの様に機械的にタービンブレードに当たる排気をコントロールするような機構は持っていないため、特性はどちらかと言うと一般的なシングルターボに近いものになる。
ただしマツダのFC型RX-7(前期型)のように低回転用と高回転用に用意される分割された2つのスクロール入り口に切替えバルブを設けてどちらに排気ガスを流すかを切替え、タービンブレードに当たる排ガスの角度を変化させることによって可変ノズルターボの様な特性を持たせたものもツインスクロールターボと呼ぶが、現在においてインプレッサ、レガシィ、ランサーエボリューション等に採用されている切替えバルブを持たない前述のタイプ(マツダではツイン・インディペンデント・スクロール・ターボと呼ばれる)が一般的である。
[編集] メリット
- シーケンシャルツインターボ同様に、低い回転数から過給を始めつつ、中回転以上では高い最大ブースト圧を得ることができる。
つまり、ツインスクロールターボを使用することで、より大きな馬力・トルクを得られる。
- 軽くアクセルを踏んでいる状態でもターボが作動できるため、アクセルを踏んでからパワーが出るまでの微妙な時間差(ターボラグ)を軽減でき、レスポンスがよくなる。
- 低回転から過給するため、同型のNAエンジンに比べると劣るものの、同型のシングルターボエンジンに比べて「実用回転数でのトルク」「低回転域のトルク」と呼ばれる2000回転前後のトルクが太くなり、結果としてパワーバンドが広いため乗りやすく、最大出力が高いエンジンとなる。
実際に、BL5/BP5型のレガシィのGT系統のグレードは、ショートストロークのため低回転域のトルクを得にくい水平対向エンジンながらも2400回転(MT車)で最大トルクを発揮する。これは、一般的な直列エンジン搭載のターボ車よりも最大トルク発生回転数が低い。
- タービンを2基搭載するシーケンシャルツインターボに対し、ツインスクロールターボはタービンを1基だけ搭載するため、タービン本体やウェイストゲートバルブなどのターボ補器がとるスペースを小さくできる。
つまり、エンジン全体を小さく収められるため、ツインスクロールターボは5ナンバーサイズまたは排気量2000cc以下などの小型車・中型車に向いていると言える。
[編集] デメリット
- タービンまで排気管を2本取り回さなければならないため、レイアウトによってはスペース的に不利となる場合がある。
- 切替えバルブ付の場合、1つのターボで段階的にブースト圧を変化させるという機構のため、CPU制御が難しく、複雑な電子制御を必要とするためコストが高くなる。
- タービンやウェイストゲートも2つの経路に対応させなければならないため、ターボのコストが高くなる。
[編集] 現状
シーケンシャルツインターボは低回転での過給より高回転での最大ブースト圧を重視する傾向があるため、シーケンシャルツインターボは高回転での出力を重視するスポーツカーに搭載されることが多い。
その影響もあり、ツインスクロールターボは低回転域のトルクを重視するGTカーに搭載されることが多く、棲み分けができている。
昨今の軽自動車ブームやコンパクトカー人気、低燃費志向により、上記のように2000回転前後のトルクが細くなりがちなターボエンジンは敬遠されがちである。
しかし、ターボ本来の目的である「過給によって大きな馬力・トルクを得ることで燃費を稼ぐ」という点ではターボエンジンの中でツインスクロールターボは優れていると言える。ダウンサイジングコンセプトによって、2L自然吸気から、1.6L直噴ツインスクロールターボに切り替えたプジョーは、CO2排出量の削減と車体の大型化・高級化を両立させている好例といえよう。
実際に、GG型アテンザの10・15モード燃費は、2.3L NA車の13.0km/lに対し、2.3LDISIターボのマツダスピードは11.0km/lで、燃費に関してはほとんど遜色ないと言える。
[編集] 搭載車種
[編集] 現行車種
- ランサーエボリューション(ランエボⅣ~Ⅹ)
- BMW MINI (クーパーS)
[編集] 過去の車種
トヨタ
- ST205型セリカGT-FOUR
マツダ
- FC型RX-7(国産車で初めてツインスクロールターボを搭載した。)
[編集] 関連項目
最終更新 2009年9月15日 (火) 06:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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