ディネ

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ディネ」(Dene)は、カナダのインディアン部族、「ヘア・インディアン(hare indan)」のこと。 また、アラスカからカナダにかけて先住するインディアン部族の総称。

または、アメリカのインディアン部族の「ナバホ族(Navajo,Dine)」のこと。

目次

[編集] 言語

「ディネ」のうち、ヘア・インディアンの言語は、北西カナダの言語グループの「ナ・ディネ語」に属する「北部アサバスカ語」である。アメリカのナバホ族とアパッチ族の言語は、「南部アサバスカ語」である。

[編集] ヘア・インディアン

「ヘア・インディアン」は、カナダの北西部の極北地帯から南西部にかけて先住するアサバスカ語族系の狩猟民である。カナダでは、インディアン民族はファースト・ネイションと呼ばれる自治共同体を形成しており、ヘア・インディアンもこのひとつである。「ディネ」は、「流れと大地」を意味する。

[編集] 伝統文化

多数のバンド(集団)に分かれ、ティピーによる平原での狩猟を生業としており、領域にヘラジカなど大型の獲物が少ないことから、ことにカンジキウサギ(ヘア)を主食としている。冬季には慢性的な飢餓に苦しめられ、人肉食の記録も数多く残されている。エスキモーに似た風俗で、「ヘア・インディアン・ドッグ」という独自犬種を犬ぞりに使役する。カナダ政府の同化政策によって、伝統的な生活は破壊されつつある。

[編集] 支族

ヘア・インディアンは5つの氏族で構成されている。

マッケンジー川北西域のスレイビー族の少女
グレート・スレイブ湖畔に先住する。アメリカ・インディアンのチッペワ族とは無関係。
  • トリチョ族(ドグリブ族)
グレート・スレイブ湖とグレート・ベア湖の中間に先住する。
  • イエローナイブス族(タツァオチネ族)
グレート・スレイブ湖の北に先住する。現在はチペワン族傘下に入っている。
  • スレイビー族(デーガーゴチンネ、またはデーチョ族)
デーチョ川(マッケンジー川)からグレート・スレイブ湖畔南西に先住。
  • サーツ族(サーツ・ティネ族)
ベア湖畔に先住。

[編集] アラスカとカナダのディネ

伝統衣装をまとったツー・ツィナ族の子供
ビーバー・ピープル(カナダ・ディネ族のひとつ)の「冬のビーバー・ティピ」(1899年)
  • ツー・ツィナ族
カナダとアメリカに先住するブラックフット族のひとつ。
「キャリアー・インディアン」とも呼ばれる、ブリティッシュ・コロンビアのインディアン部族。
ブリティッシュ・コロンビアのインディアン部族。
  • タールタン族(ナハンニ族)
ブリティッシュ・コロンビアのインディアン部族。「ダネザア族」、「ビーバー・ピープル」に属する。
  • カスカ族(カスカ・ディナ族)
ブリティッシュ・コロンビアのインディアン部族。
アラスカ・カナダ西海岸のインディアン部族。
  • タナナ族
アラスカ・カナダ西海岸のインディアン部族。

その他

[編集] ナバホ族

「ナバホ族」は、アメリカの南西部に先住するインディアン部族。

古今のナバホ族


「ナバホ」は、テワ・プエブロ族の言葉で、「涸れ谷の耕作地」という意味。「ディネ」そのものはアサバスカ語族の言葉で「人々」をあらわす自称であり、アメリカ南西部では、アパッチ族など同じアサバスカ民族も自称に使用する言葉である。したがって、他者が彼らを識別する際には、他の「ディネ」と混同を避けるため「ナバホ族」の呼称が使われている。 ナバホ族はアリゾナ州の北東部からニューメキシコ州にまたがる沙漠地帯に、一定の自治権を保有した「ナバホ・ネイション(Navajo Nation)」として、アメリカ最大の保留地(Reservation)を領有している。ニューメキシコ側では支族のひとつ、「カノンチート・バンド」は連邦認定を拒否され保留地を領有しておらず、現在連邦政府の公式認定を要求中である。

[編集] 文化

  • アサバスカ民族に属し、アパッチ族とは言葉も近く、近縁である。かつてはスペイン人から「アパッチ・ド・ナバホ」(涸れ谷の耕作地にいるアパッチ族)と呼ばれ、アパッチの一部族と見られていた。
  • 正装の際には、鉢巻を締める。女性の正装は、ベルベットのロングドレスに、カボチャの蕾を意匠にした「ナバホ・コンチョ」という銀の首飾りを着ける。モカシンはブーツ型をしている。
  • 近隣のプエブロ族から採り入れた「地底から先祖が現れた」という神話を持ち、その再現である「イェイビチェイ」と呼ばれる大掛かりな精霊行進の儀式が有名である。
  • ターコイズと銀を用いた宝石細工を得意とし、ナバホのほとんどはこの装飾品を身につけている。
  • 「先取の才がある」といわれ、18世紀にスペイン人が羊を持ち込んだ際には、羊の放牧をすぐに採り入れた。「ナバホ・ラグ」と呼ばれる精巧な絵柄の羊毛の敷布は19世紀に貴重な交易品となり、現在も珍重される。「インディアン・フルート」の奏者も多い。
  • ホーガンという、木組みと土で出来たイグルーのような形の、独特の伝統住居を持つ。現在でも、この「ホーガン」で暮らす伝統派のナバホは多い。
ナバホ族のホーガン
  • 慢性的に水不足であり、雨乞いの祈りが今も盛んである。また、呪い師による「砂絵」を使った呪術が今も盛んである。
  • 母系社会であり、放牧も織物も、現在でも女性の仕事である。かつての男性の仕事はトウモロコシの粉挽きと略奪であり、ズニ族やプエブロ諸族を食い物にした。このため保留地時代では男性の社会的役割が希薄となり、アルコール依存症になる者が多かった。現在、ナバホの保留地内は酒類禁制である。
  • 第二次大戦以来、ウランが連邦政府によって採掘されて残滓が放置された。知らずにホーガンの材料にするなどして汚染が広がり、人的な放射能被害が深刻である。核実験場からの死の灰の影響も指摘され、彼ら放射能被害者を総称して、「風下の人々」と呼ばれることもある。
  • ロング・ウォークの後遺症として、土地を巡り、ホピ族とは現在も係争中である。
  • 近年、スー族と文化交流が盛んで、ティピーサンダンスなど、平原部族の文化を採り入れるようになった。
  • 日本の一部の石鹸会社は「ナバホの人は髪の毛の問題で悩まない」と喧伝しているが、実際はナバホの人々でもハゲの人がごく普通にいる。

[編集] 経済

羊毛、石炭・ウラン採掘など。外部の石炭開発業者の開発で水源が破壊される恐れがあり、係争中である。羊の放牧は、年次ごとに連邦管理官のチェックがあり、羊が許可頭数を超えていた場合、管理官によって強制的に溺死処理させられるという厳しい制限つきである。

[編集] 第二次世界大戦における暗号としてのナバホ語の利用

ナバホ語の動詞は、目的語が長いもの(パイプ鉛筆など)、ひも状のもの(ヘビベルトなど)、粉末状のもの(砂糖など)、束になったもの(干草など)、粘り気のあるもの(糞便など)によって、それぞれ語尾が変化する。また発音も、

軟口蓋音や、鼻音や、のもつれるような音が続く奇妙な言葉で……解読するどころか書き取ることさえできない」

ものであった。こうした特性に目をつけたアメリカ軍は、第二次世界大戦の戦闘において、彼らを暗号専門の部隊として徴用した。すなわち、軍事的な指令文はナバホ族出身の兵士によってナバホ語に翻訳して送信され、受信する側では、これもまたナバホ族出身の兵士によって英語に翻訳されたのである。このような方式によって打電された暗号文は、日本軍には解読することは全く不可能であった[1]

詳細は「コードトーカー」を参照

[編集] 参考文献・注記

  1. ^ サイモン・シン著『暗号解読』 新潮社
  • 原ひろ子著「ヘアー・インディアンとその世界」

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年10月22日 (木) 10:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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