バイパスコンデンサ
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バイパスコンデンサとは、電子回路において、回路が動作する際に直流電源電圧が変動するのを避けることを目的として、電源ラインとグラウンドとを接続するコンデンサのことである。「パスコン」、「デカップリングコンデンサ」とも呼ばれる。バイパスコンデンサは、電源ラインのグラウンドに対する交流的なインピーダンスを下げる役割をしたり、ノイズ成分が後続の回路へ伝わらないようにフィルタリングする役割をしている。
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[編集] 概要
電源回路から各回路に直流電圧を供給するための電源ラインには、実際には微小ながら電気抵抗が存在する。[1]また、電池であれ電源回路であれ、電源そのものにも微小ながら内部抵抗が存在する。一方、一般的に、トランジスタ増幅器や各種 IC 等といった能動回路が動作する場合、その消費電流は瞬間ごとに変化し、一定ではない。電源ラインや電源には微小とはいえ抵抗成分が存在するため、能動回路の消費電流が小さい瞬間は電源ラインの電圧降下は小さく、能動回路の消費電流が大きい瞬間には電源ラインの電圧降下は大きくなる。バイパスコンデンサが存在しない場合、このように各能動回路に供給される電源電圧はこのように瞬間ごとに変動してしまうため、能動回路は設計通りの正常な動作をしなくなる恐れがある。さらに電源ラインの引き回しにより抵抗成分だけでなくインダクタンス成分も無視できなくなることがあり、この場合、能動回路が正常に動作しなくなる可能性がさらに高くなる[1]。アナログ回路でもデジタル回路でもこれらの現象は発生しうる。
[編集] 原理
電源ラインの配線自体に抵抗成分があるために、能動回路の消費電流が変化することで、その能動回路自体に供給される電源電圧が変化してしまう。能動回路の近くに、電源ラインとグラウンドとを結ぶコンデンサを接続しておくと、電源電圧が高い時(消費電流が少なく電圧降下がほとんどない時)に、電源ラインからコンデンサに電荷が蓄えられる。能動回路の消費電流が大きくなった瞬間に、コンデンサに蓄えられた電荷をすばやく放出し、能動回路に供給される電源電圧の変動を抑える。[1]これが、バイパスコンデンサが電源電圧を一定に保つ仕組みである。
[編集] 実装
一般的に、各能動回路(トランジスタ増幅回路や IC 等)ごとにそれぞれバイパスコンデンサを必要とする。低周波回路ではアルミ電解コンデンサが、高周波回路では積層セラミックコンデンサなどのセラミックコンデンサがよく用いられる。[2]バイパスコンデンサは、各能動回路の物理的に近くに接続する。特に高周波回路では近くに配置しないと能動回路までの配線のインピーダンスが無視できなくなり、電源電圧を一定に保つことができなくなる。[2]
低周波回路で用いるアルミ電解コンデンサの容量の相場は 1~100μF であり、高周波回路で用いるセラミックコンデンサの容量の相場は 0.01~0.1μF である。[2]
周波数が高くなるほどコンデンサのインピーダンスは低くなるはずである。だから高周波回路でも 1~100μF といった大容量のアルミ電解コンデンサを用いてもよさそうに思えるかもしれない。しかし、実際のアルミ電解コンデンサの特性により、高周波領域では十分にインピーダンスが下がらず、バイパスコンデンサとしての役目を果たさない。そこで、高周波回路では高周波特性のよいセラミックコンデンサを用いるのである。[2]
実際の回路では、バイパスコンデンサとして、低周波用にアルミ電解コンデンサを、高周波用にセラミックコンデンサを、両方並列に接続する癖をつけるとよいとされている。[2]こうすると、電源電圧の変動の低周波成分ではアルミ電解コンデンサが主要な役割を果たし、高周波成分ではセラミックコンデンサが主要な役割を果たすようになり、広い周波数帯域に渡って電源電圧の変動を防ぐことができる。また、ベテランの設計者は、回路を実装する際には、回路図に書いてなくても適宜バイパスコンデンサを接続する。[2]
[編集] ノイズの遮断
コンデンサの“交流は通すが直流は通さない”という特性を利用して、特定のノイズ成分(高周波など)をプラス側からマイナス側に流し(バイパスし)、その後の回路にノイズが流れないようにする機能を果たす目的で使用される。[3]
[編集] 回路図
- 略号
- コンデンサと同じく「C」で表される。
- 単位記号
- 「μF」だが省略される。
[編集] 参照
最終更新 2009年10月31日 (土) 21:09 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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