デニーズ (日本)

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デニーズ 東京ドームシティ店 ビルイン型
デニーズ・蕨店 ロードサイド型

デニーズ英称Denny's)とは、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン&アイ・フードシステムズが日本国内で運営するファミリーレストランチェーンである。名称は、かつての提携先であるアメリカ合衆国の大手レストランチェーン、デニーズに由来している。但し、現在は同社との契約関係は解消されており、ブランド名だけを譲り受けた日本独自のチェーンである(詳細は#沿革#年表欄参照)。

2009年現在関東地方及び中部地方を中心に展開しているが、北海道福島県を除く東北地方新潟県北陸地方大阪府兵庫県を除く関西地方中国地方四国地方九州地方沖縄県には全く展開しておらず、イトーヨーカ堂と同様に展開地域に非常に偏りが見られる。

目次

[編集] 沿革

1973年株式会社イトーヨーカ堂がアメリカ合衆国のレストラン大手企業「デニーズ」社と技術援助契約を結び、株式会社デニーズジャパンを設立した。

1974年、デニーズジャパンは初の店舗を神奈川県横浜市のイトーヨーカドー上大岡店1階に、ビルイン型店舗としてオープンさせた。アメリカのデニーズ社から料理全般のレシピ、調理器具類をそのまま日本に持ち込み、クラブハウスサンドイッチオムレツチリフレンチトーストなどの洋風メニューや、ステーキハンバーガーなどの本格的なアメリカンメニューも手軽に利用できる店をつくり上げた。その後は競合他社と同様、郊外型ロードサイド店舗を中心に出店を続け、1980年代のファミリーレストラン黄金期には年間20店舗前後の新店舗をオープンさせた。

創業から1980年代中頃にかけては、デニーズジャパン店舗のメニューも、アメリカのデニーズと似通ったものであった。これはアメリカのデニーズ社と結んでいた契約上、独自のアレンジを加えることが難しくなっていたためである。1984年、アメリカのデニーズ社から商標権を買い取ったことにより[1]、デニーズジャパンは日本国内においてデニーズの商標を自由に使えることとなった。以後、同社の店舗では独自開発したメニューが中心となってゆき、現在では本家アメリカと共通するメニューは一切残されていない。特に1994年ふぁみーる吸収以降は類、物、和風膳などの和食部門が充実し、日本人向けにアレンジした洋風料理と共にメニューの中核を形成している。

バブル景気崩壊後の1994年、イトーヨーカ堂の完全子会社「株式会社ファミール」から郊外型のレストラン店舗を譲受し、デニーズ店舗への改装を施した。イトーヨーカ堂グループにおいて、ロードサイド型レストランの運営はデニーズジャパンに集約され、ファミールはイトーヨーカドー店舗内のレストランや社員食堂などのコントラクトフード事業に特化した。

2005年9月1日、デニーズジャパンはイトーヨーカ堂、株式会社セブン-イレブン・ジャパンと共同で、株式移転により持株会社株式会社セブン&アイ・ホールディングス」を設立し、その完全子会社となった。

2007年1月10日、セブン&アイ・ホールディングスが株式会社セブン&アイ・フードシステムズを設立し、同年3月1日には

  • デニーズジャパン
  • ファミール
  • ヨーク物産株式会社(イトーヨーカドー店内でファストフード店「ポッポ」を運営)

の3社が、新会社の完全子会社となった。

2007年9月1日、セブン&アイ・フードシステムズがデニーズジャパンを吸収合併した。これにより、デニーズはセブン&アイ・フードシステムズの店舗ブランドの一つとなった。

なお、セブン&アイグループの3年間の中期経営計画により、2008年度以降3年間で不採算の130店舗程度(全店舗の約2割)を閉鎖することが明らかになった。一部の閉鎖店跡にはセブン-イレブンへの転換も検討する[2]

2009年9月28日、逗子市内で28年間営業してきた「デニーズ逗子店」が常連客や地域住民に惜しまれながら閉店。デニーズ逗子店は1981年7月に他店に先駆けて同地区にオープン。海岸沿いに立つ立地条件を生かした景観の良さと広い駐車スペースが売りで、地元住民らからは「逗デニ」や「逗子デニ」の愛称で長年親しまれてきた。また最近は不採算店の閉店が相次いでいるが、この逗子店の場合、赤字経営で閉店ではない。

[編集] 特徴

かぼちゃキャラメルパンケーキ(期間限定)2006年10月5日-10月31日

[編集] 調理器具

同社ではアメリカンメニューのステーキ、ハンバーグ料理に対応したチャーブロイラーを全店に導入している。 このチャーブロイラーは

  • 肉との接触部分が少なく、
  • グリッドの傾斜により余分な油が流れ、
  • きれいな焼き目がつく

ガスグリドル調理器である。これを使って焼き上げられるハンバーグメニューは、2006年現在でも看板商品となっている。

[編集] サービス

同社店舗では、客の来店時に「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ!」との挨拶を行なっているが、これはデニーズを選んだ客への感謝の気持ちを込めた言葉であると同時に、来店客があったことを他の従業員に連絡する手段である[3]と同社は説明している。

競合他社の多くがセルフサービスのドリンクバーを導入しているが、同社では茨城県福島県埼玉県の一部店舗を除きフルサービスを堅持している。フロアー従業員がコーヒーのデカンターを持って客席を回るボトムレスカップサービスを、1号店の頃から続けている。 2008年5月現在では14種類のドリンク(ドリップ珈琲、深入りコーヒー、アイスコーヒー、アイスティ、アイスウーロン茶、宇治冷緑茶、コーラ、メロンソーダ、カルピスソーダ、ピンクレモネード、梅しそソーダ、宇治緑茶、ダージリン紅茶、赤いハーブティ)を無料でお替わりできる「まるごとフリードリンクサービス」320円を設定。 2回目以降はこの14種類から選んでお替わりをすることが出来る。1杯単品のドリンク220円も設定。 ただしドリップ珈琲(旧名称アメリカンコーヒー)のみお替りは可能。 単品のドリンク類も、お替りドリンクへの変更ができる。

[編集] メニュー

現在通常店の通常メニューの他に、D's店によるここだけメニュー、特殊店による個店別メニューがある。 また、店によって提供するサービスなども異なる為、注意が必要。

メニューについては、ほぼ1ヶ月ごとに期間限定メニューの改定を行っており、2ヶ月ほどで季節メニューが切り替わる仕組みになっている(たまに提供方法、セット価格、ドリンクの改定など)。

[編集] 価格

低価格系のガスト、価格がやや高めのロイヤルのイメージがあるなか、デニーズはやや高め系や中間の価格設定と言われている。昨今の原材料高騰による一部メニューの値上げを実施したが、外食産業の環境が厳しくなり中間価格帯のデニーズは苦戦する。そのため、急きょ20品を大幅値下げに踏み切った。競合他社があいついで値上げをしていた中の異例の値下げであったため、メディアや他社から注目される。現在は、戦略的には中間価格から低価格へイメージへ転換しているとみてもよい。

[編集] 決済

同社は一部店舗に、セブン銀行現金自動預け払い機 (ATM) を設置している。

レジでの支払いには、

  • Suica(一部店舗)

の利用が可能である。

[編集] デニーズカード

デニーズカードは、デニーズ各店で使用可能な、1,000円から10,000円までのプリペイドカードである。繰り返し使用可能なチャージシステムを採用しており、2009年5月31日までは店内での飲食代が5%割引になるという特典もあった。個人情報などの記入を一切することなく、店内レジにて無料で発行が可能(初回のみ、あらかじめ1000円以上チャージしなければ発行することができない)。なお、2010年3月31日をもって取扱を終了予定。

  • カードの有効期限は、店舗での残高確認、チャージ、カードでの支払い後1年間。1年経過後は無効となる。
  • カードへのチャージは1,000円単位で1回のチャージ最大1万円まで。回数を分けて最大3万円までチャージ可能。
  • 通常の会計にはクレジットカードが使えるが、デニーズカードのチャージは現金でしか行えない。
  • カードに1円以上の残高がなければ5%割引処理が出来ない為(足りない分は現金で支払うことが出来る)あらかじめチャージしておく必要がある。又、個別会計中にチャージすることはできない。
  • 2009年3月31日をもって発行を終了し、また同年5月31日をもって5%割引の特典とチャージの取扱も終了した。
  • 2009年6月1日から2010年3月31日まで、デニーズカードとの引き換えを条件にnanacoカードの発行手数料(通常300円)を無料または、ドリンクセット無料券進呈のいずれかの特典を受けられる。
    • 残高の残っているデニーズカードは上記期間中、現金にて払い戻しが可能。

[編集] クレジットカード

ファミリーレストランには珍しく、レジでの会計には IY カードの他ほとんどのクレジットカードが利用可能。NICOS国内カードは利用不可だが、コスモ・ザ・カードの利用が出来る。これは1990年代コスモ石油がデニーズジャパンのフランチャイジーとなる業務提携を結んでおり、そのまま資本提携に繋がると期待された時代の名残である。後にコスモ石油のデニーズ店舗はデニーズジャパン直営となった。さらにコスモ石油はイオングループミニストップと提携し、セルフガソリンスタンド内にミニストップ加盟店を出店している。

[編集] 逸話

セブン&アイの看板変更店 (2006年)
ロードサイド店舗 (2006年)

[編集] 卵料理

創業当時から1980年代後期までの代表的なメニューに、卵2個を用いた料理がある。アルミのソテーパンを使ってふんわり焼き上げられたオムレツは、当時各テーブルにびん入りで置かれていたハインツの濃厚ケチャップが良く合うと云われていた。当初はゆで卵目玉焼き、オムレツ、ポーチドエッグなど最大21種類のレシピの中から客の好みに応じて調理され、火の通し加減なども細かく注文可能であったが、こうしたオーダー形式は日本人の文化には馴染まなかったために徐々に選択肢が縮小されていき、最終的にはメニューそのものから消滅してしまった。現在注文可能な卵料理には、半熟風味のオムライスやモーニングメニューにあるデニーズモーニングがある。モーニングに関しては現在も焼き方の指定が豊富である。

[編集] デザート

1990年5月、同社のデザートメニュー「ティラミス」が雑誌『Hanako』で紹介され流行した。これはマスカルポーネチーズと、エスプレッソをしみ込ませたスポンジケーキとを交互に重ね合わせ、上部にココアパウダーをかけたものである。1992年7月「ナタ・デ・ココ」が女子高校生たちの口コミから人気となり、マスコミにも取り上げられ再びブームとなった。

[編集] 看板

セブン&アイ・ホールディングス設立に伴い、デニーズジャパンの店先に設置されている看板が「7 & i」のシンボルマークを強調したデザインに変更されたが、この看板はセブン-イレブンの看板と間違えられることがあった[4]

翌2006年夏から「7 & i」を小さくし、その下に「Denny's」を強調した看板に付け替えられた。さらに2006年後半からは 7 & i の表記を下部に移し、旧看板の六角形型モチーフを上に大きくあしらったデザインに改められた。また駐車場入り口の案内看板(in看板)が旧看板の六角形に変わりつつある。最近、数多くのお店で看板下の「デニーズ」カタカナ表記の懸垂幕が外され、一部店舗で以前の六角看板が復活している。

[編集] 年表

デニーズ上大岡店 (1号店)
  • 1973年5月 - 株式会社イトーヨーカ堂と、アメリカのデニーズ社が技術援助契約を結ぶ)
  • 1973年11月16日 - イトーヨーカ堂によって「株式会社デニーズジャパン」が設立される。
  • 1974年4月 - イトーヨーカドー上大岡店内にデニーズ1号店を出店する(上大岡店)。
  • 1979年2月 - 50店舗達成(西国分寺店)。東海、北関東地区へ進出する。
  • 1980年2月 - 100店舗達成(川崎菅生店)。
  • 1981年8月 - 本社を千代田区から港区芝公園へ移転する。
  • 1982年11月 - 東証二部に上場する。
  • 1984年11月 - 技術援助契約解消。アメリカのデニーズ社から日本国内におけるデニーズ商標権を買い取る。
  • 1984年7月 - 200店舗達成(横浜星川店)。
  • 1986年8月 - 東証一部に株式が指定変更される。
  • 1988年7月 - 300店舗達成(今池店)。
  • 1988年11月 - POS(販売時点情報管理システム)を稼動させる。
  • 1993年3月 - 400店舗達成(水戸城南店)。
  • 1998年3月 - 500店舗達成、三重県に進出する。
  • 2005年8月 - 上場廃止となる。
  • 2005年9月 - デニーズジャパン、イトーヨーカ堂、株式会社セブン-イレブン・ジャパンが共同で、株式移転により持株会社「株式会社セブン&アイ・ホールディングス」を設立し、同社の完全子会社となる。
  • 2007年1月 - セブン&アイホールディングスにより、グループの外食事業を統括する新会社「株式会社セブン&アイ・フードシステムズ」が設立される。
  • 2007年3月 - デニーズジャパン、株式会社ファミール、ヨーク物産株式会社の3社がセブン&アイ・フードシステムズの完全子会社となる。
  • 2007年6月 - メニューを大幅改定、一杯限りのドリンクコースとお替り自由のコースを設定。
  • 2007年9月1日 - デニーズ、ファミール、ヨーク物産3社をセブン&アイ・フードシステムズが吸収合併。

[編集] セクハラ問題

2005年、デニーズ大井松田店で勤務していたアルバイト女性が同僚の男性らから「おっぱい、もませろ」、「死ね」などとセクハラいじめを受け、この女性は同年11月に病院で重度の鬱病と認定された。2007年2月にはデニーズジャパンと同僚の男性らに対し3,000万円の損害賠償民事訴訟を起こした。2007年5月17日には、小田原労働基準監督署より労働災害が認定されている。セクハラによる労災認定は珍しい例である[5]

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 脚注

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  1. ^ 株式会社デニーズジャパン 第32期有価証券報告書PDF (「沿革」の節を参照のこと)
  2. ^ 「デニーズ」130店閉鎖・セブン&アイ、3年内に採算改善狙う(NIKKEI NET、2008年4月10日 9:35=JST)
  3. ^よくあるご質問 サービスについて」 株式会社デニーズジャパン
  4. ^ 石鍋仁美 「NET EYE プロの視点 マーケティング考現学 2006年10月6日」『NIKKEI NET』 日本経済新聞社
  5. ^ 東京新聞:セクハラ被害を労災認定 「デニーズ」元女性店員に:社会(TOKYO Web)

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月8日 (日) 05:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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