デュアルクラッチトランスミッション

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デュアルクラッチトランスミッション(Dual Clutch Transmission)は、2系統のクラッチを持つオートマチックトランスミッションのことである。略してDCTと表記される。

目次

[編集] 概要

基本的な構造はマニュアルトランスミッション(MT)に似るが、クラッチが2系統あり、それぞれが偶数段、奇数段を受け持ちクラッチの断続およびギアの変速が自動的に行われる。

DCTでは常に次のギアが待機した状態(例えば2速で走行している場合は、状況に応じて1速または3速のギアがスタンバイしている)であり、変速に要する時間が短くショックも小さい。シフトアップの変速時間はプロドライバーがMTを操作するよりも短いと言われる。純粋なMTと比較すると、市販乗用車用では6段がほぼ限界であるのに対し、DCTでは7段以上にすることが出来る。また、人間の操作では不可能なほど走行状況に応じて頻繁に変速することが可能であり、燃費の向上のみならず、スポーツ走行での性能向上に寄与する。

[編集] 従来のトランスミッションに対する優位性

従来のコンベンショナルなATではトルクコンバーターの滑りにより伝達ロスが大きかったため、MTに比べ燃費で不利であった(多段化やロックアップクラッチの採用で燃費はMTと同等になるケースも増えた)。また、変速時に滑らかな一方、MTのようなダイレクトで素早い変速が難しかった。 一方、MTに近いフィーリングで、クラッチ操作や変速を自動化した自動制御式マニュアルトランスミッションAMT:automated manual transmission)では、改良は進んだものの、依然として変速時のショックが大きく、変速時に駆動系へのトルクの切断時間が長いという問題があった。

コンベンショナルなATとMT、AMTの良いとこ取りをしたのがDCTであると言える。ギアはMTとほぼ同じ機構を持つため、機械的な伝達効率はMTに迫る。2系統のクラッチにより、動力を途切れなく伝達でき、AMTのようなトルク抜けによる違和感は解消している。ただし、アクチュエーターを作動させるために油圧ポンプを駆動する必要があるため、そのぶんのロスはMTよりも大きい。MTに比べるとドライバーの腕に左右されない最適なタイミングで変速できるメリットがあり、カタログ燃費でMTをしのぐ車種もある。

クラッチ容量を増大させれば大型車などの大トルクを要求する車種にも対応できる。

車種のモデルチェンジなどでトルクコンバーター付きATからDCTに変更する場合も少なくないため、次世代のATとして期待されている面もあるが、高速変速と高効率伝達を目指すために油圧回路やロックアップクラッチを改良したトルクコンバーター付きATも登場し、一概にDCTに移行するといえる状況ではない。と云うのが日本の現状である。

[編集] 歴史

1980年代に、ポルシェ社がレーシングカーポルシェ・962)での採用(PDK:Porsche Doppelkupplung)を試みたが、当時の技術ではまだ電子制御スロットルが確立されておらず、変速時のショック過大等により実用化は断念された。その後ボルグワーナー社が開発を続け、フォルクスワーゲン社によりDSGとして市販車に搭載された。それ以降は他のメーカーからもDCTが採用され、採用する車種も増大傾向にある。

[編集] 二輪車用デュアルクラッチトランスミッション

ホンダは世界で初めて二輪車用デュアルクラッチトランスミッションを大型自動二輪車向けに開発したと発表した。2010年から欧州で発売されるVFRに搭載される予定である[1]

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 2009年9月8日 世界初の大型二輪車スポーツモデル用「デュアル クラッチ トランスミッション」を開発

最終更新 2009年9月18日 (金) 13:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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