特別企画乗車券
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特別企画乗車券(とくべつきかくじょうしゃけん、通称トクトクきっぷ)とは、旅客に対する利便性向上や割引サービスの提供などを目的に、旅客鉄道会社 (JR) が特定の制限を持って発売する乗車券である。略して「特企券」とも呼ばれる。
個々の乗車券に関しては特別企画乗車券一覧を参照。
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[編集] 概要
国鉄は新幹線開業以後、頻繁に運賃・料金の値上げや特別急行列車の増発などによる運賃増収策を行った(特に1976年の50%もの大幅な値上げ以降、頻繁に運賃・料金の値上げがされるようになった)。これによって国鉄に割高感が生まれ、高速道路網の整備によるモータリゼーション(高速バスや自家用車への転移)の進展、航空便の利便性向上が重なって輸送量が減少した(国鉄離れ)。
この事態に国鉄は、需要喚起を図るべく、「営業的割引」として本社及び各鉄道管理局が割引乗車券を発売した。これは、割安になる代わりにある制限が加えられる。しかし、発売方法がバラバラで、相手の鉄道管理局に設定を知らせないまま発売したり、乗車券を買い求めた旅客に対して「変更・払い戻し等に制限がある乗車券」であることを説明せずに発売したりしたため、精算時や遅延・運休などの取扱いの際に、職員と旅客の双方が混乱する事態も少なくなかった。
このようなことから、1983年に特別企画乗車券を制定した。これにより、この種の乗車券には券面に丸で囲んだ「企」のマークを付け、旅客に対して変更・払い戻しなどの際には制限があることを説明し、特別企画乗車券の設定状況をまとめ国鉄部内で周知させることが具体化された。また、この乗車券の存在を広く周知するため愛称を「トクトク(得々)きっぷ」と名づけ、らくだをシンボルマークとし、大々的に宣伝を展開した。最初は混乱もあったが、旅客には概して好評であったことから、設定数は拡大していった。
現在設定されている乗車券の多くは、低廉な料金設定で需要喚起や競合する他の交通機関(航空路線、高速バス、他社路線など)への対抗を図るものである。回数券では、頻繁に利用する旅客のほか、比較的需要の高い区間(例:東京~大阪など)に対して会社の出張費の現物支給を考慮して設定する場合もある。座席の設定は、近距離では普通車自由席、長距離では普通車指定席またはグリーン車や寝台車とする例が多い。割引率はまちまちで、競合対象が存在する区間では割引率が高くなる傾向がある。例えばJR九州の2枚きっぷ・4枚きっぷ(特急券+乗車券の回数券)では、1枚あたりの金額が普通運賃より安い区間も存在する。比較的高速道路の整備が進んだ九州では高速バス路線網が充実しており、このような企画乗車券を発売して対抗している。
[編集] 制限
割安な料金で利用できる条件として、多くの特別企画乗車券は何らかの利用制限を設けている。以下に利用制限の代表的な例を示す。
- 有効期間
- 多くのものが時期や曜日により利用可能な期間が限られる。特に多客期には利用できないものが多い。通年発売されているもので多客期に利用できない商品では、多客期にかかる場合はその日数だけ多客期後に有効期間がずらされる。また一部は乗車日より一定期間前などと発売期間も制限される。有効期間はまちまちだが、往復乗車券タイプは往復乗車券の有効期間を踏襲している場合が多い。
- 途中下車
- 長距離の乗車券であっても、制限される場合が多い。目的地まで全くできないもののほか、一部の区間でできないものや指定した駅に限り途中下車ができるものが見られる(企画目的によっては逆に特定区間に限り乗り降り自由のものもある。)。
- 乗車券の変更
- 基本的に区間及び経路の変更はできないが、使用開始前であれば1回に限り経路の変更が可能である。また乗車券の一部でも使用した場合、回数券の表紙を紛失した場合には払戻しできないものがある。特急券がセットされたものでは、列車が遅れた場合などに払い戻しがないものがある。座席が指定されるタイプで、事前に座席の指定を受けずに乗車、または希望の座席が満席であった場合には自由席または立席の利用となる。
- 利用列車
- 普通列車用の乗車券では、所定の料金を払っても優等列車等に乗車できない場合がある。また東海道・山陽新幹線では、回数券タイプ以外の商品は大半が「のぞみ」を利用できない。さらに、同じ列車種別であっても時間帯などにより利用できる列車を限定するものもある。利用可能な列車または座席が限定されているものでは、希望する列車が満席となった時点で購入不可能となる場合もある。
- 利用座席
- 乗車する列車について、利用できる座席の種別を限定しているものがある。この場合、基本的には利用可能な座席との差額を支払っても上位種別の座席には乗車できない。ただし、座席の種別を変更するための料金券を別の特別企画乗車券として販売する場合もある。
- 利用資格
- 年齢や特定組織への入会、あるいは国籍などによって利用者を限定する場合がある。なお、学生割引は特別企画乗車券とは異なる制度である。
- 発売箇所
- 日本全国で発売されている乗車券はわずかで、大半は発着駅周辺および使用可能地域でのみ発売されている。地方都市と大都市を結ぶ往復乗車券タイプの商品の場合は、地方都市側でのみ販売されているものが多い。
[編集] 形態
[編集] 回数券タイプ
回数乗車券と違い、特急券と乗車券をセットしたり、普通の回数乗車券に比べて利用時間・曜日などの限定・枚数を減らすなどして割安にする設定がある。また、定期券所持者向けに特急やグリーン車、在来線並行区間の新幹線を利用できる料金券の回数券もある。
[編集] 往復乗車券タイプ
航空便や高速バスと対抗するため、近距離から長距離まで幅広い距離帯で都市間に設定されている。経路や乗り換え駅が複数あったり、並走して寝台特急列車がある場合には、それら考えられる複数の経路から選択できる。最近では、東京へ向かう往復乗車券で東京近郊のフリー乗車券をセットするもの、事前に購入すれば安くなる乗車券がある(新幹線で設定されている)。普通車指定席・普通車自由席用の乗車券は、こども用は半額となる(例外あり)。なお、九州内の往復割引きっぷはすべて回数券タイプの「2枚きっぷ」へ変更されている。
また、航空会社が特定の航空便に対して早期の予約・購入で運賃を割り引く「特定便割引」「早期購入割引」に対抗して、新幹線や在来線の特急券と乗車券をセットした往復乗車券で同様の設定をする乗車券類も発売されている。早期購入又は列車限定による割引のほか、土・日曜日に限り割引となるものも発売されている。一部は航空会社と同じく、座席数限定、購入後変更不可である。
[編集] 入場券付き乗車券タイプ
以前は「エック」と呼ばれていた部類の乗車券である。テーマパークや博覧会などの入場券とそこまでの往復の乗車券(遠距離であれば、加えて特急券)がセットになって割引されている。
[編集] フリー乗車券タイプ
主に観光客を対象とした、旅行先の主要区間が乗り放題となる割引の乗車券である。ある条件のグループのみが利用できるものもある。フリー区間内で乗れる列車はまちまちであるが、基本的に普通車利用となる。普通車指定席・普通車自由席用の乗車券は、一部を除いてこども用は半額となる。フリー区間内での扱いは定期乗車券と同様である。また、往復乗車券タイプの乗車券には目的地付近がフリー区間となっているものも存在する。
[編集] その他
[編集] 料金券に対する回数券・定期券
指定席を連結した普通列車・快速列車や、ホームライナーなど乗車整理券を必要とする列車について、その座席を利用する権利を回数券あるいは定期券の形で発行するものがある。また定期券と同時に利用することを条件とした特急料金についての回数券も一部区間で設定されている。詳しくは定期乗車券#特急料金定期券を参照。
[編集] 新幹線定期券
通勤用は「FREX(フレックス)」、通学用は「FREX(フレックス)パル」、九州新幹線では「つばめエクセルパス」の愛称があり、新幹線の停車駅から200~300kmの区間内で設定されている。定期乗車券と同様の形態をとるが、特別企画乗車券として扱われている。詳しくは定期乗車券#新幹線定期乗車券を参照。
[編集] 会員限定の割引乗車券
ある条件を満たす会員組織に入会し、定められた条件(距離や曜日)を満たす乗車券を購入する際に会員証を提示することで運賃・料金の割引を受けられるものもある。この場合、発売される乗車券は特別企画乗車券となる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年7月16日 (木) 13:36 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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