トヨタ・プリウス

プリウス(Prius)は、トヨタ自動車1997年に製造・発売を開始した世界初の量産ハイブリッド専用車である。現在、世界44ヶ国で販売されている。

目次

歴史

初代 NHW10(1997年 - 2003年)

トヨタ・プリウス(初代)
NHW1#型
前期型(NHW10:1997年10月-2000年5月)
前期型リア
後期型(NHW11:2000年5月-2003年2月)
写真は北米向け
メーカー {{{メーカー}}}
親会社 {{{親会社}}}
製造国 {{{製造国}}}
製造期間 1997年 - 2003年
設計統括 {{{設計統括}}}
デザイナー {{{デザイナー}}}
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアノッチバックセダン
ハイブリッド THS
エンジン 1NZ-FXE型 直4 1.5L DOHC
モーター 交流同期電動機
前期型:1CM型
後期型:2CM型
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
最高出力 エンジン:56kw(76PS)/5,000rpm
最大トルク エンジン:110.0Nm(11.2kgm)/4,000rpm
変速機 電気式無段変速機
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
全長 4,275 - 4,310mm
全幅 1,695mm
全高 1,490mm
最低地上高 {{{最低地上高}}}
ホイールベース 2,550mm
車両重量 1,220 - 1,240kg
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
総重量 {{{総重量}}}
最大積載量 {{{最大積載量}}}
燃料タンク容量 {{{燃料タンク容量}}}
燃費 前期型:28.0km/l
後期型:29.0km/l
後期型(改良後):31.0km/l
10・15モード 無鉛レギュラー)
別名 {{{別名}}}
先代
後継
姉妹車/OEM {{{姉妹車}}}
車台共有車 トヨタ・MCプラットフォーム
同クラスの車 {{{同クラス}}}
-自動車のスペック表-
1997年12月
世界で初めてとなる「量産ハイブリッド自動車」として登場。その後の自動車史を大きく変える歴史的な一台が誕生した。
サイズは小型5ナンバー4ドアセダンで、デザインは歴代セリカなどを手がけたトヨタのアメリカのデザイン拠点である「CALTY」が担当し“未来からやってきた車”のイメージに相応しいエクステリアを構築する。外観は当時としては珍しいフロントグリルボンネットをシームレスにつないだデザインを採用した。これは単にデザインだけではなく、空気抵抗の減少にも大きく寄与している。また、専用の超軽量鍛造アルミホイールを装着し、さらにその上に空気抵抗低減のための樹脂製のホイールカバーを装着するという珍しい手法を採用した。なお、これは2代目や3代目にも引き続いて採用されている。
駆動ユニットはTHS(Toyota Hybrid System)と呼ばれ、アトキンソンサイクル方式の1NZ-FXEガソリンエンジンと、1CM 型永久磁石式同期モーターを併用して動力を発生する。1CM 型はマイナーチェンジ時に改良され2CM 型となる。

発表当初の燃費は28.0km/l(10・15モード)とガソリンエンジン車としては驚異的なものであった。

インテリアの最大の特徴としてセンターメーターがある。その後多くのトヨタ車にも採用されているが、当時は珍しいため話題を呼んだ(ただし、センターメーター自体は以前から存在する)。また、5.8インチマルチインフォメーションディスプレイ(運転席と助手席の間に埋め込まれた液晶画面で、オーディオカーナビゲーションエアコンなどの機能を表示、制御できる。セルシオソアラクラウンのエレクトロマルチビジョンで実用化済み。)を始めからインテリアデザインに盛り込む設計がされたのも、同時期にデビューしたハリアーとともに初めての試みである。これらは後の乗用車全般のインテリアデザインに大きな影響を与えた。なお独特の駆動方式(走行中でもエンジンが停止するなど)から、タコメーターは持たない。また水温計も省かれているため、自作あるいは社外品のタコメーターや水温計を取り付けるユーザーもいる。
1998年11月
特別仕様車「Gセレクション」、「Gセレクション・ナビパッケージ」発売。同時にカタロググレードも仕様変更し、ボディカラーに「スーパーホワイトII」を追加。
1998年グッドデザイン賞受賞。
1999年11月
特別仕様車「Gセレクション」を再発売。前回仕様より3万円値下げした。
2000年5月
マイナーチェンジを実施。超-低排出ガス認定(☆☆☆)を受ける。10・15モード燃費が29.0km/lに向上。グレード体系が様変わりし、「S」と「G」の2グレード体制に。また、2000年モデルから北米での販売が開始され、それに合わせバンパー形状が変更された。
2001年1月
「S」をベースに、DVDボイスナビゲーションシステムやクルーズコントロールなどの上級装備を備えた特別仕様車「S プレミアム21」を発売。
2001年8月
一部改良。「ユーロパッケージ」の導入とボディカラー「ボルドーマイカ」を追加。
2002年1月10日
「S」をベースに、ボディカラーにボルドーマイカ等の専用色を2色設定すると共に、DVDボイスナビゲーションシステム、クルーズコントロール等を装備した特別仕様車「S Premium」を発売。
2002年8月6日
一部改良。制動時のエネルギー回収量を増加したことで、10・15モード燃費を31.0km/Lに向上。同日にDVDボイスナビゲーションなどを装備した特別仕様車「Sナビスペシャル」、「Gナビスペシャル」を発売。
プラットフォームを共有する車種

トヨタ・MCプラットフォームを参照。


2代目 NHW20(2003年 -)

トヨタ・プリウス(2代目)
NHW20型
後期型(2005年11月 -)
後期型リア
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メーカー {{{メーカー}}}
親会社 {{{親会社}}}
製造国 {{{製造国}}}
製造期間 2003年 -
設計統括 {{{設計統括}}}
デザイナー {{{デザイナー}}}
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバックセダン[1]
ハイブリッド THS II
エンジン 1NZ-FXE型 直4 1.5L DOHC
モーター 3CM型 交流同期電動機
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
最高出力 エンジン:57kw(77PS)/5,000rpm
モーター:68PS
最大トルク エンジン:115Nm(11.7kgm)/4,200rpm
モーター:40.8kgm
変速機 電気式無段変速機
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
全長 4,445mm
全幅 1,725mm
全高 1,490mm
最低地上高 {{{最低地上高}}}
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,250 - 1,290kg
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
総重量 {{{総重量}}}
最大積載量 {{{最大積載量}}}
燃料タンク容量 {{{燃料タンク容量}}}
燃費 29.6km/l
JC08モード 無鉛レギュラー)
別名 {{{別名}}}
先代
後継
姉妹車/OEM {{{姉妹車}}}
車台共有車 トヨタ・MCプラットフォーム
同クラスの車 {{{同クラス}}}
-自動車のスペック表-
2003年9月1日
フルモデルチェンジ し2代目プリウスが発売された。ボディタイプは5ドアハッチバックとなり、海外市場を考慮してやや大型化、車幅が1,725mmと拡大されたため3ナンバーとなった。
2代目に搭載されているユニットは、THS II と呼称される発展バージョン。10・15モード燃費は35.5km/l。
なお、トヨタのハイブリッドシステムはこの他にも、クラウンなどに搭載されている簡易ハイブリッドユニットである THS-M (マイルドハイブリッド)、エスティマアルファードに搭載された THS-C などのバリエーションがある。またパナソニックEVエナジーニッケル水素電池は小型トラック日野・デュトロ)や大型路線バス日野・ブルーリボンシティ)のハイブリッド車にも採用されている。後述の#ハイブリッドシステムの特性も参照。また、2003年度グッドデザイン大賞を受賞した。
2代目モデルでは、キーをポケットに入れたまま車に近付くだけでロック解除となる「キーレスドアオープン」、後方カメラの映像上で場所を指定するだけで駐車のハンドル操作を自動化できる「インテリジェントパーキングアシスト」、横滑り防止機構と電動パワーステアリングを統合制御する「S-VSC」などの最新技術が投入された。
2004年2月
仕様変更。車両型式を変更し、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」に対応。
2004年8月4日
「S」と「G」をベースに、「ツーリングセレクション」の装備とアルカンターラ専用シート表皮、ディスチャージヘッドランプ、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付EMV(エレクトロマルチビジョン)&インテリジェントパーキングアシスト(カラーバックガイドモニター機能付)を特別装備した特別仕様車「S ツーリングセレクション・プレミアム/G ツーリングセレクション・プレミアム」を発売。
2005年11月1日
マイナーチェンジ。フロントグリル・ヘッドライト・リアコンビネーションランプ・メーカーオプションのナビ(DVDからHDDタイプ)が変更され、フロントフェンダー部にHYBRIDの文字エンブレムが追加された。またハロゲンヘッドランプ車にはマニュアルレベリング機能が付いた。その他、ボディ剛性の向上、遮音性の向上、サスペンションのチューニング等、乗り心地に関する点が大幅に改良された。また、新グレードとして「S」の装備を簡略化した「S スタンダードパッケージ」と最上級グレードとなる「G ツーリングセレクション・レザーパッケージ」を追加。
2007年2月1日
一部改良。エンジン直下の触媒の性能向上、車両床下の触媒追加、エンジン制御のコンピューターの改良により、排出ガス浄化性能を向上。さらに、パーキングブレーキの戻し忘れ警告ブザーを追加。
2007年4月2日
プリウス生誕10周年を記念して、SグレードにHDDナビ、スマートエントリー&スタートシステム等の特別装備を追加したS"10th Anniversary edition"を発売。
2007年9月3日
マイナーチェンジ。新燃費基準の試験方法となる燃費表示JC08モード(29.6km/l)認可。「2015年度燃費基準」達成。
2008年9月1日
原材料の高騰に伴い、車両本体価格を値上げ。最低価格が233.1万円からとなる(従来は226.8万円から)。
2009年5月18日
3代目モデルの発売と共に、ビジネスユーザー向けに特化した新グレード「EX」を発表(発売は6月8日から)。ボディカラーをスーパーホワイトII、シルバーメタリック、ブラックの3色に絞り、内装色をグレーのみに、フロントグリルを本体同色に変更。また、フロントフォグランプやホイールキャップをオプション設定にしたことで価格を大幅に引き下げ、189万円となった。なお、運転席・助手席デュアルステージSRSエアバッグ等の安全装備や温度センサー付電動インバーターエアコン等の快適装備は従来どおり装備される。


3代目 ZVW30(2009年 -)

トヨタ・プリウス(3代目)
ZVW30型
フロント
リア
内装
メーカー {{{メーカー}}}
親会社 {{{親会社}}}
製造国 {{{製造国}}}
製造期間 2009年 -
設計統括 {{{設計統括}}}
デザイナー {{{デザイナー}}}
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアハッチバックセダン[2]
ハイブリッド リダクション機構付THS II
エンジン 2ZR-FXE型 直4 1.8L DOHC
モーター 3JM型 交流同期電動機
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
最高出力 エンジン:73kw(99PS)/5,200rpm
モーター:60kw(82PS)
最大トルク エンジン:142Nm(14.5kgm)/4,000rpm
モーター:207Nm(21.1kgm)
変速機 電気式無段変速機
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット式コイルスプリング(スタビライザー付)
後:トーションビーム式コイルスプリング
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
全長 4,460mm
全幅 1,745mm
全高 1,490mm
最低地上高 {{{最低地上高}}}
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,310 - 1,350kg
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
総重量 {{{総重量}}}
最大積載量 {{{最大積載量}}}
燃料タンク容量 {{{燃料タンク容量}}}
燃費 30.4 - 32.6km/l
JC08モード 無鉛レギュラー)
別名 {{{別名}}}
先代
後継
姉妹車/OEM {{{姉妹車}}}
車台共有車 トヨタ・新MCプラットフォーム
同クラスの車 {{{同クラス}}}
-自動車のスペック表-
2009年1月
北米国際オートショー(デトロイト・モーターショー)にてデビュー。待望の3代目となるプリウスがワールドプレミアとなる。
2009年5月18日
日本にて正式発表。同日販売開始。
車両本体価格の引き下げや、同年4月に施行されたハイブリッド車の減税政策もあり、発売開始から6月17日までの1ヶ月間の受注台数は月販目標の18倍(1年6ヶ月分)にあたる約180,000台を受注。納車は7ヶ月待ちとトヨタ車では過去最高のスマッシュヒットを見せた。
3代目では全体の9割以上を新開発した「リダクション機能付THS-II」を採用。搭載エンジンを1.5Lの1NZ系から新世代のZR系1.8Lの2ZR-FXE型に格上げし、モーターも改良により3JM 型に変更された。また、トヨタ車では初となるバッテリー駆動の電動ウォーターポンプを搭載しフリクションロスを低減した。またレクサスRX450hに先行搭載された「排気熱再循環システム(EGR)」が採用された。これは従来捨てていた排気熱を、ヒーターやエンジンの暖気に再利用するというシステムで、燃費の向上に大きな効果をもたらす画期的なシステムである。さらにトランスアクスル・パワーコントロールユニット・ハイブリッドバッテリーの改良で小型軽量化されたことにより、世界トップクラスの低燃費(「L」の10・15モード燃費で38.0km/L)と2.4Lガソリンエンジン車並みのパワーを実現した。
オーリス系のプラットフォームを使用しているためボディサイズは2代目からわずかながら大きくなっている(全長+15mm、全幅+20mm)が、空気抵抗係数(cd値)は0.25と従来型(0.26)よりも向上している。当初予想されたリチウムイオン二次電池ではなく安全性やコスト面の観点から、改良型のニッケル水素電池が搭載された。これまでの技術蓄積と専用部品を減らすことなどによってコストを削減し、同時期での2代目ホンダ・インサイトの低価格路線に対抗するために先代型(「EX」への一本化前)と比べ安価な価格(205万円=Lグレード)設定となった。
グレード体系は、オーディオレス仕様など大幅に標準装備を省いた最廉価グレードの「L」(新設定)、標準グレード「S」、上級ファブリックとクルーズコントロール等を追加した上級グレード「G」の3種類。さらに、「S」と「G」にはLEDヘッドランプ(トヨタブランド車への採用はプリウスが初で、レクサスブランドのハイブリッドカーであるレクサスLS600h、レクサスRX450hを含めれば3例目)とリアバンパースポイラー、215/45R17インチタイヤ&アルミホイール、専用チューンドサスペンションを追加した「TOURING selection」を設定。また、「G TOURING selection」には、上述の装備に加えてプリクラッシュセーフティシステム、レーダークルーズコントロール、HDDナビゲーションシステム、インテリジェントパーキングアシストシステム、本革シート等を追加し、予防安全性と快適性を高めた最上級仕様「G TOURING selection LEATHER package」も用意される。
3代目では「インテリジェントパーキングアシスト」や「S-VSC」に加え、ステアリングスイッチの触れた場所をセンターメーターに表示する「タッチトレーサーディスプレイ」(「G TOURING selection LEATHER package」は標準装備、「L」を除くその他のグレードもHDDナビ+インテリジェントパーキングアシストとのセットオプションにて装備可能)を世界で初めて搭載。さらに、ムーンルーフが歴代モデルとしては初めて設定されると同時に、その後部に装備されたソーラーパネルで発電した電力で駐車中の車内の換気を行う「ソーラーベンチレーションシステム」と、車外からスマートキーの操作でエアコンを作動させることができる世界初の「リモートエアコンシステム」を搭載(これら2つの装備は1つのセットオプションとして「S」と「G」にメーカーオプション設定されるが「TOURING selection」には装着不可となる。「S」はさらにスマートエントリー&スタートシステム、イルミネーテッドエントリーシステムのフロント足元ランプが追加される)。


ハイブリッドシステムの特性

プリウスのハイブリッドシステム
カットモデル

システムの利点及び欠点を以下に挙げる。

利点

  1. 従来車と変わらないガソリンスタンドでの燃料補給のみで、電気自動車の長所を享受できる。
  2. ガソリンエンジンの効率が悪い低回転域では、低回転トルクに優れる電気モーターを使用して効率的に発進・加速できる。
  3. 極低速時などモーターの動力のみで駆動できるときや、停止中のエアコン使用時でも、HV(=ハイブリッドビークル)バッテリーの充電状況が十分であればエンジンを停止できるアイドリングストップ。
  4. 減速時にエンジンを停止(速度によってはガソリン供給のみを停止)し、運動エネルギーをモーターによって発電して回収し、充電することが可能な回生ブレーキ。結果、ブレーキパッドの磨耗が少ない。
    • 電力は回生ブレーキやエンジンから直接発電されたものを利用するため、ユーザーが意識して充電する必要はない。また、THSはモーターと遊星歯車機構を利用した無段変速機( CVT )でもある為、マニュアル仕様車は存在しない。つまり、ユーザーは見かけ上「燃費の非常によいオートマチックガソリン車」として扱う事が出来る。
    • なお、エネルギーの流れや実際の燃費などの情報は、マルチインフォメーションディスプレイにリアルタイムで表示され、急加速やエアコンの作動といった燃費を悪化させる操作が行われた場合、その結果が数字等で如実に示される。
  5. プリウスは、シリーズ・パラレルハイブリットという方式を採用しているため、速度域や加速・減速といった条件変化によって、「エンジンのみ」「モーターのみ」「エンジン・モーター併用」の切り替えを頻繁に行い、燃費効率を上げている。ゆるい下り坂では、エンジン・モーターともほとんど作動させないまま走行することも可能で、走行中の燃料消費量を減らす事が出来る。
  6. THSには、一般的なトランスミッションに必要な多数のギアやトルクコンバータを使わずに済む為、凝った構造の割にはコスト面の不利は少ない。
    • 3代目の廉価グレードである「L」の価格が、併売される2代目の「EX」やライバルと目されるインサイトに比べ安価(但し、性能面を考慮に入れての安価であり、実際の販売予定価格は2車より高価)となったのは、このメリットが効いた結果である。

欠点

ハイブリッドシステムの限界
ハイブリッドカーは登場したばかりということもあり、ハイブリッドシステムの特性も周知されにくいことから、プリウスにおいても以下のような意見がある。
燃費の計測環境の違いにより、カタログ表記の燃費と実用上の燃費における差が大きい。カタログ値が高い分、他のガソリン車と比べて差が大きくなる。
制御上、短時間でストップ&ゴーが連続する市街地走行ではその長所を遺憾なく発揮することができるが、山や峠を上り下りするような連続しての上り坂や下り坂の場合はシステムの性能を十分に活かしきれなくなる。上り坂ではモーターアシストでバッテリーを使い切った後、モーターやバッテリーは単なる錘(おもり)と化し、さらに補充電のためにエンジン出力(ガソリン)を消費する。下り坂ではバッテリー保護のため充電率と充電量を抑えられ、一定程度以上の電力回生は望めず、満充電の場合は回生失効となる(自動的にエンジンブレーキの比重が高まる)。また、高速道路においては、市街地走行のようにエンジン停止することが無いため、燃費が伸びにくい。
LCA
有害物質の排出量軽減という観点では、確かに走行中の有害物質の排出は少ない。しかし、バッテリーやインバーター素子を含むハイブリッドシステムの部品の製造と廃棄に伴う有害物質の排出量は、ハイブリッドシステムを搭載しない車両よりも明らかに多いものとなる。このため、車両のライフサイクル全体における有害物質排出量の総合では、従来のガソリン車との比較という形で謳われているほど軽減されていないという指摘がある。
トヨタはLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を計測し、「旧型のガソリン車」よりも、10年10万km走行時の環境負荷を抑えているとコメントしている[3]。しかし、このコメントにおいてはハイブリッドシステム関連の部品が計測対象に含まれていない。
寿命に関する懸念
高性能な燃費を支える主要部品であるインバータや駆動用のHVバッテリー等は、運用によって発生する熱や電圧、あるいは充放電サイクル等によって必然的に疲弊・劣化する「消耗品としての性質」を持つ(特にバッテリーに関しては、ノートパソコンなどでも同様の問題に直面している事で知られる)。そのため、車両やエンジン本体の寿命よりも短い周期で、ハイブリッドシステム用部品の交換が必要となる。これら部品の寿命設定やメーカー保証の問題については、メーカーの姿勢・体制が確立されておらず、また、ユーザーへの周知・理解も進んでいない[要出典]。これらはタイヤや鉛バッテリーのようにユーザーの自己負担で交換すべきであるのか、メーカーが保証し無償交換すべきものであるかについてのコンセンサスは、ハイブリッドシステムの歴史が浅いこともあり形成されていない。
初代プリウスは、インバーターを有償で交換した場合には実費で約40万円程度の負担、バッテリーはリサイクルバッテリーを使用した場合、11万円程度になるといわれている。なおNHW20のバッテリー交換費用13万円程度である。現行型はバッテリーの性能がよくなったこともあり、短期間で交換が必要になったという報告はほとんど無く、メーカー側は名目上「5年または10万キロ」の保証期間を謳っている。
主要部品の交換は、所有者にとっては車を維持してゆく上で負担となる可能性があるが、現在のところこれら(特にHVバッテリー)のパーツを有償で交換した例はまだ報告されていない[要出典]。NHW10には、出力制限警告灯などが点灯する不具合によるサービスキャンペーン(この案件に限り、経年・走行距離・交換履歴を問わないため実質交換回数が無制限となっている)、NHW11にはバッテリー液もれ不具合によるサービスキャンペーンがメーカーから公開されているためである。
低騒音ゆえの問題
低速域ではエンジンが停止しモーター走行となるため、通常のガソリン車よりも走行音が極端に低い、あるいは全くしない状態で走行する場合がある。そのため歩行者に気付かれにくい、気付いてもらえない場面がしばしば見られる。特にこれは、音により判断することが多い視覚障害者が危険にさらされやすい。低速域でのことであるため重大事故にはつながりにくいとはいえ、ユーザーを悩ませている問題である。

評価

同等クラスのガソリン車と比較すると、燃費では高い経済性を持つが、車両本体価格が高く、価格差を燃費で相殺するまでには相当走らなければならないことが、大幅な普及を妨げている[4]

しかし、プリウスは価格差を将来的な燃費との格差で相殺するといった動機よりも、直接的な環境負荷の低減やEV機能などを評価して購入すべきであるという見方も強い。実際、アカデミー賞に俳優がプリウスに乗って登場したように、プリウスは環境に良いというブランドイメージが強い。

そのため、この世界初の実用ハイブリッド車は、自動車評論家や「自動車は燃費がよく乗り心地もよく荷物が積めれば十分」と考える消費者からは、非常に高い評価を得ている。

アメリカにおいてもプリウスは非常に人気が高い。カリフォルニア州では州の厳しい規制をパスした当時唯一のガソリンエンジンの実用車としてプリウスが話題を呼び、環境問題に積極的な人々を中心として次々にプリウスを購入したことから、ハリウッド・スターなどのセレブリティも環境問題に積極的であるということをアピールするために(これが富裕層にとってある種のステータスであるという一面もある)こぞってプリウスを自家用車に選ぶ、という時期もあった。中でもレオナルド・ディカプリオは数台購入したといわれる。現在でも、原油価格が高騰しているという理由で人気が冷めず、最長で半年待ちとなるほど予約が殺到しているという[5]。しかしながら一方で、環境問題に積極的に取り組んでいる姿を誇示する一部のプリウス所有者を不快に感じる人や、まるでハイブリッド車に乗らない人は環境問題に消極的であるかのように扱われることに反感を抱く人もおり[6][7]、プリウスは単に環境破壊を覆い隠す免罪符にすぎないと指摘する声もある[8]。アメリカのコメディアニメ、サウスパークにおいても、プリウスを買ってから急に環境意識の高さを周囲に自慢しだした登場人物を描いたエピソードがある[9]

ディーゼルエンジンマニュアルトランスミッション指向の強いヨーロッパにおいても、環境問題への関心の高まりから、イギリスなどを中心に高い評価を得ている。2007年のフランクフルトモーターショーをはじめ、大陸ヨーロッパでも積極的なプロモーションが始められた。 2000年に発売されたヨーロッパでは、2007年8月までに約10万台のトヨタ・ハイブリッドが販売された[1]。トヨタのハイブリッド車は同年5月に販売累計が100万台に達していることから、その約1割が欧州市場での販売であったことになる。イギリスのAmberjac Projects社では、プリウスに搭載されたニッケル水素電池リチウムイオン電池に載せ換えて、燃費や航続距離を改善するという改造を行なっている。

日本国外での受賞

他、多数の受賞がある。また、ヨーロッパの自動車衝突安全テストユーロNCAPでは、星5つの評価を得ている。

レンタカー

一方、一部のレンタカー会社(及び地域)で車種をプリウスに限定したキャンペーンが行なわれることがある。この場合のレンタル料金は一般車種とほぼ同額であり、利用者にとっては自分で購入するのと異なり車輛価格が高額であることを意識せずに済む上一般に燃料費も安くつき(走行距離が長ければ若干レンタル料金が高くても燃料費の差額で十分元がとれてしまう)、またレンタカー会社としても車輛の回転効率を上げることで初期費用を早く回収することができるので、利用者と所有者のどちらにとっても有益であり、ハイブリッド車の普及を図る上では非常に有効な手段であると言える。なお、トヨタレンタリースではこれまでカローラと同じP3クラスだったが、2008年10月1日以降予約分はプレミオアリオンと同じP4クラスに変更され、値上げとなったが、2009年5月1日以降はP3クラスに戻され、値下げとなった。同年6月から順次導入されている3代目はP4クラスの料金が適応される(2代目と3代目では排気量が異なる為、P3クラスの2代目には(1.5L)、P4クラスの3代目には(1.8L)と表記し区別されている)。アメリカ合衆国の大手レンタカー会社では、2007年7月現在エイビス・レンタカー(Avis)が約1,000台のプリウスを保有するほか、ハーツ・レンタカー(Hertz)が2008年までに3,400台のプリウスを導入し、ニューヨーク市などハイブリッド車の需要が旺盛な地域に重点配備することを発表した[2]。エイビス・レンタカーはイギリスでもプリウスを保有し、ロンドンなどに配置している[3]

販売店

初代はトヨタ店のみであったが、2代目からはトヨペット店が加わり、2チャンネル併売となった。また、販売台数も2代目からは格段に増え、発売後半年経っても、購入から納車まで数ヶ月待ちという事態も起きた。 3代目ではカローラ店ネッツ店にも販売網を広げ、レクサス専売店を除くトヨタの全販売店で販売を開始した。トヨタの全販売店で販売する車種の登場は、トヨタが現体制になった1982年以降では2000年に限定生産されたオリジンの例があったのみで、限定生産車以外では初めてとなる。なお、2代目モデルもグレード体系などを見直し、ビジネスユーザー向け新グレード「EX」に一本化し継続販売される(取扱いは従来どおりトヨタ店とトヨペット店)。低価格路線を打ち出しているホンダ・インサイトに対抗するため、「EX」の車両本体価格はインサイトの「G」と同じ189万円に設定。3代目モデルも205万円からの価格設定にした。

車名の由来

  • PRIUS ラテン語で「~に先立って」の意味。かつて日立製作所が発売していた同名の家庭用パソコン「プリウス」(こちらは小文字で“Prius”と表記する)も全く同じ意味でネーミングされたもので、こちらは1年早い1996年に発売された。

その他

  • 2002年週刊少年マガジンで製作したスタッフチーム等の苦悩を描いた漫画「プリウス~21世紀への翼~」が掲載された(作画は日和一吾)。
  • 一般的にスポーツグレードを持たない実用車種にはエアロパーツサスペンションキットなどのチューニングパーツはあまり発売されないが、2代目プリウスでは空気抵抗を減らして燃費をさらにあげるためのボディキットが発売されたり、またTRDトムスといったメーカー系ワークスばかりではなく、社外有名アフターパーツメーカーからもマフラーやホイール、サスペンションキットなど「走り」のためのチューニングパーツも数多くリリースされ、趣味嗜好性の高い車としてもプリウスがチューニング業界でも人気が高い1台であることを表している。
  • 3代目モデル(ZVW30型)の発表を2週間前に控えた2009年5月2日よりTBSラジオにて、「TOYOTA PRIUS Presents 高樹千佳子のハイブリッドな週末」というタイアップ番組を放送開始。パーソナリティには、車や音楽好きでも知られる女性タレント高樹千佳子を起用し、高樹がプリウスを実際にドライブしながらゲストとのトークや開発スタッフとのプリウス開発秘話、そして高樹によるプリウスの試乗インプレッションを交えた新感覚の番組で、車内外の走行音やウインカーの作動音などもそのまま収録されている。
  • ハリウッドスターのみならず日本の芸能界でも2代目モデル以降はアイドルから大御所と呼ばれる大物まで多くの芸能有名人が愛車としており、「環境負荷の低いハイブリッドカー」という高級輸入車とはまた一味違った“ステイタス”のクルマとしてプリウスは認知されている。
  • 一般的に新型車が発表された際は自動車関連のニュースや一部の経済ニュースでは報道されるものの、一般紙や通常のニュース番組で報道されることは殆ど無い。だがプリウスに関しては、報道発表会の模様や試乗インプレッションが一般紙ニュース番組で特集を組んでまで報道されるなど、その注目度の高さが窺い知れる。

脚注

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  1. ^ トヨタ自動車のウェブサイトではセダンにラインナップされている
  2. ^ トヨタ自動車のウェブサイトではセダンに区分
  3. ^ toyota.jp プリウス>環境仕様
  4. ^ ただし、3代目や2代目ビジネス向けグレード「EX」では価格が先代に比べ最大で30万円程度安くなったことと、2009年4月に施行された「環境対応車普及促進税制」で自動車重量税自動車取得税が全額免税されることにより、ハイブリッド車がより身近になってきている。事実、ライバル車のインサイトは2009年4月度の登録車における販売台数でハイブリッド車で初の1位を獲得している
  5. ^ プリウス、モデルチェンジ前でも納車2ヵ月待ち。ハイブリッドカーひとり勝ち状態続く
  6. ^ "Green With Envy: Prius Owners Smile as Neighbors Fume". FOXNews.com. 2008年10月11日 閲覧。
  7. ^ "Celebrity Hybrid Drivers". hybridCARS. 2008年10月11日 閲覧。
  8. ^ "【地球をどうしますか 環境2008】米国に浸透するハイブリッド車". 産経ニュース. 2008年10月11日 閲覧。
  9. ^ "South Park: Smug Alert". South Park Studios.com. 2008年10月11日 閲覧。

関連項目

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最終更新 2009年7月2日 (木) 13:16 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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