トランスジェンダー
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トランスジェンダー(英語 Transgender、ラテン語で「乗り越える」や「逆側に行く」を意味する「トランス」と、英語で「性」を意味する「ジェンダー」の合成語)とは、一般に (ただし常にではない) 生まれたときからもっているとされる、伝統的に社会で認識されている役割と同様の規範的な性役割から逸脱する傾向を含む、あらゆる個人および行動、グループに当てられる一般用語である。
トランスジェンダーは、ある人の「割り当てられた性」 (身体的特徴ないし遺伝子上の性に基づく男性か女性かの他人による識別) とは違う「性自認」 (女か男か、あるいはそのどちらでもないか) の状態にある。トランスジェンダーはいかなる特定の性的指向を必要条件としない。すなわち、トランスジェンダーの人々は異性愛者や同性愛者、両性愛者、全性愛者あるいは非性愛者として認識される可能性がある。トランスジェンダーの正確な定義は不断の変化を続けているが、次の概念を含む。
- アイデンティティが男性ないし女性の性役割の従来の観念に明らかに一致していないが、両者の間で組み合わさっていたり動いていたりする人のこと、あるいはその人に関連しているものまたは示すもの。[1]
- 性 (通常生まれたときに、彼らの性器に基づく) を与えられたが、間違っているあるいは不完全であると感じる人々[2]
- ある者が生まれたときに割り当てられた性 (そして偽りのジェンダー) との非同一化、あるいは非表現[3]
トランスジェンダーの人は、通常は特定のジェンダーを連想させるような特徴を持つことがあるが、伝統的なジェンダー連続体のどこか別のところに共感することもある。あるいはそれの外側に「その他」、「非ジェンダー」または「第三の性」として存在するかも知れない。また、トランスジェンダーの人々は「バイジェンダー」として同一化させる可能性もあり、もしくは伝統的なトランスジェンダー連続体や、近年行われてきた詳細な研究に応じて開発された、さらに包括する連続体上のどこかに共感するかもしれない。[4]
和訳としては、「性別越境者」「性別移行者」等が考案されているが、まだ定訳と言えるものはない。
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[編集] 概要
医療概念としてのトランスセクシュアル(現在の日本において性同一性障害と称されるものに相当)の当事者が、自らのジェンダー・アイデンティティ(性自認)のあり方が精神疾患であるとの差別的ラベリングを忌避するために、1980年代末よりその当事者が自称として用い始めた用語である。(アメリカの女装家、ヴァージニア・プリンスによる造語とされる)。最広義においては、性別移行(性同一性障害)を抱える者に限らず、祝祭や芸能における一時的な性別越境も含めて、広く生れながらの性別を越境、超越する者すべてを指す場合もある。現在欧州連合や国際連合の人権問題を扱う公文書においてはホルモン療法や手術療法を要するトランスセクシャル(性別移行、ICD-10のF64.0en:transsexualismに相当)とそうした治療を要しない性自認による恒久的あるいは一時的異性装(ICD-10のF64.1en:dual-role transvestismに相当)を総称して「トランスジェンダー」と称している。しかしこれらの国際機関は性別適合手術の保険適応の必要性が一連の公文書に記されていることからも手術療法や法的性別変更を要するトランスセクシャルと性自認に由来する異性装者(クロスドレッサー)を「トランスジェンダー」という言葉によって混同していない。トランスセクシャルの問題は単独では当事者の数が極めて少なく不当な汚名を着せられ迫害を受けてきたにも拘らず人権問題として公式に取り上げにくかったため、同じような境遇にある異性装者も包括して国際的な公的機関でその人権救済が問題とされる必要性から「トランスジェンダー」という表現が用いられるようになった。LGBTという一見同性愛とトランスジェンダーを混同しているような印象を与える表現が公的に用いられるようなったのも同じ理由である。
以前までは、性自認と体の性の不一致に悩んでいる状態 → TV(=トランスベスタイト。異性の服装を身につけることによって性別の違和感を緩和している状態) → TG(=トランスジェンダー。性ホルモン剤の投与で体つきを性自認の性別に近づけ異性装等を行う状態) → TS(トランスセクシュアル。ホルモン投与による体の変化でも悩みの解決がなされず、外科的手術により性器の外観を性自認の性器に近づけ性自認の性で生活する状態)という、体の性別移行の一過程のみを説明する言葉であった。
今日では外科手術(=性別適合手術)まで望まない性別移行(性同一性障害)当事者の存在や、日本国の性別移行(性同一性障害)当事者に対する医療のインフラ整備が遅れていること等の為、このプロセス通り進まない人も大勢存在し、生れながらの性別と異なる性自認の性で生活をする場合、この人達全般を指してトランスジェンダーと呼称するに至っている。
トランスジェンダーの中には、『Xジェンダー』である者も存在する。これに当てはまるのは主に、「両性」や「無性」や「中性」の性自認を持つ者である。その様相は多様であり、その中には性自認が入れ替わる者や、心の部分部分で違う性を自認する者等がいる。個人差はあるが、自分の心が男女どちらか判らず混乱を覚えたり、男女どちらかの性である事を強要される環境に対し、拠り所の無さや違和感や苦痛を覚える。
これらXジェンダー者の場合、(性同一性障害当事者は男性女性のどちらかを性自認していると考えられがちで)医療的な性同一性障害の診断基準には適合しないとされる事があるが、実際の診療の場では、性自認が中性や無性等である性同一性障害当事者が存在している。
また、「トランス」という接頭辞が、“世間においての、「男性」「女性」という二元論的性別観を前提に一方の性別から他方の性別への完全な移行”を表すニュアンスをもつことから、例えば『Xジェンダー』の様な独自の性別(性自認)をもつ者や、社会的制度としての性別(ジェンダー)自体を否定する者は、ジェンダーベンダー(gender bender, 性別をねじ曲げる人)、ジェンダーブレンダー(gender blender, 性別を混合する人)、ジェンダークィア(genderqueer, 既存の性別の枠組みにあてはまらない、または流動的な人)と名乗る場合もある。
尚、生れながらの性別に従って生きる多数派《非・トランスジェンダー》の事を、シスジェンダーと呼ぶ。
[編集] 脚注
- ^ Author unknown, (2004) "...Transgender, adj. Of, relating to, or designating a person whose identity does not conform unambiguously to conventional notions of male or female gender, but combines or moves between these..." Definition of transgender from the Oxford English Dictionary, draft version March 2004. Retrieved on 2007-04-07.
- ^ "USI LGBT Campaign - Transgender Campaign". Retrieved 2007-03-06.
- ^ Stroud District Council "Gender Equality SCHEME AND ACTION PLAN 2007"
- ^ "Layton, Lynne. In Defense of Gender Ambiguity: Jessica Benjamin. Gender & Psychoanalysis. I, 1996. Pp. 27–43". Retrieved 2007-03-06
[編集] 参考文献
- 渡辺恒夫著 『トランス・ジェンダーの文化』 勁草書房、1989年、ISBN 978-4326152216
- 蔦森樹著 『男でもなく女でもなく』勁草書房 1993年、ISBN 978-4326651498
- 松尾寿子著 『トランスジェンダリズム-性別の彼岸』 世織書房、1997年、ISBN 978-4906388530
- 宮崎留美子著 『私はトランスジェンダー』 ねおらいふ、2000年、ISBN 978-4434006371
- 米沢泉美編著 『トランスジェンダリズム宣言』 社会批評社、2004年、ISBN 4916117557
- 田中玲著『トランスジェンダー・フェミニズム』 インパクト出版会、2006年、ISBN 4755401569
- ケイト・ボーンスタイン著 『隠されたジェンダー』(原題:Gender Outlaw) 新水社、2007年、ISBN 488385101X
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 国際連合難民高等弁務官の性的指向と性自認による亡命についてのガイダンス
- 性転換先導者 Lynn Conway のサイト TS・TG・ISに関する資料ページあり(和訳中)
- 日本記念日協会・4月4日をトランスジェンダーの日に認定
最終更新 2009年12月4日 (金) 17:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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