トロン (映画)
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『トロン』(Tron)は、1982年に製作されたアメリカと台湾合作のSFファンタジー映画。ウォルトディズニー製作。上映時間96分。
世界で初めて全面的にコンピュータグラフィックスを導入した映画として話題を集め、コンピュータの内部世界を美麗な映像とプログラムの擬人化という手法でわかりやすく表現した点が特徴といえる。
ティム・バートンがアニメーターとして、アイス・エイジ監督のクリス・ウェッジがCGプログラマーとして、そして「エイブル・システム」のスーパーバイザーとしてロバート・エイブルが参加している。
目次 |
[編集] スタッフ
- 監督・脚本 スティーブン・リズバーガー
- 制作 ドナルド・クシュナー
- ストーリー スティーブン・リズバーガー、ボニー・マクバード
- 音楽 ウェンディ・カルロス
- 制作総指揮 ロン・ミラー
[編集] あらすじ
ソフトウェアメーカー・エンコム社に在籍するフリンはゲーム「スペースパラノイド」を開発したものの、その全データを同僚のデリンジャーに盗まれてしまう。デリンジャーが自身の作として発表した「スペースパラノイド」は大ヒットし、たちまち彼はエンコムの社長に出世する。その一方でフリンは場末のゲームセンターのマスターへと追いやられてしまう。
憤慨したフリンは「スペースパラノイド」がデリンジャーの盗作である証拠を掴むべく、夜な夜なエンコムへのハッキングを行い始める。だが証拠のデータはデリンジャーがプログラムしたMCP(マスター・コントロール・プログラム)によって厳重に隠蔽されており、発見は不可能だった。
そんなある日、偶然にもフリンのハッキングの事実を知ったエンコムの社員アランが、恋人のローラと共にフリンの元を訪ねて来る。これをチャンスと考えたフリンはエンコム社内のコンピュータから直接、アクセスさせてもらえるよう懇願。了承した2人はフリンをエンコムへと導き、またアランも不正調査とMCP破壊のために、開発途中の監視プログラム・トロンを起動することを決意する。
しかし、フリンの侵入は既にMCPによって察知されていた。結果、フリンはエンコムが実験中の物質転送機によって、MCPが支配するコンピュータの内部世界へと送り込まれてしまう。そこはMCPによる圧制下にあり、あらゆるプログラムがネットを通じて集められ、奴隷のように扱われていた。
そんな中で、フリンはアランそっくりの1人のプログラムと出会う。実は彼こそが、MCP破壊の任を帯びてアランに送り込まれたプログラム・トロンだった。
2人は計算プログラム・ラムと共にデリンジャーの不正を暴き、コンピュータ世界におけるMCPの圧政を打ち砕くため、MCPに戦いを挑んでいく。
[編集] キャスト
役名は左が現実世界、右がコンピューターの内部世界のもの
- フリン/クルー ジェフ・ブリッジス
- アラン/トロン ブルース・ボックスレイトナー
- デリンジャー/サーク司令官 デビッド・ワーナー
- ローラ/ヨーリ シンディー・モーガン
- ギブス博士/デュモント バーナード・ヒューズ
[編集] 本作におけるCG
本作においては、当時の技術的限界やあくまでコンピュータ内の仮想世界を表現するというコンセプトから、ワイヤーフレームやフラットシェーディングなどのいかにもCG的なシンプルなタッチの手法が多く用いられた。しかしそれでも、コストや納期の都合で仮想世界シーンを完全にCGで作成する事は出来ず、多くのシーンで手描きのアニメーションが代わりに用いられた。またCGのキャラクターや背景と役者などの実写素材との合成は、従来のアナログ光学合成で行われており、特にキャラクターの衣装の電子回路風パターンの発光表現などのために大量のロトスコープ用マスクを手作業で作成する必要があった。そのためエンドクレジットでは、それらの作業に関わった台湾人スタッフの名前が(漢字で)延々と流れる事となった。
仮想世界シーンのコンセプトデザインにはジャン・ジロー・メビウスやシド・ミードも参加している。現在でもテクスチャーの作成に用いられるPerlin noiseは本作のために発明された技術である。
主な批評として、CGからは人間味が感じられない、テクノロジーと比較してストーリーが全くないという声がある。興行的には失敗に終わったものの、CGの映像表現の可能性を示した記念碑的作品であり、実際本作を見てCG・コンピュータ技術関連の仕事を志した人間は多い。ピクサー作品で知られるジョン・ラセターも、本作を見た事がCGアニメに転向する動機となっている。
[編集] 「TRON」というネーミング
TRONというネーミングについては、定説がないが、当時エンドユーザレベルでは標準的なプログラム開発環境であったBASIC言語では、インタプリタの開発支援コマンドとして「TRON (Trace On)」というものがあった。これは、プログラムを実行する際にそのプログラムのどこを実行しているかを表示しなさいというコマンドで、バグ取りの際には極めて重要なものであった。「不正を糺す=バグを取る」という意味で「TRON」というネーミングが採用されたとする説がある。
しかし、「制作者に“トロンとはBASICのコマンドのことか”と聞いたら“いや、エレクトロンのトロンだよ”と返された」という記事が当時の雑誌『スターログ日本語版』(ツルモトルーム刊)にある。 また http://www.imdb.com/title/tt0084827/trivia には、BASIC のコマンドについては、あとになるまで知らなかったとスティーブン・リズバーガーはインタビューで述べている、とある。
[編集] 関連作品
- 『トロン (ビデオゲーム)』(en:Tron (video game))- 本作を元にしたコンピュータゲーム。ライトサイクルゲームとも。対戦ゲームで、輝点 (ライトサイクル) を操作し軌跡に当たったら負けという単純なゲーム性から、多数類似作品が存在する。
- 『Tron 2.0』(英語版)- 本作の続編という位置づけのストーリーのコンピュータゲーム。2004年制作。日本未発売。
- 『Tron Legacy』(英語版)- 実写映画版の続編。2010年アメリカで公開。
最終更新 2009年10月11日 (日) 03:10 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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