トーラスII

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トーラスII
基本データ
運用国 アメリカ合衆国
開発者 OSC
運用機関 OSC, NASA
使用期間 2010年12月 - (予定)
射場 ワロップス飛行施設LC-0A
ヴァンデンバーグ空軍基地
ケープカナベラル空軍基地
コディアック島
打ち上げ費用 $ 65 million[1]
原型 トーラス
公式ページ Taurus II
物理的特徴
段数 2段または3段
総質量 290 t
全長 40.5 m
直径 3.9 m
軌道投入能力
低軌道 4,200 kg / 7,000 kg
400 km / 28.7 度
太陽同期軌道 3,200 kg / 5,600 kg
400 km / 98 度
静止移行軌道 2,400 kg[2]
ISS軌道 約 5 t[3]
地球重力圏脱出軌道 1,250 kg / 1,800 kg
C3 = 0 km²/s²
脚注
軌道投入能力は 標準型 / 拡張型
  

トーラスII英語: Taurus II)はアメリカ合衆国オービタル・サイエンシズ社(OSC)が開発中の人工衛星打ち上げ用中型ロケットである。

目次

[編集] 概要

トーラスIIはアメリカ航空宇宙局(NASA)の商業軌道輸送サービス(COTS)の契約に則りシグナスを打ち上げるロケットとして開発されており、デルタIIとほぼ同じ規模、OSCが保有しているロケットとアトラスVデルタIV等の大型ロケットの間を埋める軌道投入能力を有するロケットとして位置づけられている。

既存のコンポーネントを活用することで低コストで信頼性の高いシステムを構築する方針で開発されている。OSCの保有する既存のロケットをの成果を用いることで高い即応性を実現し、シグナスの他にも宇宙探査機等を含む科学用途の宇宙機、軍事衛星、商用衛星等の各種中型ミッションに対応する。

[編集] 構成・諸元

トーラスIIは第1段に液体燃料を用いる2段式ロケットであり、トーラスロケットとは大きく異なるものとなっている。

第1段エンジンは旧ソ連が有人月飛行を目的として開発したN-1用の第1段エンジンNK-33エアロジェットが電装系等について改修を行ったAJ26-62を2機使用し、第1段タンクはウクライナのユージュノエ(Yuzhnoye)及びユージュマシュ(Yuzhmash)が製造するゼニット第1段タンクの全長を短縮したものが用いられる。

第2段はキャスター120を短縮することでATKが新規開発したキャスター30を採用した。キャスター30についてはノズル膨張比を75とし性能を向上させた型も開発中である。また、拡張型第2段としてプラット・アンド・ホイットニーロケットダインが開発したメタンを燃料とするPWR35Mエンジンを使用する構成も計画されている。

シグナスの軌道投入は2段式のトーラスIIによって行われる予定であるが、人工衛星や宇宙探査機の打ち上げにおいてはオプションとして2種類の第3段が用意されている。標準型第2段を用いた通常の人工衛星の打ち上げの場合には、軌道投入精度の向上と軌道高度の上昇を目的として、OSCがSTAR Busのアポジキックエンジンのシステムを流用し開発したオービタル・レイジング・キット(ORK)を使用する。惑星探査機等の打ち上げにおいてはATKが開発したスター48Vをキックモータとして使用する。

アビオニクスとしてOSCが開発し同社のロケットで使用しているMACHコンポーネントを採用することで高い即応性を実現した。

主要諸元一覧
全長 40.5 m
代表径 3.9 m
全備質量 290 t
段数(Stage) 第1段 第2段 第3段(オプション) フェアリング
標準型 拡張型 ORK キックモータ
各段全長 3.5 m 2.07 m 9.9 m
各段代表径 3.9 m 2.36 m 3.9 m 2.4 m 1.24 m 3.9 m
各段質量 275 t 14 t 2.2 t 0.972 t
使用エンジン AJ26-62
(2基)
キャスター30 PWR35M BT-4[4]
(3基)
スター48V N/A
推進剤 LOX/RP-1 TP-H8299 LOX/LCH4 MON-3/N2H4 TP-H3340
推進剤質量 256 t 12.8 t 2 t
乾燥質量 18,715 kg 1,185 kg 1,818 kg 180 kg 155 kg
真空平均推力 3,803 kN 258.9 kN 147 kN 1.33 kN 68.6 kN
真空比推力 331 s 294.7 s 329 s 292.1 s
ノズル膨張比 27 50 54.8
有効燃焼時間 143 s 84.1 s

[編集] 予定

初号機の打ち上げを2010年12月に予定しており、その後2012年までに4機から5機のシグナスを含む6機から7機を打ち上げる予定である。また、2013年から2015年までの2年間にヴァンデンバーグ空軍基地またはケープカナベラル空軍基地の射点を整備することで、6機から7機のシグナスを含む12機から14機を打ち上げることが可能になるとしている[1]

[編集] 初期構想

トーラスIIの初期構想は1994年にOSCが発表したもので、第1段及び第2段にキャスター120、第3段に当時開発中であったアリアン5の上段に採用予定のエスタスを用いるというものであった。この構想では軌道傾斜角28.5度、高度185kmの低軌道に2.3tの軌道投入能力をもち、また、補助ブースタとしてキャスター4を最大8本用いることで同様の軌道への投入能力を5tまで向上することが可能とされていた。さらに、オプションとしてスター48を第4段キックステージとして用いた場合には、GTOへ1.84tのペイロードを投入可能であるとされていた[5]

この構想はNASAの小型の衛星や探査機の打ち上げを目的としたMed-Lite契約に向けて発表されたものであったが[6]、その後OSCは同契約に向けマクドネル・ダグラス(MD)と共同で同様のコンセプトをもつデルタ・ライトの構想を発表した[7]1993年初頭にデルタ・ライトはMed-Lite契約を獲得し、ディープ・スペース1号FUSEスターダストなどを打ち上げる予定となっていたが[8]1997年にMDがボーイングに吸収合併されるなどの情勢から計画は凍結され、これらの宇宙機はデルタIIロケットで打ち上げられた。

[編集] 出典・脚注

  1. ^ 8th NRO/AIAA Space Launch Integration Forum Taurus II Development Status of a Medium-Class Launch Vehicle for ISS Cargo and Satellite DeliveryPDF (2.1MB) - Davit Staffy (OSC). 2008.7.15
  2. ^ 文部科学省宇宙開発委員会推進部会 GXロケット評価小委員会 第8回 資料 各国の中型ロケット等に係わる動向PDF (415KB)
  3. ^ Commercial firms await NASA's call to serve station (Spaceflight Now)
  4. ^ Taurus-2 (Gunter's Space Page)
  5. ^ Henry Spencer Aviation Week Summaries, space news from Jun 20, 1994 AW&ST.
  6. ^ Popular Mechanics Vol.171 No.11, Launchers Lighten Up, pp.26, 1994-11
  7. ^ Federation of American Scientists, Special Report: U.S. Small Launch VehiclesPDF (75.3KB) New U.S. Small Launch Vehicles, pp.4, 1996.
  8. ^ NASA McDonnell Douglas to Provide MED-LITE Launch Vehicle for STARDUST, 1996-10-08.

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月24日 (火) 15:07 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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