ドイツ連邦共和国基本法
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ドイツ連邦共和国基本法(独:Grundgesetz für die Bundesrepublik Deutschland)は、ドイツ連邦共和国の憲法。1949年に旧西ドイツで制定された。当初、憲法(Verfassung)とは呼ばず、東西ドイツ統一までの仮の名称として基本法(Grundgesetz)と呼ばれ、東西統一の時には改めて憲法典を制定することとしていたが、1990年の統一後も新たな憲法典は制定されておらず、一部の規定を改正したままの状態で効力が存続している。
西ドイツの首都だったボンで起草されたため、ボン基本法とも呼ばれる。
[編集] 経緯
第二次世界大戦の敗戦により、ドイツが英米仏ソによる分割統治下に入ったが、ドイツ全体の国家体制については占領国の間で意見が一致しなかった。そのため、1948年、ソ連占領地区を除外し、英米仏の占領地区に適用される憲法を制定すべきであることに合意した(会議にはベネルクス三国も参加)。
これを受け、各ラントの議会代表者からなる議会評議会がボンで開催され、それに先立ち専門委員会によって起草されていた草案を元に審議をし、1949年5月8日に議会評議会において可決された草案が、バイエルン以外のラント議会で採択された結果、同年5月23日に公布され、翌24日に施行された。
[編集] 特徴
- 暫定的性格
- 以上の経過から、ドイツが統一されるまでの暫定的な憲法としての建前を持っていた。しかし、ドイツが統一後、新しい憲法は制定されず、基本法を全ドイツに適用する措置が採られた状態のままである。
- 民主的かつ社会的な国家
- 第一次世界大戦の敗戦をきっかけに制定されたヴァイマル憲法では社会権(社会的基本権)に関する詳細な規定が設けられていた。これに対し、基本法ではこれらの社会権に関する規定はほとんど受け継がれておらず、「民主主義に基づく社会福祉国家(Ein demokratischer und sozialer Bundesstaat)」という国家目的を規定することにより、社会権の実現を議会に委ねることを目指している。こうして税金および社会保険料が25%を越える高負担が許容され、結果の公平が維持されている。最近は少し綻びが目立っている。
- 憲法忠誠(戦う民主主義)
- ナチスの合法的な政権獲得(全権委任法)を許した歴史的教訓から、基本法が基礎としている自由主義・民主主義を防衛する義務を国民に課し、表現の自由や結社の自由などを自由主義・民主主義に敵対するために乱用した場合は、これらの基本権を喪失する旨の規定が置かれている。本憲法の法秩序を廃絶せんとする者に対してドイツ国民はいずれも抵抗する権利を有している(抵抗権:1968年に追加制定)。詳しくは戦う民主主義を参照。
- 建設的不信任決議案等
- ヴァイマル共和国時代に内閣不信任案が乱発されて政権が不安定になったことが、ナチスの台頭を許した要因の一つとなったことへの反省から、議会が次期首相候補を定めることなしに内閣不信任案を動議できない、また連邦議会解散権は大統領にある。
- 軍隊の指揮権
- ヴァイマル共和国時代には軍隊の指揮権は大統領に属して、議会はコントロール出来なかった。本憲法下では軍隊(ドイツ連邦軍)の指揮権は平時にあっては国防大臣に、戦時にあっては首相に委ねられる。
[編集] 構成
[編集] 前文(Präambel)
連邦共和国を構成する州の列挙。
[編集] I. 基本権(Die Grundrechte)
人権、平等の尊重。男女、信仰、宗教、言語、兵役拒否、学問、集会、結社、移動、職業の自由。教育、養育を受ける子供の権利。学校制度。信書、郵便、通信の守秘義務。兵役の義務。兵役期間中の基本権の制限。民主主義、自由を乱すものへの基本権の喪失。基本権破壊ないし否定につながる様な改憲の禁止。
[編集] II. 連邦及び州(Der Bund und die Länder)
- 第22条:連邦旗の規定(黒・赤・金)。
- 旧23条:ドイツ連邦共和国への加入規定。
- 新23条:ヨーロッパの統一事業(EU)への協力(EUへの主権的権利委譲)。
- 第24条;国際機構設立による主権制限の許可。
- 第26条:侵略戦争の準備の禁止。
- 第31条:連邦の法律の、州の法律に対する優越。
- 第32条:外交権は連邦に属する。
- 第37条:連邦に対する義務を州が履行しない時には連邦参議院の同意を得て連邦政府が強制執行できる。
[編集] III. 連邦議会(Der Bundestag)
- ドイツ連邦議会参照
[編集] IV. 連邦参議院(Der Bundesrat)
- 連邦参議院参照
[編集] IVa. 合同委員会(Gemeinsamer Ausschuss)
2/3をドイツ連邦議会、1/3を連邦参議院で構成する。防衛事態に対する監査を行う。
[編集] V. 連邦大統領(Der Bundespräsident)
- 連邦大統領参照。
[編集] VI. 連邦政府(Die Bundesregierung)
[編集] VII. 連邦における立法(Die Gesetzgebung des Bundes)
連邦及び州の立法に関しての規定。
[編集] VIII. 連邦法及び連邦行政の執行(Die Ausführung der Bundesgesetze und der Bundesverwaltung)
- 第87条:連邦は国境警備、警察、反国家運動を監視する組織を設置する。
- 第87a条:連邦は国防のために軍隊を所持し、防衛以外にもこの基本法で記されている場合に限って活動できる。警察及び国境警備隊では対処不可能な暴徒の鎮圧に対しても活動できる。
- 第90条:連邦はライヒスアウトバーン及びライヒスシュトラーセの所有者である。
[編集] VIIIa.合同義務(Gemeinschaftsaufgaben)
[編集] IX. 司法(Die Rechtsprechung)
第92条:連邦憲法裁判所と連邦最高裁判所などの構成
第102条:死刑の廃止
[編集] X. 財政(Das Finanzwesen)
連邦と州の税源や支出について記述。
[編集] Xa. 国防(Verteidigungsfall)
[編集] XI. 暫定及び終結規定(Übergangs- und Schlussbestimmungen)
- 第116条:ドイツ人の規定と国籍の規定
- 第140条:旧ドイツ国憲法(ヴァイマル憲法)における宗教団体の権利に関する条文が引き続き有効。
- 第143b条:郵便事業の民営化
- 第146条:ドイツ統一によって新たに憲法が採択された時にこの基本法の効力は消失する。
[編集] 参考文献
- 小林宏晨『ドイツ憲法における「戦争」と「防衛」』(政光プリプラン)
- 小林宏晨『国防の論理-西独の安全保障と憲法の関係-』(日本工業新聞社)
[編集] 関連項目
[編集] 外部サイト
最終更新 2009年6月26日 (金) 06:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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