ドン・ドラキュラ
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『ドン・ドラキュラ』は、手塚治虫が秋田書店『週刊少年チャンピオン』に連載した漫画。後に、じんプロダクションによりアニメ化、1982年4月5日-4月26日にテレビ東京で毎週月曜日の19時-19時30分に放映された。
漫画の正式題は『ドン・ドラキュラ』、アニメの正式題は『手塚治虫のドン・ドラキュラ』(てづかおさむ-)だが、実際にはアニメのタイトルロゴも手塚治虫を付けず『ドン・ドラキュラ』で表示されていた。この事から現版では項目名を『ドン・ドラキュラ』とし、『手塚治虫のドン・ドラキュラ』はリダイレクト名として転送している。
目次 |
[編集] 作品解説
現代社会に生きるドラキュラ伯爵の姿をコミカルに描く。『少年チャンピオン』での手塚漫画としては、『ブラック・ジャック』の次の連載となる。
『ブラック・ジャック』がシリアスだったためか、手塚漫画にしてはコメディ色が強く、ラストシーンも殆どがギャグであり、この点はアニメでもそのまま表現されている。サブタイトルも「やっぱりドラキュラ」「なんちゅうかドラキュラ」等くだけたものばかりである。最終回も完結や特別な盛り上がりでなく、いつものドタバタで終了した。手塚自身も楽しく描いていたと「手塚治虫漫画全集」で語っており、シリーズ進行に迷いは見られない。
なお『ブラック・ジャック』連載中に黄金時代を誇った『チャンピオン』は、当時の強力な連載作家達が、皆揃って二発目のジンクスでヒット作を出せなかったため、1980年代には暗黒時代に突入する。暗黒時代の本格的な到来は当作終了より後であるが、手塚も例外ではなく、『七色いんこ』で少々盛り返すまで、当作を含め、なかなか長期連載が定着しなかった。
また当作の連載中および後も『ブラック・ジャック』が不定期に発表され、お馴染みのスターシステムにより、ドン・ドラキュラがゲストで登場したエピソード(『B・Jそっくり』)が存在する。ブラック・ジャックの登場人物#セミレギュラー黒松の項を参照。
アニメ化に先立って、1979年の24時間テレビ 「愛は地球を救う」枠内の『海底超特急マリンエクスプレス』にドン・ドラキュラとチョコラが登場している。なお、担当した声優はアニメ版『ドン・ドラキュラ』とは異なる。
[編集] キャラクター(声の出演)
キャストはアニメ版のもの
- ドン・ドラキュラ伯爵(内海賢二)
- その名も高きドラキュラ伯爵。実はかなりドジな性格である。主題歌にも歌われるように練馬に屋敷を持っている。魔物として人間に恐れられる存在であろうとするが、文明社会である現代においてはただの変わった人と道化扱いされてしまうのが悩みの種。人間を嫌ってはいるがその実美女には弱い。日光と水にも弱く、身体が消滅してしまう。灰を棺桶に納めた後、お湯を入れて3分待つと復活する。ひょんな事から人助けをしてしまったりする事もある。娘のチョコラには厳しくあろうとするも、根本的には溺愛しているので、父としての威厳はいささか通用しない様である。単行本の1巻のまえがきによると、ルーマニアにあった屋敷が日本の商社に買い取られ、屋敷と共に日本にやってきたがそれを描く前に打ち切られたとある。ドンの先祖として実在のドラキュラ公ヴラド3世自身をモデルにした「串刺し公」という凶暴な初代ドラキュラも登場した。アニメでは原作にない顔として、『ダッシュ勝平』の主人公・勝平の様なデフォルメ顔が頻繁に登場するが、西洋人調のワシ鼻が消える為、漫画と比べると違和感は残る。また、漫画版では主に悪党に対して容赦の無い態度を取っていたが、アニメ版では血を吸おうとして失敗してばかりいる等、ギャグキャラの要素が強まっている。
- チョコラ(島津冴子)
- 伯爵の娘。人間社会に興味を持ち、高田馬場の人間の夜間中学に通っている。伯爵はそれを快く思っていないが、彼女のワガママに押し切られ渋々認めている。日のあたる場所に長くいられないが、つい長居をして灰になってしまい復活させてもらう事もしばしば。狼女の血も引くため父親と違い水に濡れても消滅しない。父親同様にマントをまとってコウモリに変身できる。
- イゴール(大山高男)
- 伯爵の召使のせむし男。醜い外見だが忠実でよく気の付く性格。馬車の運転、ドラキュラの灰からの復活などあらゆる事でサポートしている。イゴールのキャラクター自体はヘルシング教授と同様元ネタが存在するが、その外見は手塚のスターシステムにより、『ロストワールド』のグラターンとなっている。
- ブロンダ(片岡富枝)
- 伯爵が日本で初めて血を吸った外国人女性。かつてはスリムな美人だったが、今はラーメンの食べすぎで…その過去は漫画・アニメとも劇中で明らかになる。高血圧のため血を吸われても平気らしく、伯爵に血を吸ってもらおうと付きまとう。
- リップ・ヴァン・ヘルシング教授(滝口順平)
- 吸血鬼退治を使命とする、オランダから来た伯爵の永遠のライバル。イゴールとヘルシングは手塚のオリジナルでなく、ドラキュラを有名にした小説からの翻案である。持病のイボ痔がよく発症するのが欠点。チョコラの通う中学校に教師として着任し、ドラキュラと戦おうとするが大体ドタバタで終わる。アニメでは演出や声優の功績もあり、漫画以上にキャラが立っていた。
- コウモリ安兵衛(肝付兼太)
- アニメ版オリジナルキャラの狂言回し役。場面転換時に登場するだけのキャラだが、作中のキャラとも何度か会話している辺り、脚本を務めた小山の代表作である『タイムボカンシリーズ』のナレーターに通じる。
- 村井警部(池田勝)
- ヘルシングの奇行を見るたび怪しいと思い、衝突する警察官。『天才バカボン』のおまわりさんの様に、拳銃を乱射する。なお、村井警部のキャラクターは後にスターシステムで他の手塚作品に出演するようになる。
- カーミラ
- 原作にのみ登場する狼女。ドン・ドラキュラの元妻で、チョコラの実母。次々に人間を殺してしまう彼女に対し、ドン・ドラキュラは「血こそ吸うが殺してはならない」と考えたため2人の価値観が食い違い、数百年前のチョコラが赤ん坊の頃に離婚に至る。「自然破壊を進め、戦争を止めない人間こそが化け物だ」とチョコラに教えた。ネーミングは名前部のショートカットを参照。
[編集] サブタイトル
- ドラキュラ登場
- またもやドラキュラ
- やっぱりドラキュラ
- ドラキュラ・タンカー
- なんちゅうかドラキュラ
- もうひとつドラキュラ
- ドラキュラVSカミーラ
- もう一度ドラキュラ
- ドラキュラ半漁人にあう
- いとしのブロンダ
- そういえばドラキュラ
- どうしてもドラキュラ
- ドラキュラは夜にかげる
- あわやドラキュラ
- ドラキュラその変身
- もうひとりのドラキュラ
- 雨の中のドラキュラ
- かろうじてドラキュラ
- なぜかいまドラキュラ
- ドラキュラ帰る
- くるしまぎれのドラキュラ
- ドラキュラちがい
- ドラキュラ列車
- ジョーズ・オブ・ドラキュラ
- ドラキュラくずれ
- さんざんドラキュラ
[編集] 単行本
- 秋田書店 少年チャンピオンコミックス 全3巻
- 講談社 手塚治虫漫画全集 全3巻
- 秋田書店 秋田文庫 全2巻
[編集] アニメ版
日本で、最短で打ち切りになってしまったアニメ番組と言われている。放送1年前から製作が開始され、脚本は21話まで完成していたものの、担当広告代理店の資金繰り悪化により、東京では第4話で終了している。
地方によっては6話、一部地域や海外輸出では製作完成分の8話まで放送されたとされる。打ち切りによって放送話数が1クールに満たないというのは、テレビアニメ全体においても非常に稀なケースと言えよう。なお、実質的な最終話となった8話は、奇しくも漫画版の第一話と最終話をベースにした構成だった。
本作の打ち切りについては、「原作者の手塚治虫が、作品の出来のあまりの悪さに激怒して打ち切りを命じた」などという説が各所で語られているが、これは『鉄腕アトム』の『ミドロヶ沼の巻』や『ビッグX』の出来の悪さに激怒した話との混同と推測される。正しくは上述の通りで、手塚は打ち切りに激怒して抗議したという話もある。また、手塚は自身が参加する日本アニメ大賞の表彰式で、脚本を務めた小山と会った際、アニメ版が海外では8話まで放映されている事を伝えている等、手塚自身気にかけていた事が伺える。
[編集] 関連商品
放送時にボードゲーム「ドン・ドラキュラゲーム」が発売されており、原作掲載誌の読者プレゼントにもなっている。
[編集] ビデオソフト化
本放送から6年後の1988年に、本編内容を90分に編集して大陸書房から廉価ビデオソフトが発売された。
さらに本放送から20年半を経た2002年に、8話全てを収録したDVDが「手塚治虫アニメワールド」シリーズのひとつとして発売され、再び日の目を見ることとなった。パッケージ裏面は他の「手塚治虫アニメワールド」シリーズと異なり、現代の子供にも受け入れられるような易しい文章と漢字にルビが振られている。
[編集] インターネット動画配信
2007年からは、Yahoo!動画などのインターネットテレビサイト上の「手塚治虫アニメワールド」(手塚プロダクション)コーナーで全話が有料動画配信が行われている(終了時期未定)。
『日本で早く打ち切りになった―』とのリード(要旨)が掲載されている。
[編集] 制作スタッフ
- 原作:手塚治虫
- 制作:池田公雄
- 企画:手塚プロダクション、三京企画(※放映時に資金繰りが行き詰まり倒産)
- 構成・脚本:小山高男
- 演出:野村和史、二階堂敏行、平林淳、笠井達也
- 作画監督:内山正幸
- 美術監督:下川忠海
- 音響監督:鳥海俊材
- 音楽:山本正之、神保正明
- チーフディレクター:落合正宗
- プロデューサー:鳥海俊才、丹羽純一、由井正俊
- 協力(動画):グリーンボックス
- 制作:じんプロダクション(→消滅・撤退・倒産した会社)
[編集] 主題歌
- コロムビアミュージックエンタテインメントが発売元となっている、いくつかのアニメコンビネーションCDに収録されている。
- 「お父さんは吸血鬼」
- 作詞:小山高生
- 作曲:武市昌久
- 編曲:武市昌久
- 歌:新倉よしみ
- 作品のカラーを反映した軽快かつ明るい曲。チョコラが娘の立場から父親自慢をする内容であり、ドン・ドラキュラがいかなる存在かがよく分かる。
[編集] 放送リスト
全て原作からのエピソードで、アニメオリジナルは無い。ただし一部の話では展開が変更されている。
- 1982年4月5日 - ドラキュラ殺しがやってきた
- 1982年4月12日 - ヤバイゼ!吸血鬼ツアー
- 1982年4月19日 - 悪魔に魂を売った巨人
- 1982年4月26日 - 襲撃!ヌード怪人たち
- 大成功!?カンニング大作戦
- 怪奇!学習塾に住む幽霊
- 同じ命だパンダも虎も
- にんにく・十字架・歯医者も怖い
[編集] 参考資料
| テレビ東京・テレビ大阪 月曜19時台前半 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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手塚治虫のドン・ドラキュラ
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けろっこデメタン(再放送)
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[編集] 外部リンク
- 手塚治虫公式サイト内作品ページ(マンガ『ドン・ドラキュラ』)
- 手塚治虫公式サイト内作品ページ(アニメ『ドン・ドラキュラ』)
- 史上最短四話で放送打ちきり - 脚本とシリーズ構成を担当した小山高生が明かす裏話
最終更新 2009年11月18日 (水) 12:28 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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