ナチス式敬礼

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突撃隊を閲兵するアドルフ・ヒトラー、1935年
ベルリンオリンピックでナチス式敬礼を行う観衆
ネオナチバンドのコンサート、2003年
ブッシュ政権への皮肉の意図を込めてナチス式敬礼とガチョウ足行進を行うデモ参加者。ワシントン、2005年

ナチス式敬礼(ナチスしきけいれい)とは、古代ローマローマ軍団敬礼ローマ式敬礼)をベニート・ムッソリーニイタリア軍で復活させたのをナチス・ドイツ第三帝国)が真似たもの。ドイツ語では「ヒトラーグルス」(ヒトラー式敬礼、ドイツ語: Hitlergruß)と呼ばれる。(第二次世界大戦中は「ドイッチャーグルス」(ドイツ式敬礼、ドイツ語: Deutscher Gruß)と呼ばれた)隠語として「88」(Achtundachtzig)ととも呼ばれている。これはアルファベットで「H」が8番目である事から「Heil Hitler」を意味するとするものである。

本来は古代ローマの軍隊での敬礼であったものをローマ帝国の復活を掲げるムッソリーニがファシスト党の敬礼として取り入れた。そのため「ローマ式敬礼」の呼称のほうが正式であるとの考えもある。また「ファシスト式敬礼」とも呼ばれる。日本ではナチスのイメージが強く「ナチス式敬礼」の呼称が一般化している。

直立の姿勢で右手をピンと張り、一旦胸の位置で水平に構えてから、腕を斜め上に突き出す敬礼。通常は「Sieg Heil」(ジーク・ハイル。ドイツ語で「勝利万歳」)あるいは「Heil Hitler」(ハイル・ヒトラー。「ヒトラー万歳」)の声が付随する。これはヒトラーへの権力や力の集中、忠誠を意味しており、これを受ける唯一の存在である総統ヒトラー自身は、肘から指先までを挙げる答礼でこの敬礼に応える。ヒトラー以外の人は同じ敬礼で応える事が義務であった。

ヒトラーと袂を別った反ヒトラー派のオットー・シュトラッサー率いる革命的ナチスの場合は、同じようなスタイルで「Heil Deutschland」(「ドイツ万歳」)と言った。

突撃隊親衛隊では公式な敬礼として用いられていたが、国防軍では一般的な挙手の敬礼が行われ続けていた。しかし、1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件以降、国防軍内でもナチス式敬礼を行う事が求められるようになった。

現在のドイツでは、扇動法により、ナチス式敬礼をすると「ナチ賛美・賞賛」と見做され逮捕・処罰の対象となる。オーストリアでも同様な法律があり、取り締まりの対象になっている。これはナチズムに賛同しているかどうかという事は一切関係なく、店のクリスマスディスプレーで右手を挙げたサンタクロース人形を使用した事が問題となり、撤去に追い込まれたこともある[1]。またドイツ人に対して行なうのは最大の侮辱である。

また、中近東においてはナチス・ドイツに亡命し第13SS武装山岳師団にて尽力したパレスチナ指導者アミーン・フサイニーの強い影響力があり、パレスチナ警察や、レバノンヒズボラがナチス式敬礼を行っている。

近年ではサッカー選手のパオロ・ディ・カーニオが試合中パフォーマンスとしてたびたびナチス式敬礼をしたとして非難されたが、彼は古代ローマ式敬礼と弁明している。

今日、ネオナチなどは摘発を避けるためにこの敬礼を行う事避け、Kühnengrußと呼ばれる肘を曲げて右手を肩の高さまで上げ親指と人差し指と中指のみを立てる敬礼を行う事が多い。本来は、宣誓式で忠誠を誓う際に取るポーズ[2]であったが、転じてヒトラーへの忠誠を誓うという意味を持たせるようになった。

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最終更新 2009年11月23日 (月) 16:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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