ナルコレプシー
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| ナルコレプシー | |
| 分類及び外部参照情報 | |
| ICD-10 | G47.4 |
|---|---|
| ICD-9 | 347 |
| OMIM | 161400 |
| DiseasesDB | 8801 |
| eMedicine | neuro/522 |
| MeSH | D009290 |
ナルコレプシー (narcolepsy) とは、日中において場所や状況を選ばず起きる強い眠気の発作を主な症状とする神経疾患(睡眠障害)である。笑い、喜び、怒りなどの感情が誘因となる情動脱力発作(カタプレキシー)を伴う人が多い。入眠時もしくは起床時の金縛り・幻覚・幻聴の経験がある人も多い。夜間は頻回の中途覚醒や、幻覚や金縛りを体験するなどのため、睡眠も妨げられる。1日の睡眠時間の合計は健常者とほとんど変わらない。
日本では「居眠り病」「過眠症」とも呼ばれているが、一般への知名度が低いうえ、専門医が非常に少ないため、罹患者に対する正しい診断・治療が受けられないことや、まわりの人間からの理解が得られにくいなど、罹患者には大きな負担がかかっているのが現状である。
また、治療を行っていない状態で、機械や自動車の運転中などに発作が起きると重大な事故の原因となりうるためこれらを使用できないなど、社会生活上の制限も大きいものの、適切な治療下にある場合、日常生活を送るのに支障をきたすことは殆どない。
目次 |
[編集] 原因
ナルコレプシーの病因としてオレキシンという物質の欠乏との関連が注目されている。オレキシンは視床下部から分泌される神経伝達物質で、1998年に桜井武(現・金沢大学大学院医学系研究科教授)と柳沢正史(テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授)らのグループによって発見された[1]。オレキシン遺伝子を破壊したマウスにはナルコレプシー症状が現れることが明らかになっている[2]。また、任意のヒトのナルコレプシー患者においても視床下部のオレキシンを作る神経細胞が消滅していることが明らかにされている[3]。90%以上の患者で髄液中のオレキシンが検出されないことも報告されている。さらに、オレキシン神経細胞を破壊し人為的にナルコレプシーを引き起こしたマウス[4]に、オレキシン遺伝子を導入したり、脳内にオレキシンを投与することでナルコレプシー症状が改善されることも明らかにされた[5]。
[編集] 症状
- 睡眠発作
- 日中、突然に耐え難い眠気に襲われるという発作。
- 情動脱力発作(カタプレキシー)cataplexy
- 笑い、喜び、あるいは自尊心がくすぐられるなど感情が昂ぶった際、突然に抗重力筋が脱力するという発作。全身にわたり、倒れてしまう発作のほか、膝の力が抜けてしまう、呂律がまわらなくなる、などの部分発作もある。
- 入眠時幻覚
- 睡眠発作により睡眠に陥った際、及び夜間の入眠時に現実感の強い幻覚を見ることがある。これは統合失調症などで見られる真性幻覚とは異なり入眠直後にレム睡眠状態になるために非常に現実感を伴った夢をみている状態であると考えられている。寝入り際に幽霊を見たといった類の心霊現象を訴えることがあるが、これも入眠時幻覚によって見ることができる。
- 睡眠麻痺
- いわゆる金縛りと呼ばれる症状。開眼し意識はあるものの随意筋を動かすことができない状態。
以上の4症状は4大症状と呼ばれる。うち、下の3つはREM睡眠と密接に関連しており、REM関連症状と呼ばれることがある。
- 自動症
- 眠った感覚がないにもかかわらず、直前に行った行為の記憶がない状態。逆に言えば無意識に寝てしまい、寝ながら行為を続けている状態。
- 中途覚醒、熟睡困難
- 夜間就寝中に頻回に目が覚めたり、幻覚や睡眠麻痺があること、また、睡眠構築の乱れもあるため熟睡が困難である。
[編集] 治療
中枢神経刺激薬を使用することで眠気を抑制することができ、塩酸メチルフェニデート・モダフィニル・ペモリンが主に使用されている。また、三環系抗うつ薬やSSRI、SNRIの服用により情動脱力発作や睡眠麻痺の頻度を低減させることが期待できる。4-Hydroxybutylate(GHB)も治療に使われることがあった。上述のオレキシンがナルコレプシーなどの睡眠障害に対する新規治療薬開発につながることが期待される。
[編集] その他
[編集] ナルコレプシーを患っている著名人
- 作家の色川武大(阿佐田哲也)はナルコレプシーに罹患しており、その体験を元にした作品なども発表している。また、友人である作家の山口瞳の随筆でも色川のナルコレプシーに関する記述が散見される。なお、色川武大がナルコレプシーに悩まされるようになるのは、アウトローの世界から足を洗った後である。
[編集] ナルコレプシーを取り扱っている作品
- 上記の作家、色川武大をモチーフにした漫画「哲也-雀聖と呼ばれた男」の阿佐田哲也も同じ症状に悩まされていて麻雀勝負の最中でも容赦なく睡魔が襲ってくる。
- 映画「マイ・プライベート・アイダホ」(監督・ガス・ヴァン・サント)に登場するリヴァー・フェニックスが、このナルコレプシーを患っているキャラクターとして登場する。
- 新海誠監督の映画「雲のむこう、約束の場所」のヒロイン・沢渡佐由理が、ナルコレプシーを患っているキャラクターとして登場する。
- 映画「ナルコ」は、主人公がナルコレプシーを患っている。
- KeyのPCゲーム「リトルバスターズ!」の主人公・直枝理樹がナルコレプシーを患っているキャラクターとして登場し、作中でもナルコレプシーの症状に苦しめられる描写が散見される。
- 漫画版「NHKにようこそ!」の柏瞳は作中でナルコレプシー用の薬を詐病で入手し乱用していることを明かす描写がある。
- 漫画「金田一少年の事件簿」のノベライズ作品『幽霊客船殺人事件』において、客船に乗船している三等航海士がナルコレプシーに罹患しており、犯人のトリック及び主人公の謎解きのきっかけのひとつとなる描写がある。
- 佐藤雅美作の時代小説「物書同心居眠り紋蔵」と、そのシリーズの主人公・藤木紋蔵は若くからナルコレプシー(作品中では「居眠り病」と表現)を患い、希望していた定廻り役から外されて、内勤の例繰方(奉行所で保管されている資料から過去の判例を探す役)を30年も勤めているという設定である。また、作品中でも紋蔵が仕事中に突然居眠りをしたり、同僚に「居眠り紋蔵」と揶揄される場面が描かれている。
- アニメ「神霊狩/GHOST HOUND」の主人公・古森太郎はナルコレプシーを患っており、カウンセリングを受けている。
- 漫画「K2」114話においてナルコレプシーを患う柔道選手が登場。ナルコレプシーの発作により幾度か優勝を逃しており、また症状の発覚により全日本の強化選手枠から外されることを恐れ「どこでも居眠りが出来る豪快な性格」を装っていた。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 特定非営利活動法人 日本ナルコレプシー協会(略称NPOなるこ会)
- 日本睡眠学会
- 過眠症ランド
- (百科事典)「Narcolepsy」 - Medpediaにある「ナルコレプシー」についての項目。(英語)
- (百科事典)「Narcolepsy」 - スカラーペディアにある「ナルコレプシー」についての項目。(英語)
最終更新 2009年11月22日 (日) 18:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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