ニュータイプ
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ニュータイプ (Newtype) は、アニメ「ガンダムシリーズ」に登場する架空の概念。
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[編集] 概要
新しい人類とされる人達を指すが、もともとの概念が曖昧だった事に加え、作品が進むにつれて言葉の意味する事象が広がりすぎたため、はっきりとした定義は困難である。物語中では、ニュータイプとされる人々は特異な能力を持った人物として描かれる事が多い。ニュータイプに対する従来の人類はオールドタイプ (Oldtype) と呼ばれ、やや軽蔑の意味合いを込めて使われるケースも多い[1]。
[編集] 原作者のニュータイプ概念の変遷と意図
重要な設定であるはずの「ニュータイプ」の概念が一定しないのは、ガンダムシリーズの作品中、宇宙世紀を舞台にした作品を監督した富野由悠季が、最初のガンダム(テレビアニメ版)の制作途中でニュータイプの概念を入れてしまったことを最初は「俺は物凄いことを思いついた」と歓喜していたものの、後に疎ましく思っていたためである(なお、アムロ・レイが超能力者であるという構想は最初から持っていた。メモ書き中に「エスパァかもしれぬ」の記述があり、それはマチルダ・アジャンの台詞からも垣間見える)。特に、ファンの間で「ニュータイプ」という言葉が一人歩きしてしまったことや、高千穂遙にガンダムがSFではない決定的な理由として挙げられたことなどを快く思っていなかったといわれる。『機動戦士ガンダム』以後の富野の作中(特に小説)では、ニュータイプ概念の肯定と否定が同時に行われているような奇妙な様相を見せている。
[編集] 失敗という烙印
富野はNHKの番組『トップランナー』に出演した際、「『ニュータイプ』は失敗だった」と明言し、一部ファンを失望させた。しかし、NTVの『爆笑問題のススメ』にゲスト出演した際、「ニュータイプ」という概念が主題に置かれ、「ニュータイプとは何か?」「どうしたらなれるのか?」という問いに、彼なりの解釈(先入観や自分の尺度・概念で人や物事を見ない云々)を用いて答えている。
[編集] 原作者が新たに見出したニュータイプの結論
富野は今まで結論の出せなかったニュータイプというテーマに対し、2005年・2006年に発表された劇場版『機動戦士Ζガンダム』(新訳Ζ)において「真のニュータイプとは、今までのニュータイプ論で描いた精神的な共感に加えて肉体的な体感を持ち、それらを隣の人を大事にするために活かすことができる人である」という隣人愛の結論を描き、新訳Ζのカミーユ・ビダンこそ究極的なニュータイプと発言している。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
[編集] 備考
参考までに、キャラクターデザイナーの安彦良和はニュータイプのことを「ジェネレーションの別の謂い」だと発言している。おでこに一瞬のパルスが走り、瞬時に敵を倒すエスパー的な描写は、SF作家光瀬龍が指摘するように「古過ぎる」ものであると認識し、ラストシーンで総てのキャラクターが意識の交感をするくだりをもって、若い世代は総てニュータイプの萌芽を胸に秘め、「百年戦争」のような暗澹たる未来へ終止符を打つ者たち、と定義している。もちろんこれは、「今はもうそれぞれのガンダム」と言い切った安彦の私観である。
[編集] 各世界観におけるニュータイプ
ニュータイプは宇宙世紀だけではなく、他の世紀を舞台とした作品でも登場している。登場した世界は下記の3つである。
- 宇宙世紀 - 『機動戦士ガンダム』ほか
- アフターウォー - 『機動新世紀ガンダムX』
- 正暦 - 『∀ガンダム』
[編集] 宇宙世紀におけるニュータイプ
[編集] ニュータイプの劇中での描写
宇宙世紀を世界観とする作品におけるニュータイプとは、ジオン・ズム・ダイクンとその思想ジオニズムによって出現が予言された、宇宙に適応進化した新人類の概念である。ダイクンの死後勃発した一年戦争の最中、アムロ・レイやララァ・スンらによって現実の存在となった。しかしその能力が戦時下で発現した結果、ダイクンが考えた「お互いに判りあい、理解しあい、戦争や争いから開放される新しい人類の姿」とは縁遠い、人殺しの道具として能力が用いられる結果となってしまった。
ニュータイプは、一般に認識能力の拡大により人並み外れた直感力と洞察力を身につけ、並外れた動物的直感と空間認識能力を持ち、独特のサイコウェーブを発する。また、離れていても他者やその状況を正確に認識し、意思疎通をする能力を発揮し、後に開発されたサイコミュと呼ばれる脳波と兵器を連動させる機器を扱う能力を有している。このため敵を視認することなく「気配」で探知し、さらにその機動を先読みして攻撃、一方では敵の攻撃を察知して回避するなど、戦闘において圧倒的な力を発揮している。
ダイクンはニュータイプを宇宙生活者であるスペースノイドの進化形としていたが、実際にはアースノイドの中からも多く出現している(ララァはシャアに見出されるまで地球を離れた事は無く、アムロとカミーユも地球で生まれ幼少期を過ごしている。逆にシャアとセイラは宇宙生まれの、地球育ちである)。
『機動戦士Ζガンダム』では、ニュータイプとしての力が特に高い者の身体(もしくは本人が搭乗しているモビルスーツ)からオーラが迸るような描写がなされた(キャラクターの性格や状態によって描写が違い、怒りに燃えるカミーユ・ビダンの赤いオーラや、キュベレイの背後に悪鬼のように浮かび上がるハマーン・カーンの影などがあった)。
その他、一部のパイロットにおいてもビーム兵器の過剰出力や、攻撃を無効化するバリアの展開、そのプレッシャーによって相手MS(パイロット)を一時的に行動不能に追い込む等の現象が見られている。ただし、これらはあくまでパイロット(戦士)としての戦闘能力であり、ニュータイプの持つ能力の一面的な発現に過ぎない。本来のニュータイプ能力とは相互理解のための力であり、前述の通り洞察力、認識力の拡大による精神的な共感、そして肉体的な体感によって隣人を大切にすることの出来る人間である。カツ・コバヤシなど、パイロットとしての能力が低くともニュータイプの資質を持つ者もいる。また一方、ジュドー・アーシタやシャア・アズナブルの様にパイロットとしての戦闘能力が高く、なお且つサイコミュを備えたニュータイプ専用機を扱えても、ニュータイプとしての資質自体にはやや乏しい者も存在する。よって、パイロットとして超常的な戦闘能力を示すことが、必ずしもニュータイプとして高い能力を持つことを証明する訳ではない。最もニュータイプ能力が高いと言われるカミーユにおいては、その共感能力の拡大によって死者の思念を集め自分の精神に同化させ、その力で超常的な現象を引き起こしている。
一年戦争当時、ジオン公国軍では通常では考えられないような能力を発揮したパイロットをニュータイプととらえ、彼らに対応した兵器の開発がなされた。その結果、ニュータイプ専用機と呼ばれる新しいタイプの兵器が完成した。また、戦後はそれらの技術が連邦側に接収され、それを元に強化人間等の研究・開発も行われている。
[編集] ニュータイプの概念の本質
ニュータイプの概念の本質は宇宙空間で生活するようになった人類が、それに対応するために進化していったものであるとされている。元々はジオン・ズム・ダイクンが提唱した概念の一つであり、宇宙という広大な生活圏を手に入れた人類は洞察力、認識能力が拡大し、肉体的、精神的にあらゆる物事を理解することができ、それが全人類に広がった時にかつてなしえなかった相互理解が可能となる、という主旨であった。
[編集] 超能力者との違い
アニメ映画『機動戦士ガンダムII 哀戦士編』内にて、レビル将軍は、軍の公式見解ではなく私見と断ったうえで「直感力と洞察力に優れた人間と考えている」と述べた。また、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』では、「ニュータイプ≠超能力者」であると述べている。彼によれば「ニュータイプ=戦争を必要としない人間」なのだという。
[編集] サイキッカーの登場
『機動戦士Vガンダム』の作中では、もはやニュータイプという存在は伝説となりつつあった。また、この時代には「サイキッカー」という概念が存在している。サイキッカーとニュータイプがどのような関係にあるのか、または同じもので呼び方の違いだけなのかは劇中での詳しい説明はないため不明である。
また『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』にも現れている。作中ではニュータイプとサイキッカーは区別されている。
[編集] ニュータイプの概念変化
ジオン・ダイクンが提唱したのを皮切りに、シャア・アズナブルやアムロ・レイなどが世にニュータイプという存在を知らしめた時代から数十年を経た『機動戦士ガンダムF91』の時代では、「シャアの反乱」を最後に戦乱のない期間が長く続いたことからか、ニュータイプという概念そのものが薄れていた。
ニュータイプとは『パイロット適性の高い人間』や『モビルスーツに関するエキスパート』という程度の捕らえ方が一般的になっており、優秀なニュータイプであるシーブック本人がそのように考えていた事からも、もはやこの時代には思想的、哲学的な「ニュータイプ」が消滅しつつあるように見える。ただし、ザビーネ・シャルはニュータイプのことを「あるがままを見ただけで、そのものの本質を洞察できる存在」と語り、本来の意味付けに近いニュータイプの概念を受け継いでいる人々も、少数派ながら存在するようである。
さらに原作者の富野由悠季が著述した作品のうち、『機動戦士ガンダムF91』から更に80年あまり経った、宇宙世紀では最も遠い未来を描いた『ガイア・ギア』においては、ニュータイプの存在は非常に希少であり、ましてやその能力を発揮するパイロットはほとんどいなかった。ニュータイプ専用機も開発されていたが、それも通常はオールドタイプによりサイコミュを切られ運用されていた。ただし技術の進歩によって、サイコミュシステムそのものはパイロットがオールドタイプであろうと使用可能である。ファンネルなどのニュータイプ用兵器の使用はもちろん、サイコミュシステム起動時は使用者にニュータイプ的な超感覚が備わるほどの性能を発揮する。ラジオドラマ版では、オールドタイプのサイコミュ使用は肉体・精神的な障害を引き起こす危険があるとされ、それがサイコミュシステム封印の根拠になっている。原作小説では「オールドタイプのパイロットにとってサイコミュが危険だったのは、技術が未発達だった過去の話」とされ、劇中ではオールドタイプのパイロットが何の問題もなくサイコミュを使う場面がある。このような背景があるため「ガイア・ギア」には強化人間が登場しない(物語的に登場させる必然がない)。無論、ニュータイプがサイコミュを使用した方が、オールドタイプが使用する場合に比べ格段に効果は高い。(ただし、『ガイア・ギア』という作品自体は外伝的扱いとなっている。)
[編集] ニュータイプと強化人間
ニュータイプの超常的な能力を目にした軍は、後天的にニュータイプと同様な能力を付加した兵士を作ることを考えついた。その所産が強化人間(人工ニュータイプ)である。彼らは、非人道的な肉体改造や投薬、精神調整の結果生み出されたもので、そのせいか情緒不安定な者が多かった。これとは別に、元々のニュータイプとしての能力を人工的にさらに高める技術も生み出されていた。
[編集] アフターウォーにおけるニュータイプ
アフターウォー(『機動新世紀ガンダムX』)を世界観とする作品におけるニュータイプは、「人類の新たなる革新」と明確に定義され、主に専用のシステム(フラッシュシステム等)を作動させることができ、戦況の流れを一変させることができる人達にその呼び名を使用していた。
この作品では、精神的なショックなどのために「能力を失ったニュータイプ」が登場する。また、第7次宇宙戦争でその全てが命を落とすか、再起不能になったため、この世界で人為的によるものではない生まれながらのニュータイプは極めて稀である。作中で確認される限りではティファ・アディールとアベル・バウアーのみである。また、ニュータイプ能力を持つ者は人間に限定されないようで、それと思しき能力を持つ白いイルカが登場した。しかしティファは、アベルが覚醒したときに感じたプレッシャーから、アベルは自分やルチル・リリアントとは違うと感じた。何が違うのかは判然としない。
アフターウォーでは、ある意味で宇宙世紀シリーズ以上にニュータイプは「戦争の道具」と見なされており、地球連邦(旧連邦)・宇宙革命軍共にニュータイプ専用機を投入したのみならず、ニュータイプを新兵器の生体部品として利用する研究も行われていた。先の大戦で双方とも壊滅した後もなお、この傾向は変わらず、新連邦は戦争兵器としてニュータイプを求めていた。更には、宇宙革命軍では思想統制及び選民思想の道具としてまでニュータイプを利用している。
これに対して、旧連邦のニュータイプ兵士として世界崩壊の引き金を引いてしまったジャミル・ニートは、ニュータイプは新しい時代を切り開くための存在であるべきだと考え、彼らを保護する活動を始め、後に宇宙革命軍の兵士でジャミルのライバルでもあったランスローも、ジャミルの行動や考えに共感を示すようになった。
物語の最終局面で三者はそれぞれ、この世界のファーストニュータイプと呼ばれる存在と接触すべく月面の「D.O.M.E.」という施設を目指し、そこでD.O.M.E.の意思から「ニュータイプという概念は人間が作り出したもので、幻想に過ぎない。ニュータイプと呼ばれる者たちは異能者ではあるが、異能力と人類の革新とは別である。」というメッセージを受け取る。異能者であるにも関わらず、専用のシステムを起動させられなかったがゆえにニュータイプと似て異なる「カテゴリーF」なるレッテルを貼られたフロスト兄弟は、その屈辱から両軍首脳を抹殺し、自分達を否定した世界を滅ぼそうとする。
en:After War Era technology#Newtypes
[編集] カテゴリーF
カテゴリーF( - エフ、Category F)は、ニュータイプの素質がある人間を探していた段階で発見された分類の一つ。ESP的な能力を持ち、一時はニュータイプと持ち上げられたが、フラッシュシステムに対応していないという理由でニュータイプの枠から外され、隅に追いやられる存在となった。
作中ではフロスト兄弟の2人がカテゴリーFに分類された人間として登場し、彼らは、物理的距離に関係なく兄弟同士の間だけテレパシーによる意思疎通をする特殊能力を持っていた。また、彼らは自分達がカテゴリーFに分類されている事を恨み続けていた。
なお、「F」とはフェイク(fake=紛い物)の頭文字を取っている。
en:After War Era technology#Newtypes: Category F
[編集] 正暦におけるニュータイプ
正暦(『∀ガンダム』)を世界観とする作品では、過去のニュータイプはみな外宇宙に出て行ってしまい、太陽系圏内にはもはや存在しないという設定である。
福井晴敏によるノベライズ版∀ガンダムでは、ロラン・セアック、ソシエ・ハイム及びヤーニ・オビュスがニュータイプであることを想像させる描写がある。
[編集] その他のニュータイプ
正式な名称はなく、上記ニュータイプとしてのくくりも無いが、『新機動戦記ガンダムW』では、カトル・ラバーバ・ウィナーが「宇宙の心を感じ取る」という特異的な感性を持っており、ウイングガンダムの自爆行為に衝撃を受けた者達の意思を感じ取ったり、ウイングガンダムゼロで暴走を起こしたヒイロ・ユイの精神に、自らの意思を直接訴える等、さながらニュータイプのような奇跡を起こしている。
『機動戦士ガンダムSEED』では「物事、近未来、お互いの存在などを直感的に先読みする力」といったものが存在する。遺伝子操作をされていない普通の人間(劇中の言葉でナチュラル)のごく一部(ムウ・ラ・フラガ、ラウ・ル・クルーゼなど)が所有する特殊能力として分類されており、ニュータイプのオマージュとして見られている。前述のムウとラウはアムロ・レイとララァ・スンのように、お互いの存在や意識を感覚として読み取ることができ、戦闘中にも互いの居場所や戦術を幾度も感じ取っていた。ラウは、物語終盤でドラグーン・システムを多用してキラ・ヤマトを苦しめ、ムウも、覚醒したキラ以上の反射能力を見せてラウの攻撃を回避し、驚異的な能力を発揮した。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
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最終更新 2009年11月11日 (水) 15:16 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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