ニューモシスチス肺炎
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ニューモシスチス肺炎 (Pneumocystis pneumonia; PCP) は、酵母様真菌であるニューモシスチス・ジロヴェチ (Pneumocystis jiroveci) によって引き起こされる肺炎。
正常な免疫能力を持つ場合発症することは希であり、化学療法やステロイド剤長期内服、後天性免疫不全症候群 (AIDS) などによる免疫低下時に発症する、日和見感染症の一つである。以前はニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii) による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれた。しかし、犬から見つかったニューモシスチス・カリニ(「カリニ」は「犬の」という意味)と、ヒトで肺炎をおこすニューモシスチスは異なる種類であることが判明し、ヒトに病原性をもつニューモシスチスは Pneumocystis jiroveci に命名し直され、これによる肺炎はニューモシスチス肺炎に名称変更された。なお略号はニューモシスチス・カリニ肺炎の時の略号のまま、PCPを用いる(Pneumocystis cariniii pneumoniaの略からPneumocystis pneumoniaの略となった)。
またニューモシスチスは以前原虫に分類されていたが、遺伝子解析の結果、真菌の一種(半子嚢菌あるいは古生子嚢菌)であると判明した。
ニューモシスチス・ジロヴェチはほとんどの人が保菌しているが、免疫力が低下すると増殖が抑制できなくなり肺炎を引き起こす。AIDS発症において最も多い日和見感染症であり、治療をしないと致死的である。
目次 |
[編集] 歴史
ミラーの総論(Robert F.Miller:Pneumocystis carinii in non-AIDS patients. Current Opinions in infectious diseases.1999 Aug;12(4)371-7)によれば、このニューモシスチス・ジロヴェチは、1909年、シャガ(Chagas)によって発見された。ただし、この時は、これが人間の病気の原因に成り得るとは認識されていなかった。これが人間に対する病原体として認識されたのは、ヨーロッパにおいて、1930年代から1940年代にかけて、未熟児や低栄養状態の子供に、間質性肺炎が多発した事が切っ掛けであった。ミラーは、特に孤児でこの様な肺炎が多かったと、上記の総論で述べている。第二次世界大戦後、栄養状態の改善によってこの現象は一旦消えたが、1960年代以降新たに、先天性免疫不全の子供や、悪性腫瘍に罹病及び治療を受ける成人の間で、この肺炎が多く認められる様になった。そして臓器移植の普及に伴って、更に多く観察される様になった。1981年、アメリカで後天性免疫不全症候群 (AIDS) と呼ばれる疾患が報告されると、この疾患はAIDS(エイズ)患者に多く見られる日和見感染として、注目される様になった。(ただし、アフリカのエイズ患者で、この肺炎の報告が少ない事は、エイズ研究における一つの課題である)
[編集] 徴候
乾性咳嗽(痰を伴わない咳)、発熱、呼吸困難(息苦しさ)
[編集] 検査・診断
- 喀痰検査
- 菌体鏡顕 グロコット染色、トルイジン青染色、メセナミン銀染色で確認できる。
- PCR
- 血液検査
- 画像診断
- 胸部レントゲン写真
- すりガラス状陰影が一般的だが、実際には様々な像を呈する。
- 胸部CT
- 胸部レントゲン写真
[編集] 治療・処置
ST合剤(バクタ®)を服用。ペンタミジン(ベナンバックス®)吸入・点滴。その他。またAIDS患者では予後良好だが、それ以外の患者では予後不良。AIDSの有無にかかわらず予防投薬は有効とされる。
最終更新 2009年8月26日 (水) 04:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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