ネットブック

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ネットブック: Netbook)は、ウェブサイトの閲覧や電子メールチャットなどの基本的なインターネット上のサービスを利用することを主な用途とした、安価で小型軽量で簡便なノートパソコンのカテゴリーである[1]

ネットブックは簡易なインターネット利用やコンピューティングを目的とする(手前Eee PC
ネットブックの位置

また、同様のカテゴリーのデスクトップパソコンであるネットトップ: Nettop)についても、本項で説明する。

目次

[編集] 概要

ネットブックは、ネットワーク機能を備えてインターネットに接続し作業する事を主な用途とした、比較的安価で小型軽量なノートパソコンの呼称(カテゴリー)である。

2007年10月に発売されたASUSEee PCが、最初のネットブックとされる。ただし「ネットブック」の呼称が初めて使用されたのは、2008年3月にインテルが自社CPUであるIntel Atomについて語った際である[2]。この時点ではインテル自身もあまり明確な基準を定めておらず、「インターネット利用に特化した低価格モバイル」程度の意味だった(詳細は後述)。なおASUSを含めたネットブックメーカーは「ネットブック」という呼称を必ずしも使用していない。

一般的な構成

ネットブックの多くはIntel Atomなどの低価格のCPU、1GB程度の最低限のメモリ、5-13インチ程度の小型の液晶ディスプレイ、世代は古いが比較的軽量なOSであるWindows XPなどを搭載しており、拡張性は限定的である。

価格帯

価格は北米市場で300-800米ドル程度、日本のメーカーによって高値安定が維持されることが多い日本でも、登場当初は5-10万円程度だったものが2009年前半には円高の影響もあり3-8万円程度となっている。

日本では家電量販店や一部パソコン専門店では、ネットブックとイー・モバイルなどの移動体通信端末およびサービス加入権をセットにして、インセンティブ制度の報奨金を価格値引きに反映させることにより、初期購入価格が安価で買えるというパッケージが販売されている。携帯電話と同様に新製品が安価で購入できる事もあり、ネットブックの売り上げは急増している。なお、インセンティブを利用したネットブックとイー・モバイル端末購入費用は携帯電話同様に2年間の割賦販売である。

普及の背景

ネットブックおよびネットトップが普及した背景には、ハードウェアの性能向上に加え、ウェブアプリケーションや更にはクラウドコンピューティングが普及し、インターネット上でコンピュータ処理やデータ保管などの大半が可能となった事が挙げられる。このためクライアントであるパーソナルコンピュータ側では、性能や容量、更にはWindows Vistaなどの最新版OSなどを搭載する必要性が低下した。その意味ではネットブックやネットトップは、1990年代に登場したネットワークコンピュータの側面も持つ。ただしネットワークコンピュータや携帯情報端末は専用のOSを搭載し互換性は低いのに対し、ネットブックやネットトップはPC/AT互換機であり、性能・容量・拡張性は低いもののパーソナルコンピュータとしての基本的な互換性は犠牲としていない。このため比較的軽量なソフトウェアならば、ローカル(パーソナルコンピュータ上)で実用的に使用する事もできる。

ネットトップ

ネットブックとほぼ同じ機能を備え、使用環境や形状がデスクトップパソコンに近い製品が「ネットトップ」と呼ばれる新たな製品分類として登場している。

[編集] 歴史

ハイキング中に興味を抱いた発見物の写真をOLPCで撮るタイの子供達

ネットブック誕生以前には、2005年に提唱された発展途上国の教育分野向けへの普及を主眼とし、俗に「100ドルPC」とも呼ばれるOLPCが存在する(OLPC XO-1)。OLPCは廉価で限定的な性能ながら、インターネット端末電子書籍リーダーとしての機能を併せ持っている。これらの機種は発展途上国の教育分野向けとはいえ、そのモックアップや試作機が発表されるや一部の技術愛好者や熱心なモバイルインターネット利用者の中に、先進国での同機種の発売を期待する声が見出せた[3]。ただしネットブックとOLPCの間に直接的な連続性はなく、OLPCがLinuxなどオープンソースソフトウェアを搭載し教育分野への普及を主体として一般市場への販売は必ずしも考えられていないのに対して、ネットブックではより一般市場に販売される製品(ないし商品)としての性格が色濃いといった違いも見出せる。OLPCも期間限定ながら先進国向けの製品もリリースされているが、この先進国での売り上げを発展途上国教育分野向けに出荷される製品の補助金とする「Give One Get One」プログラムが計画されたり実施されたりしている。

携帯性の高いインターネット端末としては、米マイクロソフト社が提唱し2002年に市場に投入されたタブレットPCや、2006年3月9日にマイクロソフト社やインテル社などが発表し推進するUltra-Mobile PC(UMPC)という分類がある。タブレットPC は入力操作部分を表示画面に統合したタッチパネルを採用した高価で特殊なパソコンという性格が強く、ポータブルデータターミナルなど産業分野では一定の利用が見られるものの、一般には普及していない。できるだけ性能を確保しながら小型軽量に作られた Ultra-Mobile PC は10万円以上の高価格でもあり、それほど普及していない。

この市場動向の中で2007年10月にEee PCが発売され、一部の「安価軽量インターネット端末」を求めていたユーザーらが飛び付いたことから、パソコンメーカー各社も2008年に入ってから次々に同様の方向性を展開、いわゆる「ネットブック」および安価なネット端末パソコンに対して「ネットトップ」という呼称が使われるようになった。アジア圏のパソコンメーカーが数多くの商品を開発・投入し、また米国メーカーの中にもOEMまたはODM(Original design manufacturer:→OEM#用語の歴史と用法)供給を受け同市場に参入するところも出始めた[4]。人気機種の多くが製造が間に合わず予約待ちが続くと、日本国内メーカーも続々と新製品を発表し、ネットブック市場は乱戦の様相を呈し始めている。日本のメーカーはアジア圏/米国メーカーに比べてやや出遅れた格好ではあったが、2008年10月から東芝日本電気(NEC)、オンキヨー(SOTECブランド)といった大手メーカーも相次いで参戦を表明した。国内メーカーの製品には、先んじる他のアジア圏メーカーないしそれらのOEM/ODM提供を受けた欧米メーカー製品に比べ高めの価格設定の製品もみられる。自社ブランドのボトムエンド(→ローエンド)製品としてネットブックを投入しているメーカーもある。

しかし、2009年中盤に入って従来の「超廉価」な機種がその余りな限定的機能から、「モバイルノートPC」と誤解した購入者の中には性能や拡張性などに不満を抱く者もいる傾向もあり[5]、メーカー側も派生指向としてネットブック上位機種に位置付けた、比較的潤沢なマシンリソースを予め備えた機種を従来から投入している。加えて加速したネットブック市場に注目してコレに対応したCPUやチップセットの生産拡大・機能向上などという動向も絡んで、安価低性能とするネットブックから、表示機能の拡大や機能の充実といった「高級化志向」も見せている。例えば富士通の2009年6月に発表したネットブックでは、CPUと表示機能の拡大が謳われている[6]。このように、ネットブックにあっても新機種登場で機能据え置きのまま低価格化するよりも、機能向上で価格は一定水準を維持するといった傾向も見出せる。

[編集] ハードウェア

簡易的ながらビデオチャット用にWebカメラを備える機種もある(Eee PC

基本的に、小型で安価で一定性能に限定されている。携帯性の良いネット端末としてはすでに携帯電話が普及しており、また携帯性を重視した情報機器としては携帯情報端末(PDA)が存在していることから、ネットブックは「パソコン」としての最低限の機能を備えるものと位置づけられる。オペレーティングシステム(OS)は事実上の標準の地位を築いているMicrosoft Windows(主にULCPC向け限定ライセンスによるWindows XP)や、LinuxなどUNIX系オープンソースOSが搭載されている。

[編集] ネットワーク接続

ネットブックの主用途ともなるインターネットへの接続はイーサネットに対応し、有線LANに加え、無線LANモジュールを標準で搭載している機種がほとんどである。このため、基本的にブロードバンドインターネット接続に対応していると考えて問題ない。無線LANの利用が可能な範囲にあるネットブックは、電源を投入するだけで、すぐさまインターネットに接続可能である。

なおイーサネット接続並びに無線LAN接続では、ネットブックがインターネットへの接続と同時に、Local Area Network(LAN)内に接続された他のコンピュータ上で共有されるネットワークリソースにアクセス可能なことも意味しており、この中にはネットワークアタッチトストレージ(NAS)などファイルサーバも含まれる。

加えて、前述の通り移動体通信としての周辺機器を接続することにより無線アクセスのサービスも利用可能であることから、これらを利用すれば日常生活のあらゆる箇所で、電源さえ確保できればインターネット接続が可能であり、パソコンを使用する最低限度の作業が可能である。

[編集] CPU

ネットブックのCPUには低価格で省電力なものが採用されている。CPU製造大手のインテルは携帯機器のネックとなる消費電力を抑えたAtomを市場に投入[7]した。同分野で先行するVIA TechnologiesC7-M(2005年発表)[8]Nano U Series(2008年発表)やAMDGeodeAthlon Neoなど、そこそこの計算能力を備えつつ消費電力を抑え、かつ安価で供給されるこれらのCPUの存在が、ネットブックの市場拡大に拍車をかけている。

映像出力を補佐するGraphics Processing Unit(GPU)はチップセット統合型GPUを採用している。

[編集] 入出力

入力機器としてキーボード、ポインティングデバイスにタッチパネルやタッチパッドを備え、外付け(USB接続)マウスも利用可能となっている。また外部モニタへの接続を視野にいれ、従来のノートパソコン同様にVGA端子などの映像出力端子を標準的に備える製品も少なくない。

[編集] 記憶装置

メインメモリはOSが適度に動作できる1Gバイト程度を搭載するものが多い。内蔵の補助記憶装置にはハードディスクドライブ(HDD)ないしフラッシュSSD(Flash SSD)が搭載されている。フラッシュSSD搭載機種にはOSと幾つかのアプリケーションソフトウェアを導入できる数Gバイト程度の容量しか持たない機種がある。この限られた記憶容量は、多くがUSBメモリの使用で補われるが、メモリカードリーダーを内蔵する機種では、フラッシュメモリメモリカードも使用可能である。また、ウェブストレージを利用するユーザーもいる。

BD/DVD/CDドライブのような光学ドライブは省かれることが多く、これらの光学ディスクの読み書きにはUSB接続によって外部ドライブの使用が必要である。このように、多くの周辺機器はUSB接続で利用可能であるが、HD動画の再生のようなCPUの処理能力やメモリ容量など要求される利用法では、機種によっては満足に動作しない。

[編集] 電源

動作電源は、普通の100Vの商用電源と内蔵バッテリーが利用できる。バッテリーの持続時間が2時間程度と従来型ノートブックの半分以下のものがあり、一部機種は急速充電に対応することで不便の軽減に努めている。連続稼働時間を延長できる大容量バッテリーを同梱や別売りにした上位機種もある。省電力なSSDを搭載した機種では、HDDを搭載した機種に比べて一般的にバッテリー持ち時間が長い製品が多い。

[編集] オペレーティングシステム

ネットブックは基本的にPC/AT互換機であるため、この種のコンピュータに導入可能なOSは、デバイスドライバの有無や正常な動作が行えるかどうかは別にすると、概ね導入可能である。

ネットブックを動作させるOSとしては、マイクロソフトWindowsないしLinuxなどUNIX系OSなどが採用されている。独自OSないし携帯電話端末のようなファームウェアによる独自仕様というのは、既存製品を利用するより開発コストがかさみ、販売価格を圧迫するため現実的とはいえないためである。

[編集] Linux系列

Linux系列はライセンス料が掛からず、また全般的に軽量な設計に加え、カスタマイズで求める機能だけを選び、更に軽量化のためのチューンアップが可能という利点があり、X Window Systemなどウィンドウシステムを使用すればインターネットブラウズ端末としての機能を実現できる。

保守運用で専門知識を必要とすることや、市販アプリケーションソフトウェアの多くが利用できず、Window版PCとのデータの相互利用も制約があることなどから、一般消費者には使い難いものとなっている。一般向けに販売される製品では、マイクロソフトWindows系列のOSを搭載されるのが主流である。ただし米国などLinuxユーザーの総数が比較的多く見込める地域では、プリインストールOSにLinux系OSを採用したパッケージもみられる。

[編集] Windows

2009年10月以前の段階では、ネットブックのOSには Windows XP Home が採用されていることが多い。

Windows XP Home

2008年4月に米マイクロソフト社は、通常は2008年6月30日で終了する "Windows XP Home Edition" の販売をネットブック向けに限定して2010年6月、または次期OSの発売後1年まで延長すると発表した。ネットブックのOSがWindowsだけでなくLinux系も採用されていた時期であり、既に販売開始されていた新OSの "Windows Vista Home Basic" も、快適な利用には高いハードウェア性能を求める事もあってマイクロソフト社の期待通りには移行が進んでいなかったため、Windows XP を予定通り出荷停止にすれば、ネットブックの多くがLinux系OSの採用へと動く危険を避ける必要があった。この提供期間の延長はマイクロソフト社にとっては苦渋の選択である。PCメーカーへの Windows XP Home Edition の提供価格は20-30米ドル、新興国向けでは20米ドル以下と Windows Vista Home Basic の約80米ドルよりかなり低価格だったため、全世界で2,000万台以上といわれる新たなネットブック市場での販売単価の低迷は、経営的に大きな影響があると推測される。

また、ネットブック向けの "XP Home" や "Vista" に特別価格が適用されるには、12.1型画面以下で1GHzを越えないシングルコアCPU、主記憶は1GBまで、補助記憶は160GB-HDD、又は32GB-SSDまで、などのハードウェア性能の上限に縛りがあるというWeb記事も存在する[9]。当初、米マイクロソフト社は、XP HomeやVistaの特別価格の適用範囲としてULCPCの定義を使用していたが、その後、幾度か適用範囲の変更があり、これらOSの特別価格適用範囲とULCPCの定義がどのように連動しているかは公表されることはない。

Windows 7

2009年10月22日にマイクロソフト社から出荷された "Windows 7" では、不評だった前作 Windows Vista より動作環境の要求レベルを下げることで、ネットブックのOSとして広く採用されるように努めている。マイクロソフト社はネットブック向けの Windows 7 として以下の2種類を用意している。

  • Windows 7 Starter
  • Windows 7 Home Premium

「Starter」は Windows XP の出荷時から新興国市場向けに限定で低価格な機能制限版として販売していたものを、ネットトップ向けの Windows 7 として全世界へ販売するとされている。Windows XP Starter では、同時起動できるアプリケーションソフトウェア数が3つまでと制限されていたが、 Windows 7 Starter ではこの制限はなくなる予定である。ただし他の Windows 7 の多くが備える Aero Grass、デスクトップの壁紙変更、Windows Media Center、XP mode などの機能は削られる。Starter でもPCメーカーへの提供価格はWindows XP Home Edition より高くなるとメーカー側から伝えられている。「Home Premium」はネットトップに限定せず多様なPCに向けたものである。

Windows 7 の登場後も1年間はマイクロソフト社から Windows XP Home が提供されるため、2010年10月までは、Windows XP Home、 Windows 7 Starter、Windows 7 Home Premium の3種がネットブック向け Windows OS としてラインナップされることになる[10]

[編集] 代表的なメーカーと機種

なお、上に挙げたもの以外でも、レノボのThinkpadシリーズやシャープMebiusシリーズのような、大手パソコンメーカーのノートパソコンブランド中ローエンドに位置する形で、ネットブックに匹敵する低価格帯機種が登場している。

[編集] 市場性

米市場調査会社のIDCはネットブックを以下のように定義し、2008年5月にその市場性を調査・発表した[11]

  • 500ドル未満
  • 7-10インチ程度のディスプレイ
  • サードパーティ製アプリケーションの動作が可能な機能が限定されないOS
  • キーボード搭載
  • ブロードバンドインターネット接続に対応

同社はこれらに該当するネットブックを「メインで使うノートパソコンの補助的な地位を得ている」とみている。その機能はK-8世代(小学生中学生に相当)ユーザーにはメイン機として必要十分だが、ノートパソコン一般に比べると限定的であるため、消費者の多くはもう少し予算を増やしてフル機能・フルサイズのノートパソコンを選択するとしている。この「少し上」のランクとしては従来の廉価版機種が来て、例えばCPUにCeleron、またはSempronを使用した機種が挙げられる。

また製造側にとっても同種製品は(価格面で頭打ちとなり)利益率が低い側面があるため、買換え需要ではなく「2台目」としての需要に対応することを示唆しており、今後も販売上の課題に直面すると見ている。市場規模予測では、IDCによると2012年まで拡大が予測され、900万台を超えるとみる。ただ、価格は安いために売上高は30億ドルを下回るだろうとしており、その規模はパソコン全体の5%未満で推移すると見ている。

ネットブックは、新興市場ということもあって市場としては未知数の分野である。パソコンメーカーとしても予測が外れて注文が殺到、製造が間に合わないといった混乱も聞かれる。ヒューレットパッカードのHP 2133 Mini-Note PC(英:HP 2133 Mini-Note PC)日本発売では2008年6月末に販売を発表するも同日中に販売中止、翌7月に販売を開始するが同日売り切れ[12]で更に一部仕様を変更したモデル発売まで販売が延期されるという混乱も発生した。

[編集] ユーザーの動向

IDCの予測が示している通り、ネットブックはその市場性がパソコン一般・ノートブック一般に比べて限定的である。それでも、現在ネットブックが急速に市場を拡大してヒット商品となっているのは、これまでのデスクトップパソコンやノートパソコンよりも更に小型で持ち運びがしやすいミニノートを欲していたユーザーの存在や、あるいはネット端末としての携帯電話スマートフォンの性能や機能が、FLASHを多用するサイトの増加や、動画や音楽などのリッチコンテンツを扱うウェブサイトが増加したことに対応できていないことに不満を持っていたユーザー、より安価なパソコンを欲していたユーザーにとって、ネットブックがとても魅力的な商品に見えたことも関係するだろう。ネットブックはインターネット上のウェブサイトを閲覧したり電子メールの送受信をする、あるいはプレゼンテーションのための資料を再生したり書類の作成や修正といったビジネス用途であれば取り敢えず目的を果たせる性能を持っている。

しかし前述したハードウェア面での制限から、計算処理に多くの処理能力を要求する作業を行うのは非常に難しい。特に現在のパソコンでも比較的高性能な処理能力を要求する画像および動画の編集や3Dを主体とするコンピュータゲームなどでの利用はかなり無理があるほか、インターネット上のコンテンツでも、昨今増加中の動画サイトでは動画の種類・品質によって「音割れや音飛び・コマ落ち」などの処理落ちによる再生品質の低下が発生する場合がある。同様に地上デジタルテレビジョン放送チューナーやDVDドライブを接続しての動画再生も可能だが、高性能な機種に比べ前述同様の問題がおこりうる。

だが、ヘビーユーザーの中には「ミニマム性能のコンピュータを最大限に活用する」という方向でネットブックに価値観を見出すものもおり、ハッカーギークといった技術筋に愛好心を示す者などが、技術情報系サイトなどでネットブック活用に対するさまざまな発表を行なっている様子も見出せる(→ハッカー文化)。たとえばOSにWindows Vistaを搭載するHP 2133にWindows XPをダウングレード導入する[13]といったものから、ハードディスク搭載機種に読み込みアクセス速度の向上を目指してFlash SSDへの置き換えを図るなどといったものである。ソフトウェア面でも、必要な機能を備えながら軽快な動作をするフリーウェアを選択したり、あるいは目的となるソフトウェアを動作させるために、不必要となるOS上の機能・動作や常駐するプリインストールアプリケーションソフトウェアをシステム上から取り外し、カスタマイズしたり、などのテクニックも見られる。

[編集] 商標問題

かつてハンドヘルドコンピュータを販売していたイギリスPSION Teklogix社は2008年末より、自社の商標権を侵害しているとして、マスメディアや一部のファンサイトに対して『Netbook』という用語の使用停止を要求していた[14]。これは同社が1996年に申請を出し登録していたもので、2000年代初頭には「Netbook Pro」というMicrosoft Windows CEベースの製品として発売していた[15]

この問題に関連して、当初低価格モバイルパソコン向けCPUであるAtomのマーケティングに際し同語を使っていたIntelは、米国内で登録されていた商標を巡りPsion Teklogix側とカリフォルニア州北部地区米連邦地方裁判所にて係争関係に突入したが、2009年6月にPsion Teklogix側が『Netbook』の商標権を自発的に放棄する形で双方は「友好的な合意」の下に和解、第三者が自由に過去現在未来にわたって使用できるようになった。なおこの和解でPsion Teklogix側とIntel側の両者は、双方にどのような金銭的要素があったかは明らかにしてない[16]

[編集] ULCPC

[編集] OS

米マイクロソフト社はWindows XPULCPC向けライセンス[17]として以下のような条件を示している。

  • ディスプレイ14.1インチ以下(タッチパネル可)
当初はディスプレイ10.2インチ以下、タッチパネル不可だった
  • メインメモリー1Gバイト以下
  • CPUはIntel AtomVIA C3など特定の低速シングルコア製品
  • ハードディスク容量160Gバイト以下/SSD32Gバイト以下
当初はハードディスク容量80Gバイト、SSD容量16Gバイト以下だった。なおハードディスクとSSDを双方搭載する事は認められている

これを満たす機種に搭載するためなら、ライセンス料は32米ドル(発展途上国向けなら26米ドル)としている。なお、メインメモリーやハードディスク/SSD容量は、ユーザーの手で交換することに関してはライセンスが対応する範疇である。

[編集] 脚注

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  1. ^ "IT用語辞典 BINARY 「ネットブック」". 2009年7月6日 閲覧。
    "IT用語辞典 e-Words「ネットブック」". 2009年7月6日 閲覧。
    Intel.com: Thoughts on Netbooks
  2. ^ ITpro記事:Netbookとは
  3. ^ スラッシュドットジャパン:100ドルPCの製造委託先が決定
  4. ^ PC Watch記事:大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
  5. ^ INTERNET Watch記事「多くの消費者がネットブックとノートPCを勘違い? 米NPD調査」
  6. ^ asahi.com記事「富士通、ネットブックのCPU性能向上」
  7. ^ ITmedia記事:インテルの携帯デバイス市場進出に最高の武器──それがAtom
  8. ^ 日経PB記事:「Atomには譲らない」,VIAもC7-M搭載の小型ノート機をずらり展示
  9. ^ techarp "Maximum Hardware Specifications For Small Notebook PCs"
  10. ^ 道本健二、内田泰著 『ネットブック第二幕』 日経エレクトロニクス2009年7月27日号
  11. ^ ITmedia記事:超低価格ノートPC、ノートPC市場の5%未満で推移――IDC予測
  12. ^ ITmedia記事:7月24日に再開された「HP 2133 Mini-Note PC」の販売が再度休止――日本HP
  13. ^ ITmedia +D PC USER記事:XPなら3倍速!?Windows XP環境で「HP 2133 Mini-Note PC」を試す
  14. ^ TechCrunch記事:[CG]Netbookは誰かがすでに登録商標済みだったんだって
  15. ^ PSION Teklogixプロダクト(英語)
    マイコミジャーナル記事:Psion、モバイル端末「NETBOOK PRO」発表、OSにWindows CE採用
  16. ^ ZDNet記事:「Netbook」商標問題でPsionとインテルが和解
  17. ^ マイクロソフト社プレスリリース:Microsoft Announces Extended Availability of Windows XP Home for ULCPCs(英)

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月11日 (水) 18:03 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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