ハゲタカ (小説)
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ハゲタカは、2004年に刊行されたバイアウト・ファンドを取り扱った真山仁の経済小説。2006年には続編『バイアウト』が刊行され、2007年には『ハゲタカ』『バイアウト』を原作としたテレビドラマ『ハゲタカ』が放送された。なお、『バイアウト』は2007年の文庫化の際に『ハゲタカII』と改題されたため、本項目で『ハゲタカII』についても併せて説明する。
目次 |
[編集] 概要
主にバブル崩壊後の1997年-2004年(ハゲタカ)・2005年-2006年(ハゲタカII)の日本を舞台としている。本2作品は、外資系バイアウト・ファンド(ハゲタカファンド)マネージャー鷲津政彦、および銀行員から企業再生家(ターンアラウンドマネージャー)に転じる芝野健夫を中心として、彼らが不良債権処理や企業買収を行う姿を軸に話が展開する。このことから、一見するとハゲタカ外資と国内資本の対立をテーマとした小説のように受け取られる可能性がある。しかしながら、作者自身はこの作品のテーマについて、「言い訳をしながら生きることはもう止めよう」と述べている[1]。つまり、作者が描きたかったものは「勇気を持って日本の国が抱える問題を正視」[1]する鷲津や芝野の姿勢である。
この作品に登場する架空の企業のそれぞれモデルになった企業は以下のとおりである。
このことは、読者が本2作品に親しみやすくする効果を持っているが、作品中に書かれている記述はあくまで架空のものであることに留意が必要である。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
[編集] ハゲタカ
鷲津政彦は、ニューヨークでハゲタカファンドの世界に身を投じ、ゴールデン・イーグル(イヌワシ)と異名をとる凄腕ファンドマネージャーとなった。彼は、外資ホライズン・キャピタルの代表取締役として1997年に日本へ帰国した。当時、三葉銀行はバルクセール(不良債権の一括売却)を予定しており、三葉銀行資産流動対策室長・芝野健夫と鷲津政彦とは取引の当事者同士として出会う。
バルクセール終了後、芝野は、ターンアラウンドマネージャー(企業再生家)として鷲津の元で働くよう誘われるが、鷲津の人柄に相容れないものを感じて断る。芝野はまた、三葉銀行の体質に疑問を持ったため、退職し、栃木県のスーパーマーケットのターンアラウンドマネージャーに転じる。
一方、鷲津は不良債権処理だけでは飽き足らず、本格的な企業買収に乗り出す。芝野の元上司であった三葉銀行専務の飯島亮介と裏の繋がりをつけた鷲津は、東京相愛銀行、太陽製菓などの買収に成功した。しかしながら、政府系地域再生ファンドを隠れ蓑として、日光の全面的な再開発計画を立てたものの、日本政府の干渉によって断念することになった。
以上の経緯の後で、鷲津が芝野と飯島に接近した本当の理由は、ビジネスに関するものではなく個人的なものであったことが明かされる。
[編集] ハゲタカII(バイアウト)
前作の最後で取った行動のため、命に危険を感じた鷲津は日本から1年間離れて放浪していた。帰国後、鈴紡を最初の買収対象にした鷲津だが、鈴紡のメインバンクのUTB銀行(元の三葉銀行)と対立することになる。UTB銀行の頭取に就任していた飯島は、最高事業再構築者責任者(CRO)として芝野を鈴紡へ送り込む。最終的に、鈴紡は...。
鈴紡の処理が決まった約1年後、芝野は曙電機のCROに就任していた。日本を代表する優良企業シャインや米国の軍事産業ファンドであるプラザ・グループによる曙電気獲得の嵐に、芝野と鷲津は巻き込まれていくのであった...。
[編集] レッドゾーン
[編集] 主要人物
- 鷲津政彦
- 職歴: ジャズピアニスト → KKLディーラー → ホライズン・キャピタル(社長→会長)→ サムライ・キャピタル代表
- 芝野健夫
- 職歴: 三葉銀行(船場支店→ニューヨーク支店→(中略)→営業企画部→資産流動対策室長)→えびす屋(専務→社長)→ 鈴紡CRO → 曙電機CRO → マジテックCRO → アカマ自動車CRO
- 飯島亮介
- 職歴: 三葉銀行(船場支店営業課長→(中略)→大阪本店取締役→常務総合企画部長→専務)→ UTB銀行(副頭取→頭取)→ ニッポン・ルネッサンス機構総裁
- 松平貴子
- 職歴: ミカドホテル従業員(ローザンヌホテル大学留学)→ロイヤル・センチュリーホテル・ジャパン→ミカドホテルグループ社長→ミカドホールディングス社長→リゾルテ・ドゥ・ビーナス支配人
- リン・ハットフォード
- 職歴: ゴールドバーグ・コールズ(日本法人副社長→(中略)→米国本社副社長)→ サムライ・キャピタル会長
[編集] モデルとなった現実の出来事
括弧内は小説作中の架空企業
- 1998年10月23日 日本長期信用銀行(日本長期債権銀行)が金融再生法による一時国有化。後に、リップルウッド(リッキーウォーター)を中心とする投資組合に売却され、2000年6月に新生銀行(蘇生銀行)となる。
- 1998年12月13日 日本債券信用銀行(日本信用債権銀行)が金融再生法による一時国有化。後に、ソフトバンク・オリックスなどからなる投資グループに売却され、2001年4月にあおぞら銀行(おおぞら銀行)となる。
- 1999年6月12日 東京相和銀行(東京相愛銀行)が破綻。金融整理管財人による管理下に入る。2001年6月に東京スター銀行へ営業譲渡。
- 2001年4月2日 三和銀行(三葉銀行)、東海銀行(中日銀行)、東洋信託銀行(東亜信託銀行)の合併によるUFJホールディングス(UTBファイナンシャルグループ)発足。
- 2003年3月14日 東ハト(太陽製菓)が民事再生法の適用を申請し倒産。プレパッケージ型再生手続。
- 2003年5月17日 りそな銀行(りそあ銀行)に預金保険法第102条第1項第1号に基づく資本注入が決定。
- 2003年11月29日 足利銀行(足助銀行)に預金保険法第102条第1項第3号を適用。一時国有化。
- 2003年10月23日 カネボウ(鈴紡)と花王(月華)との事業統合を発表。労働組合の反対などの影響を受けるが、のち分割によりカネボウ化粧品およびカネボウブランドが譲渡される(2006年2月)。
- 2004年3月10日 産業再生機構(ニッポン・ルネッサンス機構)によるカネボウ支援が正式に決定。
[編集] 既刊
- ハゲタカ - ダイヤモンド社 ISBN 978-4478930489, 978-4478930618 / 講談社文庫 ISBN 978-4062753529, 978-4062753524
- バイアウト - 講談社 ISBN 978-4062820080, 978-4062820097
- ハゲタカII - 講談社文庫 ISBN 978-4062756877, 978-4062756891
[編集] 関連項目
- バブル崩壊、失われた10年、不良債権
- バイアウト・ファンド(ハゲタカファンドとも言われる)
- M&A、株式公開買い付け(TOB)、マネジメント・バイ・アウト(MBO)
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年7月17日 (金) 05:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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