ハッピーフライト
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| ハッピーフライト | |
|---|---|
| 監督 | 矢口史靖 |
| 製作 | 亀山千広 |
| 脚本 | 矢口史靖 |
| 出演者 | 田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか 吹石一恵 寺島しのぶ 田畑智子 平岩紙 田山涼成 田中哲司 岸部一徳 |
| 音楽 | ミッキー吉野 |
| 主題歌 | 『カム・フライ・ウィズ・ミー』フランク・シナトラ |
| 配給 | 東宝 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 103分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | 13.3億円 |
| allcinema | |
『ハッピーフライト』は、2008年11月15日に公開された日本映画。監督は矢口史靖。
目次 |
[編集] 概要
企画当初、監督は航空パニック映画を考えていたが、その後2年間のリサーチの結果、航空機が墜落する可能性が非常に低いことと、同時に航空業界の裏で働く人々の面白さを知り、脚本の内容を変更した。結果的に、旅客機が機体異常で引き返し無事緊急着陸するだけという非常に地味な物語を面白く見せる職人芸が問われる仕事となった。リサーチは多岐にわたり、シアトルに所在するボーイング社なども訪れた。鳥被害の深刻さ、多くがカジュアルな私服で仕事をこなす管制官たち、取捨選択と妥協が要求される整備、機長の権限と責任の大きさ、原則として中年期まで昇進できないため若いキャビンアテンダント(以下「CA」と表記)にも見下される副操縦士の悲哀など、業界外の観客に興味深い内幕が巧妙に織り込まれている。
映画制作にあたって全日本空輸 (ANA) の全面的な協力を得た。ANAでは社内に映画の特別チームを編成し、作品企画時から、脚本の直し、撮影時の協力、衣装の貸与、ロゴマークの使用などのほか、撮影現場の立ち会い、社員によるエキストラ参加など多岐にわたって協力を行った。撮影には実際にANA国際線で使用されていたボーイング747-400(機体番号 JA8096)[1]が、日本の航空業界史上初めて、収録目的で15日間無料でレンタルされたほか、東京国際空港第2旅客ターミナル、関西国際空港、またANA機体整備工場等でも大規模ロケが敢行された。いずれの場所での撮影も日本映画史上初である。
キャストは、以前に矢口が監督した『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』と同様、全員オーディションで決定した[2]。これは矢口のこだわりである。また、映画の登場人物にはモデルが存在するという[3]。
[編集] ストーリー
副操縦士の鈴木和博は機長への昇格訓練を受けており、今回のホノルル行きのフライトが昇格の分かれ目だった。教官が温厚な望月で安堵したのも束の間、望月が風邪をひき、代わりに厳格な原田が鈴木の教官を務めることになった。
一方今回のホノルル行きが国際線デビューとなるCA・斉藤悦子。だがその便には厳しいことで知られるチーフパーサー・山崎麗子も乗務していた。そしてグランドスタッフの木村菜採もまた仕事に限界を感じ辞めようかと考えていた。
ホノルル行きの便は離陸前の多様なトラブルがありながらも出発。機内では鈴木が原田の指導に戦々恐々とし、悦子は次々と繰り出される乗客の指示に右往左往。そんな中、彼らの乗る飛行機に非常事態が発生する。
[編集] キャスト
[編集] パイロット
- 鈴木和博(田辺誠一) - 副操縦士(コーパイロット)。OJTの最中で機長昇進試験の最中にある。ピンチに出くわすと、感情的になる。客室乗務員からは笑いのネタにされるほどのおっちょこちょいで、麗子からは「小心者」と思われている。
- 原田典嘉 (時任三郎) - 機長(キャプテン)。厳格な姿勢で威圧感を与える。仕事が始まると「飛行機を安全に運航させる」ことと「副操縦士の教育」を優先した態度を貫く。
- 望月貞男(小日向文世[4]) - 機長・キャプテン。温厚な性格で、どんな副操縦士でも機長昇格の合格通知を出す寛容さ。鈴木の教官を務める予定だったが、風邪をひいたため原田に代わった。
[編集] キャビンアテンダント
- 斎藤悦子 (R4') (綾瀬はるか)- ホノルル行きの便が国際線初乗務となる新人CA。その初フライトの搭乗前ブリーフィングに遅刻し、さらに機内では大失態をする。食いしん坊でおっちょこちょい。しかし、料理は得意でそれが失敗を挽回するチャンスになる。
- 山崎麗子 (L1) (寺島しのぶ) - チーフパーサー。彼女との乗務は「泣かされすぎるために水をたくさん飲む必要がある」と噂される程の厳しさで知られる「鬼チーフ」。悦子は初の国際線フライトで当たる。担当するコンパートメントは離れていても、悦子の仕事ぶりもしっかり監視しておりフォローもするが、悦子の大失態に対して言動・待遇ともに厳しい対応をする。しかし、仕事のこなしぶりは他の客室乗務員の手本となるほど一流。
- 田中真里 (R4) (吹石一恵) - 悦子のインストラクター。中堅の客室乗務員。サービスはそれなりにこなせるが、不条理な態度をする客に対してはまだ未熟さがある。
- 武井亜弥 (L2') (坂井三恵)
- 内藤紗英 (L4) (長谷部瞳) - エコノミー・パーサー。
- 小林恵美 (R2) (華城季帆)
- 林原奈々 (R1) (高松いく) - ファースト・パーサー。ファーストクラス用ミールのデザートであるチョコレートケーキを温めるのに失敗する。
- 阿部靖子 (UR) (野沢和香)
- 片桐友加 (UR') (海老瀬はな)
- 安田明美 (L2) (巽よしこ) - ビジネス・パーサー。
- 池谷未帆 (R2') (美帆)
- 立花晴美 (R3) (松田珠希)
- 水谷久枝 (L3) (濱崎茜)
- 松本香織 (R5) (伊藤久美子
- 真田貴子 (L5) (神崎詩織)
- 小畑果歩(佐藤めぐみ) - 悦子の同期。グアム便のCA。
- 高田郁美(入山法子) - 悦子の同期。グアム便のCA。
[編集] グランドスタッフ
- 木村菜採(田畑智子) - 臨機応変に業務をこなすが、出会いも少なく体力的にも限界を感じ、仕事を辞めたいと思っている。
- 吉田美樹(平岩紙) - 菜採の後輩。お気楽でおっとりした性格。
- 森田亮二(田山涼成) - グランドマネージャー。菜採の鬼上司。菜採の辞職願を受け入れない。
[編集] オペレーションコントロールセンター (OCC)
- 高橋昌治(岸部一徳) - オペレーション・ディレクター。コンピュータの扱いにはついていけないが、緊急時になったときの仕事の腕は抜群である。
- 中島詩織(肘井美佳) - ディスパッチャー・カンパニー無線担当。
- 吉川雅司(中村靖日) - ディスパッチャー・気象担当。
[編集] 整備士
[編集] 管制官
- 竹内和代(宮田早苗) - コントロールタワーの管制官。
- 渡辺忠良(長谷川朝晴) - レーダー室の管制官。いつもカジュアルな私服を着用し、公務員の自覚がないと苦言を呈されている。
- 宮本理英(いとうあいこ) - レーダー室の管制官。職業柄、最近何でも整理しないと気がすまないというほどに神経質になっている。
- 水野頼子(江口のりこ) - コントロールタワーの管制官。
- 管制官(竹井亮介)
[編集] 乗客
- 丸山重文(笹野高史) - カツラを被っている男性。乗り物酔いしやすい体質。
- 清水利郎(菅原大吉) - ビジネスマン。一見温厚そうだが、実際はかなりの短気。
- 岡本福男(正名僕蔵) - 新婚の夫。
- 岡本幸子(藤本静) - 新婚の妻。搭乗直前に墜落事故を恐れてトイレに立て籠もる。
- 乗客(竹中直人) - 木村菜採とともにゲートを走っていた。
- 上原和人(川村亮介) - 修学旅行生。
[編集] その他
- 馬場光輝(ベンガル) - バードパトロール。バードストライク(航空機と鳥の衝突事故)を防ぐため、鳥に空砲での威嚇射撃を行う仕事をしている。
- 斉藤直輔(柄本明)
- 斉藤利江(木野花)
- 悦子の両親。国際線に乗務する悦子を見送りに空港を訪れる。
- 今井一志(森下能幸)
- 愛鳥連盟の団員(明星真由美)
- 馬場が鳥を殺害していると思い込み雑誌記者と偽り、取材の名目で仕事現場に潜入する。馬場の仕事の妨害をするのだが、これが原因で結果的に悦子たちの乗っているホノルル便のフライトも妨害することになる。
- 飛行機研究会のリーダー(石井智也) - 航空ファングループ三人組のリーダー。舞台となる航空機にある重大な問題が起きていたことを発見し、グランドスタッフの木村菜採に伝える。
[編集] スタッフ
- 監督・脚本 - 矢口史靖
- 制作 - 亀山千広
- エクゼクティブプロデューサー - 桝井省志
- プロデューサー - 関口大輔、佐々木芳野、堀川慎太郎
- 音楽 - ミッキー吉野
- 主題歌 - フランク・シナトラ『カム・フライ・ウィズ・ミー』
- 撮影 - 喜久村徳章
- 照明 - 長田達也
- 特撮監督 - 佛田洋
- 美術 - 瀬下幸治
- 装飾 - 秋田谷宣博
- 録音 - 甲斐匤
- 整音 - 郡弘道
- 編集 - 宮島竜治
- 記録 - 松澤一美
- 助監督 - 山口晃二
- VFX - 特撮研究所
- VFXスーパーバイザー - 野口光一
- VFXプロダクションマネージャー - 横尾裕次
- 撮影 - 中根伸治 鈴木啓造 岡本純平
- 照明 - 安藤和也 関沢陽介
- 美術 - 三池敏夫 松浦芳 梶政幸
- 操演 - 中山亨 辻川明宏 和田宏之
- 製作担当 - 高橋政千 小串遼太郎
- ジャンボミニチュア製作 - 倉橋政幸 桑島健一 上村邦賢 山田哲也 高橋洋史 亀田義郎
- CGディレクター - 中村充彦
- 制作 - 株式会社フジテレビジョン、株式会社アルタミラピクチャーズ、東宝株式会社、株式会社電通
- 配給 - 東宝株式会社
- 撮影協力 - 全日本空輸株式会社
[編集] PR展開
制作チームは作品にあったさまざまな宣伝展開を行うのを得意とする。過去には『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などでも通常の映画宣伝の枠に捕らわれない活動を行った。
制作発表は、羽田空港にあるANAの格納庫で行われ、「Happy Flight」のロゴ入りボーイング747-400[5]でキャストが登場した。キャストはこの機体にサインを残した。
完成披露試写会は実施されなかった。
- 宣伝キャンペーンは日本全国25都市・25空港を巡った。
- 2008年10月26日にアメリカ合衆国ワシントン州シアトル、ボーイング社[6]でアメリカ・プレミア上映が行われ、300人の航空関係者が来場。ボーイング747を開発したジョセフ・F・サターから絶賛された。
- 2008年11月7日に、世界初の試みとなる機上試写を実施。羽田空港発関西空港行きの特別便機内で映画を上映した。
- 2008年11月26日に、矢口監督による上映後ティーチ・インが品川プリンスシネマで行われた。
- 2008年11月27日に、興行収入7億突破『ハッピーフライト』大ヒットイベントが日劇で行われ、CAを演じた女優8人が、ANAの歴代CA制服を着用した姿で舞台挨拶を行った。
- 2008年12月3日にニューヨーク・プレミアが開催された。
- ローソンとのタイアップで、ANA歴代CAフィギュアのボトルキャップ・キャンペーンと空弁・空スイーツフェアが展開された。
- ANAは、撮影協力以外に、空港での宣伝活動、公開時にはCM出稿も行った。
- 映画公開を記念して国内線機はボーイング747-400D(JA8963:元マリンジャンボ)に、国際線機には747-400(JA8097)にステッカーが貼り付けられた。またそれぞれ監督と出演者の直筆サイン入りの記念プレートが機内に設置されている[7]。
[編集] サイドストーリー
従来の矢口映画と同様に、本作でも5本のサイドストーリーが制作された。映画公開に合わせ、『FLY! FLY! FLY!』[8]、『ハッピーエアポート』[9]など多数の航空関連番組が制作されている。
- 『アイハブ・ユーハブ』 監督:矢口史靖 出演:田辺誠一
- 『What's your name ?』 監督:山口晃二 出演:綾瀬はるか
- 『パイナップル』 監督:石井普一 出演:菅原大吉
- 『細野が恋をした場合』 監督:山本大輔 出演:佐伯新
- 『歯医者発、しあわせ便』 監督:松岡良樹 出演:平岩紙
[編集] DVD
- 「ナビゲートDVD」(ローソン限定)- 2009年5月22日発売
- ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション[DVD]
- ハッピーフライト ビジネスクラス・エディション[DVD]
- ハッピーフライト ファーストクラス・エディション [Blu-ray]
※Blu-ray版は、日本映画で初の特典DISCもBlu-ray Discで収録。
[編集] 書籍
- 『ハッピーフライト オフィシャルガイド』 日経BP社
- 『ANAで知る!「ハッピーフライト」の世界』 イカロス出版
- 『CA STORY in ハッピーフライト』 キネマ旬報社
- 『ハッピーフライト』 ノベライズ メディアファクトリー
- 『ハッピーフライト 創作ノート』 キネマ旬報社
- 『世界へハッピーフライト FLY!FLY!FLY!日記』 角川学芸出版
- 「That's STAR ALLIANCE スター アライアンス 公式ガイドブック」 角川学芸出版
[編集] 音楽
- 「シナトラ、ザ・ベスト! ハッピーフライト・パッケージ [Limited Edition]」 Warner Music Japan
- 「ハッピーフライト [Soundtrack]」 Warner Music Japan
[編集] 脚注
- ^ この機体はANAのボーイング747では、最後まで社名タイトルが「全日空 All Nippon Airways」と表記されていた。2009年3月にANAの営業路線から退役。
- ^ 2008年12月28日にシャンテ シネにて行われた矢口監督と綾瀬はるかの舞台挨拶で詳細が説明された。
- ^ 「お台場映画王」での監督舞台挨拶で監督自身が解説した。
- ^ 小日向は、フジテレビ系列で2006年に放送されたドラマ『アテンションプリーズ』でも日本航空の機長、そして教官役で出演していた。
- ^ このロゴ入りの機体は2機存在し、映画公開後まで実際に運航された。
- ^ ボーイング・フィールド内にある「ミュージアム・オブ・フライト」
- ^ JA8963についてはかつて「マリンジャンボ」の記念プレートが取り付けられていた部分に設置されている。
- ^ 2008年9月から12月までANA国際線で上映された。
- ^ iTunesなどで再生可能なポッドキャスティングで配信された。
[編集] 関連項目
- 内田幹樹 - 本作のヒントになったとされる作品群の著者。元ANA機長。
- がんばっていきまっしょい - 本作と同じプロデューサー・チームによる作品。
- それでもボクはやってない - 本作と同じプロデューサー・チームによる作品。
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月22日 (日) 12:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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