バタフライ効果
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バタフライ効果(ばたふらいこうか)とは、カオス力学系において、通常なら無視してしまうような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す。カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつ、あるいは比喩である。
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[編集] 概要
バタフライ効果の表現にはいくつかのバリエーションがあるが(後述)、いずれも、ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼすという内容である。
自然現象において、極めて近似したいくつかの初期状態は、同じ時間だけ経過すると、似たような過程を経て似たような結果に落ち着くと考えるのが普通である。それゆえ、自然科学の実験において誤差は無視できると考えることができる。
同じことを力学系という考え方でとらえ直すと、決定論的(すなわち微分方程式で記述可能であり、ランダムではない)で、かつ、無限に発散することなく有限な範囲で運動が継続しているような系では、初期値のわずかな差はいくら時間が経過してもアトラクター上のわずかな位置の違いとして維持される(または小さくなる)のが普通であるということになる。
ところが、決定論的で有限であるのに、アトラクターが複雑で、その上のわずかな位置の違いが維持されず、初期値の小さな差が大きな差へと拡大するような系が存在することが判明した。この系はカオス(系)と呼ばれ、カオス系のアトラクターはストレンジアトラクターと呼ばれる。カオス系に関する研究成果はカオス理論としてまとめられ、物理学や数学の一分野となっている。
カオス系においては、誤差が時間と共に有意な差へと拡大するため、長時間経過した後では無視することができない。また、ストレンジアトラクターは数値解析によって得るしかないが、数値解析では誤差を避けることができないため、長期の予測は事実上不可能である。
バタフライ効果とは、「カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす。そしてそれは予測不可能」ということの詩的表現である。その内容から人生観や世界観を語る中で用いられることも多い。
[編集] 表現の由来
この表現はエドワード・ローレンツが1972年にアメリカ科学振興協会でおこなった講演のタイトル『予測可能性-ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』に由来する。ローレンツによると、この講演に付けるタイトルが思い浮かばずにいた時にフィリップ・メリリースが付けたものだという。 またローレンツ自身は、1963年にニューヨーク科学アカデミーで自分の発見を掲載した中で「ある気象学者は、この説が正しいとすると、カモメのたった1回の羽ばたきが気候の成り行きを未来永劫変えうることに気付いた」と書いている。
他にも「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」や、「アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる」という表現が使われることもある。
もちろんこれは、ブラジルでの蝶の羽ばたきというごく小さい要素であっても、テキサスでトルネードが起きるかという気候変動に大きく影響を与える可能性があるという事を表しているのである。ブラジルの蝶の羽ばたきを観測すれば、テキサスの天気が予報可能であるという話ではないし、羽ばたきの風自体が嵐を引き起こす原因というわけでもない。端的に言えば、小さな要素の組み合わせでも未来に大きな影響を与える以上、正確な未来予想は不可能という事である。
[編集] バタフライ効果の一例
- 波・風・温度などの気象
- 道路における自動車の自然渋滞
[編集] 娯楽作品での使用
- 『ジュラシック・パーク』(小説および映画)でマルコム博士がカオス理論を説明する場面でバタフライ効果に言及する。
- この理論を題材にした映画『バタフライ・エフェクト』が2004年全米で公開された。日本公開は2005年。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年5月5日 (火) 09:58 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【バタフライ効果】変更履歴

