バル・デ・ボイ

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バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式聖堂群
スペイン

サント・クリメント聖堂のキリストを描いたフレスコ画
サント・クリメント聖堂の
キリストを描いたフレスコ画
英名 Catalan Romanesque Churches of the Vall de Boí
仏名 Églises romanes catalanes de la Vall de Boí
登録区分 文化遺産
登録基準 文化遺産(2), (4)
登録年 2000年
拡張年  
備考  
公式サイト ユネスコ本部(英語)
世界遺産テンプレートを使用しています
  

バル・デ・ボイ(Vall de Boí, ボイ渓谷)は、スペインカタルーニャ州リェイダ県にある狭く側面の切り立ったである。ピレネー山脈稜線に当たるアールタ・リバゴールサ郡の北東端に位置し、この地方の自治体としては最大のものである。中心的な町はバルエラ(Barruera)。

この渓谷は9つの初期ロマネスク様式聖堂群でよく知られており、ヨーロッパでも特にロマネスク建築が密集した地域を構成している。そのため、2000年11月30日ユネスコ世界遺産に登録された。

また、ピレネー山脈で最も標高の高いスキーリゾートがこの渓谷のボイ=タウル(Boí-Taüll)にあり、渓谷北東部はアイグエストルテス・イ・エスタニ・デ・サント・マウリシ国立公園(Aigüestortes i Estany de Sant Maurici National Park)に隣接している。

目次

[編集] 歴史

ムーア人によるスペイン占領は、ピレネー山脈にあるこの標高の高い渓谷を貫くには至らなかった。この地方での最初のキリスト教集落は、9世紀に成立した。その地方のcountsは、名目上支配していたフランク王国の領主たちからほとんど注意を払われていなかった。人口は大半がバスク人だった。

渓谷は当初トロサTolosa)のカウンティに属しており、後にリバゴルサ(Ribagorza)のカウンティに合併された。11世紀にパジャルス(Pallars)のカウンティの手に落ちたが、12世紀にアラゴン王国領となった。戦略的な要衝であったために、渓谷には多くの城が築かれたが、ほとんど現存していない。

[編集] 聖堂群

渓谷の人口は中世を通じて相対的に少なかったが、銀の一大産地であったことは、当地の有力者たちがバルバストロサラゴサの奪還を目指すカタルーニャの戦役に加わることを後押しした。富の多くは11世紀から14世紀にかけての聖堂群の建造に費やされ、そこではロンバルディアから持ちこまれた新しい建築様式が採用された。聖堂群は精巧な石造建築物であることと優雅な鐘楼を持つことが特色である。教会から移転された壁画群は、バルセロナ国立カタルーニャ美術館に収蔵されている。

聖堂群の多くは、それが建造され献堂された11世紀ないし12世紀以降、今に至るまで宗教上の礼拝などに用いられつづけている。そのうち以下に示す9つがユネスコの世界遺産に登録されている。渓谷には、サライス村(Saraís)のサント・ジョレンス聖堂(Sant Llorenç)、タウル村のサンタ・マルティ聖堂(Santa Martí)などそれ以外のロマネスク様式宗教建造物群の遺跡も残っている。

[編集] タウル村のサント・クリメント聖堂

タウル村のサント・クリメント聖堂

詳細は「en:Sant Climent de Taüll」を参照

タウル村(Taüll)のサント・クリメント聖堂は、1123年12月10日にロダの司祭(bishop of Roda)によって献堂された。

この聖堂はタウル村からボイ村への道のそばの小高い丘の上にあり、バル・デ・ボイの聖堂群の中では最大かつ最も保存状態の良いもので、芸術的価値も最も優れている。

聖堂は3つの身廊を持つバシリカ式聖堂として設計されており、それぞれの身廊は柱の並ぶ拱廊で仕切られ、端に半円状の後陣がある。二重に張られた木製の屋根(double- pitched timber roof)は当時のままである。聖堂本体の南東部には、各階にアーチ状の窓がついている6階建ての鐘楼がある。

建物は花崗岩のブロックで組み立てられており、軽石で諸要素や窓が飾り付けられている。ファサードは彫刻された壁と付け柱で飾られている。

全能者キリストの絵は、元々この聖堂のメインの後陣に描かれていたもので、ロマネスク美術の傑作のひとつとして知られている。現在は国立カタルーニャ美術館に収蔵されている。

[編集] タウル村のサンタ・マリア聖堂

タウル村のサンタ・マリア聖堂(Santa Maria de Taüll)は、サント・クリメント聖堂が献堂された翌日に当る1123年12月11日に献堂された。サント・クリメント同様、3つの身廊を持ちそれぞれの端に後陣がある。

鐘楼は南の身廊から伸びている。この鐘楼は聖堂の他の部分に比べてあまり優れているとはいえないが、本来はこの鐘楼が最も初期に作られ、あとから周辺の聖堂部分が付け加えられた可能性があるともされている

聖堂は18世紀に大きく修繕され、ドームも付け加えられたが、ドームも含めた18世紀の改築部分は1970年代に取り去られた。フレスコ画は1918年に国立カタルーニャ美術館に移された。

[編集] バルエラ村のサント・フェリウ聖堂

サント・フェリウ聖堂(Sant Feliu de Barruera)は、バルエラ村の北にひっそりと佇んでいる。この村は渓谷の広がる場所にあり、中世には近隣の修道院(現存せず)との中継点に当っていたため、戦略的な要衝であった。聖堂は元々3つの身廊を持っていたが、現存するのは半円筒ヴォールトと半円状後陣を持つひとつの身廊だけである。

簡素で飾り気のない鐘楼が南東端に存在している。

16世紀に改築が行われ、2つのゴシック様式の礼拝堂がメインの身廊に加えられ、西側にはゴシック様式のファサードができた。

[編集] ボイ村のサント・ホアン聖堂

ボイ村のサント・ホアン聖堂の鐘楼

サント・ホアン聖堂(Sant Joan de Boí)は渓谷の名前にもなっているボイ村の入り口に位置している。聖堂には身廊が3つある。もともとの屋根は木製だったが、石造のものに変えられている。鐘楼は南の身廊の南側に立っている。

聖堂は18世紀に大改築を受けたが、1960年代に多くの改築部分は取り去られた。壁画は1919年に国立カタルーニャ美術館に移された。

[編集] エリル=ラ=バル村のサンタ・エウラリア聖堂

エリル=ラ=バル村のサンタ・エウラリア聖堂(Santa Eulàlia d'Erill-la-Vall)は単独の長い身廊を持ち、東端に3つの後陣がある。

木造の屋根は元の半円筒ヴォールトに戻されている。北側には6階建ての鐘楼があり、高さは23m である。

[編集] コル村の聖母被昇天聖堂

コル村の聖母被昇天聖堂

聖母被昇天聖堂(Santa Maria de l'Assumpció de Cóll)は、コル村の外れにある。それは後陣や半円筒ヴォールトを備えた単独の身廊を持つ聖堂として建てられ、1110年に献堂された。後にゴシック様式の増築がなされている。北側の礼拝堂や、南側の2階建てのゴシック様式鐘楼は、上から見ると十字形をなしている。鐘楼は余り修繕が行き届いていない。

[編集] カルデト村のサンタ・マリア聖堂

カルデト村は渓谷入り口の岩だらけの一帯を占めている。聖堂はその東端の急勾配を登ったところにある。サンタ・マリア聖堂(Santa Maria de Cardet)は単独の身廊と後陣を持ち、後陣の地下には納骨堂(crypt)がある。南端には聖具室がくわえられ、北側には礼拝堂が増築されている。外観は11世紀のままだが、12、13、17、18世紀に改築が行われている。内観はそうした改築によるバロック様式の様相を呈している。

[編集] ナティビター・デ・ラ・マレ・デ・デウ聖堂

ドゥロの町は南側の山腹にあり、標高は1386m である。ナティビター・デ・ラ・マレ・デ・デウ聖堂(Nativitat de la Mare de Déu de Durro)は半円筒状ヴォールトとスレートの屋根を持つ単独の長いけれども狭い身廊で構成されている。元来あった後陣は現在聖具室になっている。北側の二つの礼拝堂が加えられ、北東端には5階建ての鐘楼がある。 建てられたのは12世紀だが、それ以降度々改築されており、完成当時の面影はほとんど残っていない。内観は後に改築されたバロック様式のものである。

1983年に聖堂の修復工事が行われ、1994年には鐘楼も修復された。

[編集] サント・キルクの庵

Sant Quirc de Durro

サント・キルクの庵(L'ermita de Sant Quirc de Durro)は、ドゥロ近くの岩だらけの場所にある。南側に入り口があり、小さな身廊と後陣がある。西端には背の低い鐘楼がある。外側から入れる屋根裏部屋は穀物倉として使われていたとも考えられている。

[編集] 登録基準

Template:世界遺産基準

[編集] 出典

[編集] 外部リンク

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最終更新 2009年8月2日 (日) 15:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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