パリトキシン

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パリトキシン
別名 パリトキシン
分子式 C129H223N3O54
分子量 2680.13 g/mol
CAS登録番号 [11077-03-5, 77734-92-0, 7734-91-9]
形状 アモルファス

パリトキシン (Palytoxin) C129H223N3O54は、海産毒素の1種。非ペプチド性の化合物ではマイトトキシンに次ぐ猛毒である。もともとはシガテラ中毒の関連毒素と考えられていたが、現在はアオブダイ食中毒の原因物質として同定され、1971年に初めて単離された。パリトキシンという名前は、スナギンチャク (Palythoa) から分離されたことに由来する (paly+toxin)。

目次

[編集] 毒性

フグ毒として有名なテトロドトキシンよりも強く[1]、マウス投与 LD50 0.15μg/kg[2]尚、テトロドトキシンはマウス投与 LD50 8μg/kg。

[編集] 構造

CPKモデル

多糖類やタンパク質といったポリマー系の生体高分子ではなく、構造式が正確に定まるような天然有機化合物の中では最大の部類に入る(分子量2681)。かつ、毒性も海産系最強のもののうちの1つである。このパリトキシンと同様、サイズが大きく強力な毒素としてマイトトキシンがある。 1994年テトロドトキシンやマイトマイシンの合成などの業績で知られる岸義人らにより構造決定及び全合成が成された[3]

[編集] 作用機序

ナトリウムチャネルに対し何らかの形で作用して、細胞膜のナトリウムイオン透過性を増す。フグ毒のテトロドトキシンの作用と反対である。主症状は筋肉痛や麻痺・痙攣等と言われている。重症になると呼吸困難や不整脈、腎障害等が見られる。パリトキシンは、人間の冠状動脈に対して極度の収縮作用があり、それが人に対する致死原因になると考えられている

[編集] 動態

環境中でのパリトキシンの動態はまだ完全には解明されていないが、パリトキシン類縁体の第一生産者は有毒渦鞭毛藻(Ostreopsis siamensis)であると考えられている。スナギンチャクには褐虫藻などが共生しているのが分かっており、そういった藻類からスナギンチャクにパリトキシンが蓄積される、という経路が1つの選択肢である。そしてアオブダイはスナギンチャクを餌として捕食するので、結果としてアオブダイにパリトキシンが溜まり、そのアオブダイを人間が食べると中毒を起こす、と考えられている。なお、加熱しても毒性は失われない。

[編集] 発見

1971年にハワイ大学の研究者によりスナギンチャクから発見されたが、そのスナギンチャクの住む入り江には、サメの歯を背中に持つ男を殺したために海水が毒を持つようになったという伝説があった[4]。詳しくは外部リンク先を参照。分子量が大きいために、その正確な決定が困難だったが、1976年252Cf(カリホルニウム-252)を使うプラズマ脱離法質量分析(PD)により決定された[5]

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  1. ^ 腔腸動物の毒パリトキシンファルマシア Farumashia 18(3) pp.181-185 19820301社団法人日本薬学会
  2. ^ 藍藻毒の分析日本分析化学会PDF
  3. ^ E. M. Suh, Y. Kishi: (1994) Synthesis of Palytoxin from Palytoxin Carboxylic Acid. J. Am. Chem. Soc. 116, 11205. DOI: 10.1021/ja00103a065
  4. ^ Science 30 (1971) pp495 - 498
  5. ^ J.Mass Spect., Ion Physics 21 (1976) pp81

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年6月19日 (金) 05:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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