ヒゲダンス

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ヒゲダンスは、ザ・ドリフターズ加藤茶志村けんが中心となって、1979年からテレビ番組「8時だョ!全員集合」のコントコーナーで披露した、大道芸の要素を取り入れたダンスである。

目次

[編集] 概要

2人は燕尾服に付けの扮装で、腕をまっすぐに下ろし手首を外側に90度向けるというペンギンに似た姿勢を取り、"Do Me"の軽快な音楽に合わせ無言で膝を大きく曲げながら歩き回る踊りをしつつ、様々な芸に挑戦する(難易度が高くなるほど志村の演技がオーバーになる)。ここで、加藤茶の役はボケで基本的に失敗をし、志村けんの突っ込みに対して笑いを取り、続いて志村による芸の成功により拍手を得るかと思ったところで、芸の種をわざと暴露させ、更なる笑いを取る、という構成が多く取られていた。

時折、ゲストとの3人ヒゲダンスも行われた。「全員集合」では、前川清沢田研二小柳ルミ子榊原郁恵郷ひろみなどもヒゲダンスに参加した。二枚目男性や美人歌手が珍妙な付け髭姿で踊るというシチュエーションは、レギュラーの加藤・志村コンビの演技とは違う意味で視聴者の笑いを誘った。

ヒゲダンスは、1979年から暫くの間、子供だけでなく大人の間でも会社の忘年会や新人歓迎会の芸にも使われる程の大ヒットを飛ばした。軽快な音楽に合わせて比較的簡単に場を盛り上げられる芸であったことが、人気の一因と考えられる。永谷園からはヒゲダンスふりかけ(「味ぶし」、「鮭っ子」等)が売られる程の人気であった。「8時だョ!全員集合」にゲスト出演した三船敏郎もアドリブでヒゲダンスを披露し、ドリフターズメンバーや観客を驚かせたことがある。

テレビ番組「全員集合」内でのヒゲダンスそのものはあまり長く行われていたわけではなく、1980年9月20日の放送を最後に終了した。しかし視聴者に与えたインパクトは大きく、ヒゲダンスキットは現在でもパーティグッズの定番の一つとして市販されている。1995年には、ヒゲダンスのBGMである『「ヒゲ」のテーマ』が8cmシングルCDとして再発された。2004年の暮れには、黒木瞳と志村けんの組み合わせによるヒゲダンスがNHKのリバイバル企画番組中で披露され、その後2005年10月のTBSの50周年記念番組「名番組だヨ!全員集合」でもリバイバルされ、番組中で優香ベッキーえなりかずき中居正広が体験している。

[編集] ネタ元

もっともこのネタそのものは、大阪の芸人Mr.ボールドの持ち芸(一輪車に乗り、客にリンゴなどを投げさせ、口にくわえたフォークでキャッチして見せるなど)の盗用である。

Mr.ボールドは、志村たちの舞台の前説をこなしていた時期がある。両手を上下させながら脚を踏み鳴らし、前後に身体を往復させる仕草は、一輪車に乗ったMr.ボールドがバランスを取るためにする仕草をそのまま真似したものである。大きな口髭やタキシードも、本来Mr.ボールドのトレードマークである。

このヒゲダンス流行後、Mr.ボールドは自らの舞台で「ドリフの真似だ、パクリだ」との理不尽な罵りを受けねばならなかった。

このヒゲダンスの振り付けは、「私が考えました」と、「おしゃれカンケイ」などで藤村俊二本人がコメントしているが、2008年4月18日放送のNHKFM「邦楽ジョッキー」の中では一転して否定している。「ヒゲダンスは藤村のトランクにあったヒゲを加藤と志村が拝借したことで生まれた」との説もあるが、藤村も加藤や志村とともにMr.ボールドの舞台を間近に見ていた一人である。

スタイル自体は、1930年代にハリウッドのドタバタ喜劇映画で活躍したマルクス兄弟の一人、グルーチョ・マルクスにまで遡れるという小林信彦の指摘もある。グルーチョは付け髭でなく墨で書いた髭とゲジゲジ眉にぼさぼさの頭という姿で、タキシードやモーニングなどの仰々しい服をだらしなく着込み、葉巻をくわえて尊大に振る舞いつつ、不条理なスラップスティック演技を見せた。そのスタイルはのちの加藤・志村のヒゲダンスファッションに非常に似通っている。つまり、Mr.ボールドの持ち芸に、グルーチョの要素を混ぜ合わせたものが「ヒゲダンス」ということであろう。

[編集] 芸の一覧

バケツ
水を入れたバケツを勢いよく垂直方向に円運動させ、遠心力により水をこぼさずにおく芸。ロープをつけて水平にまわすこともあった。勢いが弱かったり、途中で円運動を止めたりすると、演者は水をかぶることになる。この時、相方が空のバケツを振り回し、あえて真上で止めることを行い、それを真似したほうが水をかぶるということもあった。
バランス棒
長さ1メートルほどの棒の先端に正方形のアクリル板が張り付いた道具を用い、アクリル板の上に水を入れたコップを乗せる。ほうきバランス(ほうきの柄を指先に乗せてバランスを取る遊び)の要領でコップが乗った棒を指先でバランスを取り、支える芸。最終的には棒が3本、4本と継ぎ足され、5メートル近い高さでコップの乗った棒を支える。
フルーツ、サーベル受け
リンゴミカングレープフルーツといった果物を一人が投げ、もう一人が手に持ったサーベルや口にくわえたフォークで突き刺し、受け止めるという芸。投げる代わりにシーソーを用いて果物を飛ばすこともあった。
最近の番組で、たまにヒゲダンスを披露する時は、必ずこの芸である(やりやすいから?)

ちなみにヒゲダンスの背景がレンガ壁のようになっているのはこの芸の際、投げた物の高さや飛距離を観客・視聴者に分かり易くするためである。

階段
吹き矢
フラフープ

[編集] BGM

ソウル・ミュージックを好んで聴いていた志村の推薦により、テディ・ペンダーグラスの「Do Me」のベースラインを強調したBGMを独自に作成(編曲は「8時だョ!」の音楽担当であったたかしまあきひこ)。『「ヒゲ」のテーマ』としてレコード化(のちにCD化も)される人気を誇った。

レコード・CD

  • Do Me(ケニー・ギャンブル&レオン・ハフ:作曲 テディ・ペンダーグラス(en:Teddy Pendergrass):歌唱)
  • 「ヒゲ」のテーマ(たかしまあきひこ&エレクトリック・シェーバーズ)

※なお、前座の短い音楽はそもそも番組オーケストラが演奏するニ長調のものである。

[編集] その他

  • 1979年に放送されたテレビ朝日モスクワ五輪賛否を問う長時間番組で流れたこともある。
  • カージナルス台湾へヒゲダンスの偽者として営業に行ったことがある(現地業者の指示で、本人達は最後まで、自分達は本物だと言い張っていた)。
  • コナミのアーケードゲーム「Dance Dance Revolution 4thMIX」の曲目にDO ME -HIGEO MIX-があり、プレイ中の背景グラフィックにヒゲダンスをイメージしたキャラクターが使われた。
  • 三菱・RVR(2代目前期型)のCMソングとしてDO MEが使われたこともある。
  • 麒麟麦酒「淡麗グリーンラベル」のCM(志村も出演している)では志村を含むメンバー全員がヒゲダンスを行なっており、BGMもDO MEが使用された。

最終更新 2009年10月18日 (日) 10:07 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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