ピグミー

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ピグミー(右)及びヨーロッパ人(左)の身長比較

ピグミー (Pygmy) という用語は、一般的に矮小な人種や動物に適用される(たとえばピグミーマーモセットなど)。ギリシャ伝説中に現れる小人族ピュグマイオイ(pygmē=肘から拳までの長さ 約35cm)が語源となっている。

人類学上、ピグミーとは特に身長の低い(平均1.5メートル未満)特徴を持つ、赤道付近の熱帯雨林に住む狩猟採集民族のことを意味する。ピグミーは中央アフリカ全体、また少数ではあるが東南アジアにも存在している(ネグリト)。ピグミーの中には固有の部族名(たとえばバカやムブティ)でなく「ピグミー」という用語で呼ばれることを侮蔑的だととらえる向きもある。

最も人類学的研究の進んだピグミーはコンゴ民主共和国のイトゥリの森に住むムブティ族である。コリン・ターンブル Colin Turnbull は著書『森の民~コンゴ・ピグミーとの三年間~ (The Forest People) 』 (1962) の中で彼らを主題とした研究成果を示している。アフリカのピグミーにはムブティの他にアカ族、バベンゼレ族、バカ族、ビンガ族、エフェ族、、トゥワ族、ウォチュア族などがある。中央アフリカ共和国では身長に対してだけなく部族そのものについて、ピグミーではなくバヤカ族という呼称が好まれている。

ピグミーは他の民族と異なり、10代はじめに身長の成長が鈍化する傾向にあり、そのため成人の身長が低くなる。これらは環境への適応のためであり、小島や密林といった隔絶された環境に応じ、人間以外の種の中で独立して進化したものである。自然淘汰により、ピグミーの祖先が生きた環境はかれらの身体サイズを多世代にわたり減少させてきた。そして今日、その遺伝子が優位性を占めている。

コンゴ共和国にあるピグミーの家は木ぎれと葉っぱで建てられている

アフリカのピグミーは集団、即興による複雑なポリフォニーが特徴的な声楽によってよく知られている。Simha Aromはピグミー音楽の多音の複雑さは、中世ヨーロッパのアルス・ノヴァのポリフォニーとよく似ていると指摘している。ピグミー音楽に用いられるほとんどの楽器は単純かつ実用的なもので伝統的なノマディック(放浪的)ライフスタイルに似つかわしい。ピグミー社会は平等主義で有名である(おそらく空想的に描かれたもの)。彼らはよく理想郷と未開社会の両者を包含するものとして空想的に描かれ、彼らが長期にわたり、ピグミー以外の「より近代的な」集団(近隣の村落、農場経営者、材木会社、宣教師、狩り場に侵入するハンター)と関係を持ち続けてきたことを見落としがちである。アフリカのピグミーは独自の言語は持っていないが、周辺のピグミー以外の言語(バンツー語など)を話す。

コンゴ共和国のピグミー家屋の内部
アフリカピグミーとヨーロッパの探検家

コンゴ共和国のサンガ (Sangha) 川沿いのウエッソ (Ouesso) とポコラ (Pokola) のちょうど中央付近にあるピグミーの家は、棒きれと葉っぱで建てられており、とても狭く、木製のベッドと棚のような基本的な家具だけがある。熱帯雨林では夜間の冷え込みが厳しいため、内部には囲炉裏が設けられており、トウモロコシやその他の果物を蒸留して酒を造るために使われている。彼らはまた非常に有能な猟師でもある。

アジアのピグミーとしてはフィリピンのアグタ族 (Agta) とバタク族 (Batak) 、マレー半島のセマン人 (Semang) 、アンダマン諸島の先住民などが知られている。

学者の中にはホモ・フローレシエンシスとしてピグミーを分類するものもいる。しかしホモ・フローレシエンシスについての情報と種の命名に関する原則から考えて、この分類は不適切といわざるを得ない。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
  • Baka Pygmies Culture, music and life of Baka Pygmies, by Mauro Campagnoli

最終更新 2009年10月31日 (土) 16:58 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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