ピット (サーキット)

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左側が通常のコース、右側がピットレーン(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)。

ピット(pit)とは、サーキットに設けられている施設である。

ピットで作業をすることを指すピットストップについてもこの項で記述する。

目次

[編集] 場所

通常はメインストレートの内側に存在するが、外側にある場合もあり、まれにスウェーデンアンデルストープのように、地形の制約などで、それ以外の位置に存在することもある。また、ピットレーン内の走行に関しては、速度制限が設けられており、速度制限をオーバーするとペナルティなどを科せられたりする(レーンの入口と出口には白線が引かれていることが多い)。

[編集] ピット作業

ピットで行われる作業は、レースカテゴリーごとで違うが、レース中は主に、競技車両のタイヤを交換したり、燃料を給油したりする。また作業する時間が非常に短いため、一つのミスがレースの行方を左右すろ場合もある。走行が終われば競技車両の修理などが行われる。

[編集] フォーミュラ1

フォーミュラ1の場合1回のピット作業で約20人が同時に作業する。かかる時間は給油量によるが、ミスがなかった場合、速くて6秒程度、長くても10秒程度で作業する。

[編集] ピットクルー

  • ロリポップマン(1人):ロリポップと呼ばれる棒を持ち、ドライバーに停止位置を示したり、発進時期を示したりする。
  • ジャッキ担当(前後1人ずつ、合計2人):ジャッキを使い車両を持ち上げる。F1マシンは重量が軽いため(約600kg)、ジャッキで持ち上げられる。
  • タイヤ交換(1つのタイヤにつき3人、合計12人):1人はインパクトレンチを使い、タイヤをとめてあるナットを取り外し、新しいタイヤをナットでとめる。1人はナットを取ったタイヤを外す。1人は新しいタイヤをはめる。ただし、ルノーのように、一人がインパクトレンチとオールドタイヤを取り外す役目でもう一人がニュータイヤを取り付けるというふうにひとつのタイヤに2人の場合もある。
  • フュールマン(3人):燃料給油を担当する。1人は給油ホースの先端のリグを持ち、給油が終了するときに抜く。もう1人がその給油ホース先端を持つクルーとホースを支え、もう1人は給油ホース全体を支える。
  • 消火器マン(数人):燃料の給油口は、高温になっているエキゾーストの近くにあるので、燃料が漏れ、エキゾーストに触れると発火するので、発火した際すぐに消火できる様、消火器を持ち待機する。
  • スターターマン(1人):フォーミュラカーにはスターターが内蔵されていないので、エンストした場合に、スターターを使いエンジンをかける。

ほかにも、インテークのゴミを取り除いたり、フロントウイングの角度を調整するなど様々なことが行われる。

[編集] フォーミュラ・ニッポン

フォーミュラ・ニッポンでは作業できる人数がF1に比べ限られていて、日本レースプロモーションの定める内部規則で1台あたり最大8名(日本自動車連盟によるフォーミュラ・ニッポン統一規則では最大12名)と限られている。

[編集] ピットクルー

  • ロリホップマン(1人)
  • タイヤ交換(3人)3人で2つのジャッキアップダウンと、4つのタイヤ交換をしなくてはいけないため、前ジャッキ→右(左)前タイヤ→右(左)後タイヤ→後ジャッキ→左(右)後タイヤ→左(右)前タイヤ→右(左)前タイヤ(前ジャッキ)と、クルーがマシンの周りを回るようにして作業する。

前タイヤから前タイヤに移動する場合は、マシンの前を迂回していくと時間がかかるため、レーシングカーのノーズ部分に手を突き、 軽業師のようにレーシングカーを跳び越すのが一般的である。

  • フュールマン(2名):1人は燃料給油用ホースを、1人は燃料タンク内の空気抜き用ホースを持つ。
  • 消火器マン(2名)

[編集] SUPER GT

ARTAのピット作業。

SUPER GTでは作業できる人数が限られていて、全員が同時に作業をすることが認められていない。また、SUPER GTは2名のドライバーで1台のマシンを運転するのでドライバーの交代も同時に行われる。

[編集] ピットクルー

  • ジャッキマン:GTカーは市販車を改造したものなので、車重が重く(約1,100kg)機械的なものでしか持ち上がらないため、エアジャッキが内蔵されていて、エアジャッキに空気圧を入れるホースを差し込む。タイヤ交換が終了すると、ホースを抜き、ドライバーに発進を示す。
  • タイヤ交換(右側のタイヤに1人、左側のタイヤに1人、合計2人)
  • フュールマン(1人)
  • 消火器マン(数人)

ほかに、フロントガラスを拭くなどが行われる。作業は、タイヤ交換と燃料給油は同時に行うことが出来ない。しかし、前タイヤのみ、後タイヤのみの交換も可能である。

[編集] NASCAR

NASCARにも作業人数の限定があるが、全員での同時作業は認められている。しかしウォールの外側からの補助が可能になっているのが特徴。

[編集] ピットクルー

  • ジャッキマン(1人):エアジャッキなどの使用は禁止で、ガレージで使われるような油圧式ジャッキで片側ずつ持ち上げる。片側とは言え、車重が1560キロある車体を2ストローク半でタイヤが抜ける高さまで持ち上げるという重作業である。
  • タイヤ交換(前後2名ずつ):片方はインパクトレンチでタイヤの脱着と古いタイヤの取り出し、片方が新品タイヤのキープと、外された古いタイヤをウォール外へ転がしていく役目である。レギュレーション上車体が片側ずつしか上げられないため、外側→内側と行う。
  • 燃料補給(2名):片方が燃料を入れ、もう片方が2本目の燃料缶を持つ。1本12ガロン(約37キロ)を担ぐという厳しいポジション。
  • エキストラマン(1名):フロントウィンドウの捨てシールド剥がし、フロントバンパー開口部のゴミ落とし、ラチェットレンチを用いてシャーシーアジャストなどを行う。
  • サポートクルー(2~3名):ウォール外から右サイド用タイヤを用意するなど、ピット作業の補助を行う。

[編集] ペナルティ

レース中の反則についてはピットレーンを通過することで、科せられることが多い。ピットレーンは制限速度が設けられているためタイムロスをさせるのが目的である。

[編集] ドライブスルーペナルティ

ピットイン・アウト時に白線を踏むなどの軽い反則に対して、科せられる。ピットレーンを通過しなくてはならない。その際はピット作業をしてはいけない。ただしNASCARのように同時にピット作業が認められている珍しい例がある。

[編集] 10秒ストップペナルティ

ピットレーンがオープンとなる前に給油をした(F1)など反則に対して科せられる。ピットレーンを通り、通常のピットインのときに止まる場所、または、決まられた場所で、10秒間停止しなくてはならない。

[編集] ピットに関する用語

2005年アメリカグランプリB・A・Rのピットガレージ内
  • ピットイン:競技車両がメインコースからピットレーンに入ること。
  • ピットアウト:競技車両がピットレーンからメインコースへ出ること。
  • ピットレーン:ピット上の通路。ピットロードとも言う。ピットレーンの入口には白線が引かれており、白線を通過後は速度制限をオーバーするとペナルティが科せられる。ピットレーン内で、バックギアを使用して後進することは認められていない。そのため、ピットガレージに入れるときなどは、クルーが押して入れる。
  • ピットガレージ:主に競技車両の修理や各種作業を行う場所。壁面などはスポンサーの広告が描かれていることが多い。
  • ピットウォール:メインコースとピットエリアとを分ける壁。また、そこに設置されている、チームごとの場所。
ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年6月12日 (金) 13:00 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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