ファーストパーソン・シューティングゲーム

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ファーストパーソン・シューティングゲームFirst Person Shooting, FPS)とは、シューティングゲームの一種で、画面に登場する主人公の視点でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームのこと。 アメリカではファーストパーソン・シューターFirst Person shooter)と表現する。「一人称視点シューティングゲーム」と訳される。また、「ファーストパーソン・シューティングゲーム」という呼称が定着する以前は「3Dシューティングゲーム」や、「DOOM系シューティングゲーム」などと呼ばれており、現在でもそのように表現する人も少なくはない。

広義ではフライトシミュレータのうちの空中戦主体のものや、拳銃型コントローラで画面中の敵を狙い撃つガンシューティングゲームも含むが、ここでは狭義でのFPSについて解説する。

目次

[編集] 概要と歴史

最初期のFPS製作技術で作られたゲームの画面。高さの概念が無く、背景以外はすべて平面で表現される(『FreeDoom』)

狭義では、画面に登場する主人公の視点(一人称視点、first-person point of view)でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、拳銃といった武器、もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームを指す。作品によってはレベルが上がったりストーリーを進めるといったRPGのシステムが添加されているものもあるが、前述した条件を満たせばFPSと言える。

1973年にアメリカで発表された『Maze War』、1974年に同国で発表された『Spasim』を始祖とする(ただし『Spasim』は一種のフライトシューティングであって、狭義でのFPSではない)。

id Software1992年に発表した『Wolfenstein 3D』によってFPSというジャンルが確立され、そして1993年に同社が発表した『DOOM』の世界的ヒットにより、FPSは一気にゲームジャンルとして定着、その後は「DOOMクローン」と呼ばれる粗雑な(もしくはより素晴らしい)類似品が多数出回るようになる。この時点でFPSはスプライトを用いた擬似3Dアクションで、マップこそ高低差はあったが照準を上下させることはできず、敵がどの位置にいようがその方向を向いて攻撃すれば弾が命中するようになっていた。現代的な完全3DのFPSが作られたのはその後の1996年、同社から発売された『Quake』が初めてとされる。

ただし『Quake』でも一部武器には上下方向のみ自動照準が作動するようになっており、これは当時マウスによる照準の操作が一般的でなく、上下方向の振り向きもキーボードで行っていた人への救済処置である。現在では振り向きはマウスのみで行うのが一般化されており、現代リリースされているFPSで上下に対してのみ自動照準が搭載されているゲームソフトはほとんど存在しない(上下左右で自動照準が作動するものはコンシューマー系に多く存在する)。

それから数年後の1998年、Epic Games社から発売された『Unreal』がグラフィックの品位を引き上げ、同年末に発売されたValve Software社の『Half-Life』は、それまで基本銃撃戦のみだったFPSというゲームジャンルにストーリー性と謎解きを加味し、現代FPSの原型となった。

このような理由から、『Quake』、『Unreal』、『Half-Life』の三本は「FPS三大作品」として認知されており、それぞれ続編などが作られ、現役で高い人気を誇るシリーズである。

他にもFPSの在り方を変えた存在としてシングルプレーをマルチプレーと同様の物とし、シングルプレーよりマルチプレーをメインとしながらヒット作となった『Unreal Tournament』、『QuakeIII』(共に1999年発売)や、元はMODで有りながらゲームシステムを完全に改変し、奇跡の一品とまで言われた『Counter-strike』なども挙げられる。

新規開発のエンジンを搭載し、次世代のグラフィックと呼ばれた『DOOM3』と『Half-Life2』の2作品も、FPSとしての評価は別として、FPSに関わらず3Dゲームのグラフィックレベルを一気に引き上げた作品である。

日本では当初、これらが洋ゲーの一種として輸入され、一部のマニア層に愛好され、当時のパソコン用ゲーム雑誌などに特集が組まれるなど、徐々に知名度を上げた。また、その他のジャンルとは異なり家庭用ゲームよりも主にパーソナルコンピューター用に特化して発展を続けたため、このジャンルのゲームをプレーしていたのは主にハードコアなコンピューターユーザーが基本であったが、現在では家庭用ゲーム機の高性能化に伴い、各種据え置き機や携帯ゲーム機でもリリースされ、高い販売成績を上げている作品も登場している。世界では通常の2Dアクションやパズルゲーム、RPG等と並び、コンピュータ・ゲームの一大ジャンルとして認知されており、高い人気を誇っているが、それでも日本での知名度は他のジャンルと比較して未だ低い状態である。

また、FPSはプログラムの方法によっては訓練シミュレーターとしても有効であり、一部では訓練用プログラムの一部としてこのジャンルのソフトウェアを取り入れている国や軍隊も存在する。

[編集] 一般的な操作方法やアクション

作品によって異なるが、大半のFPSでは以下のようなアクションが導入されている。以下に記述するのはFPSがゲームとして成立するために最低限必要なアクションであるため、作品によってはさらに複数のアクションが搭載されているのも珍しくは無い。

照準の操作
プレイヤーはマウス、もしくはキーボードを用いて照準を操作する。しかし現在ではキーボードで照準を操作する事は前提になっておらず、殆どのソフトでは照準操作の初期設定はマウスのみである。通常、照準は常にキャラクターの視界中心に位置するようになっており、照準を動かすことはすなわち体の向きを変えることになる。なお、照準の操作でキャラクターの位置は移動されない。
「W,A,S,D」はFPSで最も多用されるキャラクタ操作に用いられるキーである。
移動
現在地を移動するにはキーボードを用いて操作するのが基本である。キーボードのカーソルキーか「W,A,S,D」もしくは「E,S,D,F」等(左手の人差し指、中指、薬指で操作しやすい位置)のキーが多用される。一般的に移動は体の向きに影響を与えず、左右への入力は正面を向いたままカニ歩き(サイドステップと言う)をする状態、前への入力は前進、後ろへの入力は正面を向いたままの後退である。
ジャンプ
その場で跳ねる。主にキーボードのスペースキー等(左手親指の操作しやすい位置)や、マウスの右クリックに割り当てられている。ジャンプは照準の操作や移動と併用することで足場を上ったり、激しい上下運動で敵の狙撃から逃れることに使われる。当然ながら作品によって飛ぶ高さや挙動は異なる。
エイミング
狙いを定める事。照準の操作および現在地の移動を組み合わせて行なう。
銃撃 / 打撃
持っている武器で攻撃する。主にマウスの左クリックや右クリックに割り当てられている。鈍器の場合は殴りつけ、銃器の場合は引き金を引く。作品によっては通常攻撃のほかに近接攻撃ボタンが用意されているものもあり、必ずしも接近戦用の武器を所有していなくても殴ったり蹴ったりできる物もある。また、一つの武器に二つの攻撃方法(プライマリショット、セカンダリショット)がある作品も複数見受けられる。
リロード
弾薬やエネルギーを用いて使用する武器の場合、弾薬のリロード(再装填)を行う物もある。殆どの場合、「R」キーに初期設定されている作品が多い。リロードには数秒の時間を待たされる上、リロードをしている間は攻撃できないのが一般的であり、無防備な状態である。特に対戦物のFPSでは互いのリロードタイミングが勝敗の鍵を握る重要な要素の一つである。

[編集] 各作品傾向による種別

[編集] スポーツ系とリアル系

現在発売されているFPSの多くは、そのゲーム性から「スポーツ系FPS」と「リアル系FPS」との2つに分けることが出来る。

「スポーツ系FPS」はドッジング(緊急回避)、ウォールジャンプ(壁蹴り大ジャンプ)、ロケットジャンプ(爆風を用いた大ジャンプ)に代表される派手なアクションとスピード感、そして現代の科学水準では到底実現不可能な未来的武器が登場する事が特徴的である。

「リアル系FPS」は現実に実在する銃器か、それを模したものが登場し、なるべく現実的な移動速度が設定され、一撃必殺の緊張感を売りにした物である。

前者はSFファンタジーを題材にした作品、後者は実在の戦争特殊部隊をモチーフにした物が多い。

もちろん全てのFPSがこの2つに分類されるわけではなく、移動が素早く一撃必殺の緊張感を持った物や、移動は遅いが一撃のダメージは少ないもの、現代的な世界観やゲーム設定であるのにビーム銃が出てくるものなど、スポーツ系の要素とリアル系の要素を併せ持ったようなものや、『Elebits』のように全く独自のシステム・ゲーム性を持ったものもある。

また、作品によっては車や戦闘機が登場し、実際に乗り込んで戦ったり、初期装備で背中にジェットパックが付いており、ダイナミックに空中を飛行しながら銃撃しあう物もある。どちらの系統を意識してゲームが設計されたかによって、同じ種別の乗り物であっても操作感はまったく異なる。

[編集] MMOFPS

FPSのオンラインゲームにおける一ジャンルとして、MMO(Massively Multiplayer Online)と呼ばれる「多人数同時参加型オンライン」の要素を取り入れたMMOFPSも登場している。これは同様にオンラインゲームの一ジャンルであるMMORPGのFPS版とも呼べる内容であり、通常のFPSのネットワーク対戦よりもさらに多数のプレイヤー(時に数百人~数千人規模)が恒常的に展開される仮想空間にいつでも参加してプレイできるタイプのゲームである。ただしMMORPG系と違い、FPSではラグが致命的となるため、1サーバーで多数のクライアントを抱え、ラグが出やすい状況にならざるを得ないMMOFPSは一般化されているとは言いにくい。

[編集] FPSのパズルシーン

FPSでは単に敵が出てきて銃撃を繰り返すだけではなく、特定の場所を狙撃してスイッチを作動させたり、箱などを引きずってきてそれを足場に普通届かないところにジャンプするといった、アクションパズルのシーンが含まれているものもある。

これは隠しアイテムを手に入れたり、隠しステージへ行くための手段としてそのようなパズルシーンが仕込まれていたり、ゲーム本編そのもので、謎を解かなければ先に進めないといった物もある。しかしパズルシーンはゲームのテンポを停滞させることもあり、嫌う人も多い。一方で、ここ最近ではそのパズルを解くという事だけを純粋に求めた作品なども登場している。

[編集] サードパーソン・シューティング

FPSと同じようなシューティングゲームのジャンルには、TPS(サードパーソン・シューティングゲーム Third Person Shooting Game)という、俯瞰する視点(三人称の視点)から主人公を操作するタイプのゲームがある。ゲームによっては、視点を一人称と三人称の両方に切り替え可能なゲームもある。

広い定義で見ればTPSの歴史は古く、三人称視点という点において映像を立体的に描き出す必要はなく、二次元上で製作することも可能であるため、コンピューターやゲーム機が3Dを用いる事が可能になったよりも遥か以前から存在する。しかし最近ではプレイヤーの後方から追従する形式の視点の作品が多く、近年でTPSと言えば、もっぱらプレイヤーキャラクタを常に視認できる3Dアクションシューティングゲームの事を指す。

[編集] 主なTPSシリーズ

[編集] 家庭用ゲーム機とFPS

家庭用ゲーム機におけるFPSの歴史は古く、ファミリーコンピュータメガドライブスーパーファミコン等(第3~4世代)、現在と比較して非常に低機能の機械上でも極少数リリースされていたが、本格的に生産されるようになったのはプレイステーションセガサターンニンテンドウ64などの3DCGを利用可能なゲーム機が登場した1990年代中盤以降(第5世代)からであり、この時期からFPSあるいはFPSに近い主観視点の日本製ゲームソフトも少なからず制作されはじめるようになる。しかしこれらは日本のプレイヤーにはあまり受け入れられず、普及することもなかった。単純にゲームとしてのおもしろさに問題があるものも少なくなかったが、それ以上に「ともかくマニアックで難しいゲーム」という印象が強くなりすぎたことも大きな要因のひとつである。ただし、操作を事実上照準と射撃に限定したガンシューティングは、FPSの登場以前から一定の人気を博しており、最近では回避動作や移動ルート選択の要素を盛り込んだFPSに近いものも登場している。

鎧のような物を着用した骸骨。良くも悪くも西洋ならではのキャラクターセンスである。(『Nexuiz』)
家庭用ゲーム機XBOXで『Halo1』の対戦モードを起動している写真。

当時よりFPSのほとんどは西洋製で、日本人には馴染み薄いデザインセンスは従来よりアメリカンコミックスなどをよく読んでいた極一部の層ならばともかく、日本でのキャラクターデザインはアニメ調の物が多く、この大きすぎるギャップがFPSに対して強烈なまでにマニアックな印象と、敬遠を与える材料となったのは言うまでもない。しかしこれらはユーザーに対する広報の方法にも問題があり、家庭用ゲーム機ニンテンドウ64のソフトとして発売された『ゴールデンアイ 007』、その続編的な『パーフェクトダーク』については日本でもそれなりにヒットした事から、日本でのFPSの販売不振については販売代理店の側にも問題があったと言えるだろう。

より大規模に家庭用ゲーム機でFPSが作られるようになったのは第6世代機となる初代XBOXの『Halo: Combat Evolved』以降である。この作品は当時売り上げ不調だったXBOXのキラータイトルとして大々的に宣伝され、売り上げ本数が世界で500万本を突破するまでに至った。しかしこの作品もまた日本での売り上げは他のゲームハードで同時期に発売されたソフトと比較して売り上げは良くなく(そもそもXBOX自体が日本で常に劣勢を強いられていたのも起因する)、実質日本国内での家庭用ゲーム機向けFPSの浸透度は依然低いままである。しかし『Haloシリーズ』や『ゴールデンアイ』の大ヒットにより家庭用ゲーム機でもFPSの浸透度は上がり、コンピューター向けに作られた作品の移植や完全新作などが多数出されるようになった。

PC版では改変が容易な事を利用したMODを導入するという楽しみ方も出来たが、コンシューマーではそれが不可能という問題もあった。しかしながら『Halo3』にて「フォージ」と呼ばれる自作カスタムマップが制作可能になったり、海外版プレイステーション3版『Unreal Tournament3』ではUSBメモリからMODデータをハードディスクへ導入する事が可能になっており(なぜか日本版ではこの機能がカットされた)、この壁も緩和される物と思われる。

[編集] コントローラーの操作難

一方で、それらすべての時代でFPSが家庭用ゲーム機に製作される上で常に問題視されていたのは映像表現やゲーム性よりも操作方法についてであった。それまでコンピューターでリリースされてきたFPSはマウスで素早く首を振り(縦軸の移動)、キーボードで歩く(平面の移動)ように作られており、これ以上無い洗練された入力方法の恩恵によりスムーズな操作を可能としていたのである。

Wiiリモコン。正面から見て左側の物の中腹部にある二つの突起がいわゆるアナログスティックである。

一方の家庭用ゲーム機のコントローラーは特別FPSを意識して作られたわけでは無かったため、従来より多く見られた単に平面的な動きのゲームには抜群の操作性を誇っていたが、FPSでは単にボタン数が足らなかったり、配置が適していなかったりなどコンピューターでプレーするよりも操作が逆に難しくなり、スムーズに操作できない不快な操作性など多数の難点を抱えていた。

特に問題とされたのは照準の操作についてで、マウスでは大きく動かすことで大胆に、小さく動かすことで精密に操作できる上、動かした際のスピードもそのまま反映されるため、楽にポインティングできるが、ゲームコントローラーにとりつけられたボタンアナログスティックでは動かすスピードも限られる上に精密な操作がしづらく、事実北米では家庭用ゲーム機の第5世代機時代(プレイステーション、セガサターン、ニンテンドウ64)に日本以上に多くのFPSが発売されたが、同様の理由から高い評価を受けたものは極めて少ない。

日本国内でも『ガングリフォンシリーズ』や『機動戦士ガンダム外伝シリーズ』など、ロボットを題材とすることで逆にあえて操作を難しいものにし、「操作」するよりも「操縦」する楽しみへ昇華させたものもあったが(極端に操作を複雑化した鉄騎がその最たる例である)、マニア受けはしたものの一般化するには至らなかった。また、それら「操縦が難しいFPS」はロボットアクションという別ジャンルのゲームとして認知されているのが通常である。

上記のような理由から、いくら知名度や市民権を得た上で家庭用ゲーム機上でFPSが作られたとしても、ゲームコントローラーの基本概念は2、30年前に発想された物から未だ進歩しているとは言いがたく、現代的なゲームコントローラーは三次元的で複雑な操作を要求されるFPSには絶対的に不向きであるとする意見が圧倒的に多い。こうしたコンシュマーにおけるFPS系ゲームの操作の難について、敵をある程度自動的にロックオンしたり専用のコントローラー(ジョイスティック等)に対応させるなどの模索が続いているが、どれも根本的な解決には至っていない。しかしながら海外でもコンシューマスタイルでのFPSやTPSがすでに市民権を得ており、作る側もすでにキーボード・マウスでの操作だけに依存することは出来なくなっており、より斬新な規格のゲームコントローラーが開発されない限り、ソフト側でのこれ以上の対応は難しいのも現状であるが、現在ではwiiリモコンやプレイステーション3のSIXAXISコントローラーなど、ボタン以外にもコントローラーを振って入力したり、画面に直接照準を合わせることが可能なデバイスも登場してきており、その方面の進化も次第に始まっている。また、FPSをある程度以上経験したプレイヤーの中にも、コントローラーによる操作の方が照準の難しさや振動機能により、マウスよりリアルだとして好んでいるプレイヤーも少数ながら存在している。[要出典]

近年ではゲームの開発費高騰などの理由から、家庭用機を主なターゲットとして制作されるゲームの割合も高く、コントローラーを前提としたバランス調整が行われることも多い。そうしたタイトルは「高速に移動しながら素早く照準を合わせる」という従来のPC向けFPSに比べるとスローテンポではあるが、PCや家庭用機の性能向上により映像のリアルさが増した為、移動速度を現実的に合わせ遅くしたとしても不満が出にくいとも推測される。

Unreal Tournament3』の様に家庭用機版ではPC版に比べ速度が低下されているものや、『CALL OF DUTY4』の様にアイアンサイト(照準器)を覗き込むと自動的に強度の照準補正が掛かるものなど、操作難易度を低減する試みも模索されている。

ちなみに、2007年8月に行われたEスポーツスタジアムの『Halo 2』大会ではキーボード+マウス使用者を抑えパッド使用者がそれぞれ1位と2位を獲得したが、同作はゲームパッド操作時のみ動作する、敵を自動追尾する機能が特に優秀にできている作品でもある点に留意する必要性がある。

[編集] FPSに求められるパソコン性能

FPSというジャンルのゲームはより美しい映像であるほど評価が高く、結果としてその映像表現を実現するために、実行するコンピュータへ要求する性能が他のジャンルのPCゲームの中でも桁違いに高い傾向にあり、あまりにも美麗なグラフィックを求める余り、最近ではゲームの発売時に存在できる最高性能のPCをもってしてもグラフィック設定を最高にして遊ぶ事はほぼ不可能な作品まで登場している(平均的なPCではグラフィックス設定を最低にしても作品もある)。

他のジャンルと比較して極端に高品位の映像技術を用いられるのがFPSの特徴である(『Dark Messiah of Might and Magic』)。

最初の「当時の最高スペックのPCでまともに動作しないゲーム」は初代『Unreal』(1998年)と言われている。これは当時のEpicのスタッフ側が最先端の技術を盛り込むことを最重要視しており、開発マシン(スタッフの趣味により一般レベル以上のフルチューンPCであった)で動作すれば良いと考えていたためで、一般消費者の入手しうる最高スペックPCでも重いゲームであった。ただし前年発売の『QuakeII』も相当重いゲームであり、こちらも海外の雑誌などで頻繁にベンチマークソフトとして使われるほどであった。初期の頃から既にFPSは常に高いコンピューターシステムを必要としていた事が伺える。

また、これらはゲームの発売後により高性能なハードウェアが開発・発売されることを意識して開発され、一種のゲームの延命措置や話題作りの一つとして意図的に行われている側面もある。「現状の性能に不満は無いが、もっと映像クオリティを向上させたいのでコンピュータを新調しよう」という意識をあえて促す、正直なところユーザーには決して優しくない販売手法とも言える。

こういったハイスペックを要求するゲームにおいては、単に「動作する」という事と、「快適にゲームが出来る」ということは同義ではない。特にオンライン対戦型のFPSにおいては、ほんの少しの処理落ちが発生してしまうだけで照準を合わせるのが困難になり、そのコンマ数秒の間に倒されたり、決定的な差がついてしまうてしまう事も多いからである。

[編集] ベンチマークとしての利用

コンピューターの中身を撮った写真。

一方で手軽にこれだけ高負荷をかけられ、簡単に手に入るプログラムというのはなかなか存在しないため、複数のシステム構成が異なるPC間で同じゲームのイベントシーンやマップを用いてフレームレート(実行速度=コンピューターの性能)を測定するベンチマークソフトの代わりに使われる事が多い。

3DMarkなどのベンチ専用ソフトとは違い、ゲームのワンシーンを用いて数値を測定するため、実際にゲームプレイ時と同じ状況で出されるスコアはより現実的で参考とできる度合いは高いとされる。しかしソフトウェアによっては最適なパーツの組み合わせというものがあり、例えば本来シングルコアプロセッサより高性能のはずのデュアルコアプロセッサ搭載のコンピューターではあまり快適に動作しなかったり、ほぼ同じ性能であっても特定の会社がリリースしているグラフィックボードシリーズだと高スコアが出るように調整されているなどの事例も幾つか見受けられる。

中にはこのベンチマークのスコアを1ポイントでも上げることを楽しみとしている人もおり、その為だけにコンピューターのパーツを複数用意し、微々たる組み合わせの変更、OSシステムの調整に始まり、究極はコンピューターの基板を直接空気ボンベの風にさらして冷やしたり、オーバークロックを試みる事もある。これもまた一種のゲームのプレー方法と考えることもできるが、これはコンピューターゲームの中でも極めて異質な楽しみ方である。

現在のところベンチマークとして良く使われるのは、ゲームの一部が無料で配布されている『F.E.A.R.』、1ライセンスで複数のPCに合法的にインストールする事が可能な『Half-Life2』、2007年末時点で最高負荷と言われる『CRYSIS』の体験版などである。また、ベンチマークとして使われることを意識してか、最初からベンチマーク測定モードが搭載されたゲームソフトもいくつか存在する。

[編集] FPSのネットワークプレイ

FPSにはネットワークを介した対戦モードが搭載されていることが多い。一回のゲームプレイ時間が他のゲームジャンルと比べて数分~長くても1時間程度(ゲームのルールによって異なる)と比較的短い上に、ネットワークRPGと違ってレベルを上げたりアイテムを集めるといった作業をしなくても楽しめる(一部FPSでは「アンロックアイテム」という形で経験値入手のアイテムもあるが)。これらの手軽さが人気となっている。

一般のゲームではネットに接続しないで1人、もしくは同一ハードを利用した多人数プレイを「オフラインプレイ」、ネット接続での多人数プレイを「オンラインプレイ」というのが一般的である。一方、PCを発祥とするFPSでは、1台のPCで2人以上のプレイができない(一部ゲームではスプリットスクリーンでのプレイも可能だが、ほとんど存在しない)ことや、LANによるオフラインかオンラインかよく分からない状況が存在すること、また本格的にGUIからの多人数プレイをサポートした『Quake』での表記法より、伝統的に1人でストーリーモードをプレイすることを「シングルプレイ」、ネット接続やLANでの多人数でプレイする事を「マルチプレイ」と呼称する。ただし1人でマルチプレイの練習をすることはシングルプレイと呼ばずに「マップを走る」や「BOTを撃つ」などと呼ばれる。

ゲームによってはシングルとマルチで全く別のチューニングを施されているため(例:シングルではリロードが存在、マルチでは存在しない『Quake4』など)、シングルとマルチは単純に同じゲームではない物も多い。

いわゆるボードゲームカードゲームとは違い、運による要素がせいぜい「最初に登場する位置」「復活時に登場する位置」「アイテムの出現タイミング」程度しかなく(タイトルによって異なるが)、プレイヤーの腕前が顕著に出るジャンルである。2007年現在、世界で最も遊ばれているネットワークゲームのジャンルの一つといわれている。

最近ではネットワーク対戦モードが搭載されたFPSも珍しくはない(『cube』。)しかし、腕前が顕著に出すぎてしまうという点で、新規プレイヤーが古参プレイヤーに対抗できず、負けがかさんですぐにやめてしまう人も多い。これは、初心者に対する救済措置が少ない作品がほとんどであることが影響している。強くなるには少しずつでも習熟するしか方法はない。

初心者は、常連による暗黙の了解を知らないがためにこれを破ってしまい、ゲームサーバーから追い出される(締め出し)事例も存在し、新規獲得数の少なさに拍車をかけている。

人気のゲームであれば日本国内に置かれているサーバーが多数存在し、サーバー間の距離による応答遅延はさほど感じないプレーが出来るが、国内で正式に発売されていなかったり、マイナーだったりコアなファンしかやらなかったりするゲーム、さらにはネットコードがLANに最適化されすぎ、応答遅延やパケットロスに弱いゲームであると、オンライン上ではまともにプレイできないゲームも存在する。また、言葉の壁にぶつかるケースもある。

現代の技術ではグラフィックスペックを落とせばPCが出せるfps数は大体同じになっている。余計に腕前、そして契約している回線とプロバイダーに左右されるpingが、決定的な差となる場合が多い。たとえば日本国内のサーバーではpingの最低と最高の差が50ms程度になることがある。pingの低いプレイヤーはpingの高いプレイヤーの50ms先を見ていることになり、突き詰めた勝負ではその50msで勝ち負けが決まってしまうこともある。例えばQuake系の多くのプレイヤーが「LAN環境(理論上pingが1桁msとなる)ではライトニングガン(射程は短いが、連射力が高く、発射と同時に命中判定が出る武器)の当たり方が違う(ネット対戦より良く当たる)」と答えるほどである。海外サーバーでプレイするとなれば、こちらのpingは3桁に跳ね上がる。こうなると画面上の敵が止まっていない限り、国内のプレイと同じ様に狙い撃っても当たらない。逆に低pingのプレイヤーは狙われにくい上に自分の弾はしっかり当たる。この様に海外サーバーでは同じゲームでもpingの差が大きく開く事で高ping側には過酷な状況でプレイとなり、スコアは当然低pingのプレイヤーが上位を連ねる事が多くなる。

同時に、ゲームシステムを無理やり改変して、完全に無敵、壁を突き抜ける弾丸(ゲームによっては最初から突き抜けるものもある)、透視能力、極端に高い跳躍能力、コンピューターによる照準の自動追尾などを行うチーター(不正行為を行うプレイヤー)も多く、問題視されている。そのためほとんどのゲームがPunkBusterGameGuardに代表されるアンチチートソフトを導入しているが、チーターとのいたちごっこは続いている。そのような検知システムに引っかからないゲームシステムの根本的な仕様を逆手にとって(影などの表現オプションを切って視認性を格段に向上させるなと)、少しでも有利に進めようとする人も後を断たない。しかし、ゲームの仕様を用いた裏技的な手法は、見方によっては一種の戦略でもあり、同時にコンピューターのパフォーマンス向上のためやむなく行っているケースもある。それでも基本的にチーターは普通にゲームをプレイしたい人たちにしてみれば単なる害でしかない。

一方、ゲームサーバーによってはそのようなありえないゲームバランスを最初から導入し、その混沌とした様をサーバーに接続した全員、もしくは限られた数人で楽しむプレイスタイルも存在する。

ちなみにゲームサーバーによって加えられたそのような改造は、基本的にはゲームクライアントに不正な改変が加えられるわけではなく、接続したそのサーバーだけに発生する仕組みのものがほとんどである。悪意をもって開設された物でない限りは、ログアウトして他の普通のサーバーに接続すれば、再インストールなどは不要で通常の状態に元に戻るのが大半である。

ほとんどのゲームのマルチプレイがMMORPG系と違い、ソフトさえ買ってしまえば永久に無料プレイ可能である。ソフトすら無料入手可能で、有料アイテムが無いゲーム(例:『Warsow』、『America's Army』、『OpenArena』)などに至っては、動くPCを持っていれば後は電気代と回線代だけでプレイ可能である。

[編集] コンピュータ関連企業との結びつき

パソコンパーツの一種、グラフィックボード(GPU)の写真。時期にもよるが、性能を追求したものは10万円を超える品もある。

上記のような理由から、FPSで新作が出るたびに新型のパソコンパーツやパソコン本体の需要が高まる。そのため、インテルAMDnVIDIA等、多くのコンピュータ関連企業がファーストパーソン・シューティングを広めるべく、ゲームの大会にスポンサーとして参加している。有名な大会ではCyberathlete Professional League(CPL)、World Cyber Games(WCG)などがあり、日本からも毎年代表選手が参戦している。

また、カリスマ性を持つプレイヤーやチームに対してスポンサー契約を結び、資金やパーツ等を提供する企業も増加しており、多くのプロのゲーマーが誕生している。スポンサーにつく企業としては、ゲームソフトの開発会社やPC用機器メーカーが多い。これは、前者においては自社のゲームが大会などで利用されることによる広告効果を狙ったためであり、後者においては「世界第1位のプレイヤーが愛用するマウス」といった広告を行えることから(自社の製品を練習や大会において使用することを条件に)スポンサーにつくことが多い。特にJohnathan "Fatal1ty" Wendel氏は収入が1億円を超え、世界で一番有名なプロゲーマーとも言われている。

[編集] 日本のプロゲーマー

日本で初めての「ゲームをプレイする事を職業にする」プロ・ゲーマーが誕生したのは2005年1月10日で、PSYMIN(才民)という企業が『カウンターストライク』を主な活動ゲームとしているチーム「4dimensioN」をサポートすると発表した。

Electronic Sports World Cup 2006決勝戦の模様。演目は『Quake4』。

しかしその実情はチームメンバーの一人が経営する会社によるスポンサードであり、実際に企業がゲーマーに商品価値を見出してスポンサーになったとは考えにくい(ただし、その後の2005年9月18日に、アメリカのPC用周辺機器メーカーRAZER社が同チームとのスポンサー契約を発表している。こちらは企業がゲーマーに商品価値を見出した例と言える)。また、同チームは2006年5月11日にスポンサーだったPSYMINが撤退する形で現在は活動を停止中である。

前述したように「企業がゲーマーに純粋な意味で価値を見出した」と言う意味では、事実上日本で最初のプロゲーマーは2005年1月27日に株式会社アスクとの契約が正式発表された「SIGUMA」氏(こちらはチームではなく個人である)と言える(ASKニュースリリース)。SIGUMA氏はそれより以前、2004年ごろにパソコン版『HALO』の日本大会とアジア地区大会優勝、全国大会5位など好成績を出しており、マイクロソフト主催として同ソフトウェアのマッキントッシュ版の広報などにも度々顔を出していた。ASKと契約後、現在では『HALOシリーズ』に限らず、様々なタイトルで活躍中である。

4dimensioN、SIGUMA氏が次々とプロ宣言を出していたまさに同時期、2005年4月18日に「AggressiveGene」(AXG-GAMING)というチームも大阪にあるネットカフェを拠点とし、8月1日にSoftTradingがスポンサーとなって『カウンターストライク』のチームでは2つ目のプロチームとなった。

日本人の中でも、自費で2007年度のWSVGへ参戦したNaonobu "uNleashed^" Taharaや、プロになるためにスウェーデンの国民学校に留学をしたJunya "Noppo" Taniguti(NoppoがプレーしているCounter Strike 1.6は、スウェーデンが最もレベルが高いと言われている)など、少数ではあるがスポンサーに頼らず、自力で海外へ旅立ち、プロゲーマーとしての活動を行う人たちも出てきている。

4dNメンバーであったToshikazu "ENZA" Senzakiはゲームを『counter-strike 1.6』から『Warcraft3』へと移し活躍。個人的にオファーを受けApocやEsMといったプロクランに加入や、メモリーメーカーであるGeIL社とスポンサー契約を結ぶなど、腕を評価されてのプロゲーマーとなる人物も増え始めている。

[編集] ゲーミングデバイス

FPSでは事務作業など、普通にPCを使っている人たちからすればあり得ないキーの押し方をするために、普通のキーボードでは同時押しによるロック現象が起きてしまう事がある(詳しくはNキーロールオーバーを参照)。そのため同時押しに対応したキーボードや、押したときの動作レスポンスが速いキーボード。そしてテンキーは使わないので要らないなど、各個人において好みが出てくる。そのため大会イベント側でも「このキーボードを使ってください」などとは言えず、各個人の持ち込みになる。

マウスも同じように軽くて振り回しやすく、高速で動かしてもその動きを拾い、ボタンの数と形が手にフィットするマウスを好み、マウスパッドも振り回してもはみ出さないよう広めに出来ていて、滑らかな動きをするために一般のマウスパッドより滑らかな材質で出来ている事が多い。これらゲーマーに愛されるデバイスを総称して「ゲーミングデバイス」と呼ばれる。

[編集] ゲームエンジンの開発と利用

初期DOOMエンジンを使って製作されたフリーソフト『Free Doom』のゲーム画像。

FPSゲームは、基本的に基幹部となる『ゲームエンジン(以下「エンジン」)』を最初に構築してから製作される。この際、リリースするOSの開発元や、グラフィックボードの開発会社と技術提携して開発を進める場合が多い。最初の例は3dfx社からの技術提携を受けた『Quake』とされており、『Farcry』は元々nVidia社のプレゼンテーションとして製作されていたが、完成度が高いためにそのままゲーム化されたり、『Half-Life2』はそれ自体がATI社の技術デモと言われるなど、特にグラフィックボードメーカーとは密接な関係がある。

ゲームエンジンは「DOOMエンジン」「Quakeエンジン(公式ではあるが愛称。正式名称は「id TECH」エンジン)」「Unrealエンジン」など、最初にそのエンジンを利用して作られたゲームから名前をとられることが多く、新作が公開されてエンジンそのものがバージョンアップすると「Quake3エンジン」、「Unreal Engine3」などナンバリングが変更される場合がある。また、例外もあり『Half-Life』に用いられたエンジンはGoldsource(これは初代Quakeエンジンを大幅に改造した物であり、日本では主にHalf-Life Engineと呼ばれる)、その後継品であるSource Engineや、Lithtech Engineなど、最初期リリースのゲームソフトとはまったく無関係の名称を与えられているケースもある。『Call of Dutyシリーズ』のように「Return to Castle:Wolfenstein」のエンジンを元にしているが、別にエンジンに名前を付けていないメーカーも存在する(『RtCW』がQ3エンジン改のため、『CoD4』のエンジンもSourceエンジン同様Quake系エンジンではある)。

最近ではそれらゲームエンジンシステムを用いて作られた作品は「○○エンジン使用」と宣伝するのが通常であり、どのゲームエンジンを用いてそのソフトが製作されたのかという事は、そのゲームのデザインやシステムと同等の注目度となっている。しかし、たとえどのようなゲームエンジンを使っていようが、結局はその作品が真に楽しめるものでなければ売り上げに直結する要素とはなりえない。実際「有名エンジン使用!」と宣伝したが本数が出なかったソフトは多数存在する。

[編集] 基本概念

ゲームエンジンは「映像処理」「音声処理」「データ管理」「入力・出力方法」「物理処理」「ネットワーク処理」「AI」といったゲーム製作に必要な骨組みが整備された一種のミドルウェアである。ゲームエンジンはそのエンジンの規則にしたがって作られたプログラム(スクリプト)や3Dモデル、グラフィック、音声といったデータを読み込み、ゲームとして動作させる。当然ながらエンジンの種類によって映像処理法やデータの管理方法、その他の機能には違いがある。同じグラフィックデータや音声データを用いてゲームを製作しても、エンジンによって見た目は大きく変わる。また、人間の表情を高度に表現できるエンジン、大量のオブジェクトの表示に特化したエンジンなど、それぞれに特色がある。

"Physics engine"を用いて作られたデモ映像。FPS用に作られたエンジンではない。
同エンジンを用いて作られた爆風のデモ映像。

こうしたエンジンを利用すれば、ゲーム基幹部の開発にかける開発費や時間・労力を節約できる。このため、エンジン開発を行ったゲームの続編や拡張パックの製作に利用されたり、他社がエンジン利用のライセンスを購入して元のゲームとはまったく関係のないゲームを開発・販売する事がある。続編や拡張パックの開発であれば、ライセンス料すら必要なく(自社の財産であるため)開発費・開発期間を削減できるというメリットがある。エンジンのライセンスを購入するゲームソフト会社にしてみても、ライセンスの取得に初期投資は若干かかるものの、プログラムを一から作るよりは数段低い開発リスクでゲーム製作ができるというメリットがある。ただ、近年ではこのエンジン自体の開発が遅れたり、エンジン自体に問題がある、契約内容に問題があるなどで、訴訟問題に発展することもある。

最近では、エンジンの販売を重要な目的と位置づけ、ゲーム自体の販売による利益はもちろんだが、エンジンの性能をアピールするための広告塔としてゲームを開発し発売する、といった方法を取る企業が増えている。パソコンや家庭用ゲーム機間の移植性の高さ(クロスプラットフォームと言う)をアピールするエンジンも多く、実際、パソコン版として発売されたタイトルが家庭用ゲーム機に移植されたり(その逆のパターンもある)、多機種で同時発売されることも多い。

[編集] FPS用ゲームエンジンの応用

こうしたエンジンは本来FPS用に製作されたものだが、TPSをはじめ、パズルゲームやフライトシミュレーター、ロールプレイング、リアルタイムストラテジー、レースゲームなど、知識と応用しだいでジャンルに関係なく様々なゲームを製作することができる。エンジン利用のメリットがあるかは別として、2Dゲームを作ることも可能であるし、極論すれば(そのエンジンが高機能ならば)ゲームとはまったく無関係のワープロソフト等を作ることも可能である。

場合によってはエンジンの内容を一部書き換えてバージョンアップしたり、オリジナルのコードを書き加えて改造する事もある。こうしたエンジンのソースコードは、機能ごとに高度に分離されていることが多く、グラフィック部分のみを強化したり、ネットワークコードのみを製作中のゲームに最適化したり、ということが容易にできるようになっている。

また、あまり3DCGに関する知識を有していなくても、比較的簡単に3DCGを使ったコンテンツを製作することが出来る点から、これらエンジンはコンピューターソフトウェアに限らない用途にも利用されている。具体例としては、ゲームの素材を利用してCG映画を作るマシニマ(Machinima)などが挙げられる。海外では大学の卒業研究の題材としてFPSのエンジンを用いた映像製作やゲーム製作に取り組んだ例もある。

マシニマにおける特に有名な作品例として、海外の『レッドvsブルー』(Red vs.Blue)というものがある。この作品はマシニマのエンジン(母体)である『ヘイロー・シリーズ』の開発元であるバンジースタジオ公認の存在で、海外ではかなりの知名度を誇る。また、『Halo 2』の特典DVDにおいて彼らの活動記録が収録されており、ゲームを用いたムービー、つまりマシニマの存在がより有名になった理由のひとつと言えるかもしれない。

マシニマに似た物としてフラグムービーと呼ばれる物がある。これは一般スポーツのスーパープレー特集に似た物であり、高難易度のフラグシーンをまとめ、音楽と併せてムービー化する物である。

[編集] Modの作成

ゲームエンジンの一部もしくはそのすべての仕様や、開発用のツールキット(SDK)が一般に公開されている場合は、それを利用してModを製作する事ができる。それらを用いれば、開発元の会社とは一切無関係な一般的なゲームユーザーがマップやキャラクター(スキン)を追加したり、ゲームの内容そのものをまるきり変更してしまうこともできる。

現在フリー化している『Quake III:Arena』のゲームエンジンを用いて製作された『OpenArena』のスクリーンショット。

特に『Half-Life』(Goldsource)では改造Modが他のタイトルよりも多く出回り、その中でも『Counter-Strike』と呼ばれるModはゲームシステムを根本から改変した物として有名で、各界も含めてModの代名詞的な作品として認知されている。

これらModはユーザーにとってゲーム自体をいじって楽しめるし、開発側にとっては発売後もユーザーの手によって拡張され続けることでゲームの陳腐化の速度が遅くなるというメリットがある。ただし開発側は相応に変更しやすいようシステムを構築しておかねばならず、その手間だけはデメリットの一つと言える。

大会をスムーズに進行させる為に作られたMOD(通称CompMOD)には、半分オフィシャルとなっている物も多くある。例えばid Software主催で行われるQuakeCon 2007内で行われたオフィシャルイベント「Quake Quad Damage Tournament」では『QuakeII』で『OSP』、『QuakeIII:Arena』で『CPMA』、『Quake4』で『Q4MAX』が使われた。

このシステムは、ゲーム製作に興味がある(才能のある)一般ユーザーをゲーム業界に引き入れる、一種の人材育成機能ともなっている。例えば、EPIC GAMES社の社員の3割はMODコミュニティ出身であるという[1]。現在Valve名義で発売されているTeam Fortress Classicのスタッフは、元々初代『Quake』のMODとしてTeam Fortressを製作した人たちであったが、そのゲーム性にValve社長であるGabe氏が惚れ込み、Valveにスカウトされたと言う実績もある。同じような事例は卒業研究としてSourceエンジンを使って作られたゲームをリファインし、『Portal』として発売した例もある。また、『Red Orchestra: Ostfront 41-45』を発売しているTripwire Interactive社に至っては、EPIC GAMES主催のUnreal Tornament 2004 MODコンテストで優勝し、賞金とエンジン使用権を得たことをきっかけとして会社が設立されている。

また、製作用のツールが公開されていない場合でも個人の有志が勝手に編集ツールを開発して強制的にModを製作するというケースもある。ただし製品の利用規約によってはゲームシステムの改造(リバースエンジニアリング)を禁止しているケースもある。ただしこれは利用規約上の制約であって、基本的に違法性は無い。

また、そうした「認められていないMod製作」を規約上は禁止していても、摘発や警告には無駄な労力が伴うし、上記のように法的拘束力はあまり望めず、また「器の小さな企業」などというイメージ定着等の要素から、ほとんどは黙認状態になっている。

[編集] 主なゲームエンジン

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[編集] 主なFPS

(ABC順)

『Far Cry』のスクリーン・ショット。
『レインボー・シックス ベガス2』
『レッドオーケストラ:オストフロント41-45』

[編集] 脚注・出典

  1. ^ 4Gamer.net 「Unreal Engine 3は次世代ゲームを支えるか?」、2006年9月24日。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年9月6日 (日) 21:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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