フィリップス曲線
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フィリップス曲線(―きょくせん、英: Phillips curve)は、経済学においてインフレーションと失業の関係を示したもの。 アルバン・ウィリアム・フィリップスが1958年の論文の中で発表した。 縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となる。フィリップスが初めて発表した時は縦軸に賃金上昇率を取っていたが、物価上昇率と密接な関係があるため、最近では縦軸に物価上昇率を取る。
これは、短期的にインフレ率が高い状況では失業率が低下し、逆に失業率が高いときはインフレ率が低下することを意味する(インフレーションと失業のトレードオフ関係)。 つまりフィリップス曲線とは、短期においてのみ「失業率を低下させようとすればインフレーションが発生」し、「インフレーションを抑制しようとすれば失業率が高くなる」ということを表した曲線である。
ミルトン・フリードマンは、フィリップス曲線は長期的には一定の失業率に落ち着くと理論づけ、この失業率を自然失業率(natural rate of unemployment)と呼んだ。この失業率においてはインフレ率が加速することはないとされる。最近では「自然」の意味が不明確として、NAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)(インフレ非加速的失業率)と呼ばれている。
ちなみに不況下で物価が上昇するスタグフレーションは、フィリップス曲線の右上方向へのシフトで説明される。
1980年代以降の先進諸国では、ディスインフレーションが進行し、次第に物価上昇率と失業率の関係はあいまいになりつつある。 むしろ、労働市場の不均衡は経常収支に対して影響を及ぼしている。
[編集] 現実経済のフィリップス曲線
1960年代の米国のフィリップス曲線
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1990年代の米国のフィリップス曲線
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右のグラフは、米国経済のフィリップス曲線である。縦軸が物価上昇率、横軸が失業率で、どちらも単位は100ベーシスポイント(1%)である。1960年代後半は、ジョンソン政権の「偉大な社会」政策などで景気が過熱し失業率の低下とインフレ率の上昇という典型的な短期におけるフィリップス曲線を描いている。
1990年代はインフレ率の低下と失業率が低下する時代でニューエコノミーとも呼ばれた。実際にはこの時期、需要と供給の不均衡の結果として経常収支の赤字が急拡大している。そのため、物価は上昇せずフィリップス曲線は短期的な「不均衡」を描ききれなかった。ただ、失業率が4~8%の間で前後しているので、長期的にフィリップス曲線はNAIRUに落ち着くことを考慮すると、フリードマンの理論通りといえる。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年9月21日 (月) 08:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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