フロリゲン

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フロリゲン(florigen)とは植物において花芽形成を誘導するシグナル物質として提唱された植物ホルモン(様物質)である。別名花成ホルモンともいわれる一方、提唱されてから2007年に至るまでその存在が確認されていないことから幻の植物ホルモンともいわれていた。


目次

[編集] 研究の歴史

1920年にガーナー(Garner)とアラード(Allard)により花芽形成は日長に支配される(光周性)ことが発見される。1937年にはチャイラヒャン(Chailakhyan)により日長を感知するのはであることが発見された。花芽が形成されるのは茎頂であることからチャイラヒャンは葉から茎頂へ日長の情報を伝達するホルモン様物質が存在すると考え、フロリゲン(花成ホルモン)説を提唱した。

その後接木実験などにより、葉で日長が受容されることでフロリゲンが作られ、師管を通って茎頂の成長点に運ばれた後花芽形成を促すことがわかり、これは長日植物と短日植物、中性植物など異なる種で接木した場合でも確認された。このことからフロリゲンの存在がいっそう裏付けられ、また種によって特異的な物質ではないことが示唆された。

[編集] FT遺伝子

FT遺伝子とは1999年京都大学の荒木らによってシロイヌナズナで発見された遺伝子であり、フロリゲンの候補として最も有力であった。2005年にはFT遺伝子と相互作用するFD遺伝子が新たに京都大学の荒木らによって発見され(Science 309. 1052-1056 (2005))、FT遺伝子が花芽形成において重要な役割を示すことが確認された。この研究結果によると、花成のメカニズムは以下の通りである。

  • 日照条件が変わると、維管束細胞でFT遺伝子が発現し、FTタンパク質が作られる。
  • FTタンパク質は茎頂に運ばれ、FDタンパク質と複合体を形成する。
  • 複合体が AP1(APETALA1)遺伝子の転写誘導をし、花芽形成が開始する。

上記の研究においてFT遺伝子産物(タンパク質またはmRNA)がフロリゲンの有力候補とされ、フロリゲンの正体はFTタンパク質ではないかとする結果が2007年に示された。近年、花成制御に関する研究は、植物科学のなかでも最も注目を浴びる研究分野の1つとなっており、今後の研究の進展が待たれる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2008年10月15日 (水) 12:02 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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