プレスハム

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プレスハムとは、ハムに似せて作られた食品屑肉を寄せ集め圧力を掛けて大きな塊としたもので、日本では一般に1970年代以前にハムといえばこれを指すほどであった。比較的安価な食肉製品である。

目次

[編集] 概要

プレスハムは、屑肉など商品価値の低い小片の畜肉を寄せ集めて作られたもので、塩味などの味がついている。燻製の風味を出すため、調味液で味付けしてあるものも見られる。

ハムは本来、もも肉の意味であるが、豚もも肉はそのまま食材とするよりも、塩漬け、さらには薫製にした保存食品として用いられる例が多い。そのため日本においては、豚もも肉を加工した食品がハムと認識されるようになった。元来の製法としてはもも肉の塊の肉を丸ごと塩漬けにして燻製にするなどした後に熟成させた食品だが、こういった製法では総じて手間が掛かりブタ1頭より得られるハムも少なく、価格が高くなりがちで庶民の口には入りにくい。半面プレスハムは食肉のブロックを作る際に余った肉(いわゆる屑肉)などが利用でき、また製品によってはもも肉以外、豚以外の肉も使われ大きな塊とすることができる。このため総じて安価である。

肉どうしの接着には「つなぎ」と呼ばれるものが使われ、合成樹脂製のフィルムとケーシングに充填された後、圧力(プレス)と熱を加えるなどして固める。

同様の手法で作られた魚肉練り製品として、魚肉ハムと呼ばれるものも存在する。

[編集] 定義

農林水産省の定義に基けば、「食料缶詰、食料瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当しないものであって、容器に入れ、又は包装されたものに限る」で、つなぎは20%以下、肉には豚肉牛肉馬肉めん羊肉又は山羊肉の10グラム以上の塊を使うものとなっている。

つなぎには畜肉のほか家禽ニワトリなど)ないしウサギ肉を挽肉にしたものにデンプン小麦粉コーンミール・植物性や牛乳血液より得られた蛋白質など(いずれか、ないし幾つか)を加えたものが利用される。

これをケーシングなどに充填して燻製ないし蒸したり茹で煮るなどして熱を加えたものとなる。

[編集] 特徴

形としては、前後がすぼまった円柱型か、細長い直方体である。表面は赤などで着色されているものもある。

使われる畜肉の種類や大きさ、またつなぎの量や種類にもよって、様々な品質のものがある。特につなぎの量が多いものは、極めて安価に販売されているが、歯応えが肉というよりも別の食べ物(練り物製品ないし「ゴムのような」と形容される)と化している場合が多い。そのため挽肉、転じて肉以外のものを混ぜ込んだソーセージとしばしば混同される。実質上は「肉片入りソーセージ」と化している場合も多い。

一方、つなぎを最小限に抑え、豚肉製品らしい歯応えを持つ「高級プレスハム」も存在する。よりハムらしいものとなっており、単に形状と重量を規格として統一するためにプレスハムとして製造されているというものである。こうした製品の中には、お中元お歳暮などに贈られるものまで見受けられる。

ケーシングの上からプラスチックフィルムで覆われているが、その両端は針金で括られる。

[編集] 歴史

この食品は、日本で1947年までに伊藤ハムの前身である伊藤食品工業が開発・量産化したことにはじまる。当時は「寄せハム」と呼ばれ、ブタもも肉以外の様々な畜肉が利用された。家畜としての馬肉ヤギなどが使われた。この当時から四角柱や円柱形の物であったが、同社は業界発展のために製法を公開、これに他社が追従して安価なハム状製品として市場に出回ることとなる。

この当時の日本は、第二次世界大戦の終戦から2年という戦後復興期で、大衆の食生活は依然貧しいものであった。だがプレスハムはどん底から回復する日本経済の中で着実にシェアを伸ばし、一般ではハムといえばプレスハムと認識されるまでになったのである。この時代においてハムカツなど惣菜としての地位も獲得、高度経済成長期の時代には一般の家庭で食卓を飾っただけではなく、お歳暮のような贈り物の定番商品としても地位を得ている。

バブル景気の頃から日本人の経済的な豊かさが世界的にも地位を得て、本当の意味でのハムが一部の上流階級家庭の食卓などから、一般大衆の食卓に姿を見せるまでにはなったが、依然として高価な食品であることには違いなく、プレスハムの一部に高級化志向も発生、従来のプレスハムが「安物」というイメージがついたことから、ボンレスハム(boneless ham:骨無しハム)などの言い換え語で「高級プレスハム」に類される、より大きな畜肉を塊で使ってつなぎを減らした製品も出回るようになった。ただボンレスハムは、本来、骨を取り除いたブタ肉のハムであるため、高級プレスハムの名称としては紛らわしいこともあり、2000年代の現在では区別されている。

2000年代では、最も安価なプレスハムと、やや値段が高く肉の食感が良い高級プレスハム、ついで値段は更に上のロースハムや、ショルダーハム・ベリーハムなどが一般に消費されている(→ハムの種類)。ただし豚もも肉が本来のハムであり、普通のプレスハムであってももも肉を使っていればその定義からは外れておらず、むしろロースハムやショルダーハムは高級ではあっても本来のハムの定義から外れている事になる。

骨付きの、英語で言う所のハムそのものは、一般では食卓に上る方が稀で、依然庶民には手の出し辛い価格ではあるものの、薄くスライスされパック詰めされたものがスーパーマーケットコンビニエンスストアなどにも見られ、ちょっとした高級気分を味わいたい一般庶民に親しまれている。

[編集] 食べ方

その多くでは、薄くスライスして焼くなどするほか、サンドイッチ、ハムサラダ、野菜炒めハムカツラーメン炒飯などの具材として利用される。

[編集] 備考

これらは、大衆が求め易い価格で販売されているが、その肉は上の定義で示したとおり、本来のハムでは使われない肉も利用される。

なお、ウサギの肉に関しては、『ドキュメント屠場』(著:鎌田慧・ISBN 4-00-430565-9)に拠れば、毛皮を得るために利用されたウサギの肉が、安く卸され利用されていた時代もあったという。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目

最終更新 2009年8月7日 (金) 23:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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