プロティノス

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プロティノス
西洋哲学
古代ギリシャ哲学
名前: プロティノス
生年月日: 205年
没年月日: 270年
学派: ネオプラトニズム
特記すべき概念: 流出、一者

プロティノス(Plotinos 205年? - 270年)は、ネオプラトニズム(新プラトン主義)の創始者といわれる哲学者である。

エジプト出身で、アレクサンドリアで学んだ後、ローマに移住。哲学の教師になる。主著に『エンネアデス』がある。ローマ皇帝ガリエヌスと交流があった。

プロティノスはプラトン(紀元前427年 - 紀元前347年)より500年以上も後の生まれであり、当時は様々な神秘主義思想が唱えられていた時代である。ただしネオプラトニズムの創始者とはいっても、プロティノス自身には独自な説を唱えたという意識はなく、プラトンの正しい解釈と考えていた。

目次

[編集] 一者

プロティノスの思想はプラトンイデア論を受け継ぎながら、その二元論を克服しようとしたものである。 プラトンの『パルメニデス』に説かれた「一なるもの」(ト・ヘン to hen)を重視し、語りえないものとして、これを神と同一視した。 万物(霊魂、物質)は無限の存在(善のイデア)である「一者」(ト・ヘン)から流出したヌース(理性)の働きによるものである(流出説)。一者は有限の存在である万物とは別の存在で、一者自身は流出によって何ら変化・増減することはない。あたかも太陽自身は変化せず、太陽から出た光が周囲を照らすようなものである。光から遠ざかれば次第に暗くなるように、霊魂・物質にも高い・低いの差がある。また、人間は「一者」への愛(エロース)によって「一者」に回帰することができる。一者と合一し、忘我の状態に達することをエクスタシスという。[エネアデスVIの第11節] ただし、エクスタシスに至るのは、ごく稀に、少数の人間ができることである(プロティノス自身は生涯に数回体験したという)。

[編集] 影響

神秘主義的な思想は、初期キリスト教のアウグスティヌスらにも影響を及ぼし、キリスト教神学に取り入れられたといわれる。プロティノスの著作自体は中世の西ヨーロッパには伝わっておらず、ルネサンス期の人文主義者フィチーノがラテン語に翻訳したことで再発見された(1492年に刊行)。フィチーノを中心とするイタリア・ルネサンスの異教的な思想を育み、また後世の神秘思想にも影響を与えた。

また、プロティノスと同時代のグノーシス主義にも影響を及ぼしたが、プロティノス自身は「神が人間の方へ降りてくることはない」として(グノーシス主義を含む)キリスト教を批判していたという。

[編集] エンネアデス

エンネアデス(Enneades)は「一なるもの、善なるもの」「魂の不死について」などの論文を、プロティノス死後に弟子がまとめたもの。Enneaは9を意味し、プロティノスの残した54の論文があったので、6巻にそれぞれ9論文を収めたもの(9は完全数と考えられた)。「エネアデス」とも表記される。

[編集] 日本語文献

田中美知太郎や弟子の水地宗明、田之頭安彦等が中心になり訳研究が刊行された。
  • 『エネアデス(抄)Ⅰ.Ⅱ』 (新書版:中公クラシックス、2007年)
  • 『世界の名著、プロティノス・ポルピュリオス・プロクロス』(中央公論社、1980年)  品切
  • 『プロティノス全集』(全4巻別巻1 中央公論社、1986-88年)  品切
  • 新プラトン主義協会編 『ネオプラトニカ』Ⅰ.Ⅱ (昭和堂、1998年.2000年)
  • 岡野利津子『プロティノスの認識論 一なるものからの分化・展開』(知泉書館 2008年)

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月8日 (日) 05:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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