ベテルギウス

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ベテルギウス
Betelgeuse
仮符号・別名 オリオン座α星
星座 オリオン座
視等級 (V) 0.0 - 1.3等(変光)[1]
(平均等級 0.58等)
視直径 0.034 - 0.047″
変光星型 脈動型半規則変光星 (SRC)
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 05h 55m 10.3s
赤緯 (Dec, δ) +07° 24' 25.4"
視線速度 (Rv) +21.0 km/秒
固有運動 (μ) 赤経:27.33 × 10-3 秒/年
赤緯:10.86 × 10-3 秒/年
年周視差 (π) (5.07 ± 1.10) × 10-3
距離 640 光年
絶対等級 (MV) -5.14等(極大時)
物理的性質
半径 平均 950~1000 R
質量 20 M
表面重力 -0.5
自転周期 17 年 (14.6 km/秒)
スペクトル分類 M2Iab
光度 平均 135,000 L
表面温度 3,500 K
色指数 (B-V) 1.85
色指数 (U-B) 2.06
年齢 1.0 × 107
別名称
別名称
メンカブ, オリオン座α星 (α Ori),
オリオン座58番星 (58 Ori),
BD +7°1055, BS 2061,
FK5 224, HD 39801,
HIP 27989, SAO 113271
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ベテルギウス (Betelgeuse) はオリオン座α星で、M型赤色超巨星バイエル符号αが付けられているが、ベテルギウスは変光星でもありその変光期間のほとんどでβ星のリゲルより暗い。また全天で9番目に明るい恒星である。

おおいぬ座シリウスこいぬ座プロキオンとで冬の大三角を形作る。

目次

[編集] 物理的性質

[編集] 変光

ベテルギウスの変光は、1836年ジョン・ハーシェルによって発見された。脈動変光星のSRC型半規則変光星の代表星であり、5.8年周期で0.0等 - 1.3等[1]の間を変光する。

ベテルギウスは、肉眼で観測できる数少ない変光星の一つである。冬の脈動型半規則変光星の中では、最もはっきりとした変光を示す。冬に見える半規則変光星には、他にオリオン座W星[2]うさぎ座RX星[3]などがあるが、どちらもベテルギウスほどはっきりした光度変化は見られない。

[編集] 直径

ベテルギウスは、地球からの見かけの大きさ(視直径)が2番目に大きい恒星である(1位は太陽)。1920年ウィルソン山天文台干渉計を使ってスペックル干渉法によって測定された。ベテルギウスを太陽系の中心に置くと、火星軌道を大きく超え、木星軌道の近くまで達する。[4]だが、現在のベテルギウスは、15年前の測定時と比べると15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかった。(2009年現在)ベテルギウスはいつ超新星爆発してもおかしくない赤色超巨星であるが、この収縮現象が近い将来(人間スケールでの)の超新星爆発の前兆現象なのかは定かではない。

[編集] 名称

[編集] 固有名

ベテルギウス
  • 綴り
原綴りの Betelgeuse は英語式の綴りで、英語では [ビートルジュース] というように発音される。これはフランス語綴りの Bételgeuse から来ている[5]。Betelgeux とも綴る[5]
ドイツ語では Beteigeuze と綴るのが一般的[6]で、[ベタイゴイツェ] というように発音される。それ以前のラテン語の文献では Betelgeuze と綴られることが多かった。他にもさまざまな異綴りがある。
日本では、かつてはベテルゲウズ[7]ベテルギュースなどとも表記された。現在では、国籍不明の読み方をしたベテルギウスが定着している。通俗書においては、「テルギウス」と表記されることもあるが誤りである。
  • 語源
ベテルギウスの語源は、日本では 「巨人の腋(わき)の下」 の意味のアラビア語 Ibţ al Jauzah [イブト・アル=ジャウザー] から来ているとされている[7][8]が、この説は有力ではない。それは、アラビアにおいてこの星に 「巨人の腋の下」 という意味の名前がつけられていない - 実証がない - からである。そもそも、アル=ジャウザーに 「巨人」 という意味はない。アル=ジャウザーは、アラビアの古い伝承に登場する女人名で固有名詞であり、どのような意味合い持っていたのか失伝していてわからない。アラビア語の語根 j-w-z に 「中央」 という意味がある[9]ことから、アレンは 「中央のもの」 と解釈し[10]、またこれとは別に、G・A・デーヴィス Jr は 「白い帯をした羊」 と解釈している[8]
現在の定説は、「ジャウザーの手」 を意味するこの星のアラビア名の一つ、Yad al-Jawzā' [ヤド・アル=ジャウザー] に由来するとするものである[9]。アラビア文字の「ヤー(y)」"ﻴ" と「バー(b)」"ﺒ" はドットが一つか二つかの違いだけなので、写本の段階でか、ラテン語に翻訳する段階で誤写されたのではないかと考えられている[9]
他にも、アラビア語の Bayt al-Jawzā' ([バイト・アル=ジャウザー]、直訳すれば「双子の家」だが、ここでは黄道十二宮の一つ 「双児宮」 のこと)とするなどの説[11]もある。
メンカブ
ベテルギウスの別名としては、この星のもう一つのアラビア名 Mankib al-Jawzā' ([マンキブ・アル=ジャウザー]、「ジャウザーの肩」 の意)から来たメンカブ (Menkab) がある[12]。この星の位置と混同されて、ベテルギウスの意味とされることもある[13]

[編集] 和名

一般的にはその星の色から、平氏の旗色になぞらえて「平家星」(へいけぼし)とされている[14][15][16][17]。 (ただし、岐阜揖斐地方においてベテルギウスを源氏星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって報告されている [18][19]。) また「金脇」(きんわき)という地方もある[20]

[編集] 天文民俗(和名・中国名)

その星の色から、岐阜揖斐地方源氏星(げんじぼし)と呼ばれていた可能性がある。また、滋賀虎姫金脇(きんわき)といった名称が伝えられている。[7] [18]

ベテルギウスが平家星とされている事については、その伝承において疑問が持たれている。ベテルギウスを源氏星とした古老の証言をもとに、北尾浩一氏が再調査した結果、発見地とされる揖斐地方では一般的に認識されているの旗印の色とは逆であったことが指摘されている。[21]

中国では参宿第四星(參宿四)。

[編集] ベテルギウスの未来

ベテルギウスは、地球周辺で近い将来II型超新星爆発を起こす赤色超巨星の1つに挙げられている。ベテルギウスは質量が太陽の約20倍もあり、かつ脈動変光するほど赤色超巨星としては相当不安定な状態にあるとされる。ベテルギウスが主系列星の段階に入ったのは約1000万年前と推定されているが、質量が大きい星ほど核融合反応が激しく進行するので短命となる(太陽及び太陽とほぼ同じ質量の恒星の場合、主系列星段階は約100億年続くと推定されている)。このシナリオは質量の大きな恒星の典型的な一生である。

ベテルギウスが超新星爆発を起こした際には地球にも若干の影響が出ると言われているが、地球から距離が離れすぎているためにガンマ線の威力は弱まり(地球からは640光年も離れている)、オゾン層が多少傷つく程度で惑星および生命体への影響はほとんどないと予測されている。ただし超新星爆発の際のガンマ線放出については近年では指向性があることが指摘されており、偶然地球方向を向いて爆発した際の地球への影響は未知数である。

なお、超新星爆発した際の明るさについてSN 1054と同規模の爆発と仮定すると、地球からベテルギウスまでの距離は、かに星雲までの距離のほぼ1/10であるため明るさは100倍程度と概算できる。-6等級以上の明るさだったと推定されているSN 1054なので100倍だと-12等級程度の明るさとなる。これはほぼ満月の明るさであり、それが点光源で輝くことになる。その後は中性子星またはブラックホールへと進化すると考えられている。

[編集]

  1. ^ 天文観測年表編集委員会編『2008年 天文観測年表』 地人書館、2007年、175頁。
  2. ^ W Ori:212日周期で5.9等 - 7.7等の間を変光、スペクトル型はC5,4(ハーバード方式ではN5)。
  3. ^ RX Lep:60日周期で5.0等 - 7.4等の間を変光、スペクトル型はM6.2Ⅲ。
  4. ^ >太陽の半径と惑星の軌道半径の関係
  5. ^ 小稲義男(編代) 『研究社 新英和大辞典』(第5版)、研究社、1980年、202頁。
  6. ^ ドイツ語版の記事名を参照。
  7. ^ 野尻抱影 『新星座巡礼』 〈中公文庫 BIBLIO〉、中央公論新社、2002年、18頁。
  8. ^ 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版、第3刷)、恒星社厚生閣、2000年、226頁。
  9. ^ Kunitzsch. P., Smart. T., A Dictionary of Modern Star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations, Cambridge, 2006, p. 45.
  10. ^ Allen, R. H., Star Names: Their Lore and Meaning, (rep.), New York, 1963, pp. 310, 403.
  11. ^ 鈴木駿太郎 『星の事典』(改訂2版)、恒星社厚生閣、1979年、218頁。
  12. ^ 小平桂一(監修)、家 悦子・平山智啓(訳) 『ボーデの星図書』〈天文資料解説集 No.2〉、千葉市立郷土博物館、2000年、96頁。(ただし、同書では 「Betelgeuze, Menkah ベテルゲウゼ・メンカー」 と誤記されている。)
  13. ^ 小平桂一(監修) 『カラー天文百科』 平凡社、1976年、245頁。
  14. ^ 三省堂『大辞林』2327項
  15. ^ 『日本大百科全書』21巻p53ベテルギウスより
  16. ^ 野尻抱影著『新星座巡礼』19項
  17. ^ 野尻抱影著(1978年)『星三百六十五夜』上巻(1978年)38項
  18. ^ 野尻抱影 『日本星名辞典』 東京堂出版、1973年、154-155頁。
  19. ^ 北尾浩一 「『源氏星』と『平家星』」 - 星・人・暮らしの博物館
  20. ^ 野尻抱影 『日本星名辞典』 東京堂出版、1973年、154頁。
  21. ^ 北尾浩一 「『源氏星』と『平家星』」 - 星・人・暮らしの博物館

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年12月5日 (土) 23:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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