ペダル (自転車)

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ラットトラップ型ペダル
ビンディングペダル(シマノPD-M520)

ペダル(pedal)は、人間ので踏み自転車の動力の第一歩をつくり出す部品である。ペダルのクランクアームの末端近くについており、その軸が回転することによって足の上下運動をクランクの回転運動へと変換させる。ペダルが登場して以来、一般的な自転車のペダル形状には本質的な変化はないため、ここでは主としてスポーツ用の自転車について説明する。

目次

[編集] 歴史

ペダルが通常の状態から形を変えてゆくのは安全型自転車からロードバイクの進化へと時期をほぼ同じくする。ベロシペードではペダルにまで改良が進まず、それまでの乗るだけで不安定なペニー・ファージング型では足を固定するのはあまりにも危険すぎた。安全型自転車になってからもペダルに足を固定することによって速度を上げるという発想はまだなかった。

クリップ・アンド・ストラップとは、ペダルプレートにネジで止めたトウクリップにシューズの爪先を入れ、ペダルとクリップに通した皮や樹脂製のトウストラップと呼ばれるベルトでシューズをペダルに縛り付ける方法である。後にシューズ自体が進化してレーサーシューズと呼ばれるようになる。レーサーシューズの材質は皮や合成皮革、靴底は木や強化プラスチックで、ペダルと噛み合わせるためのシュープレートを付けるというまさにペダルを踏むことだけに特化されたシューズであった。踏み込む力を直接ペダルに伝えるために靴底は絶対にたわまず、またかかともないので歩行は困難であるばかりか、長時間歩くと靴自体を台なしにしかねなかった。各種手引書でも「シュープレートの溝を潰す原因になるのでレーサーシューズのまま歩き回らないこと」と警告されていた(プロは歩くときサンダルに履きかえていた)。このような欠点もあったが、競技用としては長らくトウクリップとストラップの組み合わせが標準的であった。

1970年、チネリが史上初のビンディングペダル(クリップレスペダル)を開発[1]。レーサーにはスタートダッシュでいちいちストラップを締め上げなくていい簡便さが、メカニックには選手の足の大きさによってトウクリップを変えなくて済む点が喜ばれた。しかし、一方で使い勝手は悪く、数年で姿を消してしまった。そして、それから十数年が経過した1984年、スキー用ビンディングの製造メーカー、ルック(LOOK)が新しいタイプのビンディングペダルを開発した。以前のものと違い足を捻るだけで外れるために、クリップアンドストラップや以前のビンディングペダルでは足が即座に外せないことに恐怖感を覚える初心者にも受け入れられ、市場を席巻することとなった。これをきっかけにその後シマノ、タイム、カンパニョーロと続々と独自の脱着機能を持ったビンディングペダルを発表した。フィット感、脱着のよさ、シューズの互換性、泥詰まりにしにくさ、力の伝達具合といった多種多様な判断基準が存在する。現在ではさまざまなメーカーが参入している。

[編集] 機能

ビンディングペダルはスキーのビンディングとほぼ同じ機構で、足裏にビス止めされた「クリート」と呼ばれる樹脂製あるいは金属製の止め具を金具で固定して、人間の脚力を直接ペダルに伝える部品である。クリートの規格はメーカーによって異なり、また同じメーカーでも用途目的、ペダルのブランド名によって異なることもある。ビンディングペダルを使用するには専用のシューズが必要で、使用するクリートに対応するものを身につけなくてはならない。ロードバイクのシューズには三角形の3点の位置にネジ穴が、マウンテンバイク用は垂直に2本の線状の穴が開いている。もしシューズとクリートに互換性がなくてもメーカーの出す互換アダプターを介して取り付けできる場合もある。

ペダルもシューズも主にロードバイク、マウンテンバイクと分かれている。

ロードバイクのものは効率良いペダリングを第一としており、ペダル、クリートとも大型である。シューズの底はプラスティックカーボンで作られていて大変硬いため、長距離の歩行は困難で、またクリートが磨耗する原因となる。

マウンテンバイクは不整地走行を前提とし、クリートが小型で靴底に隠れるように作られており、また脱着もロードバイク用に比べて容易である。マウンテンバイク用のシューズは競技用とツーリング用のものがあり、競技用のものは底が固いが、ツーリング用のものは比較的柔軟で歩きやすく作られている。

[編集] 利用

ペダルはサドル、シューズに次いで選手の好みが分かれるパーツで、とくにランス・アームストロングはシマノの古いLOOKタイプのペダルを探し回り、指示を受けたチームスタッフが全米の自転車問屋やサイクルショップに在庫を問い合わせたという話が広く知られている。これがきっかけでシマノは当時のモデルを改良した「SPD-SL」を開発することとなった。ヒトの足は一般に、利き足が身体の外側に向く傾向があるので、膝の傷害を予防するために、「タイム」のように左右にスライド幅を持たせたビンディングペダルもあり、プロレーサーに愛用者も多い。逆に、“タイムはペダルの上で足がスルスル動いて気になる”、“足首をがっちりとペダルに固定してこそ自分の力を十二分に出せる”という選手もいる。

初心者が初めてビンディングペダルを試す時には注意が必要である。着脱が簡単になったとはいえ、シューズがペダルに固定されていることには変わりないので、信号などでの停車時に上手く外せずそのまま倒れてしまういわゆる「立ちごけ」の危険がある。擦り傷や打撲といった軽傷にとどまらず、車に轢かれるなど交通事故の事例もあるため、安全な場所での着脱の練習が必須である。

クリップアンドストラップのペダルは現在も存在し、トラック競技のうち特に短距離種目では採用率が高い。独自のNJS規格に適合していることが要求され使用機材に厳しい制限のある競輪では全てクリップアンドストラップ式である。また海外のスプリント競技では、固定ギアを使い、ロードレースよりケイデンスが高いトラック競技でシューズがペダルから外れるのは危険であるため、ビンディングペダルの上にストラップを結んで不意の脱落を防ぐようにしている選手もいる。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年8月6日 (木) 13:11 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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