ホンダ・ブロード

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ホンダ・ブロードHONDA Broad)は、ホンダが生産していたスクーターの名称である。

ホンダ・ブロード

目次

[編集] 主な仕様

全長 1845mm
全幅 640mm(ミラーなど突起物を除く)
全高 1350mm(シールド頂部までの高さ)
ホイールベース 1280mm
シート高 670mm
最低地上高 100mm
乾燥重量 90kg
全備重量 98kg
エンジン形式 ピストンリードバルブ式2サイクル
ブレーキ形式 リーディング・トレーリング(前後とも)

  • 以上は50cc、90cc共通仕様

[編集] 概要

1995年1月30日、前年に発売されたキャビーナ50/90の屋根無し兄弟車種として発売された。50ccと90ccの2種類の排気量が存在し、エンジンはキャビーナと同様にリード(AF20/HF05)のエンジンを用いている。車体は屋根が無い事以外はキャビーナと基本的に共通であるが、車体色はキャビーナと共通の紺色のほか、黒色が新たに設定された。キャビーナ譲りの大きなメットインやフロント12インチホィールを持ち、屋根の代わりにノーマルでも大きめのウインドスクリーン(風防)を装備する。

[編集] 種類

表立ったモデルチェンジはなかったが、細部の改良やパーツ差し替えは数次にわたって実施された。特に左後部のサイドカバーはエアクリーナーとの干渉が問題となったため、後期生産分では下端部を外側に広げた改良部品に変更されており、前期生産分と外見上区別できるポイントとなっている。
また、50cc仕様のうち1998年6月以降に製造された車体は、キャブレターユニットが変更されており、この状態がブロードの最終的な仕様となった。

[編集] 特徴

[編集] 125cc級スクーター以上の安定性

ベース車両であるキャビーナは、屋根付きでも安定するよう可能な限りの工夫がなされていた。ホイールベースからして同社製のスペイシーより長いうえ、シート高も670mmとフュージョンに次いで低く、バッテリーや燃料タンクなどの重量物を車体中央部の低い位置に集中配置するなど、徹底した低重心設計が施されていたのである。
そのキャビーナから屋根を外したことは、本型式にとって、約10kgの重量物を高い位置から除去したことを意味しており、安定性の高さは125cc級スクーター以上のレベルにまで引き上げられている。

[編集] 250cc級スクーター並みの収容能力

キャビーナ譲りの大きなメットインは、公称容量36リッターと標準的な50cc級スクーターの約2倍である。本型式の後に発売されたマジェスティでさえも、初期型のメットインは本型式より小さいものでしかなかった事実を鑑みれば、本型式およびキャビーナの収容能力は、奇跡とでもいうべき高度なものだったといえる。実際の収容能力も、10kgの米袋を入れてなお余裕が残るほどであり、2007年現在でも250cc級スクーター並みの水準である。蛇足ながらメットインの「蓋」であるシートも、50cc級では異例のハイバックスタイルを採用しており、これまた250cc級スクーター並みに快適な座り心地である。
また、ハンドル直下の鍵付きグローブボックスは左右各1リッター程度の容積があり、さらにメーター両脇にもチケットスペース等の小物入れ(うち左側はキャビーナのウォッシャー液注入口跡)を備えるなど、細部への気配りも250cc級スクーター並みだった。

[編集] 驚異的な空力性能

キャビーナでは風洞実験を重ね空気抵抗の低減もある程度図られていたが、その効果は本型式において遺憾なく発揮されている。とりわけ、屋根の代わりに大型スクリーンを装備したことは、CD値を最小限に抑えつつ前面投影面積を減らす効果もあり、大き目の外見とは裏腹に空気抵抗は標準的な50cc級スクーターより低く抑えられ、巡航時の燃費性能はそれらを凌駕していた。また、側面積も減少したことから横風の影響も小さくなり、低重心設計とあいまって、全天候性能は標準的な50cc級スクーターはおろか、125cc級スクーターをも凌ぐ。

[編集] 意外に取り回しやすい操作性

125cc級スクーター並みに大きく重たい本型式は、標準的な50cc級スクーターと比べ、どうしても取り回しが難しいと思われがちだが、意外に取り回しは簡単である。車体後部に設けられるハンドリングバーは、通常は後部荷台の一部として据え付けられることが多く、その小ささや握りにくい形状のため力を入れにくい。本型式では、キャビーナと同様の専用ハンドリングバーのほか、屋根Bピラー基部を利用したロールバーをハンドリングバー代わりに使えるため、力まずともスムーズな取り回しができるようになっている。 また、キャビーナと同様にボディーマウント式の折り畳みミラーを標準装備しており、狭い場所での駐輪に威力を発揮する。ボディーマウント式の折り畳みミラーは、スクーターでは250cc級以上でも装備例が少なく、この点でも250cc級スクーター以上の豪華さを誇る。

[編集] 高度なバイタルパート防御

250cc級スクーター以上に優れた特徴としては、高度なバイタルパート防御も指摘されるべきだろう。元来はキャビーナの装備だが、折り畳みミラー自体が横転対策となっているほか、ミラー基部とBピラー基部にカバーが装着され、さらにフットフロア両側面にはクラッシュガードまで用意されている。これらの工夫により、横転時もエンジン等のバイタルパートへの被害は最小限に抑えられ、さらに本型式では屋根もないことから、防御性能は一層引き上げられている。

[編集] 慢性的な制動力不足

重量級の車体でありながら、ブレーキに用いられた形式および部品は、DJ-1などと同じく、本型式よりも軽量な車体と共通の仕様であった。このことは、車体重量と比べ制動能力が低いことを意味しており、制動力不足を懸念したユーザーのなかには、より強力な社外品のブレーキパッドへと交換したり、他の車種からホイールやフォークもろともディスクブレーキを移植する例もあった。

[編集] 敬遠された価格設定と車体規模

上記のように、本型式は概して250cc級以上のスクーター顔負けの充実した装備を誇り、一方では標準的な50cc級スクーターより使い勝手が良い面も備えるなど、実用的な設計となっていた。しかし、それらの特徴は製造コストの上昇を必然的に伴うものであり、販売時の実売価格は約20万円と、標準的な50cc級スクーターの2倍近い高額なものだった。加えて、排気量の割に大きく重い車体は鈍重で扱いにくい印象を与え、本来50cc級スクーターの主要購買層である若年層の男性には不評であった。
さらに、発表直後に発生した阪神淡路大震災の影響もあってか、ホンダ自体も本型式の宣伝をあまり行わなかったなど、営業面では全くといってよいほど運に恵まれなかった。

[編集] 排ガス規制強化と生産終了

性能面では立派だったにもかかわらず、営業面で不運続きだった本型式に、とどめの一撃となったのが1999年以降強化された排ガス規制である。同一エンジンを使用していたリードは、販売実績が良好だったこともあり、触媒採用の新エンジンに換装のうえフルモデルチェンジを果たしたが、本型式は生産台数が僅少であり、販売実績の回復の見込みも立たなかったことから、1999年7月製造終了のやむなきに至ったのである。
なお、1995年から1999年までの生産台数は公式発表されていないが、本田技研工業から販売されていたパーツリストに基づく推計では、50cc仕様が約3000台、90cc仕様が約2000台と見込まれている。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月27日 (木) 18:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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