ホークラックス

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ホークラックス(Horcrux)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズに登場する架空の魔法である。

[編集] 概要

ホークラックスは、を引き裂き、その断片を魔法器(物品でも生物でも可)に保存する魔法である。魂の断片を納めた魔法器そのものもホークラックスと呼ばれる(日本語版では分霊箱と訳された)。

ホークラックスに納められた魂の断片は魂をこの世に繋ぎとめる役割を持ち、“完全な死”を防ぐ効果を持つ。もし本来の肉体が破壊されても、魂の断片を納めたホークラックスが存在する限り、その者が本当の意味で死んだことにはならない。ただし分割された魂が全て滅ぼされた状態で本体が肉体的な死を迎えると、魔法を講じた者は死滅する。

ホークラックスを作った魔法使いが肉体を滅ぼされた場合、ホークラックスが無事であれば、ゴーストとも生命体とも呼べないほど弱いのような存在となる。肉体を得るには、何らかの蘇生魔法を使う必要がある。また、肉体を滅ぼされ魂のみの存在となっても、ホークラックスに保存された魂は消耗しない。

魂を引き裂くには、一種の生け贄として他者を魔法で殺害する必要がある(他者を殺害すると自分の魂が引き裂かれることを利用している)。殺害は直接的な方法(死の呪文の行使など)である必要はなく、間接的な方法、たとえばバジリスクに指示を出して殺害させるといった形でもホークラックスを作ることは可能である。また、作中のホラス・スラグホーンの発言から、引き裂いた魂を魔法器に保存するための呪文もあるようだが、作中では明らかにされていない。

他者の命を犧牲にして自らの命を補強するという特性から、ホークラックスは最も邪悪な魔法と見なされ、その存在は一部の者しか知らない。加えて存在を知る者でも、この魔法の真の「意味」や具体的な方法を知る者となると極めて少なく、ホグワーツ魔法魔術学校ではホークラックスの名を口に出すことすら強く禁じられている。スラグホーンは過去に、ホグワーツの図書室でホークラックスに関して微塵でも記述がある本を探すだけでも骨だと語っており、実際、図書室を長年利用し本の配置などにも詳しいであろうハーマイオニー・グレンジャーでさえ、「魔法の中で最も邪悪な発明。人はそれを説きもせず語りもしない…」という一文が記載された本を一冊見つけるのが限界だった(しかし後にハーマイオニーは、呼び寄せ呪文を使ってアルバス・ダンブルドアの書斎にあった「深い闇の秘術」を見つけることに成功した)。

ホークラックスを複数個作ることもできるが、そうした場合の効果の変化については不明。なお、作中でホークラックスを使用したのはヴォルデモートのみだが、3つ以上に魂を引き裂いた人物は魔法界の歴史においても他に存在しないだろうとされる。

ホークラックスは強力な魔法特性を持った物でしか破壊できず、また破壊されると魂を分割した本人は気付くようだが、ヴォルデモートは魂を分割しすぎたせいか、作中破壊されたことに全く気づかなかった。

分割された魂を元に戻すには良心の呵責が必要であり、自らを滅ぼすほどの苦痛が伴う。7巻で、ハリーがヴォルデモートに後悔をするよう説得する場面が見られるが、ヴォルデモートは最終的にこれを拒否した。

また人の心を支配する力があり、魂が保存された魔法器に執着心を持つとその人間は操られてしまう(作中ではトム・マールヴォロ・リドルの日記にジニー・ウィーズリーが操られた)。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 使用者

作中で実際にこの魔法を使ったのはヴォルデモートのみである。彼は自身の魂を7分割し、自身の肉体に残す1つ分を除いて6つの分霊箱を作ろうとした。しかし実際にはもう1つ、意図せずに作ってしまった分霊箱が存在する。

[編集] ヴォルデモートのホークラックス

トム・マールヴォロ・リドルの日記
リドルが学生時代に使用していた、薄くて小さく黒い日記帳。中身は白紙で、一見すると普通の日記帳であるが(この日記帳はロンドンの書店で売られていたものである)、6巻で実はホークラックスだったことが明らかになる。
16歳当時のリドルの記憶が保存されており、「秘密の部屋」の詳細が述べられている(つまりこの日記帳はリドルがサラザール・スリザリンの後継者であることを証明する品である)。
ヴォルデモートがポッター家を襲撃する前にルシウス・マルフォイに預けたが、ルシウスはこの日記帳が重要なものであると知らず、2巻でこの日記帳を使い「秘密の部屋」事件を引き起こす。その結果、ハリーにバジリスクの牙で日記帳を破壊されるという事態を招く。
ちなみにこの日記帳は嘆きのマートルを生贄にホークラックスにされた。
マールヴォロ・ゴーントの指輪
蘇りの石が埋め込まれた金の指輪。後にマールヴォロから息子モーフィンに受け継がれたが、自身の出自を突き止めたリドルは、ゴーント家を訪れた際にモーフィンから指輪を奪取。その後、トム・リドル・シニアを生贄にホークラックスにされた。
ヴォルデモートは、モーフィンがリドル一家殺人の罪でアズカバンに送られた後、指輪をゴーント家に隠したが、6巻でダンブルドアがゴドリック・グリフィンドールの剣を使って破壊した。
サラザール・スリザリンのロケット
スリザリン所縁の品。サラザールの末裔であるメローピー・ゴーントに受け継がれたが、カラクタカス・バークに騙されて手放してしまう。後にヘプジバ・スミスが購入したが、リドルはヘプジバを殺害しこれを奪取。マグルの旅行者を生贄にホークラックスにされた。
ヴォルデモートはロケットを海岸沿いの崖にある洞窟の奥、地底湖の水盆の底に隠している。地底湖に入る為には海水の中を泳いで扉を見つけ、そこで血を払わなければならず、地底湖に入った後も、亡者がいる中を、小舟で奥に向かう必要がある。更に水盆には毒のある緑色の液体が満たされており、飲むことでしか取り除くことはできなくなっている。
6巻でダンブルドアとハリーが奪取に赴いたが、その時には既にR.A.Bによって偽物にすり替えられていた。本物のロケットはブラック邸にあり、5巻不死鳥の騎士団の団員がブラック邸の掃除を行った時に一旦は捨てられている。その後クリーチャーが盗み出し自身の部屋に隠したが、マンダンガス・フレッチャーによって再び盗まれ、更に賄賂としてドローレス・アンブリッジの手に渡った。
7巻でハリー達3人が魔法省に忍び込んでアンブリッジから取り戻した後、ロン・ウィーズリーがグリフィンドールの剣で破壊した。
ヘルガ・ハッフルパフのカップ
ハッフルパフ所縁の品。ヘルガの末裔であるヘプジバ・スミスに受け継がれていたが、リドルはヘプジバを殺害しカップを奪取。ヘプジバを生贄にホークラックスにされた。
ホークラックスにされた後はグリンゴッツ魔法銀行のレストレンジ家の金庫に保管されていたが、7巻でハリー達が奪取。「秘密の部屋」にてハーマイオニーがバジリスクの牙で破壊した。
ロウェナ・レイブンクローの髪飾り
レイブンクロー所縁の品。ロウェナの娘であるヘレナが盗み、アルバニアの森に隠した。
リドルは学生時代にヘレナ(現「灰色のレディ」)から在り処を聞き出し、ホグワーツ卒業後にアルバニアを訪れて入手。アルバニアの農民を生贄にホークラックスにされた。
ホグワーツ魔法魔術学校の「必要の部屋」に隠されており、6巻ではハリーが「上級魔法薬」を隠す時に触っている。7巻でハリー達とドラコ・マルフォイビンセント・クラッブグレゴリー・ゴイルが「必要の部屋」で交戦になった際、クラッブの使用した「悪霊の火」によって偶然破壊された。
ナギニ
ヴォルデモートが飼っている雌蛇。
ダンブルドアは、フランク・ブライスを生贄にホークラックスにされたと推察しているが、7巻刊行後に行われた作者との質疑応答によると、実際に生贄になったのはバーサ・ジョーキンズである。
7巻でヴォルデモートがネビル・ロングボトムを「組分け帽子」もろとも焼き殺そうとした際、ネビルがグリフィンドールの剣を「組分け帽子」から取り出し、ナギニを切り殺した。
ヴォルデモートは6番目のホークラックスとして扱っていたが、実は7番目に作られたホークラックスであり、作中で破壊された順番も7番目(=最後)である。
ハリー・ポッター
ヴォルデモートが当時赤ん坊だったハリーに死の呪文を使った際、リリー・ポッターの愛による防御呪文で呪文を撥ね返された。この時、ヴォルデモート自身に残っていた魂の一部がハリーに引っかかり、ハリーは「ヴォルデモートが意図せずに作ったホークラックス」となってしまった。
しかし4巻で、ヴォルデモートは自身の甦りにハリーの血を使ってしまう。このことでヴォルデモートはハリーの血に宿るリリーの防御呪文までも取り込んでしまい、結果としてハリーはヴォルデモートの肉体が生きている限り死ななくなった(つまりヴォルデモート自身が「ハリーのホークラックスと同様の存在」になったと言える)。
7巻でヴォルデモートがハリーに対して死の呪文を使ったが、上記の通りハリーの魂はヴォルデモート自身に守られているためハリーは死なず、ハリーに残っていたヴォルデモートの魂だけが破壊される結果となった。器の破壊なくして魂の欠片だけを破壊された、法則に外れたホークラックスである。

最終更新 2009年10月18日 (日) 13:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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