ボイラー技士

ボイラー技士(- ぎし)とは、労働安全衛生法に基づく国家資格(免許)の一つで、各級のボイラー技士免許試験に合格し、免許を交付された者をいう。

目次

[編集] 概要

  • 病院、学校、工場、ビル、地域熱供給などの様々な場所で、資格の必要なボイラーを取り扱い、点検、安全管理を行う技術者である。
  • 近年、ボイラー技士資格の必要の無いボイラー及び多様な熱源設備が普及してきている。そのため多くの現場や企業では、ボイラー技士の資格を事実上、知識や技能を証明する検定試験的な捉え方をする場合が多くなっている。
  • 特級ボイラー技士は職業訓練指導員 (ボイラー科) 試験の受験資格が与えられると共に学科の一部と実技免除、一級ボイラー技士は同試験の受験資格のみが与えられる(免除無し)。

[編集] 区分

級の区分にかかわらず、全てのボイラーを取り扱うことができる。ただし、取扱者を統括する立場の作業主任者に選任されるには、次の区分に応じた級の免許が必要となる(ボイラー技士の資格について書かれている書籍雑誌等の中には、級によって取り扱える範囲や区分が異なるような記載がなされているものもあるがそれは間違い)。

  • 特級ボイラー技士 - 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる。
  • 一級ボイラー技士 - 伝熱面積の合計が500m²未満(貫流ボイラーのみを取り扱う場合において、その伝熱面積の合計が五百平方メートル以上のときを含む。)のボイラー取扱作業主任者となることができる。
  • 二級ボイラー技士 - 伝熱面積の合計が25m²未満のボイラー取扱作業主任者となることができる。

注)ボイラー及び圧力容器安全規則第二十四条2項による伝熱面積の合計とは、

  • 一  貫流ボイラーについては、その伝熱面積に十分の一を乗じて得た値を当該貫流ボイラーの伝熱面積とすること。
  • 二  廃熱ボイラーについては、その伝熱面積に二分の一を乗じて得た値を当該廃熱ボイラーの伝熱面積とすること。
  • 三  令第二十条第五号 イからニまでに掲げるボイラーについては、その伝熱面積を算入しないこと。
  • 四  ボイラーに圧力、温度、水位又は燃焼の状態に係る異常があつた場合に当該ボイラーを安全に停止させることができる機能その他の機能を有する自動制御装置であつて厚生労働大臣の定めるものを備えたボイラーについては、当該ボイラー(当該ボイラーのうち、最大の伝熱面積を有するボイラーを除く。)の伝熱面積を算入しないことができること。

(令第二十条第五号)

  • イ 胴の内径が七百五十ミリメートル以下で、かつ、その長さが千三百ミリメートル以下の蒸気ボイラー
  • ロ 伝熱面積が三平方メートル以下の蒸気ボイラー
  • ハ 伝熱面積が十四平方メートル以下の温水ボイラー
  • ニ 伝熱面積が三十平方メートル以下の貫流ボイラー(気水分離器を有するものにあつては、当該気水分離器の内径が四百ミリメートル以下で、かつ、その内容積が〇・四立方メートル以下のものに限る。)
正式表記については、上記のように「○級」は前置され、また、表示環境が縦書きか横書きかにかかわらず「○」の部分は算用数字でなく漢数字を用いる。
作業主任者の選任、取扱のできるボイラー設備
資格 伝熱面積500m²以上 伝熱面積25m²以上
500m²未満
伝熱面積25m²未満
(小規模を超える)
小規模ボイラー
作業主任者 取扱 作業主任者 取扱 作業主任者 取扱 作業主任者 取扱
特級ボイラー技士
一級ボイラー技士 ×
二級ボイラー技士 × ×
ボイラー取扱技能講習修了
(注:実技講習とは異なる)
× × × × × ×

[編集] 免許を受けることができる者

特級、一級の免許を受けることができる者は、試験合格のほかに実務経験(または、ボイラー及び圧力容器安全規則に規定する学歴、実地修習等)が必要になっている。試験の合格は、実務経験の条件を満たす以前でも、満たした以後でもよい。二級は試験に合格するのみで免許を受けることができる。

  • 特級
    • 一級ボイラー技士免許を受けた後、5年以上の取り扱い経験、または、3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験など
    • 特級ボイラー技士免許試験に合格
  • 一級
    • 二級ボイラー技士試験免許を受けた後、2年以上の取り扱い経験、または、1年以上ボイラー取扱作業主任者の経験など
    • 一級ボイラー技士免許試験に合格
  • 二級
    • 二級ボイラー技士免許試験に合格(または、ボイラー運転に関する規定の普通職業訓練を修了)など

[編集] 受験資格

  • 特級
    • 一級ボイラー技士免許を受けた者
    • 大学又は高等専門学校においてボイラーに関する講座又は学科目を修め卒業した者で、その後2年以上の実地修習を経たもの
    • エネルギーの使用の合理化に関する法律第8条第1項の熱管理士免状を有する者で、2年以上の実地修習を経たもの
    • 海技士(機関1、2級)免許を受けた者
    • ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が500m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
  • 一級
    • 二級ボイラー技士免許を受けた者
    • 大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校においてボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習を経たもの
    • エネルギーの使用の合理化に関する法律第8条第1項の熱管理士免状を有する者で、1年以上の実地修習を経たもの
    • 海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者
    • ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
    • 鉱山保安法施行規則附則第2条の規定による廃止前の保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
  • 二級
    • 大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校においてボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後3月以上の実地修習を経たもの
    • ボイラーの取扱いについて6月以上の実地修習を経たもの
    • ボイラー取扱技能講習を修了した者で、その後4月以上小規模ボイラーを取り扱った経験があるもの
    • エネルギーの使用の合理化に関する法律第8条第1項の熱管理士免状を有する者で、1年以上の実地修習を経たもの
    • 海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者
    • ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
    • ボイラー実技講習を修了した者(後述)
    • 海技士(機関4、5級)免許を受けた者で、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
    • 鉱山保安法施行規則附則第2条の規定による廃止前の保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの
    • 鉱山において、伝熱面積の合計が25m²以上のボイラーを取り扱った経験があるもの(ただし、ゲージ圧力が0.4MPa以上の蒸気ボイラー又は温水ボイラーに限る。)

[編集] ボイラー実技講習

  • ボイラー取扱いの実務経験を有しない者が二級ボイラー技士免許試験を受験する場合に、その前提として必要となる法定講習。都道府県労働局長の指定に基づき日本ボイラ協会、ボイラ・クレーン安全協会などの団体が定期的に開催している。日程は3日間。ボイラー取扱技能講習とは異なり、この講習を受けただけでは小規模ボイラーや小型ボイラーを扱うことはできない。あくまでも二級ボイラー技士免許試験の受験資格を得るための講習である。

[編集] 講習科目

  1. 点火(1時間)
  2. 燃焼の調整(7時間)
  3. 附属設備及び附属品の取扱い(6時間)
  4. 水処理及び吹出し(1時間)
  5. 点検及び異常時の処理(5時間)
※上記は法令上の順序であって、実際の講義順序は実施する日本ボイラ協会支部ごと、あるいは講師の都合等により変動する。
※上記の科目は座学が主体であるが、おおむね最終日(3日目)に4時間程度実施されるボイラー設備の見学、装置操作の疑似体験等も含まれる。
※筆記試験等は課されない。

[編集] 免許試験

  • 全国7か所の安全衛生技術センターで、特級は年1回、一級は2か月に1回位、二級は1か月に1~2回行われる。そのほか、各都道府県につき年1回程度の出張特別試験も実施される。

[編集] 試験科目

特級・一級・二級
  1. ボイラーの構造に関する知識
  2. ボイラーの取扱いに関する知識
  3. 燃料及び燃焼に関する知識
  4. 関係法令

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年6月13日 (土) 21:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ボイラー技士】変更履歴

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