ボーイング747-300

ボーイング747-300の最新ニュースをまとめて検索!

ボーイング747-300
Boeing 747-300

JALウェイズのボーイング747-300(リゾッチャ塗装、東京国際空港)

JALウェイズのボーイング747-300
リゾッチャ塗装、東京国際空港

日本航空
シンガポール航空
スイス航空
ヴァリグ・ブラジル航空
カンタス航空
など
  • 初飛行1982年
  • 生産開始:1982年
  • 運用開始:1983年
  • 運用状況:運用中

ボーイング747-300Boeing 747-300)は、アメリカボーイング社が開発した大型旅客機ボーイング747の派生モデルの一つ。2階客室部分を延長し客席を増やし、登場当時世界最大の客席数を持つ旅客機であった。「SUD(Stretched Upper Deck)」と呼ばれる[1]

目次

[編集] 概要

[編集] 開発の経緯

1970年に就航し、当時世界最大の旅客機であったボーイング747の2階客室部分を7.11メートル延長する[2]ことで、さらに客席を増やすことを目的に開発された

さらに、1975年に就航した胴体短縮型のボーイング747-SPが、胴体を短縮したが2階席を短縮しなかったことが副次的に機体にエリアルールにより即した形状をもたらし、最高運用速度がマッハ0.92(1095 km/h)、最高巡航速度マッハ0.88(990 km/h)に向上したことも、2階客室を延長したことで同じ効果が期待できる-300の開発を後押しした[3]

また-300は、平均で約10パーセントの座席増が可能となった上、エリアルールの効果により燃費も向上し、ボーイングの発表によると、これらの効果により座席当たりコストが-100/-200に比べて25%減ったとされ、航続距離も伸びることとなった[4]

[編集] 就航

シンガポール航空の747-300「BIGTOP」
大韓航空の747-300
コルスエールの747-300

1982年に初号機がロールアウトした後に、スイス航空へ納入された[5]。各国のフラッグシップを含む多くの航空会社が発注し、最初期に納入されたシンガポール航空では、「BIGTOP」の愛称を機体にペイントしたほか、広告でも同社を代表する機材として大きく取り上げていた。

また、日本のフラッグシップ・キャリアで、当時世界で最も多くのボーイング747を運航していた日本航空も、国際線の主要路線のみならず、国内幹線にも-300SR型を導入した(全日本空輸東亜国内航空は導入しなかった)。なお同機種は当時世界で最も多くの座席数を持つ旅客機であった[6]

他にも、キャセイパシフィック航空タイ国際航空マレーシア航空UTAサベナ・ベルギー航空ヴァリグ・ブラジル航空南アフリカ航空カンタス航空等で運航された。

[編集] 生産中止

しかし1980年代後半に入ると、-300をもとにフェアリングの改良とウィングレットの追加、さらにコクピットを大幅改良し2人乗務を実現した改良型の-400の開発が始まったことを受け、1990年に納入された機材を最後に生産が中止された[7]。なお、ボーイング747の派生形では唯一、生産国のアメリカの航空会社から発注のないままに生産が中止された機材となった。

なお、最後期に生産され日本航空などに納入された-300は、-400と同じ改良されたフェアリングとなっている[8]ほか、エア・インディアが保有している(かつてタイ国際航空とヴァリグ・ブラジル航空も保有していた)-300は、「747クラシック」の特徴であった主翼端のHFアンテナも無い機材上、エンジンも-400と同じGE社のCF6-80C2を搭載しているため、窓等一部違いはあれど外見上は747-400D型と区別が付かない。

[編集] 現在

1990年代後半に入り、ボーイング747-300を導入した航空会社においてもボーイング747-400の導入が進んだ上、旧式の機内エンターテイメントしかもたないボーイング747-300は主要路線から外され、日本航空などにおいては団体ツアー客が多いリゾート路線などに回されることが多くなった。

さらに2000年代に入ると、同程度のキャパシティを持つものの燃費効率に優れたボーイング777-200/300などの新型機材の導入が進み、さらに機齢が20年を超えるものの増えてきたために、日本航空やキャセイパシフィック航空、KLMオランダ航空などの主要航空会社からは次々と退役することとなった。

現在はその多くの機体が、中古機として払い下げられエアアトランタやワン・ツー・ゴー、コルスエールなどの団体ツアー向けのチャーター便を主体とする航空会社で使用されており、また、貨物型に改修され使用されている機体も多い。

[編集] モデル

[編集] SR-300

日本航空の747-300SR
南アフリカ航空の747-300コンビ

1988年にSR-100型の後継機として日本航空に納入された機体。2階席部分の客室が延ばされたために、国内線仕様で483席と当時としては世界最大の座席数を誇っていた[9]。このSR-300は世界でも4機しか生産されておらず、導入した航空会社も世界中で日本航空のみである(その後系列会社のJALウェイズも使用している)。機体そのものは-300型だが、日本国内での特殊な運航事情に合わせSR-300型や後継機の-400D型と同じくボディ補強が施されている[10]

エンジンは、ベースとなった-300と同じJT9D-7R4G2エンジンを搭載する。そのため、国際線仕様機への改造(最大離陸重量の引き上げ、内装の一部改修等)を施せば中・長距離路線へ投入が可能である。納入直後からSR-100型のより直接的な後継機となる-400Dの納入が開始されたため、SR-300型は全て中長距離路線就航に合わせた改修を受け、日本-ホノルル線などで活躍し、2009年7月24日の那覇東京行のJL3946便(機体番号JA8183)をもって有償飛行を終え、日本航空から引退した[11]

[編集] -300コンビ

-300ではキャパシティが大きいと判断した航空会社のために、後部客室部分を貨物室にした貨客混載型も開発され[12]エア・インディア南アフリカ航空KLMオランダ航空などで運航された。なお2階客室を延長しても貨物の積載量は増えないことから、貨物型は開発されなかった。

[編集] -100/SUDと-200/SUD

座席当たりコストが向上した効果を受けて、KLMオランダ航空など一部の航空会社では、-100型や-200型を改造して-300型のような胴体にしたところ[13]や、日本航空のように製造段階で-100の胴体を-300と同様にしたケースもある[14]。このような機体は「-100/SUD」、「-200/SUD」と呼ばれ、-300とは区別される。

[編集] 主な顧客

日本航空の747-300
スイス航空の747-300

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ Boeing 747 Classics
  2. ^ Boeing 747 Classics
  3. ^ 「月刊エアライン」2009年3月号 イカロス出版
  4. ^ Boeing 747 Classics
  5. ^ 「月刊エアライン」2009年3月号 イカロス出版
  6. ^ 「JAL Story」P.60 イカロス出版 2008年
  7. ^ 「月刊エアライン」2009年3月号 イカロス出版
  8. ^ 「JAL Story」P.59 イカロス出版 2008年
  9. ^ JAL 747 Classic Forever
  10. ^ 「JAL Story」P.60 イカロス出版 2008年
  11. ^ JAL 747 Classic Forever
  12. ^ 「747ジャンボを作った男」ジョー・サッター/ジェイ・スペンサー著 日経BP社 2008年
  13. ^ 「月刊エアライン」2009年3月号 イカロス出版
  14. ^ JAL 747 Classic Forever

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月5日 (木) 12:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ボーイング747-300】変更履歴

ご利用上の注意