ボールペン

ボールペンの最新ニュースをまとめて検索!

ボールペン

ボールペンは文字や図形を描くために使用する筆記具。文房具の一種である。先端に金属又はセラミックス(ごく一部ボールpentelのように樹脂のものも存在する)の極小のボール)が填め込まれており、このボールが筆記される面で回転することにより、ボールの裏側にある細い管に収められたインクが送られて、線を描くことができるペンの一種。この一連の機構がユニット化されたものをレフィルと呼び、ペン軸の内部に収めて使用する。

このボールペンという名称は和製英語であり、英語では ballpoint pen (ball-point pen) と呼ばれる。また、イギリス英語オーストラリア英語では biro という名称も用いられる。

目次

[編集] 特徴

現在では太さ、色、インクの特性、ペン先の繰り出し方などにより多くの種類が存在する。ボールペンの特長として、独特の構造により弱い力でスムーズな線を描ける事などが挙げられる。ペン先が硬く筆圧を加えやすいので、カーボン紙感圧紙を用いた複写カーボンコピー)にも適している。安価なので企業の広告宣伝用に企業のロゴを軸にプリントしたものが配布されることもしばしばである。ボールペンの欠点としては、凹凸面があるとボールがうまく回転せず、筆記した線が湾曲してしまう点、長期間の放置に弱い点がある。

ボールペンは重力の影響を受けるため、先端を上に向けた状態では筆記できない。水平以上の角度で字を書くと、だんだんインクが出なくなる。微小重力の宇宙船内などでは、インクを窒素ガスで強制的に送り出す、俗に宇宙ペン(スペースペン)と呼ばれる特殊なボールペンが使われている。ロシアの宇宙飛行士達は、普通のボールペンも使っていた[1]

[編集] 構造

ボールペンの先端

ボールペンの先端(チップと呼ばれる)は金属製の台座に金属又はセラミックスのボールを自由に回転できるようにして固定された構造をしており、ボールペンの性能を左右する先端の加工は特に重要で高度な技術力が要求される。ボールペンチップの材質は様々であり、以下に主なボールペンチップの材質を挙げる。

[編集] チップ材質

  • 快削黄銅
    • 加工しやすく安価に製造できるが、寿命が短い。
  • 白銅
    • 上に同じ。耐食性は黄銅より比較的良好。
  • ステンレス
    • 比較的磨耗に強く、寿命が長い。日本で生産されるボールペンチップの多くは、この材質。

[編集] ボール材質

  • ステンレス鋼
    • 安価に製造できるが比較的寿命が短い。
  • 超硬合金
    • 主に炭化タングステンが使用される。寿命が長い。
  • セラミックス
    • 主にアルミナが使用される。磨耗が少ないため寿命が長い他インクに対して化学変化を起こさず、表面に微細な凹凸がありインクのノリが良い。
  • 人造宝石
    • ルビーは摩擦係数が小さく磨耗が少ないため高級ボールペンに使用される。

[編集] 軸材質

  • 合成樹脂
    • 最も一般的な軸材質。安価で大量に生産できるため多く使用されている。
  • 金属
    • 一部の高価なボールペンで使用されている。合成樹脂に比べて本体を小型化できる利点がある。
  • 木材
    • 材質に狂いが生じやすいため一般に使用されることは殆どない。
  • セルロイド
    • かつて万年筆用に大量に使用された素材。一時は合成樹脂の登場により姿を消したが昔ながらの風合いを重視し現在も細々と使用されている。
  • エボナイト
    • 上記に同じ。紫外線で劣化するが漆黒の美しい光沢を呈する。
    • ドイツで考案された軸材質。何重にも巻いたクラフト紙の厚紙でできた紙管を使用する。ロゴを印刷できる面積が広く取れリサイクルが容易であるため企業の宣伝用として多用される傾向がある。

ボールペンはボールを周りのカシメによって支持するため、寝かせて書くとカシメが擦れて故障の原因となる恐れがある。また、ペン先内部にボールを支える為の受座があるので、受座がボールを正しい位置で支えられる角度で筆記するのが良いとされる。よって筆記時には万年筆と違い紙面に直角に近い角度(60~90度が望ましいとされる)を保ち筆記することが求められる。

[編集] 歴史

ボールペンを発明するにあたっては、ペン先用極小ボールの高精度な加工・固定技術と、高粘度インクの開発が必要であった。従来の低粘度インクでは、ボールの回転と共に多量のインクがにじみ出してしまい、シャープな線を描けなかったのである。

  • 1884年アメリカ人のジョン・ラウドが着想しているが、インク漏れを防止できず実用にならなかった。
  • 1943年にユダヤ系ハンガリー人のジャーナリスト、ビーロー・ラースロー(László Bíró)によって世界初の近代的ボールペンが完成する。すぐにレイノルズ社とエバーシャープ社が量産化、戦後アメリカでブームとなったが、インク漏れをほぼ完全に防止でき、安定した製品が市場に出されるのは、1950年代に至ってからである。
  • 1949年OHTOが世界に先駆け鉛筆型ボールペン、並びに証券用インクを開発。
  • 1964年OHTOが水性ボールペンを世界で初めて開発。以降、各社から多彩な水性ボールペンが発売されることとなる。
  • 1965年ポール・フィッシャーが窒素ガス加圧式のスペースペンを開発。後にNASAにも採用された[2]
  • 1982年サクラクレパス分散系チキソトロピー現象を応用した水性ゲルインキを開発・特許を取得した。その後国内各社も高性能ゲルインキボールペンの開発に着手、ボールペンの性能は飛躍的に上がり、ボールペンの活躍の場を大いに広げた。

当初は高価で普及せず、公文書に用いることも認められなかった。しかし、量産効果と改良で品質改善・低価格化が進み、公文書への使用が可能となった。1970年代以降は万年筆つけペンに代わる、もっとも一般的な筆記具となっている。

[編集] 種類

ボールペンは、使用するインクの特性により分類される。油性ボールペンが先に発明され、最も普及し一般的とされるが、後発の水性ボールペンも発色性が良く低筆圧で筆記できることなどから、徐々に普及していった。水性ボールペンはローラーボールとも呼ばれる。さらに近年、油性ボールペンと水性ボールペンの良さを併せ持ったゲルインクボールペンが開発された。

[編集] 油性ボールペン

ボールペンの中でも、一般的に使用頻度が高く、数多くのメーカーが生産している。そのため、安価で手に入りやすいというイメージが強い。そのため、単にボールペンと呼ぶ場合は、油性ボールペンを指すことが多い。インクの粘度が高いため、インクの滲みが少なく裏移りがないなどの利点がある。インクが固まりやすいため、長時間保管するのには注意が必要なのが欠点であるとされてきた。インクが途中で固まった場合、ライターの火を近づけて温めるとインクが溶けて再び書けるようになるという俗説があったが、温め過ぎると今度はインクが固化してしまい書けなくなってしまう。近年は、インクの固まりを抑えて長時間保管しても書き味が維持できる「低粘油性インク」が開発されている。

[編集] 水性ボールペン

やや後発のボールペン。油性ボールペンよりやや価格が高く、日本では あまり普及していない。インクの粘度が低いため、さらさらとした感じの書き味が魅力である。油性ボールペンに比べ書き味、色の発色性の面で優れている。長期保管にも耐えられる。しかしドライアップ(装填しているインクが乾燥し、使用できなくなる現象)しやすいため、使用後はキャップを確実に閉めなければならない。水に濡れるとインクが流れて字が消えてしまう弱点もある。万年筆の構造を踏襲した従来品よりもインクの流れが改善してある水性ボールペンが登場している。

[編集] ゲルインクボールペン

近年開発された、比較的新しい種類のボールペン。ゲルの持つ特性を利用したインクで、油性ボールペンの使い勝手の良さと水性ボールペンの発色性の良さを併せ持っている。ゲルインクは、リフィル内部では高粘度のゲル状だが、ボールが回転すると速やかにインクが粘度の低いゾル状になり、インクがペン先から滲出する。滲出したインクが紙面に付着するとインクが直ちにゲル化するためインクの滲みが少なく乾燥も早く、発色も鮮やかである。インクがゲル化して紙面に付着する性質を利用した消しゴムで消せるゲルインクボールペンも存在する。

[編集] 規格

ペン先用ボールの太さは1.2mm(B) 1.0mm(M)、0.7mm(F)、0.5mm(EF) のものが主流だが、1.4mm、1.6mm の太いものや、0.4mm、0.3mm、0.25mm、0.18mm といった極細のものも登場してきている。一般的に同じ太さのボールでは油性ボールペンより水性ボールペンやゲルインクボールペンの方が筆跡が太くなる。

[編集] 高級品

万年筆ほどの種類はないがボールペンにも蒔絵漆塗などを採用した非常に贅沢な品がいくつか存在する。また。老舗万年筆メーカーは、主力製品である万年筆とセットで、ほぼ同じデザインの油性ボールペンとローラーボールを販売することが多い。しかし、これら高級ボールペンのレフィルは、普及価格帯の製品と同レベルである。ペン先の品質が差別化される万年筆などとは異なり、ボールペンの高級品は、ただファッション性や審美性においてだけ差別化されていると言える。

[編集] 脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ NASAがフィッシャーに開発を依頼したとか、NASAが開発に巨費を投じたとかいった言説が宣伝やジョークとして流布しているが、実際にはNASAはスペースペンの開発には関与していない[2]

[編集] 関連項目

ウィクショナリー
ウィクショナリーボールペンの項目があります。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月11日 (水) 05:40 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ボールペン】変更履歴

ご利用上の注意