ポイントサービス

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ポイントサービスとは、各種の商品・役務の購入金額あるいは来店回数等に応じて、一定の条件で計算された点数(ポイント)を顧客に与えるサービスである。そのポイントは、(多くの場合)次回以降の商品・役務の購入時などに利用しうる。小売業やサービス業(専門店系チェーンストアや、ホテルクレジットカードなど)で多く行われている。航空会社でも同様のシステムがあり、マイレージサービスと呼ばれる。昨今は、レジ袋が不要の客にポイントを与える事もある。

典型例としては「1%のポイント付与、1ポイントを1円として利用可能、ただし利用は次回以降」というようなサービスが挙げられる。この例の場合、1万円の商品・役務を購入すると100ポイントが付与され、そのポイントを次回来店時以降100円として利用できる。

マーケティング用語の1つで、この語自身は日本でしか通じない和製英語である。

目次

[編集] 歴史

商品を近所の店舗の店頭で直接購入することが主流であった頃には、顔なじみの客には割引やおまけといったサービスが行われていた。あるいは、割引券を与えることもあった。それを定量化、システム化した形態と考えられる。

一方で、商店街活性化、客の呼び込みの一貫として、商店街共通のスタンプカードに、店舗で買い物をする度に支払額に応じたスタンプを押すことも行われた。これも、現在では商店街共通のポイントカードに置き換えられている。

また、頻繁に利用する顧客、いわゆるお得意さんの囲い込みを図るLoyalty program , Frequent Shoppers Program (FSP) または Frequent Flyer Program (FFP) の手段としても発達した。

[編集] 意義

ポイントカードを個人に配布した場合、顧客の購買状況などがPOSを通して把握できることから、ポイントカードは小売店側の利益にも繋がる。顧客の購買状況は小売店の商品発注や卸業者の商品開発・企画にも重要な情報源となるため、小売店が卸業者に対して情報を売ることができる。

マイレージサービスは、航空会社間の競争の中で、顧客の囲い込みの手段として発展してきた。

一方で、家電量販店などにおける、販売価格の1割以上を超すようなポイント還元サービスは、実際の所はポイント還元分を本来販売すべき価格に上乗せしているに過ぎず、販売促進の枠を超えて、顧客が自ら費用を負担して囲い込みされているに過ぎないという指摘もある。一部の量販店では、ポイント還元分をポイントサービスに充当するか、または還元分を値引きして販売するか(その場でキャッシュバックということになる)、客に選択させる場合もあり、ケーズデンキのようにポイント制を導入せず「その場でズバッと現金値引き」をモットーにしている家電量販店もある。

参考:100円の商品を10%引きで買うと11個では990円となる。ところが、100円の商品を10%ポイント還元で買うと、10個買って1,000円+100ポイントになる。もう1個をポイントで買うと、11個買うのに1,000円支払うことになり、客にとっては割高になる。逆に店からすれば10円余計に取れることになるが、ポイント還元のためのシステム費用がかかるので10円まるごと儲けにはならない。

ただし、顧客は必ずしも割引率を合理的に計算して判断しているとは限らない。ポイントをためられることが顧客の心理に与える効果も無視できないという見方もある[1]

[編集] 運用形態

クレジットカードの様に、決済時に自動的にポイントを付与するものや、専用のポイントカード、レンタルビデオの会員証を作成して、支払い時に提示するとポイントを付与するものがある。また、ポイントカードや会員証にクレジットカード機能を合わせた物もある。近年は生協もポイントサービスを取り入れている。

[編集] クレジットカード

店頭での決済、ネット上での決済、何れの場合でも、クレジットカードを使用した決済では、自動的に決済高に応じた点数が加算、記録される。リボルビング払いで決済するとポイントを割増にする等の特典が付与されていることもある。一定の点数に達すると、予め用意された賞品との交換や商品券との引き換えを行う。また、ポイントを、ネット上のショッピングの決済に充当することができるものもある。取得したポイント毎に一定の有効期限が設けられていることが多い。

なお、特定の決済がポイントサービスの対象とならないカードや、ポイントサービス自体が存在しないカードも一部存在する。

[編集] 専用のポイントカード

業者が発行する専用のポイントカードを、商品の購入時に提示する事でポイントサービスの対象となる。形式としては、消費者を業者が運営するポイントサービスシステムに参加する会員とし、その会員証がポイントカードという形を取る事が多い。 無償で発行する業者と、所定の料金をとって発行する業者がある。購入金額に応じて発生したポイントが加算、記録される。ポイントを次の商品の購入時に支払いに充当して実質的な割引を行う形式と、一定の点数に達したら商品券との引き換えを行う形式がある。 有効期限については、取得したポイントごとに所定の有効期限をもつものと、カードを一定期間内に提示してポイントの出し入れをすれば有効期限を繰り越せるもの、例えば最後にポイントの出し入れがあってから1年有効など、があり、発行元によって異なる。

加算するポイントの換算率や条件の提示に際しては、主に現金・デビットカードによる支払い時の率を表示する事が多い。クレジットカードによる決済ではポイントの率を下げたり、ポイントの加算を行わないこともある。また、セール期間中はポイントの率をアップすることもある。

業者が発行する提携クレジットカード(ハウスカード)がポイントサービスを担うことも多い。或いは、ポイントサービスの会員証にクレジットカード機能を付与する事もある。これも広義でハウスカードと見なせる。

[編集] 会員証

レンタルビデオなどの会員証をそのままポイントカードとして用いる(例.TSUTAYAなど)。会員証そのものがポイントカードになるので、特に料金は必要としないが、有効期限(1年の物が多い)があるので、継続しないとポイントは失われる。

[編集] マイレージサービス

特に航空会社で行っている同様のサービスは、マイレージサービス(英語"Frequent Flyer Program" = 頻繁に飛行機を利用する人のプログラム)という。マイレージサービスでは利用ポイント点数をマイルと呼ぶ。航空会社が専用のカードを発行したり、ハウスカードにポイントサービスを担わせて、搭乗時にこれらを提示することでマイルを付与する。複数の会社でグループ(航空連合)を作り、そのグループ内の会社間では共通にマイル加算や賞品などの引き換えが可能である。詳細はマイレージサービスを参照のこと。

[編集] 商店街・ショッピングモール

商店街や、ショッピング・モールデパートのテナント相互で共通のポイントカードを発行しているところもある。ポイントサービス加盟店で買い物をするとポイントが加算され、所定のポイントに達すると加盟店共通の商品券などと交換する形態が多い。セール時には、くじ引きでポイントアップする事もある。

また、SuicaPASMOIC乗車カード全てがそのままポイントカードとして利用できる、地域ポイントカードのシステムが開発・運営されており、東京都内のJRや私鉄沿線の商店街では利用客の大多数がSuica等を所持・携帯していること、新規カード発行費用の負担削減、等の理由からこのシステムを導入する動きが広まっている[2]

[編集] 生協

生協では年度毎に利用高割り戻しを行うが、近年は、これに代えて店舗利用者にポイントサービスを取り入れるところもある。組合員証がそのままポイントカードとして使われる(例 コープこうべコープさっぽろ)。なお、生協によってはためたポイントを出資金にあてることも可能で、その出資金は組合員解約時に返還されるため、実質ためたポイントを現金還元することも可能な場合もある。

[編集] 買い物袋

小売店等でポイントサービスを扱う場合、買い物袋、ポリ袋(レジ袋)が不要であると告げると、所定のポイントを加算するところもある。なお、現在でも「買い物袋カード」として独立したスタンプカードの形式を取り、所定のスタンプを押す形式の物もある。

[編集] 共通スタンプ

昭和30年代に始まった全国共通のポイントサービス。同サービス加盟店で買い物をしたりサービスを利用することで、トレーディングスタンプと呼ばれる切手状のシートが利用者に提供される。このスタンプを専用台紙に貼り付け、共通スタンプ運営元の会社に送付することで、同社が発行するカタログに記載されている商品と交換することができる。現在ではカード型のポイントサービスに形態が変化しているが、以前のスタンプでの商品の交換に応じる例が多い。(例:グリーンスタンプブルーチップ

[編集] 提携

従来はポイントカード等を発行した業者自身がポイントの授受、商品や商品券の提供を行い、他では使えない閉じたシステムであった。1990年代後半より、複数の業者で提携して、相互にポイントを交換することも出来るようになった。

[編集] マイレージとの交換

航空会社と提携して、マイルをポイントと相互に交換することが可能なものがある。

[編集] 多業種の提携

  • ドコモアライアンス、楽天アライアンス、Tポイントアライアンスなどが大手で、競争が激化している。

また、今後は、セブンイレブンのnanaco、ビットワレットのEdy、Tポイントアライアンスを脱退したローソンも加わったイオンのWAON、そしてJR東日本のSuicaといった電子マネーがポイントアライアンスを開始する動きを見せている。

[編集] ネットショッピング

業者によっては、提携したネット上の店舗の支払いにポイントを充当することも可能である。この場合には、予めメールアドレスを介した認証を行い、所有するポイントカードの番号を入力してポイントの取引を行う。クレジットカードのポイントサービスで良く見られる。

[編集] 提示による割引

ファーストフードなどの外食店と提携し、近隣の店舗のポイントカードを提示すると、割引販売を受けられるところもある。

[編集] 大学

大学と提携し、講義を受講して所定の成績を取ると、それに応じたポイントを提携カードに加算するところもある。

[編集] 問題点

[編集] 法人取引

ポイントサービスは基本的に個人向けのサービスであるが、発行元によっては法人名義のカードを作る事も出来る。 ところで、業務に伴い法人の資金で物品やサービスを購入する場合、付与されるポイントは法人に帰属するべきであり、法人カードがあれば、そこへ付与するようにすれば良い。 しかし、法人カードをつくれない場合には個人名義のカードに入れざるをえない。 また、担当者が故意に自身のカードにポイントを入れる事も考えられ、その様な場合の扱いが問題となる。 ポイントを個人のカードに入れる事を許すと、出張の多い人、物品の購買担当者などが、会社の金でマイルやポイントを獲得して私するとして、不公平であるとの声もある。しかし、その一方で出張時に雇用者に出張費用を立替をさせているケースも多々ある。その結果、立替期間は企業から労働者への借金と見なせるため、精算までの期間の金利を支払えと反論されるケースもあり(とくに大学などの教育機関で見られる。年度予算執行の関係上、4月の出張旅費の費用精算が7月までずれ込むケースも見られる)その金利分の代償としてマイルを個人帰属としているケースも見られる。 このような場合におけるポイントの取り扱いについて社会的な合意は得られておらず、各々の法人・組織で対応が分かれる。 例えば、官公庁では会計検査院法務省では、出張に伴って付与されるマイルを受け取ってはならないと規定しているが、その他の省庁では個人の判断に任されている。 一般企業においても、明確に取り扱いが定められていれば、それに従う必要がある。更に、マイレージの場合は、一定期間内に一定量の搭乗マイルを獲得することで特別なサービスを受けられる事がほとんどであり(JALグローバルクラブ等参照)、これもポイントサービスの一環であることを考えると、法人と個人のポイントを切り分けるのが困難になりつつあるとも言える。

[編集] 会計上の扱い

ポイントはポイントを発行する側において、将来の値引きを約束するものである。 このため、一種の負債として扱う事が可能であり、ポイント引当金として貸借対照表などに記載されることがある。 計算そのものはプリペイドカードの扱いと変わらず、 例えばプリペイドカードを顧客に販売したものの、紛失等で結局使われない場合であっても、その負債は会計上解消されない。 同様に、顧客が獲得したポイントが永遠に有効で使用されないままであると、会計上負債が残ったままになるという可能性もある。 ポイントサービスの多くはポイントの有効期限を定めているが、これは会計上においてポイント負債が恒久的に蓄積されるのを防ぐ役割を果たす。

例えば、クレジットカードのポイントや航空機のマイレージではポイント獲得した翌年度や翌々年度末まで有効などという有効期限を定める例が多く、家電量販店では最後にポイントを獲得してから一定の年月は有効などの規定が多く見られる。 特に家電量販店のように売上高と比較して大量のポイントを発行した場合、資産に対するポイント負債の割合が多くなり、会計上の健全性の判断が難しくなるため、ポイントに有効期限を定めるのは会計上有効であると言えるだろう。ただし、顧客との契約概念に着目すれば、商品の対価に上乗せする形で金銭を預かり、これが一定期間後に一方的に利得とされることが公正な商取引と言えるかどうかは疑問の残るところであり、そもそも単純な商取引として完結すべきところへ会計上の健全性を損ねかねない曖昧な預かり金制度を介在させることの妥当性も論じられるべきであろう。

また、発行元が倒産した場合のポイントの扱いも現時点では不明瞭である。マイレージサービスでは航空会社が倒産した際に獲得したマイルが保全された例があるが、その他のポイントサービスでは、実例が無く、他の債権と同様に扱われるのか、また、債権と認められるならその優先順位はどうなるか、未確定の部分が多い。そのため、2007年1月6日経済産業省がポイントサービスに関するルール作りを進める方針を明らかにした。

[編集] 課税

現時点(2007年9月)では具体的な課税の有無や、その方法は定められていないが、獲得したポイントについて課税の対象とすべきか、また、ポイントを使った決済についての課税(消費税との二重課税の関係など)はどうするか、についての議論がある。

[編集] 日本における歴史

  • 1958年 - 共通スタンプサービスグリーンスタンプ創業。
  • 1962年 - 共通スタンプサービスブルーチップ創業。
  • 1979年 - 全国レコード商組合連合会が加盟店のサービス券(貯めた枚数に応じて割引を実施)発行を止めさせていることが独占禁止法違反に問われ、この一件を契機に音楽ソフトのポイントサービスは事実上、解禁される。
  • 1980年代 - この頃にはクレジットカードの利用金額によるポイントサービス(点数に応じて希望があれば商品券などを提供する)が既に行われていた。
  • 1989年4月 ヨドバシカメラがヨドバシポイントカードを発行。
    • ヨドバシカメラの「ゴールドポイントカード」には、初めてポイントサービスを開始した旨の表記がある。
    • 以後、主要なチェーンストアがポイントサービスを始めるようになる。
  • 1995年頃から、アメリカ系航空会社がマイレージサービスを日本でも始める。
  • 1997年頃から、日本の航空会社がマイレージサービスを始める。アメリカに遅れを取ったのは景品表示法の規制があったためといわれる。
  • 2000年頃から、航空会社グループ(アライアンス)の結成が行われ、グループ内で獲得点数の相互加算や利用が行われるようになる。
  • 2004年頃から、書店でつくる日本書店商業組合連合会などがヤマダ電機を始めとする家電量販店が書籍や雑誌をポイントカードの対象とする行為は再販売価格維持契約に違反していると主張し、ポイントの引き下げなどを求めていた。ところが、公正取引委員会が独占禁止法違反に該当するとの見解を示したことから日書連は一転して2005年2月にポイントカード受け入れを表明した。
    • 以後、TSUTAYAを始めとするレンタルビデオ店や電鉄系の書店を中心に新規のポイントカード発行やデパート・ショッピングモールのポイントカード加入が一気に広まっている。
    • 但し、出版流通対策協議会は日本書店組合連合会が受け入れを表明して以降も「ポイントカード絶対反対」の姿勢を崩さず、加盟する出版社に自社の出版物をポイントサービスの対象外とすることを契約に明記するよう奨励している。
  • 2008年インターネットポイント・マーケティング業界の啓発活動と健全なる発展を促進するために、日本インターネットポイント協議会設立。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目

最終更新 2009年8月1日 (土) 14:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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